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南方遺跡 岡山市北区南方
更新日:2022年3月18日更新
その2(令和4年3月18日更新)
発掘調査は令和4年2月で終了しました。
江戸時代以降の遺構面では、主に江戸時代後半の井戸や土坑、溝、杭列を検出しました。このうち溝や杭列は東西・南北方向に直線的に伸びていて、 屋敷地の境を示すものと考えられます。土坑からは陶磁器や木製品といった品物や、貝殻や動物の骨といった食べかすが出土しており、当時の生活が偲ばれます。
また、そこからさらに掘り下げた弥生時代の遺構面では、弥生時代後期後半の49基の土坑群を見つけました。これらは平面は楕円形で直径が1mから4m程度、断面は袋状になっていて、底部を横に広げて掘っているなど、類似した特徴を持っています。土坑の中には木製の鋤<すき>や土器が出たものもありましたが、大半は何も入っていませんでした。
調査区北側 江戸時代の遺構(上方から、上が北)
調査区北側 弥生時代の遺構(東から)
弥生時代の土坑内から土器が見つかった様子
弥生時代の土坑から鋤が見つかった様子
その1(令和3年11月1日更新)
岡山法務局本庁舎の建て替えに伴って、8月から南方遺跡の発掘調査を開始しました。
南方遺跡は岡山市北区南方一帯に広がる弥生時代中期を中心とする遺跡です。過去にも複数の調査が行われており、弥生時代の遺構の他にも江戸時代の武家屋敷に関連する遺構などが確認されています。
現在までの調査で主に江戸時代後半代の溝や土坑<どこう>を確認し、遺構内からは多くの瓦や陶磁器片などが出土しました。これらは武家屋敷に伴うものと考えられます。
調査風景
江戸時代の土坑を掘り下げ中