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第25回国民文化祭・おかやま2010

おかやま国民文化祭
第25回国民文化祭・おかやま2010
岡山県では、「晴れの国おかやま 文化回廊」をテーマに、「第25回国民文化祭・おかやま2010」(愛称:「あっ晴れ!おかやま国文祭」)を、平成22年10月30日(土曜日)から11月7日(日曜日)までの9日間にわたり、県内全27市町村で開催しました。
第25回という節目にふさわしい祭典となるように努めるとともに、この開催を通じて、日本文化をしっかりと捉えることはもとより、岡山県内各地域でこれまで培われてきた伝統文化、地域の個性豊かで多彩な文化、国内外の素晴しい文化に触れるとともに、新たな岡山県の文化の創造につながるような大会を目指しました。

開会式・オープニングフェスティバルシンポジウム「地域と『文化』」合唱の祭典

開会式は桃太郎アリーナで皇太子殿下御臨席のもとに開催。続くオープニングフェスティバルでは、約850人の出演者がイメージソング「愛の雫」をモチーフとした一大舞台絵巻おかやま文化ステージ「愛の雫」を繰り広げ、演技や演奏などで豊饒多彩な郷土の文化を紹介して国民文化祭の開幕を飾りました。この開会式をスタートに、県内全27市町村で地域の誇る文化や歴史などの事業を展開しました。シンポジウムでは、「地域と『文化』」、「古代吉備の風景」、「江戸時代の国際文化交流」をテーマに、岡山の先人達のアジアとの関わりや足跡等を振り返り、アジアの一員として現代に生きる私たちの考え方や行動に生かす方策を探りました。分野別フェスティバルの音楽部門では、「合唱の祭典」、「吹奏楽の祭典」、「民謡・民舞の祭典」など12事業を実施しました。

演劇祭(ミュージカル)洋舞フェスティバル盆踊りフェスティバル

演劇・演芸部門では、「演劇祭(ミュージカル)」、「大道芸・人形劇フェスティバル」など3事業を実施しました。
舞踊部門では、「日本舞踊の祭典」、「洋舞フェスティバル」の2事業を実施しました。
伝統芸能では、「盆踊りフェスティバル」、「神楽フェスティバル」など7事業を実施しました。

文芸祭(現代詩)陶芸の祭典吉備真備と囲碁の祭典

文芸部門では、「文芸祭(現代詩)」、「文芸祭(漢詩)」、「文芸祭(俳句)」「文芸祭(短歌)」「文芸祭(川柳)」の5事業を実施しました。美術部門では、「メディア芸術祭」、「~マリンたまの絵手紙展~」、「陶芸の祭典」など14事業を実施しました。生活分野部門では、「生活文化・暮らしと味わい総合フェスティバル」、「吉備真備と囲碁の祭典」、「棚田フェスティバル」など11事業を実施しました。

金比羅往来ロマンフェスティバル科学フェスティバルあかいわ ART RALLY 2010

歴史文化部門では、「金比羅往来ロマンフェスティバル」、「出雲街道交流フェスティバル」など4事業を実施しました。文化一般部門では、「科学フェスティバル」、「木と人の温もり」など4事業を実施しました。その他の部門では、街中が文化に彩られた「あっ晴れ!おかやま提案事業」(1事業29メニュー)を実施し、県内外からの観客に舞台芸術の素晴らしさ、岡山の誇る文学や歴史を堪能していただきました。

日韓現代美術「紙」往来展夜蜘蛛ミュージカル「備中玉嶋湊物語」

また、期間中は、68事業に加え、さらに、応援事業、協賛事業も各地で展開され、おもてなし活動や事業の運営に多くのボランティアが活躍し、文字通り県民総参加にふさわしい祭典となりました。

江西省雑技団(シンポジウム)コンサーバトリ・コンサート・ジャズ・バンド(ミズーリ州)備中温羅太鼓(韓国派遣)

国民文化祭の開催期間中、海外から多数の文化団体が岡山県を訪れ、舞台披露のほか、小中学校や福祉施設などで直接交流したことにより、県民が海外の文化に直接触れる貴重な体験をすることができ、地域住民や子どもたちの異文化に対する理解が深まりました。また、海外から来県した団体は、国民文化祭の他のイベントを見学したほか、県内各地を視察し、多様な日本文化と岡山県の魅力を体感した。派遣事業では、大規模イベントへの参加により、和太鼓と合唱の魅力をそれぞれ効果的に発信できたほか、参加者自身にとっても今後の活動の大きな刺激となり、海外の文化団体との交流の基礎を築くことができました。

閉会式・フィナーレ

そして、最終日の「閉会式・フィナーレ」では文化爛漫を宣言し、次期開催の京都府に国民文化祭旗を引き継ぎ、9日間の幕を閉じました。

1.大会概要

  1. 名 称/第25回国民文化祭・おかやま2010
  2. テーマ/晴れの国おかやま 文化回廊
  3. 基本方針/開催県として岡山の文化の特性を国内外に広く紹介することはもちろん、国民文化祭がアマチュアの芸術文化活動の全国的な発表・交流の場であることから、以下の項目を基本方針に掲げ、第25回という節目に相応しい祭典となるように努めた。
    (ア) 多くの県民や国内外からの参加者が、文化のもたらす感動や喜びをともに分かち合うことができること。
    (イ) 準備から開催までを通して、多くの県民が積極的に参画することにより岡山の文化を再発見し、文化による豊かな地域社会づくりへの展望を拓くものであること。
    (ウ) 四半世紀の間に蓄積されてきた全国的な芸術文化活動の成果をふまえ、参加者相互のレベルアップや交流を促進し、次への発展につなげること。また、海外からの参加者との交流を通じて友好や相互理解を深めること。
    (エ) 県外からの出演者や参加者はもちろん、来場者にはおもてなしの心を持ってふれあいと交流に努めること。
  4. 会 期/平成22年(2010年)10月30日(土曜日)~11月7日(日曜日)
  5. 開催地/岡山県内27市町村
    岡山市、倉敷市、津山市、玉野市、笠岡市、井原市、総社市、高梁市、新見市、備前市、瀬戸内市、赤磐市、真庭市、美作市、浅口市、和気町、早島町、里庄町、矢掛町、新庄村、鏡野町、勝央町、奈義町、西粟倉村、久米南町、美咲町、吉備中央町
  6. 主催者/文化庁、岡山県、岡山県教育委員会、開催市町村、開催市町村教育委員会、第25回国民文化祭岡山県実行委員会、第25回国民文化祭市町村実行委員会、全国及び県内の関係文化団体等

2.実施状況

(1)主催事業等

  (ア)参加者総数 1,955,927人

県・市町村
(主催事業)
67事業

提案事業
(主催事業)
1事業(29メニュー)

応援事業
おもてなし事業
広報イベント等

 

合計

365,583人

1,223,164人

1,955,927人

   (上記内訳)

(1)    観客数

1,870,926人

県主催事業 (5事業)
市町村主催事業(62事業)
提案事業 (29メニュー)
応援事業 (316事業)
おもてなし事業等(109事業)

(2)    出演者

 

 1,706団体
  28,305人

県内 1,092団体18,370人
県外    610団体  9,834人
海外        4団体    101人

(3)    応募作品数
    応募者数

95,321点
40,916人

県内 33,551点18,244人
県外 60,562点22,373人
海外   1,208点   299人

(4)    ボランティア

5,996人

県事業             325人
市町村事業     5,671人

(5)    スタッフ

9,784人

県事業               998人
市町村事業      8,786人

合 計

1,955,927人

 

(2)協賛事業 17都道府県 26事業 

(3)国際交流事業

国名

団体名

人数

期間

招へい・派遣事業

招へい

中国

江西省雑技団(江西省)

20

11/1~7

シンポジウム「地域と『文化』」ほか

韓国

M&S舞踊団(慶尚南道)

21

11/4~9

生活文化・暮らしと味わい総合フェスティバルほか

米国

キャバリアーズ(イリノイ州)

18

10/28~11/4

マーチング・バトントワーリングの祭典ほか

コンサーバトリ・コンサート・ジャズ・バンド(ミズーリ州)

20

10/30~11/8

ジャズ・フェスティバルほか

派遣

韓国

備中温羅太鼓(総社市)

21

7/30~8/1

泗川世界打楽器フェスティバル

中国

岡山女声合唱団「華」(岡山市)

20

9/9~9/12

上海万国博覧会日本産業館「岡山Day」

3.成果

(1)郷土の文化の魅力を再認識し全国へ情報発信

六古窯の一つ備前焼の産地で「陶芸の祭典」、刀剣のふるさとで「備前おさふね名
刀フェスティバル」、また、農村歌舞伎伝承の地で「地歌舞伎の祭典」を開催するな
ど、地域固有の伝統文化をテーマにした多彩な事業に取り組み、本県の優れた文化
を再発見、再認識するとともに、全国へその魅力を発信した。

(2)地域の伝統文化の継承及び愛郷心の醸成

「神楽フェスティバル」や「盆踊りフェスティバル」、「民謡・民舞の祭典」など
の開催を通じて、伝統文化の保存継承に対する認識の向上を図る一方、郷土ゆかり
の先人の業績にちなむ「文芸祭(現代詩・漢詩)」、「科学フェスティバル」、「庭園「美
の世界」」などを開催し、郷土への誇り、愛着心の高揚を図った。

(3)郷土の歴史や文化に対する県民の認識の深まり

国民文化祭は、郷土の発展を支え、文化を築き上げてきた先人たちの足跡を振り
返り、その業績を再認識する絶好の機会であることから、時代を切り開いた本県ゆ
かりの先人たちを取り上げた冊子「あっ晴れ岡山人」を刊行し、先人たちの英知を
郷土の誇れる文化遺産として広く紹介した。
また、シンポジウム「地域と『文化』」、「古代吉備の風景」、「江戸時代の国際文化
交流」では、本県ゆかりの人物の話を交えながら、世界の多様な文化や人のつなが
りを再確認して、世代や地域を超えた文化交流を一層促進し、文化の力により県民
一人ひとりが生き生きと輝き、心豊かに暮らすことができる岡山県を創るきっかけ
となった。

(4)文化の担い手の育成と裾野拡大及び新たな文化創造の胚胎

次代の岡山文化を担う人材の育成を目指して、オープニングフェスティバルに出
演するとともに、舞台の進行・転換役として活躍する若者を公募し、ステージ・ナ
ビゲーター「あっ晴れ組」として養成した。また、美術展などでは体験教室やワー
クショップを開催して文化の楽しさを体感共有することにより担い手の裾野を広げ
ることができた。
一方、国民文化祭の開催を機に、岡山県の芸術文化のさらなる向上発展を目指し、
岡山県文化連盟が設立されるとともに、新しい舞踊や創作ダンスなどが誕生し、他
の団体間との交流や競演、異分野とのコラボレーションも行われ、さらには、ミュ
ージカルや能・狂言では若者や地域の住民が初めて舞台芸術に挑戦するなど、新た
な文化創造に貢献した。

(5)協働による取り組みと地域力、県民力の向上

一般から広く公募した「あっ晴れ!おかやま提案事業」では、県民が主体的、積
極的に企画や運営に取り組み、また、岡山・倉敷・津山の市街地で多彩な事業を展
開した「文化がまちに出る!プロジェクト」では、多様な団体との協働により地域
住民の参画を促して盛り上げを図り、地域力、県民力の強化向上を図った。

(6)開催経費の縮小と民間の支援

限られた財源で最大の効果と成果が生じるように工夫を重ね、県や市町村の主催
事業に加え、県民による企画提案事業、企業や団体等が取り組んだ協賛事業や応援
事業、職場や町内会等で企画されたおもてなし事業が県内至る所で展開され、まさ
に県民総参加の国民文化祭となった。先催県に比べ低額の開催経費で完遂したこと
は、「岡山モデル」と称すべく国民文化祭の開催形態に新機軸を開いた。