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令和7年6月 県議会定例会 知事提案説明要旨

印刷ページ表示 ページ番号:0977827 2025年6月5日更新政策推進課

令和7年6月 県議会定例会 知事提案説明要旨

 本日は、皆様御多用のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございました。

 今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして、当面する県政の課題について申し述べ、県議会及び県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。​

はじめに

・米国の関税措置への対応

 米国の関税措置は、本県のみならず、我が国の産業・経済へ大きな影響を与えることが懸念されております。

 こうした状況を受けて、国においては、関税措置の見直しに向け、米国と協議されているほか、全国の関係機関での特別相談窓口の設置や資金繰り支援等が実施されております。

 本県におきましても、県内支援機関や国等とも連携を密にし、情報共有を図るとともに、県内企業を対象にアンケートを実施するなど県内企業に及ぼす影響を把握し、関税の影響が軽減されるようスピード感をもって、必要な対策に取り組んでまいります。

・岡山市南区で発生した林野火災跡地の早期復旧

 去る3月23日に発生した大規模な林野火災により、岡山市南区から玉野市にまたがる広範な山林が焼失いたしました。被災地域の皆様に対しまして、あらためて心からお見舞い申し上げますとともに、消火活動に当たられた関係者の御尽力に深く敬意を表します。

 4月11日の岡山市による鎮火宣言後、速やかに現地調査を行ったところであり、今後、調査結果を踏まえ、土砂流出防止や景観保全などの復旧対策を早急に進めてまいります。

・第4次プランのスタートにあたって

 4月から、「第4次晴れの国おかやま生き活きプラン」がスタートいたしました。プランでは、「少子化対策」を新たに柱として加え、若い世代の出会い、結婚の希望がかなう環境づくりを推進することとしております。また、若者の還流と定着に向け、これまで以上に人口減少対策に取り組むこととしており、市町村や企業等とも一層連携を深めながら、若い世代が本県を選び、安心して住み続けることができるよう、効果的な施策を強力に推進してまいります。

結婚・子育ての希望がかなう社会の実現

 続きまして、第4次生き活きプランに掲げる4つの重点戦略に沿って、御説明申し上げます。

 まず、「結婚・子育ての希望がかなう社会の実現」についてであります。

・出会い・結婚応援

(結婚支援の推進)

 結婚支援の推進につきましては、取組の一層の強化を図るため、子ども・福祉部に縁むすび応援室を新設したところであり、一人でも多くの方の結婚の希望がかなうよう取組を進めてまいります。

 「おかやま縁むすびネット」の会員数が3,000名を超え過去最多となり、登録無料キャンペーンの継続などの成果が着実に表れてきており、今年度からはオンラインでの会員登録も可能とするなど、利便性の向上による会員数の拡大を一層図り、新たな出会いの機会を増やしてまいります。

 また、おかやまマラソンや井原鉄道とのタイアップなど、趣向を凝らした出会いの場を提供しており、今年度は、オンライン上で参加者同士が交流できるようにするなど、イベントでのマッチング率の向上を図ってまいります。 

 さらに、市町村が独自に行う住まいへの助成に対し新たに支援するとともに、市町村ごとの少子化要因分析ツールも活用しながら、地域の特性や課題に応じた取組を推進し、結婚への“一歩”を後押ししてまいります。

・妊娠・出産・子育て支援

(妊娠・出産等の体制強化)

 妊娠・出産等の体制強化につきましては、新たに、不妊治療費の助成を行う市町村への補助、遠方の産科医療機関等での妊婦健診や出産にかかる交通費等の支援、新生児マススクリーニング検査の拡大分の補助などに取り組んでいるところであり、引き続き、安心して妊娠し、安全に産み育てられる環境づくりを推進してまいります。

・子育てと仕事の両立支援

(子育てと仕事の両立支援)

 子育てと仕事の両立支援につきましては、従業員への子育て支援を積極的に進める企業を顕彰する「おかやま子育てしやすい職場アワード」など、引き続き、経営者等の意識の醸成を図る取組を推進するとともに、企業向け子育て支援ポータルサイト「ハレまる。」に掲載する優良事例等のさらなる充実と周知等を通じて、企業の子育てを応援する取組を県内全域に広め、男女ともに安心して子育てと仕事を両立できる職場環境づくりを進めてまいります。

 

夢を育む教育県岡山の推進

 続きまして、「夢を育む教育県岡山の推進」についてであります。

・学ぶ力育成

(学ぶ力の育成)

 学ぶ力の育成につきましては、中学校のモデル校に生成AIを活用した学習支援アプリを導入し、家庭学習に活用することで、子どもたちが主体的に学習に取り組む習慣の定着を図ってまいります。

 また、部活動指導員の増員など、外部人材の効果的な活用をさらに進めることで、学校における働き方改革を推進し、教員が児童生徒の指導や教材研究等に専念できる環境づくりを一層推進してまいります。

・徳育・体育推進

(全国高等学校総体)

 開催まで2か月を切った全国高等学校総合体育大会につきましては、本県にゆかりのあるトップアスリートの方々から高校生に向けたメッセージ動画を作成するとともに、日本を代表する選手を招いたトークセッションや高校生が中心となった競技の魅力紹介等のPRイベントを開催するなど、機運の醸成に取り組んでいるところであります。全国各地から来県される選手・監督や応援の方々をおもてなしの心でお迎えし、参加した全ての人がよかったと心から思える大会となるよう、準備に万全を期してまいります。  

・多様な教育ニーズ支援

(不登校対策)

 不登校対策につきましては、スクールソーシャルワーカーを増員し、スクールカウンセラーを含めた「チーム学校」による早期支援を一層推進するほか、教室復帰を支援するための自立応援室の拡充、進学意欲のある不登校の中学生を対象とする県教育支援センター「My Place」の2か所目の設置など、誰一人取り残されない学びを実現できるよう、総合的な対策を進めてまいります。

地域を支える産業の振興

 続きまして、「地域を支える産業の振興」についてであります。

・企業誘致・投資促進

(企業誘致と投資の促進)

 企業誘致と投資の促進につきましては、昨年度、23件の誘致が決定し、約900億円の投資を呼び込むなど、順調に成果を上げております。

 新たに、公的産業団地の近接地を対象に、産業用地としての活用可能性の調査を行っているところであり、引き続き、市町村と連携しながら、企業ニーズに応じた産業用地の確保に努め、さらなる誘致と投資の促進に取り組んでまいります。

・企業の「稼ぐ力」強化

(中小企業等への支援)

 中小企業等への支援につきましては、事業者の人手不足解消に向けた設備導入を支援するほか、新たに、人材確保や定着、適正な価格転嫁に向けた支援などに、商工会等の支援機関と連携して取り組んでまいります。

 また、スタートアップ・ベンチャー企業への支援につきましては、起業経験者や各分野の専門家による伴走支援を実施し、事業の磨き上げを行うとともに、資金調達やビジネスマッチングの機会の提供などにより、企業の成長を支援してまいります。

・観光振興

(観光振興)

 観光振興につきましては、開催中の大阪・関西万博において、8月に市町村等と連携し催事出展することとしており、この機を捉え、国内外へ岡山の果物や観光地などの魅力を発信できるよう、準備を進めてまいります。

 また、万博や瀬戸内国際芸術祭からの誘客拡大に向け、本県を滞在拠点とした周遊を促進するプロモーションを展開するとともに、7月から全県的な観光キャンペーンとして「おかやまハレいろキャンペーン2025」を実施することとしております。

 さらに秋には、美作三湯芸術温度や岡山芸術交流など多彩な文化イベントも県内各地で展開することとしており、万博等の好機を最大限活用してまいります。

(岡山桃太郎空港)

 岡山桃太郎空港につきましては、4月に開港からの累計利用者数が4,000万人を達成いたしました。御利用いただいた方々はもとより、航空会社など空港関係者の皆様に感謝申し上げます。また、将来のインバウンド需要等に備えるとともに、利用者の利便性・快適性の向上を図るため、今年度、機能強化に向けた基本計画の策定を進めてまいります。

・儲かる農林水産業加速化

(県産果物のブランド力強化)

 県産果物のブランド力強化につきましては、首都圏の高級スイーツ店でのメニュー開発等を通じた新たな販路開拓に取り組むなど、積極的なプロモーションを展開してまいります。特に、本県の桃、ぶどうは、栽培開始150年の節目を迎えることから、その歴史や品質の高さなどの魅力を県内外に発信し、「くだもの王国おかやま」のブランド力の向上を図ってまいります。

・働く人応援

(雇用対策)

 雇用対策につきましては、新規学卒者の積極的な正社員採用や、多様な働き方が実現できる職場環境づくりの促進などを、先月、県内経済団体に要請したところであります。

 また、若者と企業経営者との交流事業の実施や、おかやま就活サポーターと県内外の学生との交流イベントの開催、インターンシップへの参加促進による県内企業の魅力発信などを通じ、本県への人材の還流と定着に取り組んでまいります。

(外国人材等への支援推進)

 外国人材等への支援推進につきましては、「岡山県外国人材等支援推進条例」に基づき、先月、産官学労による協議会を設立したところであります。今後、外国人材の受入れ状況やニーズ等を踏まえ、留学生をはじめとする外国人材が地域産業の担い手として活躍できるよう、支援推進計画の策定を進めてまいります。

安心で豊かさが実感できる地域の創造

 続きまして、「安心で豊かさが実感できる地域の創造」についてであります。

・保健医療充実

(地域医療体制の強化)

 地域医療体制の強化につきましては、医療DXにより、当面の医療需要の増加に対応しつつ、県内のそれぞれの地域において安全で質の高い医療を受けられる体制を整備するため、県や市町村、医療関係者等による協議会を設置し、課題の整理や具体的な方策の検討を行ってまいります。

・福祉サービス推進

(保育・介護人材の確保)

 保育・介護人材の確保につきましては、人材不足が深刻化する地域の現状や多様化するニーズを踏まえ、安定的に人材を確保するため、保育支援者の配置や介護ロボット、ICTの導入等に係る支援により、業務改善や職員の負担軽減等を図るとともに、新たにカスタマーハラスメント対応研修を開催するなど、離職防止や定着促進に努めてまいります。

(ギャンブル等依存症対策)

 ギャンブル等依存症対策につきましては、早期の支援や適切な治療により回復できるギャンブル等依存症に対し、十分な支援等が届いているとは言えず、また、オンライン化するギャンブルへの対応が求められていることから、昨年度設置した関係機関による連携会議での議論も踏まえ、本人とその家族が日常生活及び社会生活を円滑に営めるよう、包括的な支援につなげてまいります。

・子ども・若者支援

(子どもの虐待防止)

 子どもの虐待防止につきましては、児童虐待の相談対応件数は近年増加傾向であり、昨年度改定した県社会的養育推進計画に基づき、児童相談所の機能強化を図るとともに、里親制度の推進や児童養護施設等の機能強化を図るなど、子どもの最善の利益の実現に向けて取り組んでまいります。

・防災対策強化

(防災対策の推進)

 防災対策の推進につきましては、3月に公表された国の南海トラフ巨大地震の被害想定を参考に、地形や地質等の詳細なデータを用いて、より精度の高い本県独自の被害想定の見直しを進めております。

 国は、南海トラフ巨大地震が発生しても、国民、事業者、地域、行政が対策に取り組めば被害は軽減できるとしており、引き続き、自助、共助、公助の観点に立ち、ハード・ソフト対策を適切に組み合わせ、災害に強い地域づくりを進めてまいります。

(安全・安心な県土づくりの推進、治水対策)

 安全・安心な県土づくりの推進につきましては、激甚化・頻発化する自然災害に対応するため、これまで以上に災害に強い県土づくりに取り組む必要があることから、土木関係国庫予算のさらなる増額確保を目的に、昨年度に引き続き、「安全・安心 おかやま県土づくり推進大会2025」を来月開催することとしております。   

 また、治水対策につきましては、計画的な河川改修に加え、即効的な対策である河道掘削等に重点的に取り組むとともに、洪水浸水想定区域の公表による水害リスク情報の充実を図ってまいります。

 とりわけ、岡山市街地等の水害リスクの軽減に効果が高い旭川中上流ダム再生事業は、令和8年度の建設移行に向けて、国に対して強く働きかけてまいります。

・暮らしの安全推進

(交通安全対策)

 交通安全対策につきましては、人身交通事故当事者に占める自転車利用者の割合が増加傾向にあるほか、令和8年中には、自転車に対する交通反則通告制度の適用が開始されることを踏まえ、各年代に応じた分かりやすい自転車のルールに関する資料を作成し、各種交通安全講習で活用するなど、自転車利用者に対する交通安全教育を推進してまいります。

・持続可能な中山間地域等形成

(中山間地域等の振興)

 中山間地域等の振興につきましては、今年度から、関西圏に進学した女子学生を対象に本県の魅力や暮らしやすさを再発見してもらう交流会等を開催し、県外からの還流を一層促すとともに、生き活き拠点や道路環境のさらなる整備を進めるなど、市町村等と連携しながら、ソフト・ハード両面から総合的な施策を展開してまいります。

(JR芸備線の再構築協議)

 JR芸備線につきましては、昨年度、再構築協議会において、芸備線とその沿線地域に関するデータ分析や関係者からの意見聴取等を通じて、現状把握や地域経済効果の試算等を行ったところであります。今年度は、さらなる調査分析や実証事業の実施を通じて、より利便性・持続可能性の高い公共交通の実現に向けて議論してまいります。

・快適な環境保全

(海ごみ対策の推進)

 海ごみ対策の推進につきましては、岡山・広島・香川・愛媛の4県と日本財団が連携して、瀬戸内海の広域的な海ごみ対策のプロジェクトを進めているところであり、来月には、4県同時に大規模清掃を行うなど、美しく豊かな瀬戸内海を後世に残すため、海ごみの回収、発生抑制をより一層推進してまいります。

(放置艇対策)

 放置艇対策につきましては、秩序ある水域利用の実現を目指し、放置艇対策の基本方針に基づき対策を進めているところであります。7月1日に放置等禁止区域を指定し、指定後も放置を続ける船舶所有者に対しては適正な管理に向けた行政指導を行うなど、船舶航行の安全確保や景観の向上に向け、国や関係市などと一丸となって取り組んでまいります。

・脱炭素化推進

(脱炭素社会の実現)

 脱炭素社会の実現につきましては、事業者や家庭への再生可能エネルギーの導入支援に力を入れるとともに、県有施設のLED化や太陽光発電設備設置に向けた調査を進めてまいります。また、環境性能に優れたEV車両の導入補助や試乗会開催に加え、マンション管理組合等を対象とした充電設備設置に向けた相談会実施やマンション管理の専門家派遣によるきめ細かな支援等により、EV普及の取組を加速させてまいります。

・生きがい・元気づくり支援

(おかやまマラソン2025)

 おかやまマラソン2025につきましては、ファンランも含め、28,526人のランナーから参加申込みをいただくとともに、大会を支えるボランティアの募集も順調に進んでおります。

 今大会では、ニックネーム入りゼッケンの導入による沿道応援者の声かけ促進やハイタッチ応援ゾーンの新設などを予定しており、11月の開催に向け、魅力的な大会となるよう、準備を進めてまいります。

(スポーツの振興)

 スポーツの振興につきましては、ファジアーノ岡山が初のJ1の舞台で熱い戦いを繰り広げております。私も、広島で開催された中国ダービーに赴き、その熱気を大いに感じたところであります。

 チームの奮闘を支えるべく、来月ホームで開催される中国ダービーをより一層盛り上げるとともに、スタジアムの利便性向上にも引き続き取り組んでまいります。

・行政のDX推進

 行政のDXの推進につきましては、今年度から県業務への生成AIの活用を本格化させるため、先月、県幹部職員向け研修会を開催し、私自身も参加したところであります。今後、専門家も交えた定期的なワーキンググループの開催等を通じて可能なものから積極的に活用してまいります。

諸議案

 次に、今回提案しております諸議案の概要につきまして、御説明申し上げます。

 まず、予算案件につきましては、当初予算編成後の情勢の変化に伴い、早急な対応を必要とするものについて、補正措置を講じることとし、所要額を計上しております。

 その結果、今回の補正予算額は、

   一般会計において   15億6,300余万円の増額

であります。

 補正後の一般会計予算額は、歳入歳出それぞれ7,784億2,400余万円であります。

 一般会計歳入予算の主な内容につきましては、国庫支出金15億2,700余万円などを増額する所要の補正措置を講じるものであります。

 一般会計歳出予算の主な内容につきましては、高等学校就学支援金7億5,600余万円などを計上しております。

 次に、条例案件につきましては、「岡山県税条例の一部を改正する条例」など6件であります。

 以上、今回提案いたしました諸議案につきまして、その概要を申し上げた次第であります。

 なにとぞ、慎重御審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。