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第161回 森林研究所の散歩道(テングタケ、ベニタケの仲間編)
第161回 森林研究所の散歩道(テングタケ、ベニタケの仲間編)
第161回の今回は、きのこであるテングタケとベニタケの仲間について紹介します。
テングタケはテングタケ科テングタケ属の毒きのこで、北半球の温帯以北またはアフリカに分布します。
傘は直径4~25cmになります。表面は灰褐色~オリーブ褐色で、白色の突起物が多数付着しています。
柄の根元はふくらみ、幼菌につぼ形であった名残がリング状となって残ります。
夏から秋に針葉樹林、広葉樹林ともに発生します。このあたりでは主に夏に見られますが、今年は10月下旬に発生が確認されました。写真1のテングタケはアカマツ林の草むらに発生しており、周辺でも多数散見されています。
(出典)今関ら(1998)日本のきのこ.山と渓谷社.p145.
写真1 テングタケ
(写真1は2024年10月21日に撮影)
写真2のきのこはベニタケの仲間だと考えられます。ベニタケ科のきのこは非常に種類が多く、特定することが困難です。
写真2のきのこはアカマツ林内に発生しており、傘の表面は赤褐色となっています。しかし、こうした傘の色は降雨や時間の経過によって退色しやすく、退色後に白色のきのことして見間違う可能性も高いため、判別には十分な注意が必要です。
写真2 ベニタケの仲間
(写真2は2024年10月21日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらのきのこも一緒に探してみてはいかがでしょうか。