ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 総合政策局 > 政策推進課 > 令和4年2月 県議会定例会 知事提案説明要旨

本文

令和4年2月 県議会定例会 知事提案説明要旨

印刷ページ表示 ページ番号:0765396 2022年2月22日更新政策推進課

令和4年2月 県議会定例会 知事提案説明要旨

 本日は,皆様御多用のところ御参集いただきまして,誠にありがとうございました。

 今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして,所信の一端を申し述べ,県議会及び県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

はじめに

・所信表明

(第3次プラン2年目に当たっての所信)

 私は知事就任以来,教育の再生と産業の振興こそが本県発展の礎であるとの信念を持って県政運営に取り組み,今年度からは,昨年3月に策定した県政推進の羅針盤である「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」に基づき,「教育県岡山の復活」,「地域を支える産業の振興」,「安心で豊かさが実感できる地域の創造」という3つの重点戦略の下,各種施策を推進してまいりました。

 これまで9年余りの取組により,昨年の全国学力・学習状況調査の結果がこれまでで最も高くなり,非行率が知事就任時に比べ4分の1以下に低下したほか, 234件の新規立地,約6,000億円の投資と約6,700人の雇用創出を実現しました。また「おかやま出会い・結婚サポートセンター」が関わった成婚数は350組を超え,刑法犯認知件数や人身交通事故件数が大幅に減少するなど,様々な分野で着実に成果が表れているところであります。

 第3次プラン2年目となる来年度につきましても,引き続き感染症対策に全力を挙げるとともに,コロナ禍を契機とした社会のデジタル化や二地域居住などの新たな時代の潮流にも適切に対応しながら,中長期的な視点を踏まえ,科学的な根拠に基づく政策立案やデジタル技術の活用等による実効性の高い施策を推進し,これまでの取組によって生まれた好循環の流れを一層加速させ,本県が持続的に発展していくための道筋を示してまいりたいと存じます。

・県財政の状況等

 令和4年度当初予算案につきましては,新型コロナウイルス感染症の拡大防止策や医療提供体制の整備への対応などにより一般行政経費が増加したことなどから,一般会計の歳出が7,600億円を超える規模となりました。

 また,歳入につきましては,企業収益の改善等に伴い,県税や地方譲与税が増加し,また令和4年度地方財政計画の内容などから臨時財政対策債を含めた地方交付税等の減少,感染症への対応などによる国庫支出金の増加などを見込んでおります。

 なお,今回の予算編成は,前年度と同様に,財政調整基金の取崩見込額に対して残高が不足している状況の中で行うこととなったことから,2月補正予算によって生じる収支改善を活用し,財政調整基金を67億円程度取り崩すこととしております。

 本県財政は,感染拡大の影響や,今後も,社会保障関係費の累増が見込まれることに加え,臨時財政対策債を含めた県債残高の高止まりや公共施設の老朽化への対応などから,厳しい状況が続くと認識しております。引き続き,これまでの行財政改革の取組の成果を維持するとともに,不断の改革・改善に取り組み,経費支出の効率化や県税をはじめとした歳入確保などにより,堅実な財政運営に努めてまいります。

・新型コロナウイルス感染症関係

 次に,新型コロナウイルス感染症について申し上げます。

 年明けから始まったオミクロン株の全国的な感染拡大により,本県においても新規陽性者数が爆発的に増加し,医療提供体制が逼迫する可能性が高まったことから,先月27日から本県にまん延防止等重点措置が適用され,感染拡大を押さえ込むための各種要請を行ってまいりましたが,新規陽性者数は依然として高水準にあり,学校や高齢者施設等でクラスターが頻発し,病床使用率が上昇するなど,医療提供体制が危機的な状況に陥りつつあったことから,国に対し,重点措置期間の延長を要請し,来月6日まで期間が延長されたところであります。

 今後,感染の波が一日も早く収束し,重点措置が解除されるよう,引き続き,感染拡大防止と医療提供体制の強化に努めるとともに,ワクチンの追加接種をさらに推進してまいります。また,コロナ禍からの回復を目指す企業への支援などを通じた地域経済の活性化にも取り組んでまいります。

(感染拡大防止)

 まず,感染拡大防止につきましては,第三者認証店以外の飲食店等については,午後8時までの営業時間の短縮に加え,酒類提供の終日停止を要請する一方で,第三者認証を受けた飲食店等については,選択制により,制限を緩和しているところであります。

 また,学校等でのクラスターの発生事例が多いことに鑑み,オンライン授業や時差通学の実施により,感染リスクの低減を図るとともに,部活動などの感染リスクの高い活動は制限や自粛をするよう要請しているほか,県立学校においては,感染者が確認された場合は直ちに学級閉鎖等を行うこととし,市町村教育委員会や私立学校に対しても,その旨を周知するなど,学校の感染拡大防止策を強化したところであります。

 オミクロン株の猛威が衰えない中,早期に重症化リスクの高い陽性者を探知できるよう,地域の医療機関で速やかに検査・診療が受けられる体制の充実を図るとともに,高齢者施設等を対象とした研修会を開催するなど,予防に関する普及啓発を行ってまいります。

(医療提供体制)

 医療提供体制につきましては,限られた医療資源を有効に活用しながら,医療提供体制等の強化を図るため,重症化を予防する中和抗体薬や,経口治療薬の早期投与体制の充実を図るとともに,医療機関や保健所での逼迫した状況を踏まえ,県民の命を守ることを最優先に,リスクのある方などへ重点化を図り,積極的疫学調査や健康観察を行ってまいります。

(ワクチン接種)

 ワクチン接種につきましては,昨年12月から追加接種が開始され,現在,高齢者を中心に,3回目の接種が進められております。オミクロン株に対しても,追加接種による発症予防効果や重症化予防効果が示唆されており,県においても,医療関係団体や市町村と連携し,追加接種の有効性や安全性,交互接種の効果などについて正確で分かりやすい情報提供に努めるとともに,県営接種会場を運営し,ワクチン接種を推進してまいります。

(中小企業等への支援)

 中小企業等への支援につきましては,県中小企業支援センターでの相談体制や専門家派遣による支援を強化するとともに,BCP策定に向けた支援,企業のニーズに即した個別あっせんや各種商談会等による販路開拓支援を実施するなど,コロナ禍からの回復を目指す企業に対し,きめ細かな支援を行い,県内経済の活性化を図ってまいります。

 あらためまして,医療従事者をはじめとする関係の皆様の御尽力と,県民の皆様,事業者の皆様の御協力に心から感謝申し上げます。

 国内で初めて感染者が確認されてから2年が経過いたしましたが,新たな変異株による脅威は続き,未だ予断を許さない状況にあります。県民の命と健康を守り,安心して過ごせる日常生活と,活力ある社会経済活動を取り戻すため,今後とも全身全霊を尽くしてまいります。

・平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興

 次に,平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興についてであります。

 被災者の生活とくらしの再建につきましては,災害関連復旧工事の関係で3回目の延長が必要となる一部世帯も含め,現在の応急仮設住宅への入居状況はピーク時の2%を下回っており,住まいと生活の再建は着実に進んでいると認識しております。引き続き,被災者一人ひとりの状況に即した的確な支援にしっかりと努めてまいります。

 また,公共施設等については,被災箇所の原形復旧工事が今年度末までに全て完了する予定であり,小田川3支川などの改良復旧についても概ね計画どおり進捗しており,早期の工事完了に向け,事業を推進してまいります。

 今後とも,被災地の状況を踏まえながら,復旧・復興の取組を着実に進めてまいります。

・行政のデジタル化の推進

 次に,行政のデジタル化の推進につきましては,昨年10月に策定した岡山県DX推進指針に従い,行政手続のオンライン化やICTツールの拡大,マイナンバーカードの普及促進のほか,デジタルデバイド対策に取り組むなど,引き続き,県民の利便性向上や県行政の効率化に向け,着実に推進してまいります。

教育県岡山の復活

 続きまして,令和4年度の施策・事業の基本的方向について,第3次晴れの国おかやま生き活きプランに掲げる3つの重点戦略に沿って御説明申し上げます。

 まず,「教育県岡山の復活」についてであります。

・学ぶ力育成

(学ぶ力の育成)

 学ぶ力の育成につきましては,子どもたちが主体的に学び,社会課題の解決につながる新たな価値や行動を生み出すことができるよう,一人ひとりの夢を育み,学ぶ意欲の向上を図ることが重要であると考えております。

 このため,引き続き授業改革推進チームの配置拡充等による授業改善や,支援員を活用した放課後の補充学習等による個に応じた指導の充実に取り組むほか,地域や社会と連携・協働した探究的な学びや,ICTを活用した創造性を育む学びなどを推進し,子どもの学ぶ力を育成するとともに,部活動指導員の配置を拡充するなど,教員の負担軽減を図り,教員が元気で意欲的に,子どもと向き合うことのできる環境づくりを進めてまいります。

・徳育・体育推進

(児童生徒の問題行動等)

 児童生徒の問題行動等につきましては,暴力行為,不登校について,一定の改善が見られるものの,暴力行為の発生割合は全国に比べて高く,不登校児童生徒数やその出現割合は依然として高い水準にあります。

 このため,引き続き学校の組織的な対応とともに,スクールソーシャルワーカーや,問題行動が見え始めた学校へ支援を行う集中指導員などの専門家と連携した取組等を推進し,問題行動等の未然防止と早期対応を図ってまいります。

・グローバル人材育成

(学生の海外留学の促進)

 学生の海外留学の促進につきましては,留学経験のある著名人によるセミナーや相談会等を実施するとともに,産学官が連携して留学を支援するなど,引き続き実践的な語学力やコミュニケーション能力を備えた人材の育成を進めてまいります。

 さらに,留学支援を行った学生の地元定着を進めるため,留学を終えてからも地域に対する愛着心や地域に貢献したいという志を持ち続けていただくよう,新たにSNSを活用した交流・情報交換の場を設けてまいります。

地域を支える産業の振興

 続きまして,「地域を支える産業の振興」についてであります。

・企業誘致・投資促進

(企業誘致と投資の促進)

 企業誘致と投資の促進につきましては,新たな誘致の決定などにより,今年度の実績は雇用創出数が1,300人,投資予定額も800億円を超えるなど,着実に成果を上げております。

 引き続き,企業への戦略的なアプローチにより投資動向の的確な把握に努め,本県の優れた立地環境を生かした新たな誘致や,県内企業が本県で成長を続けるための投資の促進に取り組むとともに,市町村が行う産業団地開発に対する支援等により,企業ニーズに対応した産業用地の確保に努めてまいります。

(水島港機能強化)

 水島港の機能強化につきましては,コンテナ貨物や穀物バルク貨物を中心に国際物流に対応した港湾施設整備を行ってきたところであり,今後,国際バルク戦略港湾として,日本有数の穀物輸入拠点を目指し,船舶の大型化に対応する大水深の航路やターミナルの整備に全力で取り組み,国際競争力を高めてまいります。

・企業の「稼ぐ力」強化

(県産品の販路開拓)

 県産品の販路開拓につきましては,オンラインショップの活用をはじめ,百貨店等での物産展や商談会の開催,展示会出展や商品開発への支援等を通じ,県内事業者の販路拡大の加速化に努めてまいります。

 さらに,岡山デニムの魅力を将来のファッション業界を担う学生等に対して発信するとともに,PR動画を多言語で制作するなど,国内外における岡山デニムの認知度やブランド価値の向上を図ってまいります。

(EVシフト)

 EVシフトにつきましては,世界的に進むEVシフトに県内企業が的確に対応できるよう,技術開発力の向上をはじめ,異業種転換や企業間連携の促進,技術提案力の強化など幅広い支援を行うとともに,EV等の普及を促進するため,引き続き,充電環境の整備に向けた支援のほか,EV等の優れた性能や機能などの魅力発信を行うなど,EVシフトに対応した産業と地域の実現に向けた取組を推進してまいります。

(ものづくり企業のグリーン成長支援)

 ものづくり企業のグリーン成長支援につきましては,エネルギー関連産業や輸送・製造関連産業など,国のグリーン成長戦略で示された分野に関連する最新の技術情報の提供や,支援制度の紹介を行うとともに,大学や工業技術センター等のシーズと企業ニーズのマッチング等により,新技術・新製品の開発等を支援してまいります。

(中小企業のデジタル化)

 中小企業のデジタル化につきましては,県中小企業支援センターに相談窓口を設置し体制強化を図るとともに,経営者等の理解促進や企業内のキーパーソンとなるデジタル人材の育成に取り組んでまいります。

 また,生産性向上のための設備導入支援や,県内情報関連企業で構成された協力隊の派遣,5Gオープンラボを活用した研究開発への支援等により,県内中小企業のデジタル技術の導入を促進し,企業の「稼ぐ力」のさらなる向上を図ってまいります。

・観光振興

(観光振興)

 観光振興につきましては,夏の岡山デスティネーションキャンペーンにおいて,新たな旅のニーズに対応した本県ならではの観光素材を用意し,観光客の方々を温かいおもてなしでお迎えしたいと考えております。

 また,インバウンドの段階的回復を見据えた環境整備を進めるほか,ポストコロナに対応した観光戦略を策定し,市町村等と共有するなど,キャンペーンで磨き上げた観光素材の定着化を図るとともに,持続可能な観光地づくりに取り組んでまいります。

(岡山後楽園)

 岡山後楽園につきましては,魅力ある文化財庭園として適切に保存・整備を行うとともに,キャンペーンや秋の岡山城リニューアルオープンと連携した誘客事業をはじめ,後楽園の本質的な価値をさらに高める施策を展開し,本県の観光振興につなげてまいります。

・儲かる農林水産業加速化

(県産果物のマーケティング強化)

 県産果物のマーケティング強化につきましては,県専属の販売員による実店舗での販売促進等を継続するとともに,デジタルマーケティングを活用した効果的な情報発信に取り組むなど,対面とオンラインの両面から訴求力を高め,首都圏及び海外における岡山ブランドの一層の定着を目指してまいります。

(「くだもの王国おかやま」のブランド強化)

 「くだもの王国おかやま」のブランド強化につきましては,出荷量の増加や長期安定出荷が求められている白桃の供給力強化に向け,産地の拡大や晩生(おくて)品種の導入に加え,園地の平坦化等による生産性の向上や,近年の気候変動に対応した排水・かん水施設の整備等による生産の安定化を進めてまいります。

 また,ブランド化に取り組んでいる晴苺につきましても,首都圏でその品質が高い評価を受け,市場から出荷量の拡大を求められていることから,産地の生産拡大を図るため,栽培用ハウスの整備や栽培技術の向上等の取組を進めてまいります。

(畜産業の振興)

 畜産業の振興につきましては,本年10月に開催される全国和牛能力共進会鹿児島大会に向け,現在,候補牛の発育状況や体型を定期的に評価するなど,出品牛の選抜を進めているところであります。5年に1度開催されるこの大会で優秀な成績を収められるよう,準備を進めてまいります。

・働く人応援

(本県への就職促進)

 本県への就職促進につきましては,県内企業の若手社員が,県内就職の魅力や自身の体験などを学生に語り,就活に関する相談に対応する「おかやま就活サポーター」制度を新たに導入するほか,Uターン就職学生の奨学金返還支援や,専門のコーディネーターによる県外学生のUターン就職促進などを通じ,本県への人材の還流と定着に取り組んでまいります。

安心で豊かさが実感できる地域の創造

 続きまして,「安心で豊かさが実感できる地域の創造」についてであります。

・保健・医療・福祉充実

(子宮頸がんの予防)

 子宮頸がんの予防につきましては,これまでの国への懸命な働きかけなどが実を結び,8年以上にわたり差し控えられていたHPVワクチン接種の積極的な勧奨の再開や,その間に接種機会を逃した方々も無料接種の対象とすることが決定されました。今後とも,一人でも多くの方のワクチン接種に向け,子宮頸がんの予防に関する正しい知識の普及啓発に積極的に取り組んでまいります。

・結婚・妊娠・出産応援

(少子化対策の推進)

 少子化対策の推進につきましては,「おかやま縁むすびネット」に性格診断によるマッチング機能を追加するなど,さらなる成婚数の増加を目指すとともに,新たに,子育て中の女性とのワークショップ等を取り入れたライフデザイン講座を実施し,結婚や子育てに対する前向きな意識の醸成を図るなど,総合的な少子化対策の取組を推進してまいります。

・子育て支援充実

(保育士の確保)

 保育士の確保につきましては,保育士養成校の学生を対象とした修学資金貸付制度を活用し,県内保育施設への就職促進を図るとともに,保育士・保育所支援センターを核とした,潜在保育士の掘り起こしやきめ細かな就職支援などにより,保育士の確保対策をさらに強化してまいります。

・防災対策強化

(防災対策の推進)

 防災対策の推進につきましては,大規模災害時に被災市町村が,外部から人的,物的支援を円滑に受け入れ,増大する災害対応業務を適切に実施できるよう,市町村の受援計画の作成を支援してまいります。

 また,市町村による個別避難計画の作成を支援するため,関係者間の調整を担う中核的な人材を育成するとともに,県が提供するリアルタイムの防災情報を活用した適切な避難行動の普及を進めるなど,自助・共助・公助の観点から,災害に強い地域づくりを進めてまいります。

(防災・減災,国土強靭化の推進)

 防災・減災,国土強靭化の推進につきましては,令和7年度までの国の加速化対策等を活用しながら,河川の堤防整備や道路ネットワークの強化など,激甚化する風水害や切迫する大規模地震等への対策に重点的に取り組み,災害に強い県土づくりを推進してまいります。

・暮らしの安全推進

(暮らしの安全対策)

 暮らしの安全対策につきましては,県民総ぐるみによる犯罪抑止対策を推進したことにより,昨年の刑法犯認知件数は約7,500件と,前年と比べ約300件減少しております。

 一方で,特殊詐欺に関しては,昨年の被害額は前年と比べ約1億9,000万円減少したものの,認知件数は約1割増加するなど,依然として深刻な状況にあることから,引き続き,「だまされんのじゃ岡山県・県民運動」を一層強力に推進し,被害防止に努めてまいります。

(交通安全対策)

 交通安全対策につきましては,昨年は交通事故死者数が57人と,昭和24年以来72年ぶりに60人を下回るなど,着実に成果が現れてきているところであります。

 引き続き,道路を使用するすべての方に交通ルールを守ってもらう取組を進めるとともに,将来ある子どもを交通事故から守るため,可搬式速度違反自動取締装置による交通指導取締りを中心とした,通学路の安全対策を強化してまいります。

・持続可能な中山間地域等形成

(移住・定住)

 移住・定住の促進につきましては,感染症を契機として地方への関心が高まる中,市町村が行うワーケーションの取組への支援に加え,新たなライフスタイルとして注目が集まる二地域居住に関心を持つ方を対象としたモニターツアーの実施など,市町村等と連携しながら,地方に関心を持つ様々な層を取り込み,将来的な移住・定住にもつながる関係人口の創出に努めてまいります。

(地域公共交通)

 地域公共交通につきましては,県民の公共交通離れが進んでいることから,県民の移動ニーズとのミスマッチを洗い出すため,県内全域を対象としたパーソントリップ調査を実施し,市町村等と連携しながら,課題解決に向けた新たな施策に取り組むなど,地域公共交通ネットワークの活性化を進めてまいります。

・快適な環境保全

(地球温暖化対策の推進)

 地球温暖化対策の推進につきましては,これまでの省エネ対策などの取組も着実に進めながら,県民や事業者をはじめ,あらゆる主体による取組が進むよう,来年度に岡山県地球温暖化防止行動計画の改定を行うとともに,その先にある2050年カーボンニュートラルを見据えた取組の検討を進めてまいります。

(循環型社会形成の推進)

 循環型社会形成の推進につきましては,食品関連事業者とフードバンクをタイムリーにつなぐシステムを新たに構築・運用するなど食品ロスの削減に努めるとともに,日本財団等と連携した瀬戸内オーシャンズXとしての活動などを通じて,地域の実情に応じた円滑な回収・処理体制の構築など,より効果的な海ごみ対策を進めてまいります。

(水辺空間の適正利用促進)

 水辺空間の適正利用促進につきましては,国,県,市などを中心とした対策推進会議において,今年度内に策定予定の放置艇対策の基本方針に基づき,関係機関が連携し,所有者を調査するとともに,収容能力の向上,規制の強化,所有者の意識啓発など,地域の実情を踏まえた実効性の高い対策を進めてまいります。

・生きがい・元気づくり支援

(文化の振興)

 文化の振興につきましては,来年度は瀬戸内国際芸術祭の開催が予定されていることから,岡山芸術交流や美作三湯芸術温度など,多彩な文化イベントを県内各地で展開し,文化の力を活用した地域の活性化を推進するとともに,文化を楽しみ,感動できる環境づくりに取り組んでまいります。

 また,県北地域で盛り上がりを見せる「アート」を切り口とした県内周遊型の観光振興を図るため,来年度からコンセプトの検討などを進めてまいります。

(北京オリンピック)

 先日閉会した北京オリンピックにつきましては,フィギュアスケート・アイスダンスに本県ゆかりの小松原美里選手と尊選手が出場し,団体戦で初となるメダル獲得に大きく貢献されました。こうした大舞台での活躍は,県民に勇気と感動を与えるとともに,県内スポーツの振興にも,大きな弾みになるものであり,心からのお祝いを申し上げるとともに,敬意を表したいと存じます。県としては,この栄誉をたたえ,今後,お二人への表彰を検討してまいります。

(スポーツの振興)

 また,昨年の東京オリンピック・パラリンピックから続く,選手たちの活躍もあり,現在,県民のスポーツへの関心が大いに高まっているところであります。この好機を生かし,トップクラブチームへの支援等によるスポーツを身近に感じる環境づくりや,トップアスリートの競技力向上を図る取組等により,スポーツの推進と地域の活性化に努めてまいります。

(DV被害の防止)

 DV被害の防止につきましては,感染症の影響などにより,被害の潜在化や深刻化が懸念されることから,SNSを活用したプッシュ型のアプローチを行うことで,早期にDV被害を認識してもらい,支援機関への相談を促すとともに,相談や支援を行う専門職員の資質向上を図るなど,地域のセーフティネットの強化に取り組んでまいります。

・情報発信力強化

(情報発信力の強化)

 情報発信力の強化につきましては,来年度開催されるデスティネーションキャンペーンや瀬戸内国際芸術祭などに向けた観光誘客のほか,県産品や県産果物の国内外への魅力発信を図るため,動画やSNSを効果的に活用したプロモーションを行うとともに,メディア取材の誘致にも積極的に取り組み,本県のイメージアップに努めてまいります。

諸議案

 次に,今回提案しております諸議案の概要につきまして,御説明申し上げます。

 まず,予算案件のうち,令和4年度当初予算案についてでありますが,国の令和4年度一般会計当初予算案は,社会保障の分野などで歳出が増加し,予算規模は,107兆5,964億円と過去最大となっております。

 このような状況を踏まえ,本県の令和4年度当初予算編成にあたりましては,「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」の方向性や具体的な目標設定を踏まえ,「生き活き岡山」の実現に向けた取組を加速させるとともに,感染症を契機としたデジタル化の進展や地方分散の流れなどウィズコロナ・ポストコロナを見据えた施策や,豪雨災害からの一日も早い復旧・復興に向けた施策に着実に取り組むこととし,より実効性の高い事業を数多く盛り込んだところであります。

 以上により編成しました令和4年度の当初予算案は,

   一般会計において  7,634億2,600余万円

   特別会計において    4,125億5,500余万円

   合わせて         1兆1,759億8,200余万円

      企業会計において     166億2,700余万円

となっております。

 このうち,一般会計につきまして,その内容を性質別に申し上げますと,

   義務的経費          5,314億7,900余万円

      一般行政経費       1,530億8,700余万円

      投資的経費         788億5,900余万円

となっております。

 次に,一般会計につきまして,その概要を申し上げます。

 まず,歳入予算についてでありますが,県税収入は,令和3年度当初予算に対し7.2%増の2,434億9,600余万円,地方交付税は5.8%増の1,799億円,臨時財政対策債は67.9%減の158億円となっており,一般財源は総額5,760億4,300余万円を計上しております。特定財源は,国庫支出金が14.4%増の1,124億200余万円,県債は16.6%減の424億9,800余万円など,合わせて1,873億8,300余万円を計上しております。

 次に,歳出予算についてでありますが,主な事業を申し上げますと,感染症関連では,新型コロナウイルス感染症対策推進事業377億3,900余万円,時短要請協力金53億5,500万円,豪雨災害関係では,被災者見守り・相談支援事業2,800余万円,河川激甚災害対策特別緊急事業39億5,800余万円などを,また,生き活きプランに基づくものでは,私立学校の安定的な経営のための私学助成事業2億9,200余万円,子どもたちが落ち着いて学習できる環境整備事業2億1,900余万円,戦略的企業誘致推進事業1億5,100余万円,子宮けいがん予防啓発事業1,200余万円,岡山移住・定住促進パワーアップ事業6,700余万円,EVシフトに対応した産業・地域づくり推進事業1億8,400余万円などを計上しております。

 債務負担行為につきましては,治山事業費など新たに債務を負担しようとするもの139件であります。

 地方債につきましては,歳出予算の財源として必要な額を予定するものであり,一時借入金につきましては,年度内の歳計現金が不足する場合の借入れの最高額を定めようとするものであります。

 特別会計につきましては,岡山県公債管理特別会計に1,884億7,200余万円を計上するなど,14会計においてそれぞれ所要額を計上しております。

 企業会計につきましては,岡山県流域下水道事業会計に80億2,800余万円を計上するなど,3会計においてそれぞれ所要額を計上しております。

 次に,令和3年度補正予算案についてでありますが,事業費の確定等に伴うものについて,それぞれ所要の補正措置を講じることとしております。

 その結果,今回の補正予算額は,

  一般会計において     406億8,200余万円の増額

    特別会計において     155億5,800余万円の増額

  合わせて         562億4,100余万円の増額

  企業会計において      27億4,700余万円の減額

であります。

 補正後の一般会計予算額は,歳入歳出それぞれ9,280億4,000余万円であります。

 一般会計歳入予算につきましては,県債161億6,300余万円,繰入金56億6,400余万円,国庫支出金22億4,300余万円を減額する一方で,地方交付税217億2,200余万円,県税158億6,700余万円を増額するなど,所要の補正措置を講じるものであります。

 一般会計歳出予算のうち増額措置の主なものは,岡山県財政調整基金積立金347億3,400余万円,国庫支出金返納金81億8,100余万円,岡山県公共施設長寿命化等推進基金積立金70億2,700余万円,産業労働総合対策費56億7,200余万円などであります。また,減額措置の主なものは,人件費,新型コロナウイルス感染症対策推進費,公共災害土木復旧費等,事業費の確定に伴うものであり,それぞれ所要の補正措置を講じるものであります。

 繰越明許費につきましては,関係者等との調整難航などの理由により,合わせて63件,343億7,500余万円を繰越ししようとするものであります。

 債務負担行為につきましては,平成30年7月豪雨災害復興住宅建設資金等利子補給補助金について限度額の変更をしようとするもの1件であります。

 地方債につきましては,今回の補正予算に関連し,所要の補正措置を講じようとするものであります。

 特別会計につきましては,岡山県公債管理特別会計など12会計において,また企業会計につきましては,岡山県営工業用水道事業会計など3会計において,それぞれ所要の補正措置を講じるものであります。

 次に,事件案件につきましては,岡山県広域水道企業団への出資についてのもの1件,包括外部監査契約の締結についてのもの1件,地方独立行政法人岡山県精神科医療センター第4期中期計画の認可についてのもの1件,県営土地改良事業等に対する市町村負担金についてのもの1件であります。

 最後に,条例案件につきましては,「岡山県職員等定数条例の一部を改正する条例」など27件であります。

 以上,今回提案いたしました諸議案につきまして,その概要を申し上げた次第であります。

 なにとぞ,慎重御審議の上,適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。