本文
音声読み上げ用 岡山県議会広報紙 おかやま県議会だより 第31号 (県議会を振り返る[9月・11月定例会])
「おかやま県議会だより」点字版を発行しています。ご希望の方は、県議会事務局政務調査室(電話086-226-7554)までご連絡ください。
9月定例会
この議会に知事から提出された議案は、予算案3件、事件案件5件、条例案7件及び人事案件3件の計18件でした。
また、議会提出の発議案は、「私学助成制度の堅持及び充実強化に関する意見書案」など、4件が可決されました。
9月8日には代表質問が行われ、えんどう やすひろ議員(自由民主党)、すみよし よしひさ議員(民主・県民クラブ)、あらしま としなり議員(公明党)の3名の議員が県政の諸課題について会派を代表して質問を行ったほか、9月13日から16日までの計4日にわたり15名の議員が一般質問を行いました。
代表質問から
今後の財政運営について 【 えんどう やすひろ 議員(自由民主党)】
質問
令和3年度の県税は前年度に比べ増収となったが、物価上昇が続き個人消費低迷による税収への影響が懸念される。県民ニーズに対応できる財政基盤を確保すべきだが、今後の財政運営にどう取り組むのか。
知事答弁
新型コロナウイルスの感染状況や社会情勢により、今後の税収は大きく影響を受ける可能性がある。また、社会保障関係費の累増や県債残高の高止まり、公共施設の老朽化への対応などに加え、物価高騰による行政運営コストの増加も見込まれるなど、本県財政は厳しい状況が続くと認識している。
国に対し一般財源総額の確保など必要な財政措置を要望するとともに、限られた財源を有効活用し、不断の改革・改善に取り組み、持続可能な財政運営に努めてまいりたい。
税収について【 すみよし よしひさ 議員(民主・県民クラブ)】
質問
令和3年度決算見込みによると地方消費税、法人事業税が大幅に増収となり、また県税全体の収入率は99.1%と前年度を上回ったものの、個人県民税の収入率は伸び悩んでおり、徴収を行う市町村の能力向上が重要だ。県は滞納額縮減などを理由に滞納整理推進機構を廃止したが、現状と今後の対策について伺いたい。
知事答弁
滞納整理推進機構廃止後も、各県民局が市町村から引き継いだ徴収困難案件の滞納整理に当たるほか、市町村職員への研修や助言を通じてスキルアップに取り組んでいる。
市町村と連携した個人住民税の特別徴収の徹底や、厳正かつ迅速な滞納処分の実施などに加え、来年度からは地方税統一QRコードを活用した電子納付を自動車税種別割へ導入し納税機会の拡大を図るなど、今後も収入率向上に取り組んでまいりたい。
精神障害のある人の医療費助成について 【 あらしま としなり 議員(公明党)】
質問
重度の身体障害と知的障害のある人は、心身障害者医療費公費負担制度の対象だが、精神障害のある人は対象外だ。全国では37都道府県が精神障害のある人に対する助成制度を実施しており、身体障害、知的障害、精神障害に共通した医療費公費負担制度を一刻も早く実施すべきだが、所見を伺いたい。
知事答弁
精神障害のある人への支援については、身近な地域で自分らしく暮らしていける仕組みづくりが重要であり、医療費助成はそのいちほうさくと考えている。
市町村や医療機関、関係者などの話を丁寧に聞きながら、医療費助成も含め、精神障害のある人への支援の在り方について検討してまいりたい。
用語解説
「心身障害者医療費公費負担制度」
重度の身体・知的障害のある人が必要とする医療を受けやすくするため、その医療費を公費負担する市町村に対し、県が経費の一部を補助する制度。
※政令指定都市の岡山市を除く。
一般質問を行った議員
9月13日
わたなべ とものり (自民)、うじひら みほこ (共産) 、おおはし かずあき (自民) 、たかはら としひこ(民県)
9月14日
もとやま こうじ(自民) 、ますかわ えいいち(公明)、うえだ かつよし (自民) 、ささい しげとも (公明)
9月15日
ふくだ つかさ (自民) 、おおつか あい (民県)、ふくしま きょうこ (自民)、たかはし とおる (民県)
9月16日
こうの けいじ (自民) 、しみず かおる(自民) 、こばやし よしあき(自民)
9月定例会 議決結果
事件案件 2件可決( 2件中)
3件認定( 3件中)
条例案 7件可決( 7件中)
人事案件 3件同意( 3件中)
発議案 4件可決( 4件中)
11月定例会
この議会に知事から提出された議案は、予算案11件、事件案件11件、条例案8件、人事案件2件の計32件でした。
また、議会提出の発議案は、「岡山県議会の保有する個人情報の保護に関する条例案」など、2件が可決されました。
12月2日には代表質問が行われ、きぐち きょうこ議員(自由民主党)、たかはし とおる議員(民主・県民クラブ)、やまだ そういちろう議員(公明党)の3名の議員が県政の諸課題について会派を代表して質問を行ったほか、12月7日から9日までと、13日、14日の計5日にわたり21名の議員が一般質問を行いました。
代表質問から
児童虐待防止の推進について【 きぐち きょうこ 議員(自由民主党)】
質問
昨年度、全国の児童虐待相談対応件数は過去最多を記録し、県内でも高止まりが続いている。国は新たな総合対策を決定し、児童相談所の体制強化などに取り組むこととしており、国の新たな対策を踏まえ、県の対策を強化する必要がある。女性相談所と児童相談所などの連携も重要だ。今後、児童虐待防止にどう取り組むのか、所見を伺いたい。
知事答弁
児童相談所では、児童福祉司の増員など、体制強化を行うとともに、日頃から、女性相談所などの関係機関と緊密に連携している。また、市町村担当者への研修などにより、職員の専門性の向上に取り組んでいる。
国の新たな総合対策も踏まえながら、子どもの権利擁護の環境整備や、虐待の発生予防・早期発見に向けた体制強化など、引き続き、児童虐待防止に全力で取り組んでまいりたい。
自転車の安全利用について【 たかはし とおる 議員(民主・県民クラブ)】
質問
警察庁の統計によると、自転車交通事故での死者の約8割、負傷者の約6割は、自転車側にも何らかの法令違反があったことが分かっており、自転車安全利用五則の周知徹底が求められているが、本県における令和3年の自転車交通違反の検挙、警告状況と本年10月末までの自転車が関係する人身交通事故の発生状況を踏まえた、取締りなどの自転車の安全利用に向けた取り組みについて伺いたい。
警察ほんぶちょう答弁
令和3年中は、悪質違反を16件検挙したほか、約1万件の警告を行った。自転車乗車中の事故で死傷した方の6割以上に信号無視などの法令違反が認められたことから、悪質・危険な違反を中心に指導取締りを行っており、さらに交通安全教育の推進や通行空間の整備に努め、自転車安全利用の促進に取り組んでまいりたい。
用語解説
「自転車安全利用五則」
自転車に乗る時に守るべきルールのうち、特に重要な内容を示したもの。
(1)車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
(2)交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
(3)夜間はライトを点灯
(4)飲酒運転は禁止
(5)ヘルメットを着用
重度障害等のある人の生涯学習について【 やまだ そういちろう 議員(公明党)】
質問
重度の障害などがある方やその家族の、卒業後も学びを継続したいという思いに対して十分な学びの場は提供されていない。重度の障害などがある方は移動に支援が必要なことから、参加が困難であり選択肢すらない。この問題に対する認識と検討状況はどうか。
また、民間の事業者やNPO法人の協力も期待できるが、所見を伺いたい。
教育長答弁
学校卒業後も学びを継続できる環境の整備は、共生社会の実現のための重要な課題と考えており、県では、読書バリアフリー計画を策定し、視覚や身体などに障害のある人の読書支援に取り組んでいる。
現在、国において、民間やNPOなどとの連携も含めて実践研究が行われており、その状況を注視するとともに、他県の先進事例の情報収集にも取り組んでまいりたい。
一般質問を行った議員
12月7日
なかつか しゅういち (自民) 、すます のぶこ (共産) 、おとくら けんいち (自民)、わたなべ とものり (自民)
12月8日
ますかわ えいいち (公明)、いちむら じん(自民) 、おぐら ひろし (自民)、うえだ かつよし (自民)
12月9日
とりい りょうすけ (民県)、たの たかあき(自民) 、まつしま こういち (自民)、ささい しげとも (公明)、しみず かおる(自民)
12月13日
やまもと まさひこ (自民) 、おおはし かずあき(自民) 、えもと きみかず(自民) 、いけもと としあき (自民)
12月14日
もとやま こうじ (自民) 、あきやま まさひろ(民県)、おおもり かずお (自民) 、うちやま のぼる(自民)
11月定例会 議決結果
事件案件 10件可決(10件中)
1件認定( 1件中)
条例案 8件可決( 8件中)
人事案件 2件同意( 2件中)
発議案 2件可決( 2件中)