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令和7年2月 県議会定例会 知事提案説明要旨

印刷ページ表示 ページ番号:0959361 2025年2月21日更新政策推進課

令和7年2月 県議会定例会 知事提案説明要旨

 本日は、皆様御多用のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございました。

はじめに

・「晴れて輝け!おかやま国スポ」                          

 まず、はじめに、「晴れて輝け!おかやま国スポ」につきましては、1,500人の選手や関係者の参加の下、今月5日、11日間にわたる熱戦を無事終えることができました。

 県議会をはじめ、多くの皆様の多大なる御支援、御協力に対し、心から感謝申し上げます。

 会期中は、多くの方が会場やパブリックビューイング等で観戦し、ショートトラックのスピード感など、冬季スポーツの醍醐味を満喫されました。また、開始式での歓迎アトラクションや県産材を使用した表彰状など、本県の魅力を全国に発信することができ、西日本初開催となったこの大会で大きな成果を上げることができました。

 今後、大会で得たノウハウを生かし、各競技の魅力を伝える取組を継続し、冬季スポーツの普及を図ってまいります。

・韓国慶尚南道への訪問                                    

 次に、韓国慶尚南道への訪問について申し上げます。

 先月16日からの3日間、本県との友好提携15周年を記念した表敬行事等に出席するため、県議会議長とともに訪問いたしました。

 現地では、朴浣沫知事にお会いし、教育や観光、経済など様々な分野での交流の強化を目指す新たな協定を締結するとともに、共通課題である少子化や首都圏への一極集中問題への対応などについて意見交換を行いました。

 今後とも、青少年の交流の充実を図るとともに、幅広い分野での交流に取り組んでまいります。

 次に、今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして、所信の一端を申し述べ、県議会及び県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

・所信表明

 私は、これまで、教育の再生と産業の振興が本県発展の礎であるとの信念の下、「生き活き岡山」の実現に向け、県政に全力で取り組んでまいりました。その結果、教育分野では、非行率が減少するなど、子どもたちが落ち着いて学習できる環境が整ってきており、小・中学校ともに全国平均並みの学力が定着してまいりました。産業分野では、新規立地企業等の投資額が累計で1兆円を超えるなど、確かな成果が現れてきております。

 一方で、人口減少、とりわけ少子化につきましては、これまでの対策を上回る勢いで進んでおり、なんとしても歯止めをかけなければならないとの強い決意の下、さらに一段ギアを上げて取り組んでいく必要があると考えております。

 今定例会に議案として提出しております「第4次晴れの国おかやま生き活きプラン」では、現在生まれた世代が20代を迎える2040年代半ばを見据え、これまでの3つの重点戦略に、「少子化対策」として、「結婚・子育ての希望がかなう社会の実現」を新たな柱に加え、好循環の流れをさらに力強いものにし、施策を強力に推進してまいります。県議会の御理解、御協力の下、市町村をはじめ様々な主体との連携を図りながら、すべての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」の実現に向け、全身全霊で取り組んでまいります。

・国の補正予算への対応等

 経済の情勢につきましては、雇用・所得環境が改善する中で緩やかに回復しているものの、引き続く物価高により県民生活はいまだ厳しい状況にありますそのため、国の総合経済対策に呼応した補正予算案を今定例会に提案しており、引き続き、物価高騰に負けない地域経済づくりの一層の推進と県民の安全・安心の確保に全力で取り組んでまいります。

・県財政の状況等

 本県財政につきましては、近年の好調な企業業績を受け、税収が増加傾向にあるものの、社会保障関係費の累増、公共施設の老朽化への対応等に加え、物価高騰による行政運営コストの増加などにより、厳しい状況が続くと認識しております。そうした中でも、少子化対策をはじめとする第4次生き活きプランに基づく施策等に着実に取り組むことで、本県の持続的な発展につなげてまいりたいと存じます。

 

結婚・子育ての希望がかなう社会の実現

 続きまして、令和7年度の施策・事業の基本的方向について、第4次生き活きプランに掲げる4つの重点戦略に沿って御説明申し上げます。

 まず、「結婚・子育ての希望がかなう社会の実現」についてであります。

・出会い・結婚応援

(結婚支援の推進)

 現下の最大の課題は、何と言っても加速度的に進行する少子化への対応であります。一朝一夕に解決できるものではありませんが、将来世代のため、あらゆることに取り組まなければならないとの決意の下、ライフステージに応じた切れ目のない支援を継続しつつ、結婚支援に焦点を当て、一層の取組強化を図ってまいります。

 20年後、30年後を見据え、部局を超えて知恵を出し合いながら全庁を挙げて取り組み、結婚・子育ての希望がかなう岡山の実現を目指してまいります。

 まず、結婚支援の推進につきましては、新たに、民間の婚活事業者等との連携体制を構築し、それぞれの強みを生かしながら、若い世代への情報発信や工夫を凝らした出会いの場の提供等を進めるほか、市町村等との連携による結婚に伴う住まいへの支援に取り組むとともに、「おかやま縁むすびネット」登録無料キャンペーンを再延長するなど、結婚への“一歩”を後押ししてまいります。

 また、こうした取組を推進する上でも、若い世代、とりわけ女性の流出を防止する観点は重要であることから、先般、県内の女性経営者から、女性がいきいきと輝くキャリアの実現を支援するための行動宣言を受け取ったところであり、今後、企業等とも一層連携しながら、女性の活躍推進や若い世代への積極的な情報発信に取り組んでまいります。

 併せて、新たに関西圏において、女子学生による交流会の開催や現状分析等に取り組み、女子学生の卒業後のUターンを促進してまいります。

・妊娠・出産・子育て支援

(妊娠・出産等の体制強化)

 妊娠・出産等の体制強化につきましては、おかやま妊娠・出産・子育て安心サポート連絡協議会で議論を行うなど、安心して産み育てる環境づくりを進めており、新たに、不妊治療費の助成を行う市町村への補助、遠方の産科医療機関等での妊婦健診や出産にかかる交通費等の支援、新生児マススクリーニング検査の拡大分の補助などに取り組んでまいります。

(子育て世帯の住まいの確保)

 子育て世帯の住まいの確保につきましては、広い居室等のある住宅で子どもを育てたいとのニーズが高いことから、子育て世帯が居住するために行う空き家住宅の改修を支援する市町村に対して補助を行い、空き家の増加抑制を図るとともに、子育て世帯に優しい住まいの拡充に取り組んでまいります。

・子育てと仕事の両立支援

(子育てと仕事の両立支援)

 子育てと仕事の両立支援につきましては、従業員の子育て支援に取り組む企業への助成制度の創設、経営層向けセミナーや男性の育児休業取得促進の取組の拡充など、男女ともに安心して子育てしながら働くことができる環境づくりに取り組み、企業風土の変革やアンコンシャス・バイアスの払拭にもつなげてまいります。

(保育人材の確保等)

 保育人材の確保につきましては、保育士不足が深刻化する地域の現状や多様化する保育ニーズを踏まえ、保育補助者の配置に係る経費支援や職場体験ツアー、ICT導入支援などの取組等に加え、新たに、人材確保に向け、保育士養成校の学生に直接働きかけを行う市町村への支援を行うとともに、離職防止に向け、カスタマーハラスメント対応研修等に取り組んでまいります。

 また、県みずからも、一事業主として職員の子育てと仕事の両立を支援するとともに、民間の取組の一層の促進にもつなげるため、県庁舎内への職員向け保育所の設置計画の策定に着手したいと考えております。

 

夢を育む教育県岡山の推進

 続きまして、「夢を育む教育県岡山の推進」についてであります。

・学ぶ力育成

(学ぶ力の育成)

 学ぶ力の育成につきましては、放課後等の補充学習への支援員等の配置に加え、新たに、中学のモデル校に、個に応じた家庭学習を支援するための生成AIアプリを導入するなど、授業以外の学習時間を確保し、子どもたちの主体的な学習習慣の定着を図ることにより、学力の向上につなげてまいります。

 また、部活動指導員の増員など、外部人材の効果的な活用をさらに進めることで、学校における働き方改革を推進し、教員が児童生徒の指導や教材研究等に専念できる環境を整備してまいります。

・徳育・体育推進

(全国高等学校総体)

 7月から8月にかけて中国ブロックを中心に開催される全国高等学校総合体育大会につきましては、会場となる自治体や関係団体等と連携を図りながら、大会の成功に向けた準備に万全を期すとともに、来月下旬にはPRイベントを開催し、高校生と共同で広報活動を行うなど、大会を盛り上げるための取組を一層進めてまいります。

 この大会の開催を契機に、子どもたちの運動やスポーツに対する興味・関心の向上を図り、本県の学校体育・スポーツの活性化につなげてまいります。

・多様な教育ニーズ支援

(不登校対策)

 不登校対策につきましては、スクールソーシャルワーカーを増員し、スクールカウンセラー等も含めた「チーム学校」による早期支援を一層推進するほか、進学意欲のある不登校の中学生を支援するため、県立高校内に2か所目となる教育支援センター「My Place」を設置するなど、多様な教育ニーズに対応し、誰一人取り残されない学びを実現できるよう、総合的な対策を進めてまいります。

・グローバル人材育成

(グローバル人材の育成)

 グローバル人材の育成につきましては、モデル校へのAI教材の導入や、ALTの増員により、高校生の英語力向上を図るとともに、いわゆる文系・理系の枠を超えた学びである、STEAM教育を一層推進するため、研究推進委員会を設置するなど、新しい時代の要請に応えられる人材の育成に取り組んでまいります。

 また、大学生への留学支援については、理工系学生を対象としたコースを新設し、県内企業への見学ツアーを実施するなど、産学官が連携し、グローバル人材の県内への定着につなげてまいります。

地域を支える産業の振興

 続きまして、「地域を支える産業の振興」についてであります。

・企業誘致・投資促進

(企業誘致と投資の促進)

 企業誘致と投資の促進につきましては、既存の公的産業団地の近接地を対象に、市町村と連携し、産業用地としての活用可能性を調査するなど、企業ニーズに応じた産業用地の確保に努めてまいります。また、航空機関連産業について、関連企業との商談会の開催等を通じ、県内企業の参入を支援するとともに、本県の立地環境や県内企業の技術等をPRすることにより誘致活動に取り組んでまいります。

・観光振興

(観光振興)

 観光振興につきましては、大阪・関西万博において、近隣県や市町村等と連携し、自治体参加催事に出展するなど、岡山の魅力を積極的に発信してまいります。また、万博や瀬戸内国際芸術祭などの好機を捉え、本県への周遊促進キャンペーンなど、国内外向けのプロモーションを強化することにより、認知度向上と宿泊客の増加に向けた取組を加速し、本県を拠点とした広域周遊の促進と観光消費額の拡大につなげてまいります。

(岡山桃太郎空港)

 岡山桃太郎空港につきましては、開港から36年が経過したことによる施設の老朽化などの課題の解消を図るとともに、将来のインバウンド需要の拡大等に備えるため、国際線同時2便対応や利用者の利便性・快適性の向上など、機能強化に係る基本計画を策定してまいります。

(岡山後楽園)

 岡山後楽園につきましては、歴史ある文化財庭園を後世に適切な姿で継承していくための保存・整備を行うとともに、岡山城の烏城灯源郷と連携した幻想庭園などのイベントの開催や、季節の風物詩となっているタンチョウの園内散策の継続に向けた次世代タンチョウの育成等、後楽園ならではの魅力を発信し、さらなる誘客促進に取り組んでまいります。

・儲かる農林水産業加速化

(桃、ぶどうの供給力強化)

 桃、ぶどうの供給力強化につきましては、ハイブリッド産地の育成などを進めてきたところでありますが、市場からさらなる出荷量の増加が求められる中、新たな産地の育成やスマート農業技術の導入による規模拡大を推進するとともに、気候変動対策や新規就農者の確保・育成により、高品質な県産果物の安定供給体制を確立し、供給力の強化を進めてまいります。

・働く人応援

(本県への就職促進)

 本県への就職促進につきましては、来月、県内企業約160社が参加する合同企業説明会を開催するほか、奨学金返還支援事業について、県外への流出を防止する観点等から、現在の対象者を拡大し、来年度は、県内大学の卒業者も加えるなど、県内就職の促進にしっかり取り組んでまいります。

(若者の確保・定着)

 若者の確保・定着につきましては、大学コンソーシアム岡山と連携して若者による地域課題の解決に取り組むとともに、新たに、商工会等が地域の事業者や学校等と連携し、若者に県内企業や地域の魅力を発信する事業に対して支援することにより、地域の担い手となる人材の確保・定着につなげてまいります。

(女性活躍の推進)

 女性活躍の推進につきましては、新たに学生のキャリアデザイン講座や女性管理職との交流会を開催し、地元企業で活躍する女性などロールモデルをPRするとともに、女性活躍推進員を配置し、様々な分野における意思決定過程への参画を促すなど、女性が意欲を高め、個性と能力を十分発揮できるよう、活躍の場の拡大に向けて取り組んでまいります。

(外国人材等への支援推進)

 外国人材等への支援推進につきましては、4月に施行される「岡山県外国人材等支援推進条例」に基づき、産官学労による協議会を設立し、支援推進計画の策定に着手するほか、留学生をはじめとする外国人材の受入れセミナーや家族も参加できる日本語教室の開催などを通じて、多様な人材が地域産業の担い手として活躍できるよう、環境整備を進めてまいります。

安心で豊かさが実感できる地域の創造

 続きまして、「安心で豊かさが実感できる地域の創造」についてであります。

・保健医療充実

(地域医療体制の強化)

 地域医療体制の強化につきましては、限られた医療資源を最大限活用しながら、地域格差の是正を図るため、ICTによる業務の効率化や関係者間の連携強化などの医療DXを進め、県内のどこに住んでいても安全で質の高い医療を受けられる体制の整備に取り組んでまいります。

(精神障害のある人の支援)

 精神障害のある人の支援につきましては、身近な地域で安心して暮らすことができるよう、入院者訪問支援員による相談対応や住まいの確保支援に加え、新たに、精神障害のある人の医療費を助成する市町村へ補助を行うなど、包括的な支援体制の構築を推進してまいります。

・福祉サービス推進

(保育・介護等一体的まちづくりの推進)

 保育・介護等一体的まちづくりの推進につきましては、保育・介護等の福祉人材の確保が大きな課題となる中、多様化する住民ニーズに適切に応えていくための複合的な体制や仕組みの整備が求められており、将来に向け、サービスの維持・充実をどう図っていくか、地域の実情に応じた在り方を検討・研究する市町村を積極的に支援してまいります。

(民生委員担い手確保対策)

 民生委員担い手確保対策につきましては、地域課題や住民ニーズが多様化するなど、民生委員の役割や重要性が増す一方で、委員の高齢化や担い手不足が一層懸念されております。このため、活動を補佐する「協力員制度」の導入のほか、「こども民生委員」や学生による広報など若い世代の参画、ICT活用による業務負担の軽減など、市町村と連携し、担い手確保に向けた支援に取り組んでまいります。

・子ども・若者支援

(困難な状況にある子どもの支援)

 子どもの虐待防止につきましては、市町村こども家庭センターの設置・運営支援や、中核を担う児童相談所の機能強化、社会的養育の充実を図ることなどにより、子どもの最善の利益が実現できるよう、取組を進めてまいります。

 また、子どもの貧困の解消に向けた対策につきましては、離婚前後のひとり親の自立を支援するとともに、子どもの居場所づくりの推進に向け、新規開設に係る経費支援等に加え、寄附金を活用した「子ども食堂応援基金」を新たに創設し、地域に根差した取組が進むようバックアップしてまいります。

・防災対策強化

(防災対策の推進)

 防災対策の推進につきましては、災害時においても、市町村等と確実な情報共有が図られるよう通信施設の耐震化や、各種情報処理システムの機能を強化するなど防災情報ネットワークの高度化を図ってまいります。

 また、能登半島地震の教訓を踏まえ、集落が孤立した場合に迅速に支援を行えるよう、市町村と連携し、災害対応力の向上に努めてまいります。加えて、命を守ることに重点を置いた、木造住宅の部分耐震改修や耐震シェルター設置等の効果的な取組への支援を強化することで、住宅の耐震化を促進してまいります。

 さらに、消防学校の寮の大規模改修により、教育訓練環境を改善し、県下の消防人材の養成を推進してまいります。

(河川の浸水リスクの低減)

 河川の浸水リスクの低減につきましては、激甚化・頻発化する豪雨災害に備えるため、これまで進めてきた河道掘削等の河道内整備を拡充するとともに、樋門の無動力化や、浸食・洗掘に対して脆弱な橋梁の倒壊・流失防止対策に引き続き取り組んでまいります。また新たに、維持管理の効率化と河川管理の強化を図るための効果的な堤防点検や、ゼロメートル地帯を防護する防潮水門の耐震対策を進めてまいります。

(水道事業の持続的な運営)

 水道事業の持続的な運営につきましては、施設の老朽化の進行や耐震化の遅れ等の課題を踏まえ、水道事業者等に対し、デジタル技術を活用した漏水調査の共同委託や水道メーター等の共同調達など広域連携の推進に向けた支援を行い、県民が安心して使用できるよう、基盤強化に取り組んでまいります。

・暮らしの安全推進

(暮らしの安全対策)

 暮らしの安全対策につきましては、特殊詐欺の認知件数・被害額がともに増加傾向にあるほか、近年急増しているSNS型投資・ロマンス詐欺についても大きな被害が出ていることから、動画配信サイトや新聞などの多様な媒体を活用するとともに、防犯講習会等において詐欺の手口をSNS上で仮想体験してもらうなど、被害防止に向けて効果的な広報啓発活動を推進してまいります。

(交通安全対策)

 交通安全対策につきましては、近年、自転車関係の事故が増加傾向にあるほか、来年には自転車の違反に対する交通反則通告制度、いわゆる青切符による取締りが導入される予定であることから、交通指導取締りを強化するとともに、各種講習会の実施などを通じ、自転車による酒気帯び運転や、いわゆる「ながらスマホ」の厳罰化といった法改正を含め、交通ルールの周知を図ってまいります。

・持続可能な中山間地域等形成

(地域公共交通)

 地域公共交通につきましては、県、市町村、交通事業者等の連携の下で、それぞれの役割を果たしながら、県民の移動手段の確保に取り組めるよう、今後の施策の方向性を示した計画を新たに策定するとともに、地域のニーズに応じた交通サービスの導入に向けた市町村等の取組を支援するなど、地域公共交通ネットワークの活性化を進めてまいります。

(鳥獣被害防止対策)

 鳥獣被害防止対策につきましては、一層の捕獲強化に努めるとともに、女性を対象とした研修会の開催等による狩猟の担い手の確保・育成など新たな取組を行いながら、引き続き、総合的な被害防止対策を推進し、被害額の減少を図ってまいります。

 また、野生イノシシにおける豚熱の感染事例が続発していることから、現在対象外となっている狩猟期における助成を新設し、生息数低減を加速化させることで、飼養豚への感染防止に努めてまいります。

・快適な環境保全

(海ごみ対策の推進)

 海ごみ対策の推進につきましては、市町村等と連携した海ごみ削減キャンペーン「おかやまゴミ退治大作戦」等を通じて、気運の醸成を図るとともに、特に若い世代の積極的な活動等を促進するため、来年度から、瀬戸内オーシャンズXによる助成金に県独自の支援を上乗せすることで、さらに回収活動が活発化するよう取り組んでまいります。

(ツキノワグマ対策)

 ツキノワグマ対策につきましては、人とクマとのすみ分けを図るゾーニング管理により、人の生活圏等での有害捕獲など、被害防止対策に取り組んでいるところであります。引き続き、特定鳥獣専門指導員の配置や市町村職員のスキルアップを図るとともに、新たに地域ぐるみでの取組に対する支援を行うなど、市町村等と緊密に連携し、県民の安全・安心の確保に向け、一層の対策を進めてまいります。

・脱炭素化推進

(脱炭素社会の実現)

 脱炭素社会の実現につきましては、引き続き、県みずからが率先して県有施設のLED化等を進めるとともに、脱炭素につながる各主体の取組を支援してまいります。特に再生可能エネルギーの導入を進める家庭や事業者への支援の充実を図り、2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組を着実に進めてまいります。

(水島港の脱炭素化)

 水島港につきましては、立地する企業が脱炭素化に取り組むことができる環境を整える必要があることから、港湾計画を改訂し、脱炭素化に対応した次世代の水島港の形成に取り組み、環境価値の高い港湾として競争力を高めることで、国内外の船会社や荷主等から選ばれる港湾を目指してまいります。 

・生きがい・元気づくり支援

(文化芸術の振興)

 文化芸術の振興につきましては、瀬戸内国際芸術祭等の開催に合わせ、美作三湯芸術温度や岡山芸術交流など、多彩な文化イベントを県内各地で展開し、文化芸術を活用した地域の新たな魅力の創出に取り組むとともに、県民が文化芸術に親しめる環境づくりを推進してまいります。

(スポーツの振興)

 スポーツの振興につきましては、先日、県民が待ち望んだファジアーノ岡山のJ1での戦いが始まり、満員のスタジアムで記念すべき初勝利を飾り、最高の幕開けとなり、クラブのさらなる飛躍を期待しているところであります。近年の岡山旋風をさらに加速させるべく、引き続き、アスリートの育成や競技力の向上を図るほか、全国レベルの大会の開催や、気軽にスポーツに親しめる環境づくりを通じて、裾野の拡大とスポーツによる地域の活性化を推進してまいります。

・行政のデジタル化推進

 行政のデジタル化の推進につきましては、電子契約の導入に取り組むほか、ノーコードツールや生成AI等、ICTを活用した職員の働き方改革を推進するとともに、市町村が行う情報システム標準化への支援に加え、DX推進を担う人材を育成するため、県・市町村が一体となって研修を実施するなど、引き続き、県民の利便性向上や行政の効率化に取り組んでまいります。

諸議案

 次に、今回提案しております諸議案の概要につきまして、御説明申し上げます。

 まず、予算案件のうち、令和7年度当初予算案についてでありますが、国の令和7年度一般会計当初予算案は、社会保障関係費や国債費などで歳出が増加し、予算規模は、115兆5,415億円と過去最大となっております。

 本県の令和7年度当初予算編成にあたりましては、生き活き岡山の実現に向け、新たに「結婚・子育ての希望がかなう社会の実現」を加えた4つの重点戦略に基づく施策に、市町村等とも一層連携を図りながら、着実に取り組むことで、好循環の流れをさらに力強いものにし、人口減少問題への的確な対応と本県の持続的な発展に結びつけるため、より実効性の高い事業を数多く盛り込んだところであります。

 以上により編成しました令和7年度の当初予算案は、

  一般会計において  7,768億6,100余万円

  特別会計において     3,750億6,800余万円

  合わせて            1兆1,519億3,000余万円

      企業会計において      209億7,200余万円

となっております。

 このうち、一般会計につきまして、その内容を性質別に申し上げますと、

  義務的経費            5,695億1,300余万円

      一般行政経費       1,265億8,900余万円

      投資的経費         807億5,800余万円

となっております。

 次に、一般会計につきまして、その概要を申し上げます。

 まず、歳入予算についてでありますが、県税収入は、令和6年度当初予算に対し8.8%増の2,886億4,300余万円、令和7年度地方財政計画の内容などから地方交付税は1.0%減の1,683億円、臨時財政対策債は皆減となっており、一般財源は総額6,128億4,800余万円を計上しております。特定財源は、国庫支出金が8.6%増の720億6,100余万円、県債は5.3%増の471億8,100余万円など、合わせて1,640億1,200余万円を計上しております。

 次に、歳出予算についてでありますが、主な事業を申し上げますと、少子化対策総合推進事業4億5,200余万円、不登校総合対策推進事業2億2,300余万円、中堅企業への成長につながる中小企業の持続的成長支援事業3億9,400余万円、脱炭素社会の実現を目指した地球温暖化対策事業22億1,800余万円などを計上しております。

 債務負担行為につきましては、治山事業費など新たに債務を負担しようとするもの189件であります。

 地方債につきましては、歳出予算の財源として必要な額を予定するものであり、一時借入金につきましては、年度内の歳計現金が不足する場合の借入れの最高額を定めようとするものであります。

 特別会計につきましては、岡山県公債管理特別会計に1,703億1,000余万円を計上するなど、14会計においてそれぞれ所要額を計上しております。

 企業会計につきましては、岡山県流域下水道事業会計に98億700余万円を計上するなど、3会計においてそれぞれ所要額を計上しております。

 次に、令和6年度補正予算案についてでありますが、経済対策分と通常分を提案しております。

 まず、経済対策分につきましては、国の総合経済対策に呼応し、中小企業等が行う人手不足対策に向けた設備導入等の支援や、物価高騰の影響を受ける医療機関等への支援のほか、住民団体が設置する防犯カメラの購入等への支援に要する経費などについて、所要の補正措置を講じるものであります。

 その結果、今回の補正予算額は、

  一般会計において   94億4,300余万円の増額

であります。

 補正後の一般会計予算額は、歳入歳出それぞれ7,949億5,700余万円であります。

 一般会計歳入予算の主な内容につきましては、国庫支出金91億2,900余万円などを増額する所要の補正措置を講じるものであります。

 一般会計歳出予算の主な内容につきましては、介護保険施行事業費18億9,100余万円、畜産経営安定推進事業費16億8,900余万円などを計上しております。

 繰越明許費につきましては、介護保険施行事業など27件91億7,500余万円を繰り越ししようとするものであります。

 地方債につきましては、今回の補正予算に関連し、所要の補正措置を講じるものであります。

 次に、通常分につきましては、事業費の確定等に伴うものについて、それぞれ所要の補正措置を講じることとしております。

 その結果、今回の補正予算額は、

  一般会計において     213億8,100余万円の増額

      特別会計において       44億7,700余万円の減額

  合わせて         169億  400余万円の増額

  企業会計において      11億2,700余万円の減額

であります。

 補正後の一般会計予算額は、歳入歳出それぞれ8,163億3,900余万円であります。

 一般会計歳入予算につきましては、県税201億200余万円、地方交付税139億3,700余万円などを増額する一方で、繰入金144億6,600余万円、国庫支出金89億6,300余万円を減額するなど、所要の補正措置を講じるものであります。

 一般会計歳出予算のうち増額措置の主なものは、岡山県財政調整基金積立金175億8,500余万円、地方消費税清算金99億9,600余万円、岡山県県債管理基金積立金41億8,800余万円などであります。また、減額措置の主なものは、人件費、公共災害土木復旧費、国直轄河川事業負担金等、事業費の確定に伴うものであり、それぞれ所要の補正措置を講じるものであります。

 繰越明許費につきましては、関係者等との調整難航などの理由により、合わせて61件、180億2,500余万円を繰り越ししようとするものであります。

 債務負担行為につきましては、水島警察署庁舎建替整備事業について期間の変更をしようとするものであります。

 地方債につきましては、今回の補正予算に関連し、所要の補正措置を講じようとするものであります。

 特別会計につきましては、岡山県国民健康保険事業特別会計など11会計において、また企業会計につきましては、岡山県流域下水道事業会計など3会計において、それぞれ所要の補正措置を講じるものであります。

 次に、事件案件につきましては、岡山県広域水道企業団への出資についてのもの1件、包括外部監査契約の締結についてのもの1件、第4次晴れの国おかやま生き活きプランの策定についてのもの1件、工事請負契約の締結についてのもの1件、県営住宅の指定管理者の指定の変更についてのもの1件、児島湖流域下水道の維持管理費用の市町負担額の変更についてのもの1件、市町村負担金についてのもの3件であります。

 最後に、条例案件につきましては、「岡山県子ども食堂応援基金条例」や、物価高騰の影響などに伴う使用料等の改定に係る条例など89件であります。

 以上、今回提案いたしました諸議案につきまして、その概要を申し上げた次第であります。

 なにとぞ、慎重御審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。