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森林研究所で見ることができる鳥類(サンショウクイ)

印刷ページ表示 ページ番号:0924276 2024年6月27日更新森林研究所

 

サンショウクイ(鳥類)の紹介

 

 今回は、サンショウクイについて紹介します。

 

 サンショウクイはスズメ科サンショウクイ属に分類されます。体長20cmほどで、春期に渡来する夏鳥です。

 低山帯で繁殖を行い、繁殖期を過ぎると群れで生活します。地上へ下りることはほとんど無く、樹上の昆虫類やクモ類を餌とするようです。

 雌雄のどちらも体下面は白く、体上面は主に灰色ですが、雄は後頭部に黒色をもつため判別が可能です。

 鳴き声は「ピィリリリ」や「ピーリー」などと鳴きます。この鳴き声が「ピリリ」と聞こえるため、「山椒は小粒でぴりりと辛い」ということわざから山椒喰(サンショウグイ)と名付けられたようです。

 今年は当研究所内でサンショウクイの営巣、子育てを観察することができました。

 オニグルミに営巣し、抱卵はメスが、孵化してからは共同で餌を与えるなどの子育てする様子を確認できました。

 本種は鳴き声が特徴的なため、位置の特定がしやすいのですが、ヒナに給餌する際には少し離れた高木にとまり周囲の確認を行ってから、さえずること無く餌を与えていたようでした。

 巣が高い位置にあるため強風が吹くと揺れ、巣立ちの前後には大雨が降り、周辺でカラスを見かけることも多かったそうですが、巣立ったヒナを1羽確認できました。

 巣立ちの直後は営巣木近くで確認できましたが、日を追うごとに行動範囲が広がり、今では高いところを飛ぶ姿も目にできます。

 今回はサンショウクイの営巣から巣立ちまでの様子を観察することができました。

 サンショウクイ(オス) 抱卵するサンショウクイ(メス) 
    写真1 サンショウクイ(オス)  写真2 抱卵するサンショウクイ(メス)

 孵化したてのヒナ 目が開いたヒナと母鳥
      写真3 孵化したてのヒナ      写真4 目が開いたヒナと母鳥

 給餌する父鳥 巣立ちを迎えたサンショウクイ
      写真5 給餌する父鳥     写真6 巣立ちを迎えたサンショウクイ

(写真1は2024年5月27日に、写真2は2024年4月25日に、写真3は2024年5月20日に、写真4・写真5は2024年5月25日に、写真6は2024年5月29日にそれぞれ森林研究所内にて岡田容子氏が撮影)

 

 ぜひ、身近な自然を観察してみてください。

 

(出典)叶内(2020)フィールド図鑑 日本の野鳥 第2版.文一総合出版.p272-273.

    浜口ら(1993)日本の野鳥 第2版.山と渓谷社.p405.

    小林(1992)原色日本鳥類図鑑 新訂増補版.保育社.p31.