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第36回 森林研究所の散歩道(ペルシャグルミ、ヨメナ編)
第36回 森林研究所の散歩道(ペルシャグルミ、ヨメナ編)
第36回の今回は、ペルシャグルミ(西洋グルミ)とヨメナについて紹介します。
ペルシャグルミ(西洋グルミ)はヨーロッパ東南部から西アジア一帯のペルシャにかけてを原産とし、古くから栽培されてきました。味が良く、栄養価も高いことから、「王者の木の実」とも呼ばれ、「豊饒のシンボル」となってきました。最近は、トルコ産をよく店頭で見かけます。
ナッツ類に含まれる、抗酸化物質、いわゆる美容効果(アンチエイジング)、さらには老化防止効果が認められ、近年の健康志向ブームから様々な食品に利用されています。
(出典)天野(1995)「図説 世界くだもの366日辞典」. 講談社. P393
写真-1 ペルシャグルミ 写真-2 ペルシャグルミの実
ヨメナは西日本に広く分布するキク科ヨメナ属の多年草で、代表的な春の若葉として親しまれています。和名は「嫁菜」は、嫁のように、やさしく美しく、若葉は食用にして美味なことからこの名があります。
本種とよく似ているノコンギクは頭花の冠毛(ガク)が長いのに対し、ほとんどないのが特徴です。
伊藤左千夫の「野菊の墓」に出てくる野菊は本種であろうと言われています。野に咲く、この白い頭花を見ていますと、どこか吸い込まれそうな、清楚で、神秘的であると思われませんか。
(出典)川崎(1995)「山渓カラー名鑑 日本の野草」. 山と渓谷社. P34.
稲垣(2014)「身近な野の草 日本のこころ」. ちくま文庫. P219-222.
伊田(1999)「大山 花の散歩」. 山陰放送. P271
写真-3 ヨメナ
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。