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令和3年度調査員便り

更新日:2022年3月22日更新

第5号

 今回の発掘調査では、「フォトグラメトリ」という三次元計測の手法を用いて古墳の土層断面図などを作成しました(図)。これは、調査現場で撮影した複数の写真から立体的な画像を作成する手法です。

 技術の進歩と共に、発掘調査の方法も日々変化しています。10年後には、今では想像もできない方法で発掘調査が行われるようになっているかもしれません。    (調査員F)

断面図のオルソ画像
調査区土層断面図

第4号

史跡こうもり塚古墳の発掘調査を終了しました

 令和3年12月に、4か月にわたって行ってきた史跡こうもり塚古墳の発掘調査を終了しました。

 調査の後半は主に後円部の調査を行いました。種類の違う土を緻密に盛り上げた墳丘はシャベルの刃が立たないほど非常に硬く締まっており、築造技術の高さが窺えます(写真)。

 1月からは、今回の調査成果と過去の調査成果をとりまとめ、『史跡こうもり塚古墳保存・活用総合調査報告書』として刊行するための作業を行っています(調査員F)。

盛土の様子

第3号

史跡こうもり塚古墳の現地説明会を開催しました

 これまでの調査で、こうもり塚古墳の墳丘の長さが約97mであること、上下二段に築かれていて埴輪や葺石を伴わないこと、周辺に緩斜面の外縁部が存在する可能性のあることなどが分かってきました。

 11月23日には、現地説明会を開催し、これらの成果を公開しました。当日は募集人数一杯の120名の方に御見学いただき、みなさんの感心の高さを実感しました。

 調査は年内で終了予定です。引き続き、こうもり塚古墳の謎に迫っていきたいと思っています。(調査員

見学者の訪れる現地説明会場

 配布資料は「デジタル図書室内、現地説明会資料」のコーナーをご覧下さい。

第2号

史跡こうもり塚古墳の発掘調査はじまる

 9月1日から史跡こうもり塚古墳の発掘調査を開始しました。こうもり塚古墳では、これまで横穴式石室の発掘は実施されていましたが、墳丘の調査は今回が初めてです。古墳時代後期では中・四国最大級となる全長約100mの前方後円墳の墳丘構造を解明することが目的です。

 調査は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態措置下でのスタートとなりました。調査の概要が明らかとなるころには、感染拡大もおさまり、多くのみなさんに成果を披露できればと思っております。

(調査員

史跡こうもり塚古墳の発掘調査の様子
史跡こうもり塚古墳の発掘調査
全長100mにも及ぶ前方後円墳の規模や構造の解明を目的に調査を開始しました。

第1号

「吉備路の歴史遺産」魅力発信事業の2年目はじまる

 「吉備路の歴史遺産」魅力発信事業の2年目がスタートしました。今年度は、昨年度に策定した史跡こうもり塚古墳保存活用計画(写真)に基づき、今まで行われていなかった、こうもり塚古墳の墳丘の発掘調査を実施する予定です。こうもり塚古墳は全長約100mの前方後円墳ですが、その詳細な規模や構造、埴輪や葺石の有無など分かっていないことが多いのです。調査は秋を予定し、現在、準備をすすめています。

 なお、今年度は、調査員、F、Kが担当します。よろしくお願いいたします。

(調査員

保存活用計画書
「史跡こうもり塚古墳保存活用計画書」
古墳の価値を明らかにし、未来に継承するための課題や保存・活用・整備の
方向性についてまとめた本です(令和2年度刊行)。