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令和5年2月 県議会定例会 知事提案説明要旨

印刷ページ表示 ページ番号:0836870 2023年2月20日更新政策推進課

令和5年2月 県議会定例会 知事提案説明要旨

 本日は、皆様御多用のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございました。

 今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして、所信の一端を申し述べ、県議会及び県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

はじめに

・所信表明​

 (第3次生き活きプランに基づく施策の推進)

​ 私は、これまで、教育の再生と産業の振興こそが本県発展の礎であるとの信念の下、「生き活き岡山」の実現に向け、県政に全力で取り組んでまいりました。

 これまで10年余りの取組により、児童生徒の暴力行為発生割合や非行率は知事就任時に比べ改善し、落ち着いて勉強できる環境が整ってきているほか、 県内への企業の投資額についても高い水準が継続しております。また「おかやま出会い・結婚サポートセンター」が関わった成婚数は順調に増加しているなど、様々な分野で着実に成果が表れているところであります。

 「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」3年目を迎え、折り返しとなる来年度につきましては、引き続き、新型コロナウイルス感染症対策に全力を挙げるとともに、これまでの約3年にわたるコロナ禍を乗り越え、着実に前に進む反転攻勢の1年にしてまいります。岡山桃太郎空港の国際線再開や、倉敷市でのG7労働雇用大臣会合を観光需要の喚起につなげ、物価高騰の影響を受ける県内経済活動の回復を進めるとともに、コロナ禍を契機とする地方移住や二地域居住のほか、脱炭素化やデジタル化にも的確に対応してまいります。また最近では、スポーツや芸能など各方面において本県ゆかりの方々が大いに活躍されております。岡山から羽ばたく方々が増えていくことで、県民の愛着心や誇りはもとより、全国における本県の魅力度の向上にもつながることから、本県への注目の高まりを生かしながら情報発信に努めてまいります。これまでの取組によって生まれた好循環の流れを一層加速させ、様々な分野に波及させながら、本県の持続的な発展に向け、全身全霊で取り組んでまいります。

・少子化対策の推進​

 そして、教育の再生と産業の振興を進める上でも欠かすことができないのが、待ったなしの課題である少子化対策であります。

 これまで、少子化の流れを変えるため、若い世代の結婚や子育てに対する前向きな意識の醸成をはじめ、結婚、妊娠・出産から子育てまで、ライフステージに応じた切れ目ない支援を総合的に展開してきたところでありますが、本県の持続的な発展のためには、10年後、20年後を見据え、思い切った少子化対策に取り組む必要があると考えております。

 このため、200組以上の成婚の実績を上げている「おかやま縁むすびネット」の登録「無料」キャンペーンを実施するとともに、結婚希望者を対象としたスキルアップ講座の充実を図るほか、子育て家庭応援パスポート「ももっこカード」のアプリを導入し、利便性の向上と情報発信力を強化するなど、今まで成果を上げてきた取組をさらに加速させてまいります。

 また、新たな少子化対策にチャレンジする市町村に対して、専門家の派遣を行うとともに、事業実施に係る費用を助成することで、地域のニーズに合わせた取組をしっかり支援してまいります。加えて、企業とタイアップした子育て支援策に取り組むこととしており、子育てを社会全体で応援する気運を一層醸成してまいります。

・子どもの虐待防止

 さらに、生まれてきた子どもたちが心身ともに健やかに成長できるよう、困難を抱える子どもや家庭への支援を行う市町村の体制整備を一層進めるとともに、一時保護を行った子どもの意見を聴取するなど権利擁護の取組強化、里親等への委託の推進、児童養護施設からの退所者等に対する生活相談等の実施など、社会的養育の推進に係る取組についても総合的に進めてまいります。

 以上のような子ども関連施策について、「できることは、すべてする」という強い思いで、全力で取り組んでまいります。

・新型コロナウイルス感染症関係

 新型コロナウイルス感染症につきましては、県民の皆様の御協力により、新規陽性者数は減少し、病床使用率も低下したため、12月に発令した「医療ひっ迫警報」を今月9日をもって解除することができました。

 現在、国において、感染症法上の5類への移行に向けての検討が行われているところであり、本県においても、今後の感染拡大の防止に加え、幅広い医療機関による医療提供体制の確保に努めてまいります。

 ワクチン接種につきましては、4月以降も引き続き、必要な接種を自己負担なく受けられることが国において決定されたところであり、今後も、有効性や安全性といった情報をわかりやすく発信するとともに、接種が円滑に進むよう市町村との連携に努めてまいります。

​・保健福祉部の組織見直し

 こうした業務を所管する保健福祉部を、来年度から「保健医療部」と「子ども・福祉部」に分割し、感染症対応や少子化対策等に一層注力してまいりたいと存じます。

・平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興

 次に、平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興につきましては、仮設住宅への入居は5世帯となり、いずれの世帯も住まいの再建方法が決まっているなど、被災者の住まいや生活の再建は着実に進んでおります。引き続き、被災者の一日も早い再建に向け、しっかりと支援に取り組んでまいります。

 また、小田川3支川などの改良復旧は、再度災害防止に向け、鋭意工事を進めており、早期完成を目指して事業を推進してまいります。

 来年度は、災害発生から5年となることから、県民防災シンポジウムの開催などにより、あらためてその経験や教訓を振り返り、県民の防災意識の向上を図るとともに、高齢者や障害者など要配慮者の避難の実効性を確保するため、市町村と連携し、地域における共助の取組を積極的に支援してまいります。

・行政のデジタル化の推進

 次に、行政のデジタル化の推進につきましては、県有施設のキャッシュレス対応を進めるとともに、デジタル技術を活用できる職員の育成や、ICTツールの利用拡大を図るほか、市町村に専門人材を派遣し、DX推進を支援するなど、引き続き、県民の利便性向上や行政の効率化に向け、取り組んでまいります。

 また、インフラ分野におけるデジタル技術の活用につきましては、3次元デジタル地形図と併せて、様々なインフラデータを保管、連携するデータボックスを整備することにより、災害対応の迅速化や、各種施設の調査・点検の効率化、道路維持管理水準の向上など、安全につながる取組を推進してまいります。

・県財政の状況等

 次に、本県財政につきましては、今後も、社会保障関係費の累増が見込まれることに加えて、物価高騰による行政運営コストの増や公共施設の老朽化への対応など、厳しい状況が続くと認識しております。引き続き、これまでの行財政改革の取組の成果を維持するとともに、不断の改革・改善に取り組み、経費支出の効率化や県税をはじめとした歳入確保などにより、堅実な財政運営に努めてまいります。

教育県岡山の復活

 続きまして、令和5年度の施策・事業の基本的方向について、第3次晴れの国おかやま生き活きプランに掲げる3つの重点戦略に沿って御説明申し上げます。

 まず、「教育県岡山の復活」についてであります。

・学ぶ力育成

(学ぶ力の育成)

 学ぶ力の育成につきましては、各学校において一層短いサイクルで個々の学習状況を確認し、基礎基本の定着を図る取組を進めるほか、ICTを効果的に活用した個別最適な学習の効果検証を進めるなど、子どもの学ぶ力を育成してまいります。また、教師業務アシスタントの配置拡充やデジタル採点システムの導入など、教員の負担軽減を図り、教員が元気で意欲的に、子どもと向き合うことのできる環境づくりを進めてまいります。

・徳育・体育推進

(不登校対策)

 不登校につきましては、要因や背景の多様化、複雑化等により、全国と同様、出現割合は増加傾向にあるものの、2年連続で全国平均を下回るなど一定の改善も見られるところであります。このため、引き続きスクールソーシャルワーカーなどの専門家や専門機関と連携した支援を進めるとともに、学校における教室以外の居場所を確保するための支援員の配置を拡充するなど、学校の組織的な対応力の向上により、不登校を未然に防ぎ、一人でも多くの児童生徒の状況が改善するよう取り組んでまいります。

(少年非行対策)

 少年非行対策につきましては、非行率の改善傾向を維持していることから、引き続き、非行防止教室や学校などの関係機関と連携した取組を推進し、規範意識の向上に努めてまいります。

(悩みや不安を抱える青少年の支援)

 悩みや不安を抱える青少年の支援につきましては、青少年のSNSの使用頻度が増加していることから、県青少年総合相談センターでのSNSを活用した相談窓口を5月から常設とし、青少年が相談しやすい環境を整備することで、孤立や潜在化の防止に取り組んでまいります。

・グローバル人材育成

(グローバル人材の育成)

 グローバル人材の育成につきましては、留学コーディネーターを配置し、留学説明会の開催や海外の姉妹校との交流を促進するなど、留学への興味・関心を喚起し、グローバル人材に必要な語学力、コミュニケーション能力等の育成につなげてまいります。また、世界190か国以上の若者が一堂に集う次世代リーダーサミットへの高校生の派遣を支援することで、広い視野を持ち、高い目標に向けてチャレンジする生徒の育成を図ってまいります。

・私学助成

(私学助成)

 私学助成につきましては、全日制の私立高等学校に対する経常費補助金に教育環境充実枠を新たに設け、学校施設の耐震化や一学級当たりの生徒数、教員に占める専任教員の割合等に応じた加算措置を講じることにより、各学校が行う教育環境の充実に向けた取組を促進してまいります。

 

地域を支える産業の振興

 続きまして、「地域を支える産業の振興」についてであります。

・企業誘致・投資促進

(企業誘致と投資の促進)

 企業誘致と投資の促進につきましては、新たな誘致の決定などにより、今年度の投資予定額が先月末で1,800億円を超えるなど、着実に成果を上げております。今後、産業用地の確保に向けて市町村の団地開発への支援を拡充するとともに、企業の県内への拠点化・集約化を支援するための補助制度を創設するなど、取組を強化してまいります。

(水島コンビナートの脱炭素化)

 水島コンビナートの脱炭素化につきましては、昨年11月に設置した産学官協議会を活用し、立地企業相互の連携を促進することで、地域・国内のみならず国際的なカーボンニュートラルの実現に貢献する水島コンビナートを目指してまいります。

 また、水島港につきましても、今後、脱炭素化に向けた取組を推進し、環境価値の高い港湾として競争力を高めることで、国内外の荷主等から選ばれる港湾を目指すため、国のカーボンニュートラルポート施策の動向を注視しながら、水島港の脱炭素化の方向性について議論してまいります。

・企業の「稼ぐ力」強化

(企業の「稼ぐ力」強化)

 企業の「稼ぐ力」の強化につきましては、先週神奈川県で開催した大手自動車メーカーの展示商談会において、私みずからトップセールスを行い、県内中小企業の優れた技術や製品をPRしたところであります。また、自動車産業の盛んな地域において、発注情報の収集を行う県外調査員を設置し、情報提供や個別斡旋につなげることで、新たなビジネスチャンスの創出に取り組んでまいります。

(中小企業等への支援)

 コロナ禍、物価高騰の長期化で、厳しい経営環境にある中小企業等への支援につきましては、引き続き、県中小企業支援センターを中心に、専門家を派遣するなど状況に合わせた適切なサポートを実施するとともに、県融資制度において、新型コロナ関連融資の借換需要やエネルギー・原材料価格の高騰に対応した支援策を用意し、企業の資金繰り支援に取り組んでまいります。

(中小企業のデジタル化)

 中小企業のデジタル化につきましては、経営者等の理解促進や企業内のキーパーソンとなるデジタル人材の育成に取り組むとともに、業種別デジタル化推進支援モデルを作成するほか、DX先進事例を紹介するセミナーや、スタートアップ企業のアイデアを発信するイベントを開催するなど、中小企業のデジタル技術の導入を支援してまいります。

(EVシフト)

 EVシフトにつきましては、国内外の動向やこれまでの成果と課題を踏まえ、対応方針を見直し、さらなる技術力の向上や販路拡大をはじめ、人材育成や新分野進出、企業間連携等の支援を行うなど、全国をリードするEVシフトに対応した産業と地域の実現に向けた取組を推進してまいります。

 また、EV車両や充電設備を導入する県民や事業者に対する支援を行うほか、EV導入の利点や充電マナー等に関する情報を発信してまいります。来年度中には、充電環境整備のための推進計画を作成し、安心して県内でEVを運転できる充電設備の設置を促進するとともに、EVの普及をさらに後押ししてまいります。

・観光振興

(観光振興)

 観光振興につきましては、昨年のデスティネーションキャンペーンで得られた成果を継続・定着させるため、7月からアフターキャンペーンを実施することとしており、岡山の魅力を全国に積極的に発信し、観光消費額の回復につなげてまいります。また、今後の本格的なインバウンドの回復に向け、今月、6つの国・地域の現地旅行会社を招き、県内の観光地等を巡るツアーと商談会を実施しているところであり、本県が旅行先として選ばれるよう、引き続き、誘客促進のプロモーション強化に取り組んでまいります。

(岡山桃太郎空港)

 岡山桃太郎空港につきましては、来月26日から岡山-札幌線の通期運航が再開されます。国際線においても、同日から台北線が週4便で再開され、5月下旬には運休前と同じ週7便での運航が予定されております。引き続き、他の国際線の早期再開についても航空会社への働きかけを行うとともに、路線のPRや集客支援など、利用促進に全力で取り組んでまいります。

・儲かる農林水産業加速化

(桃、ぶどうの供給力強化)

 桃、ぶどうの供給力強化につきましては、産地ごとの課題解決に向けた指導助言を強化するとともに、担い手の確保・育成や、産地化に必要な機械・施設の整備など、市町村等が行う取組を支援することにより、産地のさらなる拡大を進めてまいります。

(農地の集積・集約化)

 農地の集積・集約化につきましては、農地関連法の改正により、今後、市町村等が農地を含む農業の将来像を描く地域計画を策定することから、県としても、地域での計画づくりが円滑に進み、地域にとって最適な農地利用が図られるよう、農地中間管理機構とともに、担い手への農地の集積・集約化を推進し、生産性の高い経営体の育成に努めてまいります。

(家畜防疫)

 家畜防疫につきましては、今年度、県内農場において高病原性鳥インフルエンザが複数発生したことを踏まえ、農場へ飼養衛生管理対策の一層の徹底を指導してまいります。また、豚熱対策として、引き続き、野生イノシシに経口ワクチンの散布を行うとともに、県内全ての飼養豚等にワクチンを接種してまいります。

・働く人応援

(本県への就職促進)

 本県への就職促進につきましては、来月、大学コンソーシアム岡山と連携し、県内企業約160社が参加する合同企業説明会を開催するほか、インターンシップに関する情報発信の強化や、県内企業の若手社員に委嘱している「おかやま就活サポーター」を活用し、県内就職の魅力を発信するなど、本県への人材の還流と定着に取り組んでまいります。

(G7倉敷労働雇用大臣会合)

 G7倉敷労働雇用大臣会合につきましては、開催まであと2か月となりました。県民の機運を醸成するため、来月には労働雇用に関する記念フォーラムを開催予定であり、会合の成功に向け、倉敷市と協力しながら、しっかりと準備を進めているところであります。また、この機会を利用し、観光地や食など、本県が誇る地域資源の情報を発信することにより、岡山の認知度を高め、観光需要の喚起等にもつなげてまいります。

安心で豊かさが実感できる地域の創造

 続きまして、「安心で豊かさが実感できる地域の創造」についてであります。

・保健・医療・福祉充実

(子宮頸がんの予防)

 子宮頸がんの予防につきましては、かねてより国に要望していた9価HPVワクチンが定期接種として4月から使用開始されることとなり、非常に喜ばしく感じるとともに、さらなる取組強化が必要と考えているところであります。来年度は、学校等への出前講座の実施に加え、新たに啓発漫画を制作することとしており、若い世代の命を一人でも多く救うため、正しい知識の普及啓発に一層取り組んでまいります。

・防災対策強化

(防災対策の推進)

 防災対策の推進につきましては、水害や土砂災害、さらに今後30年以内に70%~80%の確率で発生するとされている南海トラフ地震に対し、県民に危機感を持っていただくため、揺れや津波による被害を体感したり、豪雨災害の経験や教訓を振り返る機会を増やすとともに、堤防の決壊等が発生した際、県や市町村が速やかに避難の呼びかけや救助活動が行えるよう、SNS情報からリアルタイムで浸水エリアを推定するなど、防災情報システムの機能を強化し、災害対応力の向上を図ってまいります。

(防災・減災、国土強靱化の推進)

 防災・減災、国土強靭化の推進につきましては、国の5か年加速化対策等を活用し、河川の堤防整備や道路ネットワークの強化など、激甚化する風水害や切迫する大規模地震等への対策や、インフラ施設の長寿命化などに取り組んでいるところであり、引き続き、災害に強い県土づくりを進めてまいります。

(盛土による災害の防止)

 盛土による災害の防止につきましては、盛土規制法に基づき、盛土により被害を及ぼしうる区域の早期指定に向け、基礎調査を実施するなど、盛土の安全対策を推進してまいります。

(林地開発地等の巡視強化)

 林地開発地等の巡視機能の強化につきましては、巡視情報などを部局横断で共有する開発地巡視管理システムを新たに整備し、情報をクラウド上で一元管理することにより、適時・適切な指導、違反行為の早期発見や抑止、災害等の未然防止に努めてまいります。

・暮らしの安全推進

(暮らしの安全対策)

 暮らしの安全対策につきましては、昨年の刑法犯認知件数は約8,000件と、前年より約470件増加していることから、特に増加している自転車の窃盗や空き巣等の被害防止に向け、鍵かけの徹底を呼びかける広報啓発活動を推進し、県民に対して防犯対策の浸透を図ってまいります。

 また、特殊詐欺につきましては、昨年の認知件数が前年と比べて約4割増加し、依然として深刻な状況にあることから、防犯機能付き電話の設置や留守番電話機能の活用などを呼びかけ、引き続き、「だまされんのじゃ岡山県・県民運動」を強力に推進し、被害の未然防止に努めてまいります。

(交通安全対策)

 交通安全対策につきましては、昨年の交通事故死者数が前年と比べて大幅に増加したほか、人口10万人当たりの死者数が全国ワースト1位となるなど、厳しい状況にあるため、交通事故情勢を踏まえた交通安全教育や交通指導取締り等に取り組んでまいります。

 また4月には、全ての自転車利用者にヘルメット着用の努力義務を課す改正道路交通法が施行されることから、着用率向上に向けた啓発や交通ルールの周知と遵守の徹底を図り、良好な自転車交通秩序の実現に取り組んでまいります。

(犯罪被害者等への支援)

 犯罪被害者等への支援につきましては、誰もが犯罪による被害を受ける可能性がある中、犯罪行為により死亡された方の御遺族や犯罪被害者を社会全体で支える必要があることから、居住地にかかわらず支援を受けられるよう、県が直接、見舞金を給付する制度に改めることにより、被害直後の経済的負担の軽減に取り組んでまいります。

・持続可能な中山間地域等形成

(JR在来線の利用促進)

 JR在来線につきましては、今年度実施したパーソントリップ調査の結果等を分析し、市町村等との連携の下、エビデンスに基づいた実効性のある利用促進策を立案して、実施につなげてまいります。加えて、全県規模で機運醸成を図るPRや、イベント性のある利用促進キャンペーンを実施するなど、新たな利用者の獲得を図りながら路線の維持・確保に取り組んでまいります。

(移住・定住の促進)

 移住・定住の促進につきましては、感染症を契機とした地方への関心の高まりを捉え、本県の特色ある地域資源を紹介するセミナー等の開催をはじめ、ワーケーションや二地域居住等の推進を通じ、移住・定住につながる機会の拡大を図るとともに、市町村等と連携しながら、移住希望者のニーズに沿った戦略的な情報発信と受入体制の強化に取り組んでまいります。

・快適な環境保全

(地球温暖化対策の推進)

 地球温暖化対策の推進につきましては、2050年カーボンニュートラルを見据え、今年度中に地球温暖化防止行動計画を改定し、本県の地域特性や現状を踏まえ、温室効果ガスの削減目標を引き上げるとともに、来年度は、省エネ設備を導入する家庭や、脱炭素経営に取り組む事業者への支援の充実を図るほか、市町村における取組が一層進むよう連携強化に努めてまいります。

(海ごみ対策の推進)

 海ごみ対策の推進につきましては、海につながる河川等での清掃ボランティア活動の円滑化、活発化を目的として、市町村と連携の上、ごみの運搬・処分に係る支援制度を新たに構築するとともに、地域における効果的なモデルづくりに取り組んでまいります。また、高校生等による用水路等のごみ回収ロボットのアイデアコンテストを開催し、ごみ削減への意識を高めるなど、海ごみの回収、発生抑制を一層推進してまいります。

(第74回全国植樹祭)

 令和6年春に開催される第74回全国植樹祭につきましては、県実行委員会が策定した基本計画が、先月末に開催された国土緑化推進機構の特別委員会において決定されたところであります。来年度は、県民参加の1年前イベントや全市町村が参画する記念植樹などを通じて、さらなる開催機運の醸成を図ってまいります。

・生きがい・元気づくり支援

(第79回国民スポーツ大会冬季大会)

 令和7年に開催される第79回国民スポーツ大会冬季大会スケート・アイスホッケー競技会につきましては、選手の育成・強化に一層取り組むとともに、今後、実行委員会の設立など、開催市となる岡山市、倉敷市や関係団体等との連携体制を整備し、大会の成功に向けて着実に準備を進めてまいります。

(おかやまマラソン2023)

 おかやまマラソン2023につきましては、必要な感染防止対策を講じた上で、出走定員やファンランなどについてコロナ禍前の内容に戻し、より多くのランナーに参加していただき、地域に元気と感動をもたらし、岡山の魅力を全国に発信する大会となるよう、関係者と一体となって、準備を進めてまいります。

・情報発信力強化

(情報発信力の強化)

 情報発信力の強化につきましては、観光誘客や県産品の認知度向上、移住・定住の促進などの後押しとなるよう、動画やSNSなどのソーシャルメディアを活用したプロモーション等により、本県のイメージアップに努めるとともに、ソーシャルメディア上に投稿された情報の収集・分析を行い、ターゲットを絞った広報活動や本県の魅力度の向上などに取り組んでまいります。

(首都圏アンテナショップ)

 来年度で契約満了を迎える首都圏アンテナショップにつきましては、特色ある県産品や観光、移住等の総合的な情報受発信の拠点として、平成26年9月の開設以来、本県の認知度向上に貢献してきたところであります。これまでの実績などを踏まえ、引き続き、現在の店舗で鳥取県との共同によりアンテナショップ事業を継続したいと考えており、今後もさらなる販路開拓や観光、移住等を促進してまいります。

(映像作品を使った岡山の発信)

 映像作品を使った岡山の発信につきましては、昨年全国公開された映画「とんび」のロケ地として、まちの観光の活性化や地域の盛り上がりが高く評価され、先日、本県が「第13回ロケーションジャパン大賞」のグランプリを受賞いたしました。引き続き、ロケ誘致を積極的に展開することで、地域の活性化と国内外からの誘客につなげてまいります。

諸議案

 次に、今回提案しております諸議案の概要につきまして、御説明申し上げます。

 まず、予算案件のうち、令和5年度当初予算案についてでありますが、国の令和5年度一般会計当初予算案は、防衛関係や社会保障分野などで歳出が増加し、予算規模は、114兆3,812億円と過去最大となっております。

 このような状況を踏まえ、本県の令和5年度当初予算編成にあたりましては、「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」の目標達成に向け、「生き活き岡山」の実現に向けた取組を強化し、これまでの好循環の流れを一層加速させるとともに、新型コロナウイルス感染拡大防止と社会経済活動の両立を見据えた施策や、豪雨災害からの復旧・復興の総仕上げに向けた施策に着実に取り組むこととし、より実効性の高い事業を数多く盛り込んだところであります。

 以上により編成しました令和5年度の当初予算案は、

   一般会計において  8,021億7,200余万円

   特別会計において  3,907億9,500余万円

   合わせて     1兆1,929億6,800余万円

   企業会計において     182億  800余万円

となっております。

 このうち、一般会計につきまして、その内容を性質別に申し上げますと、

   義務的経費          5,553億2,900余万円

       一般行政経費     1,626億8,000余万円

       投資的経費        841億6,200余万円

となっております。

 次に、一般会計につきまして、その概要を申し上げます。

 まず、歳入予算についてでありますが、県税収入は、令和4年度当初予算に対し11.2%増の2,708億4,600余万円、地方交付税は5.1%減の1,707億円、臨時財政対策債は58.9%減の65億円となっており、一般財源は総額5,984億5,300余万円を計上しております。特定財源は、国庫支出金が2.1%減の1,100億1,400余万円、県債は22.6%増の521億800万円など、合わせて2,037億1,900余万円を計上しております。

 次に、歳出予算についてでありますが、主な事業を申し上げますと、生き活きプランに基づくものでは、私立学校の教育環境の充実に向けた支援2億9,500余万円、学ぶ力の育成2億5,200余万円、戦略的企業誘致推進事業3億1,100余万円、EVシフトに対応した産業・地域づくり推進事業2億8,300余万円、デジタル化による企業の「新たな価値づくり」支援事業1億5,600余万円、少子化対策総合推進事業16億900余万円などを、また、感染症関連では、新型コロナウイルス感染症対策推進費439億6,800余万円、豪雨災害関係では、河川激甚災害対策特別緊急事業20億8,700余万円などを計上しております。

 債務負担行為につきましては、治山事業費など新たに債務を負担しようとするもの155件であります。

 地方債につきましては、歳出予算の財源として必要な額を予定するものであり、一時借入金につきましては、年度内の歳計現金が不足する場合の借入れの最高額を定めようとするものであります。

 特別会計につきましては、岡山県国民健康保険事業特別会計に1,735億5,900余万円を計上するなど、14会計においてそれぞれ所要額を計上しております。

 企業会計につきましては、岡山県流域下水道事業会計に92億1,900余万円を計上するなど、3会計においてそれぞれ所要額を計上しております。

 次に、令和4年度補正予算案についてでありますが、事業費の確定等に伴うものについて、それぞれ所要の補正措置を講じることとしております。

 その結果、今回の補正予算額は、

  一般会計において     439億3,300余万円の増額

  特別会計において      44億3,100余万円の減額

  合わせて         395億  200余万円の増額

  企業会計において        5億5,800余万円の減額

であります。

 補正後の一般会計予算額は、歳入歳出それぞれ8,623億5,300余万円であります。

 一般会計歳入予算につきましては、県債63億5,000余万円、国庫支出金41億9,000余万円などを減額する一方で、県税296億2,700余万円、地方消費税清算金103億9,700余万円を増額するなど、所要の補正措置を講じるものであります。

 一般会計歳出予算のうち増額措置の主なものは、地方消費税清算金216億6,400余万円、岡山県財政調整基金積立金136億2,300余万円、国庫支出金返納金126億6,200余万円などであります。また、減額措置の主なものは、人件費、公共災害土木復旧費、県債利子償還費等、事業費の確定に伴うものであり、それぞれ所要の補正措置を講じるものであります。

 繰越明許費につきましては、関係者等との調整難航などの理由により、合わせて59件、237億1,900余万円を繰越ししようとするものであります。

 地方債につきましては、今回の補正予算に関連し、所要の補正措置を講じようとするものであります。

 特別会計につきましては、岡山県公債管理特別会計など11会計において、また企業会計につきましては、岡山県流域下水道事業会計など3会計において、それぞれ所要の補正措置を講じるものであります。

 次に、事件案件につきましては、岡山県広域水道企業団への出資についてのもの1件、包括外部監査契約の締結についてのもの1件、公有財産の処分についてのもの1件、公の施設の指定管理者の指定についてのもの2件、市町村負担金の変更についてのもの2件であります。

 最後に、条例案件につきましては、「岡山県部等設置条例の一部を改正する条例」など30件であります。

 以上、今回提案いたしました諸議案につきまして、その概要を申し上げた次第であります。

 なにとぞ、慎重御審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。