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第24回 森林研究所の散歩道(ナツズイセン、ヤマノイモ編)
第24回 森林研究所の散歩道(ナツズイセン、ヤマノイモ編)
第24回の今回は、ナツズイセンとヤマノイモについて紹介します。
ナツズイセンは人里近くの山野に生える多年草です。スイセンのような美しい花を、スイセンの花期ではない夏につけることからこの名が付いたとされています。スイセンはヒガンバナ科スイセン属なのに対して、ナツズイセンはヒガンバナ科ヒガンバナ属であり、ヒガンバナにより近縁な植物です。
ヤマノイモは山林に生えるつる性の多年草で、地上には養分を蓄えたわき芽が、地下には多肉根があり、それぞれむかご、自然薯と呼ばれ、食用とされています。非常によく似た種であるナガイモは中国原産であり、ヤマノイモは日本原産の植物です。つる性の茎は必ず右巻きになるそうです。
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。
(出典 林 (1983) 山渓カラー名鑑 日本の野草. 山と渓谷社. p596, 598
長田 (1981) 原色野草観察・検索図鑑. 保育社. p405, 408)
写真 - 1 ナツズイセン
写真 - 2 ヤマノイモの花 写真 - 3 ヤマノイモのむかご