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第43回 森林研究所の散歩道(カヤ、タラヨウ編)

印刷ページ表示 ページ番号:0824015 2022年12月7日更新森林研究所

第43回 森林研究所の散歩道(カヤ、タラヨウ編)

 

 第43回の今回は、カヤとタラヨウについて紹介します。

 カヤはイチイ科の常緑高木で、「ガヤ」、「ガヤノキ」とも呼ばれています。

 カヤと聞いて、すぐに「碁盤」を思い起こされる方は囲碁に詳しい方だと思います。因みに、碁盤は一目の中に十五筋が通っているのが理想とされていますから、碁盤の目が十八目として、単純計算(15×18)で270年分の年輪を含む必要となり、いかに希少な材であるかがわかっていただけるのではないかと思います。

 実は搾ると油が取れ、食用や灯用として利用してきたほか、お菓子の材料としても今日でも利用されているようです。煎りたてより冷めた方が、油っこさをあまり感じず自然の持つまろやかな味を感じるとも言われています。一度、試してみてはいかがでしょうか。

(出典)社団法人 農山漁村文化協会(1975)「信濃路歳時記」. 信濃路. P228-229

     伊東ほか(2011)「日本有用樹木誌」. 海青社. P72-73.

     永田(1997)「樹木(秋冬編)」. 山と渓谷社. P258.

     カヤ全景 カヤ葉

        写真-1 カヤ           写真-2 カヤの葉

 タラヨウはモチノキ科の常緑高木で、地方名で、「モンツキシバ」、「ノコギリシバ」とも呼ばれています。葉の裏に細い棒で文字や絵を描くと、その部分が黒く浮き出すことから、インドで葉に経文を書いたという多羅樹になぞらえて「多羅葉」と名付けられました。

 寺院の境内などの庭園樹や公園樹(緑化樹)としてもよく利用されます。また、樹皮からは「とりもち」が作られます。

(出典)永田(1997)「樹木(秋冬編)」. 山と渓谷社. P103.

     財団法人 林業科学技術振興所(1985)「有用広葉樹の知識-育てかたと使いかた-」. 大平社. P341-343.

     関西地区林業試験研究機関連絡協議会育苗部会編(1980)「樹木のふやし方-タネ・ホとりから苗木まで-」. 農林出版株式会社. 157-158.

    タラヨウ全景 タラヨウ葉実

       写真-3 タラヨウ        写真-4 タラヨウの葉と実

 所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。