ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップ 発掘情報 > ただいま発掘中! > 高尾宮ノ前<たかおみやのまえ>遺跡 津山市高尾

本文

高尾宮ノ前<たかおみやのまえ>遺跡 津山市高尾

更新日:2024年3月11日更新

その3(令和6年3月11日更新)

 一般国道53号改築工事に伴い発掘調査を行っている高尾宮ノ前遺跡ですが、令和6年2月25日(日曜日)に現地説明会を開催しました。当日は雨天による中止が危ぶまれましたが、無事に開催することができました。参加人数は計65名で、熱心な様子で担当者の解説に耳を傾けてくださいました。また翌日・翌々日の現地公開では、計34名の参加者に参加をいただきました。
 下半期の調査では、新たに2基の古墳を発見しました。その内の一つは直径約7~8mの円墳で、竪穴式石室(たてあなしきせきしつ)を埋葬施設に持ちます。7世紀前半の築造とみられます。二つ目は直径5~6mの円墳で、埋葬施設は県内でも最小クラスの規模である横穴式石室(よこあなしきせきしつ)です。こちらは7世紀代に築かれたと考えられます。約10mとごく近い距離に埋葬施設の異なる二つの古墳が築かれており、当時の人々の埋葬についての意識を考える上で、一つの手がかりとなりそうです。
 現地説明会資料をセンターHPで公開いたしました(公開ページへリンクします)。美作の古墳や佐良山古墳群についてご興味のある方はぜひご覧ください。

R53_現説風景R53_横穴式石室
(左)現地説明会の様子(竪穴式石室の説明風景) (右)横穴式石室

その2(令和5年9月11日更新)

 今年度の津山市高尾宮ノ前遺跡の発掘調査も5か月が経ちました。これまでに、集落の跡や新たな古墳が見つかっています。
 古墳は新発見で、佐良山古墳群(さらやまこふんぐん)に新たな1基が加わったといえます。直径10mほどの円墳(えんぷん)で、亡くなった人を葬るための施設である竪穴式石室(たてあなしきせきしつ)を持ちます(写真1)。石室の中で見つかった須恵器から、時期は6世紀後半と考えられます。また、古墳とほぼ同時期と考えられる段状遺構(だんじょういこう)を1面確認しました。一辺10m弱の方形で、柱穴(はしらあな)が並んで築かれているため、竪穴建物(たてあなたてもの)と思われます(写真2)。
 これらは丘陵斜面の中腹に作られていますが、最も高いところに生活空間である段状遺構があり、平坦な面から斜面へと変わるところに古墳が築かれています。一地域における古墳と集落の土地利用の一端が垣間見え、貴重な成果であるといえます。

竪穴式石室
(写真1)竪穴式石室(南東から)

段状遺構
(写真2)段状遺構(南東から)

その1(令和5年5月31日更新)

 昨年度に引き続き高尾宮ノ前遺跡の発掘調査を行っています。昨年度に室町時代の掘立柱建物跡が見つかった調査区の東側・西側の調査から実施しています。

 東側調査区では、柱穴(はしらあな)と思われる遺構がいくつか検出されています。これらは径約30cm、深さ約10cmで、昨年度見つかった掘立柱建物の柱穴と似ていることから室町時代の建物の可能性が考えられます。加えて調査区東端にある地形の下がりから、弥生時代中期の甕(かめ)や高杯(たかつき)の破片が出土しています。

 西側調査区では、古墳時代の箱式石棺や弥生時代の遺構が見つかりました。これらに関しては、調査が進み次第お知らせしますので、今後にご期待ください。

高尾宮ノ前遺跡調査風景
調査の様子

弥生土器が出土した地形の下がり
​弥生土器が出土した地形の下がり