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百間川原尾島遺跡 岡山市中区藤原光町
その2(令和3年7月16日更新)
令和2年度から行っていた百間川原尾島遺跡の発掘調査を6月末に終了しました。
今年度の調査区では、弥生時代中~後期や古墳時代後期の遺構などを確認することができました。
調査区の大部分で古墳時代の溝を複数条確認しており、中でも調査区西側から北側にかけて、幅約7m、深さ約1mと大規模な溝を検出しました。この底面付近からは杭や木製品、土器のほか石製の有孔円板(ゆうこうえんばん)や臼玉(うすだま)なども見つかりました。今回の調査地点から約700m北側に位置する原尾島遺跡では、過去の調査により臼玉の製作を行っていたとみられることから、両遺跡の関係性がうかがえます。
また、古墳時代の竪穴住居の調査を終え、微高地をさらに掘り下げたところ、弥生時代の土坑や溝、柱穴が見つかり、当時の活動の一端が認められました。
古墳時代の主な遺構(上が北)
土器や杭が見つかった古墳時代の溝
弥生時代の土坑
その1(令和3年5月21日更新)
令和2年度から引き続いて、岡山市中区にある百間川原尾島遺跡の発掘調査を行っています。
現在は昨年度に見つかった古墳時代後期の溝や竪穴住居の続きの部分を調査しています。竪穴住居は、今年度の調査で、カマドが設置されていたことが明らかになりました。溝の中にはかつて百間川改修に伴う調査で発見された溝につながる可能性のあるものがあります。また古墳時代以外の遺構としては、中世より後の時代に建てられた掘立柱建物<ほったてばしらたてもの>や土坑<どこう>が見つかっています。
今後、調査を進めることで、この付近にあった古墳時代の集落の一端がわかってくると考えられます。これからの成果にご期待下さい。
発掘調査の様子
掘立柱建物