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『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)』に注意しましょう

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に注意しましょう。

岡山県では、2021年4月に2名(第14週1名、第16週1名)、5月に1名(第18週)の報告があり、合計3名の報告となっています。

2020年には、7名(5月(1名)、7月(1名)、8月(2名)、9月(1名)、10月(2名))の患者発生報告があり、初発例が報告された2013年以降で最多の報告数となりました(これまで2019年の3名(春期~秋期)が最多)。

 

全国では、九州や中国・四国地方などで、2013年から2020年までに576名の患者の発生報告があり、75例の死亡事例が発生しています。これまでは、西日本中心に発生していましたが、2021年3月には静岡県でも発生しており、今後は西日本以外の地域での発生も懸念されます。

SFTSは、病原体を保有するマダニに咬まれることで感染し、発熱や倦怠感、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)などが現れ、血小板や白血球が減少し、重症の場合は、肝腎障害や多臓器不全を来して死に至ることもあります。

マダニからの感染が一般的とされていますが、SFTSを発症した動物(イヌ、ネコ)からも感染するおそれがあります。

作業やレジャーなどで、林や草むら、河川敷など、ダニの生息地域に立ち入るときは、ダニに咬まれないよう注意してください。(「SFTS 予防のポイント」をご覧ください。)
 マダニは野外に生息する大型のダニで、長時間(数日~10日間)吸血しますが、ほとんど痛みやかゆみを感じません。

 マダニが吸着していることに気づいた場合、無理に引き抜こうとすると、ダニの一部が皮膚内に残ってしまうことがありますので、できるだけ医療機関(皮膚科)で取ってもらいましょう。

また、マダニに咬まれないようにするとともに、体調不良の動物(イヌ、ネコなど)との接触は避け、動物に触った後は必ず手洗いをするなど感染予防に努めましょう。

 野山や草むらに入った後や、体調不良の動物に接触した後、数日後に発熱等の症状が認められた場合は、速やかに医療機関を受診してください。また、医療機関を受診した時に、野山に入ったことや体調不良の動物に触れたことも伝えてください。

マダニの画像
フタトゲチマダニ成虫
岡山県環境保健センター撮影
 

重症熱性血小板減少症候群(SFTS) とは

SFTSウイルスによる感染症です。

 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、2011年に初めて特定された新しいウイルス、SFTSウイルスによって引き起こされる病気です。このウイルスを保有している野外のフタトゲチマダニ等のマダニに咬まれることによって感染します。また、感染者の血液・体液との接触感染や、感染した動物(イヌ・ネコ)からの感染も報告されています。
咬まれてから6日~2週間後に発熱、倦怠感、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が現れます。重症化する例が多く、死亡率は3割近くにまで達しています。

2009年3月~7月中旬にかけて中国中央部で原因不明の疾患が集団発生したことで本感染症の存在が明らかになり、2011年に原因ウイルスであるSFTSウイルスが確認されました。中国では、フタトゲチマダニやオウシマダニといったマダニ類からウイルスが見つかっており、これらのマダニが活動的になる春から秋に、患者が発生しています。
日本では2013年1月、SFTSウイルスによる症例(2012年秋に死亡、最近の海外渡航歴なし)が国内で初めて確認されました。ウイルス自体は以前から国内に存在していたと考えられています。SFTSウイルスを媒介すると考えられているマダニ類は国内に広く分布するので、全国どこにおいても発生する可能性のある感染症と考えられます。岡山県では2013年7月に、初めてのSFTS患者が報告されて以来、毎年0~3名程度の報告が継続していましたが、2020年は第36週までで、すでに5名が報告されています。

SFTS
SFTS啓発チラシ(岡山県)

野外で活動する際の予防のポイント

  1. マダニは、主に草むらや藪・森林にいます。このような場所で長時間地面に直接寝転んだり、座ったり、服を置いたりしないようにしましょう。
  2. 草むらなどに入るときは、長袖、長ズボン、手袋、長靴等を着用しましょう(色の薄い服はくっついたダニを見つけやすくなります)。
  3. ダニをよせつけないためには、肌の露出部分や服にディートやイカリジンなどの有効成分が含まれた虫除け剤の使用も有効です。虫除け剤は皮膚の露出部分や、衣服の上から使います(ただし、目、口、耳、傷がある部位、皮膚が過敏な部位には使用しないようにしましょう。乳幼児、小児に使用する場合は注意が必要です。添付されている使用上の注意をよく読んでください。)。
  4. 帰宅後は、上着や作業着を家の中に持ち込まないようにしましょう。
  5. 帰宅後はすぐに入浴し、体をよく洗い、新しい服に着替えましょう。入浴やシャワーの時には、ダニが肌についていないかチェックしてください。
  6. 着ていた服はすぐに洗濯するか、ナイロン袋に入れて口を縛っておきましょう。

動物と触れ合う際の予防のポイント

  1. 屋内のみで飼育されている動物については、ダニ媒介感染症に感染するおそれはありません。一般的な事項として、過剰な触れ合い(キスや口移しでエサを与えたり、動物を布団に入れて寝ることなど)は控えましょう。
  2. 動物に触ったら必ず手を洗いましょう。
  3. ペットにも、ダニがつかないように、ダニ除け剤などで予防しましょう。ダニがついていたときは、動物用のダニ駆除剤等で適切に駆除しましょう。
  4. 飼育している動物の健康状態の変化に注意し、体調不良の際には動物病院を受診しましょう。

マダニが皮膚に付いていることに気がついたら

マダニ類の多くは、人や動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いもので10日間)吸血します。無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚内に残ったり、ダニの体内や傷ついた皮膚から出る液体に病原体がいる可能性があるので、直接手でダニを取ったり、つぶしたりしないようにしてください。吸血中のマダニに気が付いた際は、医療機関で処置してもらいましょう。
 また、マダニに咬まれた後に、発熱等の症状が認められた場合は、早めに医療機関を受診してください。 

症状がでたとき

野外活動の後、数日から2週間程度のうちに発熱・発しん等の症状が認められた場合、速やかに医療機関を受診してください。その際、野山や草むらなどに立ち入る機会があったことを伝えてください。
 
また、取り除いたマダニを保存している場合は、医療機関を受診する際に持参してください。

 体調不良の動物と接触後、体に不調を感じたら、早めに医療機関を受診してください。受診する際は、動物の健康状態や接触状況についても伝えてください。

 

SFTS 症状と診断、治療

SFTSウイルスに感染すると、6日~2週間の潜伏期を経て、症状が現れます。

早期診断 早期治療がとても大切ですので、もしも と思ったときにはすぐに受診しましょう。

症  状発熱、倦怠感、食欲低下、消化器症状(吐き気、おう吐、腹痛、下痢)、頭痛、筋肉痛、けいれん、意識障害、昏睡、リンパ節腫脹、出血症状(皮下出血、血尿、血便、下血)
血液所見血小板減少(10万/mm3未満)、白血球減少(4000/mm3未満)
AST、ALT、LDHの上昇
診  断血清や咽頭ぬぐい液からのウイルス遺伝子の検出
治  療ウイルスに対する特異的な治療法はなく、対症療法が主体となります。
現在有効な抗ウイルス薬が開発中です。

関連情報

「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)調査結果」を掲載しました。

 2013年7月、県内でSFTS患者が初めて確認されたことから、環境保健センターにおいて、2013年8月末から2014年9月までの間、マダニの季節別の種類や数、ウイルス保有状況について、県内7定点で調査を実施しましたが、その調査結果についてとりまとめましたので、お知らせします。
 なお、捕獲マダニの一部を提供している国研究班の調査結果も2014年2月に厚生労働省ホームページに公表されています。

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