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第37回 森林研究所の散歩道(センブリ、クロガネモチ編)
第37回 森林研究所の散歩道(センブリ、クロガネモチ編)
第37回の今回は、センブリとクロガネモチについて紹介します。
センブリは日当たりのよい山野に生える2年草で、1年目はロゼット状態ですが、2年目になると、茎が直立します。
名前のとおり、千回振っても、なお苦いことから、「千振」とも言われ、古くから民間薬として、地上部を干したものを煎じて飲用してきました。「良薬は口に苦し」とも言いますが、その苦さ(アマロスエリンという物質)は、経験した者だけがわかります。
(出典)林 (1995)「日本の野草」.山と渓谷社. P254.
伊田(1999)「大山 花の散歩」. 山陰放送. P261.
森 (2009)「身近な雑草のふしぎ」. 図書印刷. P94-95.
写真-1 センブリ 写真-2 センブリの花
クロガネモチは暖温帯、亜熱帯に分布する耐風、耐塩、耐煙性に優れた常緑高木で、葉や枝が黒ずんで見えることから、この名前がついたと言われています。地方名で、「なのみ」、「ふくろしば」、「やんもち」とも呼ばれています。
関西以西では、昔から庭園樹として利用されてきましたが、最近では街路樹としてよく見かけます。
(出典)財団法人 林業科学技術振興所(1985)「有用広葉樹の知識-育てかたと使いかた-」.大平社. P340..
永田(1997)「樹木(秋冬編)」. 山と渓谷社. P100.
写真-3 クロガネモチ 写真-4 クロガネモチの実
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。