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第28回 森林研究所の散歩道(ウツクシマツ、ハマヒサカキ編)
第28回 森林研究所の散歩道(ウツクシマツ、ハマヒサカキ編)
第28回の今回は、ウツクシマツとハマヒサカキについて紹介します。
ウツクシマツはアカマツの天然の変種の一つです。アカマツは日本の山野によく見られる常緑高木で、岡山県の県の木でもあります。ウツクシマツの特徴的な部分はその樹形にあります。写真2のように根元から多数の分岐が発生しており、扇や箒のような形状をしています。滋賀県湖南市に自生地があり、国の天然記念物に指定されています。
ハマヒサカキは日本では愛知県以南に見られる常緑低木で、ヒサカキの近縁種に当たります。ハマ+ヒサカキの名のとおり海岸近くで多く見られます。ヒサカキの仲間ではありますが、神事などに用いられることは無く、生垣や防潮の目的で利用されています。
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。
(出典 平井 (1996) 木の大百科 解説編. 朝倉書店. p24-26, 253-254.
湖南市HP 国の天然記念物「平松のウツクシマツ自生地」の概要 https://www.city.shiga-konan.lg.jp/soshiki/kankyou_keizai/norin_hozen/24759/24760.html)
写真 - 1 ウツクシマツ 写真 - 2 ウツクシマツの根元
写真 - 3 ハマヒサカキ