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産業連関表のしくみと見方
(1) タテの「列」方向に見る
この表をまず、タテ方向(列部門)に見てみると、買い手としての表頭の各産業が、生産のために必要としたモノやサービスの費用構成を表しています。つまり買い手の立場から言うと、「どこから、どれだけ買ったか」を示すものです。
表側には、原材料等の商品を供給する産業と生産活動に伴って支払われた賃金(雇用者所得)や企業の利潤(営業余剰)などが並んでいて、産業連関表をタテ方向にみれば、生産のために何をどのくらい必要としたかが、わかるようになっています。
このうち使用した原材料などのことを「中間投入」といい、生産活動によって付け加えられた価値のことを「粗付加価値」といいます。
(2) ヨコの「行」に見る
また、ヨコ方向(行部門)に見てみると、売り手としての表側の各産業にとっての商品の販路先を表しています。つまり売り手の立場からいうと「どこへ、どれだけ売ったか」を示すものです。
このうち、各産業への原材料等として販売されたものを「中間需要」といい、家計などで消費されたり県内外の需要に応じて販売されたりするものを「最終需要」といい、最終需要は消費、投資、移輸出に大別できます。
移輸出とは、県内で生産した商品を、県(国)外の需要に応じて販売した額で、これとは逆に、移輸入は県内の生産だけでは需要を満たしきれない場合に、その分だけ県(国)外から生産物を購入した額です。
(3) 表全体をみる
産業連関表は、「内生部門」が重要な位置を占めており、ここに表される「産業間の中間生産物(原材料等)のやり取り」の把握に主眼をおいて作成されています。
また、産業連関表は、投入と産出の両面から把握できる仕組みになっているため「投入産出表(Input-Output Tables,略してI-O表)」とも呼ばれています。