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第142回 森林研究所の散歩道(ハナイバナ、サザンカ編)

印刷ページ表示 ページ番号:0891748 2023年12月29日更新森林研究所

 

第142回 森林研究所の散歩道(ハナイバナ、サザンカ編)

 

 第142回の今回は、ハナイバナとサザンカについて紹介します。

 

 ハナイバナはムラサキ科ハナイバナ属の1年草または越年草です。東アジアに広く分布します。畑地や公園などにごく普通に見られます。

 高さは20cmほどになり、束生し斜め上に伸びます。写真1のよう葉のふちがところどころ波打っています。

 3~12月と花期が非常に長いです。葉腋から小さい淡青紫色の花をつけます。写真2のように葉と葉の間に花がつくため葉内花(はないばな)と呼ばれています。

 ハナイバナ属の名(Bothriospermum)は欠けたような小さな穴のある種子という意味がつけられており、分果の形に由来します。

(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p236.​

    佐竹(1983)日本の野生植物.平凡社.p53.

    牧野(1982)原色牧野植物大圖鑑.北隆館.p457.

 ハナイバナ ハナイバナの花

        写真1 ハナイバナ              写真2 ハナイバナの花

(写真1、2は2023年11月27日に撮影)

 

 サザンカはツバキ科ツバキ属の常緑小高木です。山口県から沖縄県までの暖温帯または亜熱帯に分布します。明るい丘陵や林内で見ることができます。庭木や公園樹などに利用されています。

 最大で樹高8mほどになり、葉はヒサカキに似て小さいですが、葉の幅には変異が多いようです。

 花は秋から冬にかけて咲き、葉の上に平らに花を開きます。花びらが一枚ずつ散ることも特徴の一つです。原種は白い花をつけますが、紅色の園芸品種も多数存在しており、写真3、4のサザンカもいずれかの園芸品種に該当すると思われます。

 花や葉も美しいため江戸時代の初めから広く庭木として植栽されてきた歴史があるようです。耐寒性が同属のツバキより低いため、主にアメリカに輸出されているそうです。

 ツバキと同じように種子から油を抽出します。椿油と同様に主に美容目的で販売されています。

(出典)太田ら(2000)樹に咲く花 離弁花(2).山と渓谷社.p174.

    千葉(1985)岡山の樹木.山陽新聞社.p170.

    林(2020)樹木の葉 実物スキャンで見分ける1300種類.山と渓谷社.p581.

    北村ら(2002)原色日本植物図鑑 木本編(2).保育社.p158.

 サザンカ サザンカの花

          写真3 サザンカ              写真4 サザンカの花

(写真3、4は2023年11月21日に撮影)

 

 所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。

 また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。