本文
令和8年6月 県議会定例会 知事提案説明要旨
令和8年6月 県議会定例会 知事提案説明要旨
本日は、皆様御多用のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございました。
今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして、当面する県政の課題について申し述べ、県議会及び県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
はじめに
・アメリカ合衆国・ハワイ州への訪問
まず、はじめに、アメリカ合衆国ハワイ州への訪問について申し上げます。
先月20日からの5日間、「日本・ハワイ姉妹州・姉妹都市サミット」に参加するとともに、本県とハワイ州との友好提携を締結するため、県議会議長と御一緒に訪問いたしました。
現地では、これまで友好提携を締結している自治体の皆様が一堂に会する場で、グリーン知事とともに、友好提携の協定書に署名したところであります。
また、ハワイ岡山県人会の皆様との交流会を開催したところ、ハワイ州議会やホノルル日系人商工会議所からの来賓に加え、県議会議員の方々にも御出席いただき、関係者相互の理解と親睦を深める大変貴重な機会となりました。
今回の友好提携締結を契機に、今後、グローバル人材の育成をはじめ、幅広い分野での交流に取り組んでまいります。
・中東情勢による影響
中東情勢による影響についてでありますが、現在、国の動向等を注視しつつ、相談窓口の設置や融資制度の創設を行うとともに、支援機関と連携し、県内企業の影響把握などを行っているところであります。
このような中、先般、国において不透明な中東情勢への対応等のための補正予算が成立したところであり、本県におきましても、情報収集に努めながら、国の動きに呼応し、速やかに対応することで、引き続き、県内経済や県民生活をしっかりと支えてまいります。
・地域未来戦略
国は、地域ごとの産業クラスターを全国各地に形成するとともに、地場産業の付加価値向上等を強力に支援するため地域未来戦略を近く取りまとめる予定であります。
都道府県では地域産業の成長・発展に向けて、地域産業成長プランの策定を検討することとされており、本県におきましても、市町村等と連携し、計画の策定を進め、県内への投資促進と県内産業の発展に一層取り組んでまいります。
結婚・子育ての希望がかなう社会の実現
続きまして、第4次晴れの国おかやま生き活きプランに掲げる4つの重点戦略に沿って、御説明申し上げます。
まず、「結婚・子育ての希望がかなう社会の実現」についてであります。
・出会い・結婚応援
(結婚支援の推進)
結婚支援の推進につきましては、4月に募集を開始した「縁むすび応援企業」に早期に申込みをいただいた5社に対し、私から直接登録証を交付するとともに、結婚を応援する気運の醸成に向け、連携を呼びかけたところであります。先月末時点の登録企業数は27社となっており、引き続き、一社でも多く登録していただけるよう、制度の周知を図ってまいります。また、商工団体等と協力した異業種間のマッチングイベントにつきましては、第一弾として、県北での開催を来月予定しており、企業と連携したアプローチを強化しながら、一歩踏み込んだ施策に取り組んでまいります。
おかやま縁むすびネットにつきましては、昨年度も成婚数が60組を超えるなど、着実に成果を上げております。今年度は、婚活の進め方や身だしなみなどのマナーを紹介する「婚活ブック」の作成なども進めており、引き続き、一人でも多くの結婚の希望がかなうよう、後押ししてまいります。
先月には、香川県と合同の婚活イベントを後楽園で開催し、8組のカップル成立につなげたところであり、近隣県とも連携を図りながら、趣向を凝らした出会いの場を提供してまいります。
さらに、子育て家庭留学を拡充し、受入家庭と参加した若者がそれぞれの体験を伝える交流会を新たに大学等で開催するほか、結婚や子育て等について考えるライフデザイン講座の開催校を倍増させ、20を超える高校や大学等で実施することとしております。
引き続き、様々な主体と連携しながら、若い世代が出会い・結婚や出産、子育てを前向きに捉えることができる社会全体の気運の醸成を図ってまいります。
・妊娠・出産・子育て支援
(妊娠・出産等の体制強化)
妊娠・出産等の体制強化につきましては、プレコンセプションケアに関する正しい知識の普及に向けた高校での座談会等を開催することとしております。また、産後ケア等に係る交通費の助成に加え、新たに、不妊治療における先進医療や不育症治療に要する費用の助成などにも取り組むこととしており、今後とも、誰もが安心して妊娠し、安全に出産できる環境づくりを推進してまいります。
・子育てと仕事の両立支援
(子育てと仕事の両立支援)
子育てと仕事の両立支援につきましては、支援に特に積極的なアドバンス企業の認定制度について、新たにPR動画を作成し、企業や学生等への発信を強化するとともに、メリットの拡充を図るため、今年度から、子育てしやすい職場環境助成金の補助上限額を拡大したところであります。
引き続き、企業と連携し、男女ともに安心して子育てと仕事を両立できる職場環境づくりを進めてまいります。
(保育人材の確保)
保育人材の確保につきましては、県保育士・保育所支援センターにおいて、SNS等を活用し、保育の魅力や職場の働きやすさなどを情報発信してまいります。また10月には、地域限定保育士試験を実施することとしており、多くの方に受験していただけるよう、市町村と連携した幅広い広報を実施するなど、人材確保につながる取組を進めてまいります。
夢を育む教育県岡山の推進
続きまして、「夢を育む教育県岡山の推進」についてであります。
・学ぶ力育成
(学ぶ力の育成)
学ぶ力の育成につきましては、4月に実施しておりました県学力・学習状況調査を11月から12月での実施に変更し、年度内につまずきを解消するサイクルを確立することで、子どもたちの学力の着実な定着を図ってまいります。
また、クラウドを活用したネットワーク環境の整備をモデル校で先行実施し、さらなる校務DXによる業務の効率化を行うこととしております。さらに4月には、保護者・地域からの過剰な苦情・要求等に対応する学校問題解決支援コーディネーターを配置したところであり、校務の効率化と外部人材の活用を一体的に進めることで働き方改革を推進し、教員が児童生徒の指導等に専念できる環境づくりを一層推進してまいります。
・多様な教育ニーズ支援
(不登校対策)
不登校対策につきましては、登校支援や自立応援室において支援を行う支援員の配置を拡充し、きめ細かな支援を推進するとともに、児童生徒の自主的・主体的な成長・発達を支える生徒指導への転換を目指し、実践的な研究とその成果の展開を行ってまいります。こうした取組により、学校を誰もが通いたくなる魅力ある場所とするよう、総合的な対策を一層進めてまいります。
・グローバル人材育成
(県立高等学校教育改革)
県立高等学校の教育改革につきましては、専門高校の機能強化や多様な学びの確保等を図るため、2月に国が策定した基本方針を踏まえ、今年度、高等学校教育改革実行計画を策定いたします。併せて、改革を先導するモデル校を設け、その取組や成果を県内の高校に普及することとしており、今後の県内産業で求められる人材の育成等に向け、産業界や大学等とも緊密に連携しながら、取り組んでまいります。
地域を支える産業の振興
続きまして、「地域を支える産業の振興」についてであります。
・企業誘致・投資促進
(企業誘致と投資の促進)
企業誘致と投資の促進につきましては、昨年度、15件の誘致が決定し、3,400億円以上の投資を呼び込むなど、大きな成果を上げております。
今年度から、市町村の産業用地開発に対する支援制度を拡充したところであり、引き続き、市町村と連携しながら、企業ニーズに応じた産業用地の確保に努め、さらなる誘致と投資の促進に取り組んでまいります。
・企業の「稼ぐ力」強化
(中小企業等への支援)
中小企業等への支援につきましては、事業者の人手不足解消につながる設備導入を支援するほか、新たに、生産性向上等につながるデジタル化や、賃上げ環境の整備に向け、商工会等の支援機関と連携して取り組んでまいります。
また、スタートアップ・ベンチャー企業への支援につきましては、創業相談会や起業経験者等による伴走支援、資金獲得の機会提供に加え、新たに、PRイベントの開催や県内企業との協業促進などにより、成長段階に応じた支援を強化してまいります。
・観光振興
(インバウンド)
インバウンドにつきましては、8月に、今後もさらなる訪日需要の増加が見込まれる台湾において、トップセールスに加え、中国地方の各県と連携したプロモーションを行うこととしており、県産農産物をはじめとした本県の魅力や広域周遊ルートのPR、航空会社への訪問などを通じて、本県の認知度向上と誘客拡大を図ってまいります。
・儲かる農林水産業加速化
(県産果物のブランド力強化)
県産果物のブランド力強化につきましては、首都圏の高級果物専門店等と連携したプロモーションを展開するとともに、スイーツ等の商品開発の充実による新たな顧客の開拓や、国と連携した海外での販路拡大に取り組んでまいります。
また、県産果物は、市場から出荷量の増加と安定供給が求められていることから、栽培面積の拡大や生産性の向上を進めることとしており、特に、ぶどうでは、新たに中古資材を用いた施設整備やスマート農業技術を活用した省力化の取組を支援してまいります。
・働く人応援
(女性や若者の還流・定着の促進)
女性や若者の還流・定着の促進につきましては、部局を横断し柔軟で機動的な対応を行うため、総合政策局に女性・若者還流定着対策監を設置したところであります。
今年度新たに、若者と経営者とのワークショップを開催するとともに、地域の女性をデジタル人材に育成し、地域在住のまま都市部の高単価な業務へ就業できるよう支援するなど、魅力的な職場づくりを促進してまいります。
また先月、若者の積極的な正社員採用や、多様な働き方が実現できる職場環境づくりの促進などを、県内経済団体に要請したところであり、県としてもインターンシップへの参加促進や、岡山で働くことをテーマにした動画コンテストの開催などを通じ、県内企業の魅力の発信を強化し、県内での就職を促進してまいります。
さらに、女性登用等をテーマとするシンポジウムを新たに開催し、経営層の意識改革につながる気運醸成に取り組むなど、女性や若者の活躍を推進してまいります。
併せて、岡山で暮らすことの魅力の再発見等を目的に、関西に進学した女子学生が企画する交流会を開催するなど、移住・定住の促進に取り組んでまいります。
引き続き、民間企業や関係団体とも一層連携し、魅力的な地域・職場づくりに取り組み、移住・就職から活躍へと好循環の流れを生み出す施策を推進することで、女性や若者の還流定着につなげてまいります。
(外国人材等への支援推進)
外国人材等への支援推進につきましては、岡山県外国人材等支援推進計画に基づき、人材の受入れや定着等に課題を抱える企業に向けた相談窓口を設置するとともに、受入れに関して優良な取組を行う企業等を認証する制度を設けるなど、本県が外国人材から魅力ある働き先として認知されるよう、取り組んでまいります。
介護人材につきましては、事業所が実際に海外で行う採用活動を支援し、外国人材の獲得を後押しするとともに、日本人職員を対象としたコミュニケーション研修などを実施し、円滑な受入体制の整備を進めてまいります。
また、市町村等が実施する日本語教育を支援するため、昨日、岡山国際交流センターに「おかやま日本語教育支援センター」を開設したほか、地域の特色ある多文化共生の取組の支援などを通じ、外国人材等の県内定着につなげてまいります。
安心で豊かさが実感できる地域の創造
続きまして、「安心で豊かさが実感できる地域の創造」についてであります。
・保健医療充実
(新たな地域医療構想)
新たな地域医療構想につきましては、限りある医療資源を有効に活用し、持続可能な医療提供体制を構築するため、国のガイドラインを踏まえ、構想区域の点検・見直しや機能分化・連携の在り方に係る検討を行うなど、関係者の意見を伺いながら議論を進めてまいります。
(医師・看護師等の地域偏在対策)
医師・看護師等の地域偏在対策につきましては、地域枠や自治医科大学を卒業した医師の義務年限終了後の地域への定着に向け、新たに配置したキャリアコーディネーターによるきめ細かい相談支援等に取り組んでまいります。また、看護師等の県内就業率の向上等に向け、インターンシップ情報の提供等によるマッチングの取組を強化してまいります。
(救急安心センター事業)
救急安心センター事業、いわゆる「#7119」につきましては、来月1日から県内全域を対象に、相談受付を開始することとしております。救急医療機関の受診の適正化や救急車の適正利用を図り、持続可能な救急医療提供体制の構築に向けて取り組んでまいります。
・福祉サービス推進
(介護予防・ねんりんピック)
高齢者を支える社会づくりにつきましては、県サポートチームの派遣により、通いの場の立上げやフレイル対策の充実など介護予防の取組を促進してまいります。また、令和12年度に本県での初開催となる「ねんりんピック」に向け、健康の保持・増進や高齢者の社会参加等を図り、地域共生社会の実現に努めてまいります。
・防災対策強化
(防災対策の推進)
防災対策の推進につきましては、先月末、国が運用を開始した避難行動に対応する新たな防災気象情報について、県民の正しい理解を促し、一人ひとりの的確な避難につながるよう周知に努めてまいります。
また、先般、情報収集・共有等の災害対応に不可欠な対処能力の向上を図るため、市町村など関係機関と連携した水害対応訓練を実施したところであり、引き続き、こうした訓練や研修を重ね、本県の災害対応力の強化を図ってまいります。
(治水対策)
治水対策につきましては、かねてから国に強く働きかけを行っておりました旭川ダム再生事業が、今年度から建設段階に移行されることとなりました。
多くの人口、資産を有する旭川水系の水害リスク低減に高い効果があることから、国など関係機関と連携を取りながら、事業推進が図られるよう努めてまいります。
・暮らしの安全推進
(交通安全対策)
交通安全対策につきましては、昨年に引き続き、交通事故総件数が増加傾向にあることから、事故が多発する路線等の指導取締りや警戒活動を強力に推進してまいります。また、人身事故における自転車事故の割合は約2割を占めていることから、被害軽減に有効なヘルメット着用の定着を含め、交通ルールの効果的な周知に努めてまいります。
・持続可能な中山間地域等形成
(中山間地域等の振興)
中山間地域等の振興につきましては、安心して暮らし続けることができる地域づくりに向け、生き活き拠点を核とした集落生活圏の形成を重点的に支援するほか、道路環境のさらなる整備を進めるなど、市町村等と連携しながら、ソフト・ハード両面から総合的な施策を展開してまいります。
(JR芸備線の再構築協議)
JR芸備線につきましては、再構築協議会において、これまでの列車の増便や、二次交通との連携強化の取組に続き、今月から、バスによる実証事業が開始されたところであります。今後、こうした実証事業の結果等を踏まえ、地域にとって最適な交通モードの在り方について、関係自治体等と連携しながら、引き続き、丁寧に議論を進めてまいります。
(岡山県版図柄ナンバープレート)
岡山県版図柄ナンバープレートにつきましては、先月、図柄デザイン案の一般公募が終了し、全国から711点の応募があったところであります。今後、デザインの候補を数点選定の上、県民アンケートの実施後に有識者会議で決定することとしており、引き続き、本県への導入に向け取り組んでまいります。
・生きがい・元気づくり支援
(新スタジアム)
新スタジアムにつきましては、昨年度末に設置したフットボールスタジアム検討協議会において、これまで2回の会議を開催し、整備の実現可能性等について活発な意見交換が行われたところであります。引き続き、協議会の議論が丁寧かつ円滑に進むよう、しっかりと取り組んでまいります。
(おかやまマラソン2026)
おかやまマラソン2026につきましては、ファンランも含め、34,000人を超えるランナーから参加申込みをいただくとともに、大会を支えるボランティアの募集も順調に進んでおります。
今大会は、10回目の開催を迎えることから、プレゼント企画や限定デザインの完走メダルを用意するなど、節目の大会をより一層楽しんでいただけるよう、関係者と一体になって着実に準備を進めてまいります。
・行政DXの推進
行政DXの推進につきましては、3月に改定した岡山県DX推進指針に基づき、県と市町村のデジタル人材の確保・育成に向けた取組を強化することとしております。外部の専門人材に加え、今年度から県に配置した実務経験豊富な人材を活用し、県、市町村それぞれのニーズに応じた研修や、相談・伴走支援などに取り組んでまいります。
諸議案
次に、今回提案しております諸議案の概要につきまして、御説明申し上げます。
まず、予算案件につきましては、当初予算編成後の情勢の変化に伴い、早急な対応を必要とするものについて、補正措置を講じることとし、所要額を計上しております。
その結果、今回の補正予算額は、
一般会計において 155億4,500余万円の増額
であります。
補正後の一般会計予算額は、歳入歳出それぞれ8,352億4,400余万円であります。
一般会計歳入予算の主な内容につきましては、国庫支出金70億700余万円などを増額する所要の補正措置を講じるものであります。
一般会計歳出予算の主な内容につきましては、学校教育活性化推進事業費72億6,500余万円、岡山県地域未来基金積立金72億円などを計上しております。
債務負担行為につきましては、岡山県公立高等学校等教育改革促進事業について新たに債務を負担しようとするものであります。
次に、事件案件につきましては、工事請負契約締結の変更についてのもの1件であります。
最後に、条例案件につきましては、「岡山県税条例の一部を改正する条例」など7件であります。
以上、今回提案いたしました諸議案につきまして、その概要を申し上げた次第であります。
なにとぞ、慎重御審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。
