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令和5年度調査員便り
第5号(令和6年3月11日更新)
令和5年度、史跡備中国分尼寺跡の発掘調査が終了しました。
2月29日(木曜日)に発掘調査が無事終了しました。
10月から始まった調査については、南門・中門・講堂を中心に実施したところ、実に様々な事柄が明らかになりました。その成果の一部については、現地説明会資料をご覧ください(現地説明会資料のページへリンクします)。
今年度も残すところ1か月を切りましたが、調査成果を集約しつつ、来年度に向けて準備を進めたいと考えています。皆様1年間ありがとうございました。(調査員M)
(左)講堂東側調査区全景 西から (右)同調査区埋戻し作業風景 南から
同調査区埋戻し完了 南から
第4号(令和6年1月12日更新)
史跡備中国分尼寺跡の現地説明会・現地公開を行います。
発掘調査を開始して3か月が経ちました。これまで、「南門(なんもん)」「中門(ちゅうもん)」「講堂(こうどう)」「築地(ついじ)」の構造などを探るべく調査を行ってきました。その結果、謎に包まれていた史跡備中国分尼寺跡の規模や構造が徐々に明らかになりつつあります。
これまでの成果をお伝えするため、現地説明会を1月27日(土曜日)に、現地公開を1月29日(月曜日)から2月2日(金曜日)に開催します。今しか見ることができない史跡備中国分尼寺跡をぜひご覧ください!
また、史跡備中国分尼寺跡をはじめとした、吉備路周辺の古代遺跡を紹介したパンフレット『吉備路の歴史遺産2』を刊行しました。ぜひ手に取って吉備路の歴史遺産を散策してみてください!(調査員H)
左:南門調査区で出土した軒丸瓦(写真右)と軒平瓦(写真左) 右:南門調査区
パンフレット『吉備路の歴史遺産2』(表紙・裏表紙)
第3号(令和5年10月11日更新)
史跡備中国分尼寺跡の発掘調査が始まりました!
10月2日(月曜日)から、ついに史跡備中国分尼寺跡の発掘調査が始まりました。
まずは南門の南側から着手しています。50年前に調査をした場所に近く、尼寺の南門前を通っていたとされる古代山陽道に関係する遺構が見つかる可能性が高いため、慎重に掘り進めています。今後の成果にご期待ください!(調査員M)
南門南側の調査風景(東から、赤矢印が南門礎石)
50年前に実施した南門南側の調査風景(東から、赤矢印が南門礎石)
第2号(令和5年9月11日更新)
古代瓦の製作復元に取り組んでいます!
「吉備路の歴史遺産」魅力発信事業では、備中国分寺跡・備中国分尼寺跡から出土する瓦の調査を進めています。その中で、古代の瓦を知るためには、製作技術の復元研究が必要であると考えました。復元研究の手順は、以下の通りです。
(1)出土した瓦の表面などに見られる痕跡からつくり方を想定する。
(2)想定した方法で瓦をつくることができるか実際に試してみる。
(3)出土した瓦に残された製作痕跡と、復元瓦の製作痕跡を見比べる。
このような研究は、当時の製作技術を知るために大変役立ちますし、調査員自身が一番勉強になりました。その内容については、近日中に動画で順次配信する予定です。普段は目にする機会がない、瓦のつくり方についてぜひご覧ください。(調査員F)
軒平瓦の復元風景(瓦の大きさは実物の二分の一)
備中国分寺跡から出土した瓦(奥)と二分の一の大きさで復元した瓦(手前)
復元した瓦で屋根の葺き方を再現
第1号(令和5年6月7日更新)
「吉備路の歴史遺産」魅力発信事業4年目 史跡備中国分尼寺跡の調査が始まります
「吉備路の歴史遺産」魅力発信事業の4年目がスタートしました。今年度からは、史跡こうもり塚古墳の東約250mにある「史跡備中国分尼寺跡」の調査が始まります。大正11(1922)年の国史跡指定以来初の本格的な寺域内の調査となり、秋頃からの発掘調査に向けて現在準備を進めています。
また、約50年前(昭和46・47年度)に行った史跡備中国分寺跡・国分尼寺跡周辺の発掘調査の際に見つかった遺物の再整理を併せて行っています。出土遺物の大部分を占める瓦は整理箱240箱ほどで、整理室に広げて鋭意調査中です。
今年度は、調査員M、F、Hが担当です。よろしくお願いいたします。(調査員M)
(左)史跡備中国分尼寺跡 (中)大正11(1922)年指定石柱 (右)史跡備中国分尼寺跡 金堂礎石
史跡備中国分尼寺跡・国分尼寺跡出土瓦
瓦の整理状況