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先日、自宅に「以前、在宅ワークをするための資格取得講座を契約されているが、退会手続きができていない。そのことでお話がしたい」という電話がかかり、ホテルの喫茶店で会う約束をしました。販売員に「退会するには高額な解約料が必要。支払いはクレジットで可能だが、解約料のクレジットは組めないので、何か商品を購入することにしてもらいたい」と言われ、アクセサリーの購入契約をしました。冷静に考えると話がおかしいので、解約したいのですが、可能でしょうか。
相談者に以前契約していた資格取得講座の契約内容を聞いたところ、クレジット契約はしていましたが、既に支払いは完了済みで、講座を契約していた業者と今回アクセサリーを購入した業者とは全く別であることが分かりました。
通常、資格取得講座などでクレジット契約を結んでいた場合、クレジットの支払いが完了していれば契約は終了しています。業者の言った「退会手続きが必要」などの説明は全くのうそで、本当の狙いはアクセサリーの販売と思われます。
過去に資格取得のための講座や教材を契約していた人が、根拠のない解約料を請求されたり、新たな教材などを勧められる被害を資格商法の二次被害と呼んでいます。
今回のケースは、契約書をもらった日から8日以内だったので、クーリング・オフの手続きを取り、被害を防ぐことができました。クーリング・オフ期間を過ぎていても、業者がうそを言って契約させた場合(不実の告知といいます)は、契約を取り消すことができます。しかし、そのためのは、契約に至った経緯を内容証明郵便で詳しく書くなど、業者がうそをついた事実を立証しなければならず、解約交渉に多くの時間と労力を要することになります。
資格商法の二次被害の場合、電話での不意打ちがほとんどで、しかも自分に契約していた覚えがあるため相手の言うことを信じてしまいがちですが、相手のペースに巻き込まれることなく、いったん電話を切り誰かに相談するなど冷静な対応が必要です。