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令和4年9月 県議会定例会 知事提案説明要旨

印刷ページ表示 ページ番号:0801430 2022年9月5日更新政策推進課

令和4年9月 県議会定例会 知事提案説明要旨

 本日は、皆様御多用のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございました。

 今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして、当面する県政の課題について申し述べ、県議会及び県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

はじめに

・新型コロナウイルス感染症関係

 まず、はじめに、新型コロナウイルス感染症について申し上げます。

 いわゆる第7波としてオミクロン株BA.5系統への置き換わりが全国的に進み、本県においても新規陽性者数が7月下旬からお盆明けにかけて連日のように過去最多を更新する中で、病床使用率も第6波の最高値を超え、医療の逼迫した状況が続いております。

 本県では、医療提供体制の崩壊を防ぐため、休日の発熱患者等の診療検査体制拡充のための支援や、検査キット配送・陽性者登録センターの設置など診療・検査医療機関の負担軽減を図るとともに、一時療養待機所の設置や、受入病床の増床など入院体制の整備を行いました。また、重症化リスクの高い高齢者等の命を守るため、入所系の高齢者施設等の従事者を対象とした抗原検査による集中検査の頻度を上げるなどの対策も進めてまいりました。

 併せて、ワクチン接種について、高齢者施設における4回目接種の促進や、県営接種会場における接種体制の拡充などに取り組んでまいりました。

 さらに、先月5日、「BA.5対策強化宣言」を行い、あらためて県民の皆様に基本的な感染対策の徹底やワクチン接種などについて要請し、先月26日には、「BA.5対策強化期間」を今月30日まで延長し、医療逼迫への配慮を要請いたしました。

 県民の皆様の御理解と御協力をいただき、第7波のピークは越えることができたと考えておりますが、新規陽性者数、病床使用率ともに依然として高い水準で推移を続けております。現在、国から示された発生届の対象の限定への対応などについて検討を進めておりますが、今後とも流行株の特性に応じた対策を行い、社会経済活動との両立を図りながら感染拡大防止に全力を尽くしてまいります。

・経済対策(物価高騰、コロナ対策)

(6月補正予算事業の取組状況)

 コロナ禍、物価高騰に対する経済対策につきましては、6月定例会で議決いただいた補正予算に基づき、省エネ設備等への更新を行う中小企業に対して支援を行っているほか、原油価格高騰に直面するバス、タクシー、鉄道などの地域公共交通事業者に対しては、事業の継続支援に取り組んでいるところであります。

 また、先月18日から県独自のプレミアム付食事券を販売しているところであり、消費者を応援するとともに、外食需要を喚起することで飲食店や関連事業者の支援につなげてまいります。

 (全国知事会「くらしの安心確立調整本部」の取組)

 さらに、物価高騰の長期化が見込まれる中、国における一元的な対応が必要であることから、先般、全国知事会に設置された「くらしの安心確立調整本部」において、私が中心となって提言を取りまとめ、地域の生活や経済活動のさらなる支援のための強力な対策を国に働きかけたところであります。引き続き、様々な機会を通じ、国に地方の意見をしっかりと伝えてまいります。

・行政のデジタル化

 (マイナンバーカードの普及促進)

 マイナンバーカードにつきましては、ファジアーノ岡山の試合会場でマイナポイントの啓発事業を実施したほか、企業や商業施設等にスタッフを派遣し、申請をサポートする取組を開始したところであり、引き続き、国や市町村と連携しながら、カードを申請しやすい環境を整備するなど普及促進に努めてまいります。

教育県岡山の復活

 続きまして、第3次晴れの国おかやま生き活きプランに掲げる3つの重点戦略に沿って、御説明申し上げます。

 まず、「教育県岡山の復活」についてであります。

・学ぶ力育成

(学力向上)

 学力向上につきましては、7月に公表された全国学力・学習状況調査の結果が、昨年度に続き、小・中学校ともに平均正答率が全国と同等となり、特に小学校については、国語と理科が全国平均を上回るなど、一定の成果が現れたものと考えております。

 今後も、授業改善や児童生徒の学ぶ意欲を高める取組を一層推進するなど、児童生徒の学ぶ力のさらなる育成に全力で取り組んでまいります。

・徳育・体育推進

(少年非行対策)

 少年非行対策につきましては、今年上半期の非行率が前年同時期に比べて低下するなど、少年非行情勢は改善傾向を維持しております。

 引き続き、非行防止教室や関係機関等と連携した取組を推進し、少年の規範意識の向上に努めてまいります。

(令和7年度全国高校総体)

 令和7年度に中国ブロックで開催される全国高等学校総合体育大会につきましては、先月、県内において、バスケットボール、バレーボール女子、ハンドボール、ソフトボール、柔道、ボクシング、空手道の7競技が行われることが決定されました。地元選手の活躍を期待するとともに、大会が盛り上がり、学校体育やスポーツ、さらには地域の活性化につながるよう準備を進めてまいります。

地域を支える産業の振興

 続きまして、「地域を支える産業の振興」についてであります。

・企業誘致・投資促進

(企業誘致と投資の促進)

 企業誘致につきましては、今年度に入り、洋上風力発電設備の製造工場など、5件の大型投資が決定し、それらの投資額は1,143億円、雇用創出数は133人となったほか、新たに、県外企業による本社機能一部移転が決定するなど、企業の設備投資は増加しております。

 今後も、企業の投資動向の把握に努め、企業誘致と投資の促進に取り組んでまいります。

・企業の「稼ぐ力」強化

(企業の「稼ぐ力」強化)

 企業の「稼ぐ力」の強化につきましては、中四国最大級の展示商談会である「おかやまテクノロジー展2022」を開催することとしており、感染症対策を講じたリアル展を11月に開催し、それに先立ちオンライン展を公開することで相乗効果を図り、県内企業の新たなビジネスチャンスの創出や競争力強化に取り組んでまいります。

(EVシフト)

 EVシフトにつきましては、多くの県内サプライヤーが部品を供給する、新型の軽自動車EVが6月から販売開始されたところであり、本県における自動車産業の持続的発展やEV普及の大きな弾みになるものと期待されております。

 引き続き、関連企業の技術開発力のさらなる向上や取引拡大につながるよう、EVシフトに対応した取組を推進してまいります。

 また、EV等の導入の利点や、国や県の補助制度をわかりやすく広報するとともに、充電環境の整備に向けた支援に取り組み、EV等の普及をさらに後押ししてまいります。

・観光振興

(観光振興)

 観光振興につきましては、デスティネーションキャンペーンを今月末まで実施しており、本県ならではの豊かな自然や朝と夜の楽しみ方、旬のフルーツ、アートなどをテーマにした特別な企画を盛り込み、県内観光地へ多くの方にお越しいただいているところであります。

 キャンペーンの効果により、全国的に本県への注目度が高まっている機会を捉え、来月から12月末まで、おかやま秋旅キャンペーンを実施するとともに、観光素材のさらなる磨き上げや積極的な情報発信に取り組み、観光消費額の回復につなげてまいります。

 また、今後のインバウンド回復に向け、受入環境の整備や相手国の特性に応じたプロモーション等に取り組んでまいります。

(岡山後楽園)

 岡山後楽園につきましては、先月、夏の幻想庭園を開催し、岡山らしさを意識したプロジェクションマッピングや園内のライトアップ等により、訪れた多くの方の好評をいただいたところであります。

 11月には、リニューアルオープン後の岡山城と連携し、2年ぶりに「秋の幻想庭園」と「烏城灯源郷」を同時開催するとともに、両施設を活用したデジタルスタンプラリーを新たに実施するなど、後楽園のさらなる魅力向上に努めてまいります。

・儲かる農林水産業加速化

(県産農産物のマーケティング強化)

 県産農産物のマーケティング強化につきましては、ポストコロナを見据え、デジタルマーケティングを活用した効果的な情報発信に取り組むとともに、現在、首都圏の高級果物専門店や海外流通事業者と連携し、ブドウのプロモーションを展開しているところであり、引き続き、県産農産物の一層の販路拡大を推進してまいります。

(畜産業の振興)

 畜産業の振興につきましては、5年に一度、和牛の改良成果を競う「全国和牛能力共進会」が、来月6日から鹿児島県で開催されます。本県からは代表牛21頭が出品され、上位入賞を目指しており、畜産業の振興に向けて、おかやま和牛の魅力を全国にアピールしてまいります。

安心で豊かさが実感できる地域の創造

 続きまして、「安心で豊かさが実感できる地域の創造」についてであります。

・保健・医療・福祉充実

(子宮頸がんの予防)

 子宮頸がんの予防につきましては、8年以上もの間HPVワクチンの積極的勧奨が中断されていたため、県民の理解が十分に進んでいない状況であることから、保護者に加え接種対象者に直接情報が届くよう、新たなリーフレットや動画を作成するとともに様々な媒体で広告配信するなど、家庭で話し合う機会が増える夏休み期間中に重点的な啓発を行ったところであります。

 今後とも、若い世代の命を一人でも多く救うため、正しい知識の普及啓発と円滑な接種に向けて一層取り組んでまいります。

・結婚・妊娠・出産応援

(少子化対策の推進)

 少子化対策の推進につきましては、先月、おかやま縁むすびネットはマッチング開始5周年を迎え、おかやま出会い・結婚サポートセンターが関わった成婚数は約400組となっております。マッチング率のさらなる向上を目指して、来年1月には新たに性格診断機能を導入する予定であり、一人でも多くの方の結婚の希望がかなえられるよう取り組んでまいります。

・子育て支援充実

(子どもの貧困対策)

 子どもの貧困対策につきましては、貧困など困難な環境にある子どもが安心して過ごせる居場所づくりを推進するため、子どもの居場所の運営や、子どもへの支援を行う団体の間で、情報共有や情報発信等を行うネットワークを立ち上げたところであります。

 今後、協力企業とネットワークに属する団体とのマッチング等により、各団体の持続可能な運営や、対応力の向上等に取り組んでまいります。

・防災対策強化

(防災対策の推進)

 防災対策の推進につきましては、災害時に、外部からの支援を円滑に受け入れることができるよう、市町村に体制整備をお願いしており、今後、専門家を派遣し、市町村の実情に応じた受援計画の作成を支援してまいります。

 また、個別避難計画等の作成については、今年度、これまでモデル事業で蓄積してきた作成のノウハウをマニュアルに取りまとめるとともに、引き続き、防災と福祉の関係者の連携強化等に取り組み、早期の計画作成を促してまいります。

・暮らしの安全推進

(暮らしの安全対策)

 暮らしの安全対策につきましては、今年上半期の刑法犯認知件数が前年同時期に比べてわずかに増加しており、特に空き巣や車上ねらいによる被害が増えていることから、関係機関、団体等と連携した犯罪抑止対策をより一層推進してまいります。

 また、特殊詐欺につきましても、認知件数が増加傾向にあり、特に昨年から還付金詐欺による被害が急増するなど、依然として深刻な状況にあることから、引き続き、「だまされんのじゃ岡山県・県民運動」を強力に推進し、被害の未然防止に努めてまいります。

(交通安全対策)

 交通安全対策につきましては、今年上半期の交通事故死者数は38人と、過去5年間で最多となっております。その内訳を見ると、車両単独での自損事故や正面衝突といった運転者の漫然運転等が原因とみられる事故での死者が過半数を占めていることから、道路での緊張感を高めるため、引き続き、白バイ等による街頭での「見せる」活動を推進してまいります。

 併せて、通学路における合同点検結果等を踏まえ、交通安全施設等の整備や可搬式速度違反自動取締装置による取締りを推進するなど、子どもの安全確保に努めてまいります。

・持続可能な中山間地域等形成

(地域公共交通)

 地域公共交通の活性化につきましては、県民の移動ニーズを把握するためのパーソントリップ調査を来月実施することとしております。

 また、JR在来線につきましては、市町村等と連携した利用促進の取組をさらに強化するため、新たに「岡山県JR在来線利用促進検討協議会」を設立し、先月、第1回会議を開催したところであります。国の有識者検討会による「地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言」を踏まえた国の動向も注視しながら、引き続き、県として必要な対応を行ってまいります。

(移住・定住の促進)

 移住・定住の促進につきましては、7月に大阪で移住フェアを開催し、関西圏などから80組を超える参加があり、好評をいただいたところであります。また、二地域居住に関心を持つ方を対象としたモニターツアーの募集を開始するなど、関係人口の創出に向けた取組も進めているところであり、引き続き、感染症を契機とした地方移住への気運の高まりを捉えながら、本県への移住・定住の促進に努めてまいります。

・快適な環境保全

(全国植樹祭)

 令和6年春に開催される第74回全国植樹祭につきましては、7月の実行委員会において、行事や運営計画のほか、天皇皇后両陛下の御座所等のデザインを含む基本計画素案が承認されたところであります。今後、苗木の育成体験や植樹イベントなどの記念事業等を実施することにより、開催機運の醸成を図ってまいります。

・生きがい・元気づくり支援

(文化の振興)

 文化の振興につきましては、先月下旬にスタートした美作三湯芸術温度や、今月末から始まる岡山芸術交流など大規模な文化イベントを県内各地で実施することで、県民に質の高いアートを鑑賞する機会を提供するとともに、文化の力を活用した地域の活性化につなげてまいります。

(「I氏賞」に係る基金への追加寄附受入)

 岡山県新進美術家育成「I氏賞」につきましては、この度、同賞の継続とさらなる発展を目的に、基金創設に当たっての寄附者である伊藤謙介様から追加の御寄附をいただくこととなりました。あらためまして、伊藤様の本県文化振興への高いお志に対し、心から感謝申し上げます。

 いただいた御寄附は、引き続き、本県にゆかりのある新進美術家の育成支援のために活用してまいります。

(国民スポーツ大会冬季大会)

 令和7年に開催予定の第79回国民スポーツ大会冬季大会スケート・アイスホッケー競技会につきましては、7月に本県での開催が正式決定されたところであり、今後、開催市となる岡山市、倉敷市や関係団体等と緊密に連携し、来月には準備委員会を設立するなど、開催に向けて着実に準備を進めてまいります。

・情報発信力強化

(情報発信力の強化)

 情報発信力の強化につきましては、着せ替え人形として有名な「リカちゃん」をPRの軸とし、特設サイト及び県公式SNSアカウントで本県の魅力的な観光地等の発信を始めるなど、話題性のある企画を通して、年齢、性別を問わず日本中、世界中の方々に、本県の魅力が伝わるよう努めているところであります。

 引き続き、効果的なプロモーションを継続的に行い、本県の魅力向上に取り組んでまいります。

諸議案

 次に、今回提案しております諸議案の概要につきまして、御説明申し上げます。

 まず、予算案件につきましては、当初予算編成後の情勢の変化に伴い、早急な対応を必要とするものについて、補正措置を講じることとし、所要額を計上しております。

 その結果、今回の補正予算額は、

    一般会計において   21億2,300余万円の増額

であります。

 補正後の一般会計予算額は、歳入歳出それぞれ7,717億2,000余万円であります。

 一般会計歳入予算の主な内容につきましては、国庫支出金21億500余万円などを増額する所要の補正措置を講じるものであります。

 一般会計歳出予算の主な内容につきましては、新型コロナウイルス感染症対策推進費11億1,600余万円、安全・安心な農産物の生産流通対策費2億8,100余万円などを計上しております。

 繰越明許費につきましては、道路整備事業など18件62億4,000余万円を繰り越ししようとするものであります。

 特別会計につきましては、「岡山県港湾整備事業特別会計」において、所要の補正措置を講じるものであります。

 次に、事件案件につきましては、工事請負契約の締結についてのもの1件、調停の合意及び権利の放棄についてのもの1件並びに令和3年度岡山県営電気事業会計など3企業会計における決算認定等についてのものであります。

 最後に、条例案件につきましては、「職員の定年等に関する条例等の一部を改正する等の条例」など7件であります。

 以上、今回提案いたしました諸議案につきまして、その概要を申し上げた次第であります。

 なにとぞ、慎重御審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。