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第73回 森林研究所の散歩道(ウワミズザクラ、カリン編)
第73回 森林研究所の散歩道(ウワミズザクラ、カリン編)
第73回の今回は、ウワミズザクラとカリンについて紹介します。
ウワミズザクラは、バラ科ウワミズザクラ属の落葉広葉樹で、日当たりのよい谷間や沢の斜面などに生育します。
4~5月に、葉の展開後に開花し、新枝の先からのびた長さ8~15cmの総状花序に白い花が多数密集して咲きます。
樹皮を傷つけるとクマリンの強い香りがします。新潟ではつぼみを塩漬けにしたものを杏仁香(あんにんご)と呼んで食用にします。
(出典)石井(2000)樹に咲く花.山と渓谷社.p532~535.
馬場(2009)花実でわかる樹木.信濃毎日新聞社.p20..
写真1 ウワミズザクラ 写真2 花
(写真1、2は2023年4月11日に撮影)
カリンは、中国原産のバラ科カリン属の落葉高木で、平安時代には渡来していたといわれています。
両性花と雄花が混成し、4~5月に短枝の先に淡紅色の花が1個ずつ咲きます。
耐寒性が強く、冷涼な気候と水はけのよい肥沃な土壌を好み、東北地方や甲信越地方で多く栽培されています。果実は果実酒やジャム、ゼリーに利用されるほか、陰干ししたものを咳止めの薬にもされます。
(出典)石井(2000)樹に咲く花.山と渓谷社.p646~647.
馬場(2009)花実でわかる樹木.信濃毎日新聞社.p238.
写真3 カリン 写真4 花
(写真3、4は2023年4月11日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。