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令和3年6月 県議会定例会 知事提案説明要旨

印刷ページ表示 ページ番号:0722947 2021年6月15日更新政策推進課

令和3年6月 県議会定例会 知事提案説明要旨

 本日は,皆様御多用のところ御参集いただきまして,誠にありがとうございました。

 今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして,当面する県政の課題について申し述べ,県議会及び県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

はじめに

・新型コロナウイルス感染症関係

 まず,はじめに,新型コロナウイルス感染症について申し上げます。

 2回目の緊急事態宣言は3月に解除されましたが,感染力が強いとされる変異株への置き換わりが進んだことなどによって,全国に感染が急拡大し,翌4月には,一部都府県を対象に再度緊急事態宣言が行われるなど,まさに第4波と言うべき状況となりました。

 本県におきましても,会社の寮,高齢者施設等でクラスターが複数発生し,また4月から,新規感染者が急増したため,県民等に対し,夜間の不要不急の外出自粛や岡山市中心部の飲食店等への営業時間の短縮などについての協力要請を行ってまいりましたが,感染拡大が止まらないことから,先月16日から31日までの間,本県が緊急事態措置区域とされました。これに伴い,県民に対する日中を含めた不要不急の外出自粛への協力要請,県内全域の飲食店等に対する,営業時間の短縮や酒類,カラオケ設備の提供取り止めの要請,大規模集客施設に対する営業時間の短縮要請などを行い,併せて事業者に対して協力金を支給することといたしました。

 緊急事態措置の開始後,新規感染者数は減少傾向となったものの,医療提供体制は依然として厳しい状況が続いたことなどから,今月20日までの期間延長が決定されたところであります。

 引き続き,緊急事態宣言の解除に向けて,県民や事業者に対し,協力を要請するとともに,今後,第三者認証制度の導入により,飲食店における感染防止対策の推進と,安心して利用できる環境の整備を図ってまいりたいと考えております。また,職場や医療機関等に対する感染防止対策の徹底と感染管理専門家による予防研修により,クラスター発生の抑止を図ってまいります。

(医療提供体制)

 医療提供体制につきましては,入院が必要な中等症以上の患者用として最大492床の病床を確保するとともに,重症病床ひっ迫時には,岡山市立市民病院の一部病床を重症病床に転換する取組や,隔離解除されたものの引き続き入院が必要な患者の受入れを行う「後方支援医療機関」の確保などにより,病床の効率的な活用を図ってまいります。また,軽症または無症状の患者用として,宿泊療養施設1施設を追加し,計404室を確保したところであり,今後とも患者の症状に応じた適切な医療提供体制の確保に努めてまいります。

(ワクチン接種)

 ワクチン接種につきましては,各市町村において先月17日から高齢者向け接種が順次開始され,現在,早期の完了に向け,接種が本格化しているところであります。

 こうした中,1日も早く県民の皆様への接種が完了するよう,県営集団接種会場を設置,運営するとともに,予診や接種などにあたる医療スタッフの広域調整など,引き続き医療関係団体と連携し,市町村の支援に取り組んでまいります。

(中小企業等への支援)

 中小企業等への支援につきましては,現在,1月から3月の売上が減少した事業者に対し,「岡山県飲食店等一時支援金」による支援を実施しているところでありますが,4月以降の外出自粛要請や営業時間の短縮要請の影響を受け,厳しい経営状況が続く事業者について,対象期間を延長し,引き続き支援に取り組んでまいります。

(雇用対策)

 雇用対策につきましては,県内大学における新規学卒者の就職決定率は前年を下回り,今後の企業の採用動向も不透明な状況にあることから,先般,県内経済団体に対し要請を行い,積極的な正社員採用などを行っていただくようお願いしたところであります。

 また,県外学生も参加しやすい,オンラインによる就職面接会の開催などを通じ,本県への人材還流と定着に取り組んでまいります。

 さらには,一時的に事業の縮小を余儀なくされた企業と人手不足の企業との間での在籍型出向を促進するため,専用の支援サイトを構築したところであり,雇用の維持に向けた取組を強化してまいります。

 あらためまして,最前線で対応されている医療従事者など関係の皆様に,深く感謝申し上げます。また,県民の皆様,事業者の皆様には,これまでも感染拡大防止に多大な御協力をいただいてきたところでありますが,日常生活と,活力ある社会経済活動を一刻も早く取り戻していくため,引き続き御理解,御協力をお願いいたします。

・平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興

 次に,平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興についてであります。

 発災からまもなく3年を迎え,これまで概ね9割の方が応急仮設住宅から退去されるなど,生活再建に向けた着実な進展が見られますが,未だ応急仮設住宅での生活を余儀なくされる方に対し,引き続き一人ひとりの状況に応じた支援に努めてまいります。

 また,公共施設等については,現在,被災箇所の原形復旧工事が概ね完了しており,小田川3支川などの改良復旧についても,早期の工事完了に向け,事業を推進してまいります。

 今後とも,被災地の状況を踏まえながら,復旧・復興の取組を着実に進めてまいります。

・第3次晴れの国おかやま生き活きプラン

(第3次プランのスタートに当たって)

 4月から,「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」がスタートいたしました。本格的な人口減少・長寿社会が到来する2040年頃を見据え,20年後,30年後も発展し続ける岡山を目指し,今後4年間,教育の再生と産業の振興を大きな柱として,県民の皆様に「岡山はよくなった,岡山に住んでいてよかった」と実感していただけるよう,各種施策を進めてまいります。

 また,感染症を契機としたデジタル化の進展や地方分散の流れなど,社会の変化や経済の回復に的確に対応するとともに,市町村をはじめ様々な主体との連携を図りながら,プランの基本目標である,すべての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」の実現に向け,全身全霊で取り組んでまいります。

(行政のデジタル化の推進)

 行政のデジタル化の推進につきましては,今年度,総務部にデジタル推進課を新設し,全庁的なデジタル推進委員会の設置や,民間人材であるDX推進ディレクターの配置など,推進体制の整備を図ったところであります。

 こうした体制の下,先日,100を超える行政手続についてオンライン化を実施したほか,デジタルデバイドの解消に向け市町村との連携組織を設置したところであり,引き続き行政のデジタル化に意欲的に取り組んでまいります。

教育県岡山の復活

 次に,第3次生き活きプランに掲げる3つの重点戦略に沿って,御説明申し上げます。

 まず,「教育県岡山の復活」についてであります。

・学ぶ力育成

(学ぶ力の育成)

 学ぶ力の育成につきましては,先月,全国学力・学習状況調査と県独自調査を実施したところであり,今後,調査結果の分析を行い,子どもたちの学力の着実な定着や学ぶ意欲の向上につなげてまいります。

(県立学校におけるGIGAスクール構想の推進)

 県立学校におけるGIGAスクール構想の推進につきましては,高等学校の生徒1人1台端末を,今年度から新たに35校で導入したところであります。さらに,ICT支援員の重点的な巡回支援によるサポート体制の強化や,授業改善につながる実践的な研修,ICTの効果的な活用に向けた研究など,児童生徒がICTを主体的に活用し,情報活用能力を身に付けることができるよう取り組むとともに,今後,1人1台端末導入による効果の検証を進めてまいります。

・徳育・体育推進

(徳育・体育の推進)

 徳育・体育の推進につきましては,近年,小学生を中心に低下傾向にある子どもの体力向上のため,外部人材の活用や,子どもたちが自ら立てた目標の達成に挑戦し,個々の伸びを評価・検証する取組の拡充等により,運動への意欲を高め,運動習慣の定着につなげてまいります。

 長期欠席や不登校につきましては,学校の組織的対応や専門家の活用等を推進するとともに,学校とのつながりを切らないよう,ICTを活用した支援を別室指導の実践研究校において行い,その効果を検証してまいります。

(少年非行対策)

 少年非行対策につきましては,学校警察連絡室の取組等により昨年の非行率が過去最低となるなど,各種施策の成果が現れているところであります。引き続き,教育委員会や県警察と連携し,非行防止教室やあいさつ運動等の取組による少年非行防止に努めてまいります。

地域を支える産業の振興

 続きまして,「地域を支える産業の振興」についてであります。

・企業誘致・投資促進 

(企業誘致と投資の促進)

 まず,企業誘致につきましては,昨年度,19件の誘致が決定し,400億円の投資を呼び込み,400人を超える新たな雇用を創出するなどの成果を上げております。市町村が行う産業団地開発に対する無利子貸付制度なども活用しながら,引き続き,企業の誘致と県内企業の投資促進に努めてまいります。

(中国横断自動車道岡山米子線)

 中国横断自動車道岡山米子線の4車線化につきましては,県議会の皆様をはじめ,関係者が一丸となって要望活動に取り組んだ結果,3月に,賀陽ICから有漢IC間の事業許可がなされ,県内区間が全て4車線に整備されることとなりました。

 引き続き,沿線市町と連携しながら,全区間の早期完成を,国や西日本高速道路株式会社に働きかけてまいります。

(美作岡山道路)

 美作岡山道路につきましては,3月に,吉井ICから英田IC間が新規に国の補助事業として採択され,未供用の全区間で補助事業化されることとなりました。

 引き続き,沿線市町と連携し,早期の全線開通に向け着実に事業を推進してまいります。

・企業の「稼ぐ力」強化

(企業の「稼ぐ力」強化)

 企業の「稼ぐ力」の強化につきましては,中小企業におけるAIやIoT活用の有用性を広く周知するとともに,デジタル化に向けた設備導入等への補助や人材育成のための研修など,デジタル技術を活用した生産性向上の取組を支援してまいります。

 11月に開催予定の「おかやまテクノロジー展2021」につきましては,オンラインも活用するなど,感染状況を注視しながら,開催に向けて準備を進めているところであり,引き続き,新たなビジネスチャンスの創出や企業の競争力強化に取り組んでまいります。

・観光振興

(観光振興)

 観光振興につきましては,令和4年度のデスティネーションキャンペーンに向け,来月からプレキャンペーンを展開し,新しい旅のスタイルに対応した,滞在型観光プランや体験型コンテンツなど,岡山ならではの魅力ある旅を県内外に発信し,国内誘客の早期回復を図ってまいります。

(自然公園withコロナ事業等)

 自然公園につきましては,3密を避けて利用しやすいという大きな利点があることから,観光客の受入れに関わる人材育成,コロナ対策を踏まえたPR方法の研修を実施するとともに,国の国立公園満喫プロジェクトと連携した園地等の整備を行い,さらなる誘客を図ってまいります。

・儲かる農林水産業加速化

(晴苺プロジェクト)

 ブランド化に取り組んでいる「晴苺」につきましては,首都圏での2シーズン目の販売において,出荷量は昨年の2倍以上と順調に拡大し,その品質も,引き続き高い評価を受けております。今後,東京市場へのさらなる安定供給に向けた産地の生産拡大や首都圏向けのPRを行い,年間を通じた「くだもの王国おかやま」のブランド確立につなげてまいります。

(豚熱対策)

 豚熱対策につきましては,3月に本県が豚熱ワクチン接種推奨地域に指定されたことに伴い,先月上旬までに県内すべての飼養豚に対し,1回目のワクチン接種を終えたところであります。今後とも,継続的に接種を行うとともに,野生イノシシに対する検査を強化するなど,関係機関が一丸となり,豚熱の発生防止に努めてまいります。

・働く人応援

(男女共同参画の推進)

 男女共同参画の推進につきましては,新たに企業や経済団体等の実務担当者が参画する「オール岡山女性活躍推進プラットフォーム」を8月に設置することとしており,セミナーやグループワーク等を通じて,働きやすい職場環境づくりなど企業等の抱える課題の解決に取り組む人材を育成し,男女がともに活躍できる社会の実現を目指してまいります。

安心で豊かさが実感できる地域の創造

 続きまして,「安心で豊かさが実感できる地域の創造」についてであります。

・結婚・妊娠・出産応援

(少子化対策の推進)

 まず,少子化対策の推進につきましては,おかやま出会い・結婚サポートセンターが関わることで結婚の希望をかなえたカップルが,昨年度末で256組と,目標としていた120組を大きく上回る成果を上げております。引き続き,センターを拠点として,多様な出会いの機会を提供することで,一人でも多くの方の結婚の希望がかなえられるよう取り組んでまいります。

・防災対策強化

(防災対策の推進)

 防災対策の推進につきましては,災害対策基本法が改正され,市町村が発令する,警戒レベルに応じた避難情報の名称が変更されるとともに,住民のとるべき行動も明確化されたところであり,そうした情報が正しく理解され,適切な避難行動に結びつくよう,市町村等と連携し,周知に取り組んでまいります。

(流域治水の推進)

 治水対策につきましては,激甚化・頻発化している水害に備えるため,流域のあらゆる関係者が協働して取り組む流域治水を推進しており,3月には,一級水系の流域治水プロジェクトを策定・公表したところであります。また,二級水系についても,プロジェクトの策定に向け,協議会を設置したところであり,引き続き,ハード・ソフト両面からの対策を進めてまいります。

・暮らしの安全推進

(暮らしの安全対策)

 暮らしの安全対策につきましては,昨年の刑法犯認知件数が戦後最少を更新いたしました。県民総ぐるみによる犯罪抑止対策を強力に推進した成果によるものと考えております。一方で,コロナ禍の中,昨年の特殊詐欺の被害額が5億円を上回り,深刻な状況にあることから,「だまされんのじゃ岡山県・県民運動」を一層強力に展開し,被害の未然防止に努めてまいります。

 性犯罪・性暴力被害者支援につきましては,今年度から,夜間休日の相談にも対応するなど,支援体制を強化するとともに,被害者の医療費等の公費支援を開始したところであります。引き続き,被害者相談窓口の周知を図りながら,適切な支援に努めてまいります。

(交通安全対策)

 交通安全対策につきましては,昨年は交通事故死者数や人身事故件数等が減少したところであります。

 引き続き,関係機関・団体等と連携した効果的な広報活動を実施し,全ての道路利用者の交通安全意識の向上を図るほか,鬼退治ボックスを活用した,あおり運転をはじめとする悪質ドライバーの取締りを行うなど,県民を交通事故の当事者にさせないための対策を推進してまいります。

・持続可能な中山間地域等形成

(移住・定住,ワーケーション)

 移住・定住の促進につきましては,コロナ禍における地方移住の気運の高まりを捉え,移住希望者のニーズに合った情報を効率的かつ効果的に発信するとともに,市町村が行う空き家等の整備を支援するなど,受入側の環境整備にも積極的に取り組んでまいります。

 また,ワーケーションに関する調査・研究を行うことなどにより,関係人口の創出を図ってまいります。

・快適な環境保全

(EVシフト)

 EVシフトにつきましては,2050年のいわゆるカーボンニュートラルの実現に向け,今後ガソリン車からEV等への転換の加速化が見込まれており,EV等の普及をさらに後押しするため,引き続き,県民試乗モニター事業による魅力発信や充電環境の整備に向けた支援を進めてまいります。

 また,県内企業が急速な環境の変化に的確に対応できるよう,技術開発を推進する人材の育成をはじめ,技術提案力の向上や取引先の多様化等を支援するなど,EVシフトに対応した産業と地域の実現に向けた取組をさらに推進してまいります。

(循環型社会形成の推進)

 循環型社会形成の推進につきましては,使い捨てプラスチック製品の使用を減らす,ワンウェイプラスチック削減キャンペーンを新たに展開するとともに,全ての県民が海ごみ問題を自らの課題としてとらえ,海ごみの発生抑制に向けた意識を醸成するため,三大河川流域啓発リレーの実施や,市町村や経済団体と連携したフォーラムの開催など,広域的かつ効果的な取組を進めてまいります。

・生きがい・元気づくり支援

(おかやまマラソン)

 おかやまマラソン2021につきましては,21,388人のランナーから参加の申込みをいただくとともに,大会を支えるボランティアの登録にも取り組んでおります。

 大会開催にあたっては,日本陸上競技連盟が示すガイドライン等を参考に感染防止対策を徹底し,大会に関わる全ての方々にとって,安全で安心なものとなるよう,関係者と一体となって準備を進めてまいります。

・情報発信力強化

(情報発信力強化)

 情報発信力の強化につきましては,感染症収束後の観光誘客や,移住・定住の促進などの後押しとなるよう,デジタルマーケティングなどの手法も取り入れた戦略的な情報発信を進め,本県の魅力度向上に取り組んでまいります。

諸議案

 次に,今回提案しております諸議案の概要につきまして,御説明申し上げます。

 まず,予算案件につきましては,当初予算編成後の情勢の変化に伴い,早急な対応を必要とするものについて,補正措置を講じることとし,所要額を計上しております。

 その結果,今回の補正予算額は,

  一般会計において 264億8,200余万円の増額

であります。

 補正後の一般会計予算額は,歳入歳出それぞれ8,079億1,000余万円であります。

 一般会計歳入予算の内容につきましては,国庫支出金264億5,600余万円などを増額する所要の補正措置を講じるものであります。

 一般会計歳出予算の主な内容につきましては,産業労働総合対策費263億1,900余万円などを計上しております。

 次に,条例案件につきましては,「岡山県税条例等の一部を改正する条例」など20件であります。

 次に,諮問案件につきましては,退職手当支給制限処分に係る審査請求についてのもの1件であります。

 最後に,報告案件につきましては,ワクチンの円滑な接種を進めるための接種体制の整備に要する経費など,緊急に対応しなければならない事業に係る予算についてのもの1件で,事情やむを得ず専決させていただきましたので,御報告申し上げ,御承認賜りたいと存じます。

 以上,今回提案いたしました諸議案につきまして,その概要を申し上げた次第であります。

 なにとぞ,慎重御審議の上,適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。