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第26回 森林研究所の散歩道(カクレミノ、シダレグリ編)
第26回 森林研究所の散歩道(カクレミノ、シダレグリ編)
第26回の今回は、カクレミノとシダレグリについて紹介します。
カクレミノは東北より南の暖帯の沿岸地によく分布する常緑小高木です。カクレミノは岡山県の方言であるミツナガシワ等の多くの方言が各地に存在しています。葉が独特の形状をしているため、特別な力を持つと考えられ、神社に多く植えられています。材は軟らかく軽いため、特に沖縄では砂糖樽に用いられるなど、器具に使われてきました。
シダレグリは写真のように枝が垂れ下がる特徴的な形状をしたクリの変種の一つです。こうした特徴は突然変異によって生まれたと考えられています。実は通常のクリに比べ小さく、食用として利用されてはこなかったようです。長野県辰野町と岐阜県下呂市にあるシダレグリの自生地は、それぞれ国の天然記念物に指定されています。
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。
(出典 平井 (1996) 木の大百科 解説編. 朝倉書店. p133, 510-512.
佐藤ら (1972) 果樹園芸大辞典. 養賢堂. p781.
岐阜県HP シダレグリと初矢峠石畳の町 https://www.pref.gifu.lg.jp/page/5910.html
文化遺産オンライン 小野のシダレグリ自生地 https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/216429
文化遺産オンライン 竹原のシダレグリ自生地 https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/138364)
写真 - 1 カクレミノ 写真 - 2 カクレミノの葉と実
写真 - 3 シダレグリ