本文
第160回 森林研究所の散歩道(アカハツ、ノウタケ編)
第160回 森林研究所の散歩道(アカハツ、ノウタケ編)
第160回の今回は、きのこであるアカハツとノウタケについて紹介します。
アカハツはベニタケ科チチタケ属の淡い橙色のきのこで、日本や韓国、台湾で見ることができます。
傘は直径5~10cm、柄は長さ3~5cm程度の大きさとなります。ハツタケと同様に肉質はもろく、傷ついた部分は青緑色に変化します。
夏から秋にかけてアカマツやクロマツなどの下に発生します。写真1のアカハツはアカマツ林に発生していました。
本種は食用となり、大量に群生することもあるようです。
(出典)今関ら(1998)日本のきのこ.山と渓谷社.p395.
写真1 アカハツ
(写真1は2024年10月21日に撮影)
ノウタケはホコリタケ科ノウタケ属のきのこで、形状が脳に似ていることからこの名が付けられました。
梅雨時から秋にかけて有機物の多い地上に群生または散生します。このきのこは作業道沿いの草むらに発生していました。
きのこの内部が白い肉質が充満している幼菌から未成熟菌の間は食用となります。その後熟成すると、写真2では確認できる頭頂部の孔から大量の胞子を放出し、潰れるように崩壊します。
(出典)今関ら(1998)日本のきのこ.山と渓谷社.p510-511.
写真2 ノウタケ 写真3 古いノウタケ 写真4 崩壊したノウタケ
(写真2、3は2024年10月21日に、写真4は2024年10月28日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらのきのこも一緒に探してみてはいかがですか。