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城田遺跡 美作市城田
その2(令和3年11月1日更新)
これまでの調査で、古墳時代後期の製炭窯<せいたんがま>1基と、弥生時代中期の土器を伴う段状遺構<だんじょういこう>2基・土坑1基が見つかっています。
製炭窯は、全長約9.2m、幅約0.7mの細長い窯本体の側面に7、8か所の横口が設けられた構造です。同様の構造をもつ製炭窯は岡山県内で多数見つかっており、木炭の放射性炭素年代測定結果によれば、6世紀後半から7世紀のものが多いようです。こうした窯は、製鉄に必要な木炭を作るための施設と考えられています。今回の調査でも、窯の上方に設けられた排水溝から鉄滓<てっさい>(製鉄時に出る不純物の塊)が出土しており、周辺で製鉄が行われた可能性があります。
段状遺構は、斜面を掘り込んで段状の平坦面を造成した遺構で、建物や作業場の一部が残存したものの可能性などがあります。内部から弥生時代中期後葉の土器が多数出土したことから、周辺に集落が営まれていたと考えられます。
10月以降、調査区を拡張して引き続き調査を行っていきますので、新たな成果にご期待ください。
調査地遠景(南から)
調査区全景(東から)
製炭窯の調査
段状遺構の土器出土状況
その1(令和3年6月25日更新)
一般国道 374 号(美作岡山道路)改築工事に伴って、5月から美作市・城田遺跡の発掘調査を行っています。
城田遺跡は、美作市南部(旧英田町)に所在し、標高約110mの丘陵上に立地しています。調査地内では、前年度の確認調査によって弥生時代中期の土器が出土しており、周辺では過去に石器や土器が採集されたとの情報もありますので、住居跡などが見つかるかもしれません。調査は始まったばかりですので、今後の展開にご期待ください。
調査区全景(空撮)
調査風景