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令和2年度調査員便り
第4号
こうもり塚古墳の航空レーザー測量と三次元計測を行いました
今回は、こうもり塚古墳の現状を記録するために今年度に実施した墳丘の航空レーザー測量と横穴式石室内の三次元計測を紹介します。
航空レーザー測量とは、航空機に搭載したレーザースキャナ(レーザー光を照射し、戻ってくるまでの時間を計ることで距離を測定する装置)を用いて地形情報を計測することです。この計測データを用いて作成した赤色立体地図(下図)は、地形を人の目で判別しやすい赤色により立体的に表現したもので、細かな地形の凹凸を読み取ることができます。こうもり塚古墳の赤色立体地図をみると、前方後円形をした墳丘の形がよく分かります。
横穴式石室については、3Dレーザースキャナによる三次元計測を実施しました。この装置は非常に精密な計測が可能であり、これまでにない精度の石室のデータが得られました。
これらの成果を活かして、次年度以降もこうもり塚古墳の保存と活用を進めていきますので、どうぞご期待ください。(調査員Y)
こうもり塚古墳の赤色立体地図
第3号
吉備路ウォークを開催しました
12月5日(土曜日)に吉備路ウォークを開催いたしました。皆様には大変多くのご応募をいただき、誠にありがとうございました。当日は天候にも恵まれ、ウォーキングには最適の一日となりました。
今回は、こうもり塚古墳や備中国分寺跡、備中国分尼寺跡を巡りましたが、普段は立ち入れない県内最大の横穴式石室を見学した際には、参加された方から巨大な石材や内部に置かれている石棺について多くの質問や驚きの声があがりました。
今後も吉備路の歴史遺産の魅力を発信する事業を進めてまいりますので、どうぞご期待ください。(調査員Y)
こうもり塚古墳の横穴式石室
備中国分寺の境内
第2号(令和2年11月)
こうもり塚古墳の石室VR撮影を行いました
当センターでは「吉備路の歴史遺産」魅力発信事業の一貫として、岡山県立岡山工業高等学校の協力のもとに、こうもり塚古墳の石室のVR(バーチャルリアリティ)化に取り組んでいます。10月6日には、VR化のための撮影をこうもり塚古墳で行いました。
当日高校生たちは、センター調査員からこうもり塚古墳の説明を聞いた後、特殊なカメラを使い石室の撮影を行いました。暗い中の作業でしたが、石材や石棺の巨大さを表現するために光量を細かく調節するなど熱心に取り組んでいました。
普段は入ることのできないこうもり塚古墳ですが、VR化によって全国でも最大級の石室を気軽に体感できるようになります。お楽しみに!(調査員Y)
第1号(令和2年7月)
史跡こうもり塚古墳保存活用総合調査はじまる
「吉備路の風景」と言うと皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?おそらく、田園のなかにそびえる備中国分寺の五重塔の姿をイメージされる方が多いかと思います。しかしながら、吉備路にはこのほかにも魅力的な文化財がたくさんあります。こうもり塚古墳もその一つです。
当センターでは令和2年度から「史跡こうもり塚古墳保存活用総合調査」として、その価値や魅力を次世代に伝えていくための様々な調査や活動を行っていく予定です。今年度の担当は調査員K・I・Yの三人となります。今後ともよろしくお願いいたします。(調査員Y)
空から見たこうもり塚古墳
こうもり塚古墳の横穴式石室と石棺