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向山<むこうやま>遺跡 瀬戸内市長船町飯井

更新日:2023年8月18日更新

その2(令和5年8月21日更新)

 干田川の改修事業に伴う向山遺跡の発掘調査が7月に終了しました。調査後半に入り、鎌倉時代から室町時代(約800~600年前)にかけての水田と溝が見つかりました。残念ながら住居などは見つかりませんでしたが、弥生時代前期(約2300年前)から鎌倉・室町時代にかけての土器を含む堆積土を確認しました。

 土器の出土量も多く、これらは調査区北側の丘陵上から落ちてきた結果たまったと考えられるため、丘陵上では長い期間にわたって断続的に集落が営まれていたことがわかります。特に弥生時代前期に関していえば、瀬戸内市内には門田貝塚(かどたかいづか)など弥生時代前期の遺跡はいくつか知られていますが、旧長船町域ではその数は限られます。今回の発見はこの地域での弥生時代前期の人々の生活を示す重要なものです。

 7月20日には地元の方を対象に現地説明会を行い、炎天下にもかかわらず27名の方に参加いただきました。参加された皆様には実際に出土した土器や発掘作業の様子を間近に見学していただきました。古代吉備文化財センターでは今後も様々な発掘現場で現地説明会を行っていく予定です。皆様ぜひお越しください!

向山遺跡_調査の様子見つかった中世の溝
(左)発掘調査の様子 (右)中世の溝

全景
向山遺跡西側の全景(白線内:弥生時代前期の遺物包含層が堆積していた範囲)

その1(令和5年7月3日更新)

 令和5年6月から広域河川改修事業(干田川/ほしだがわ)に伴い、瀬戸内市にある向山遺跡の発掘調査がスタートしました。

 この遺跡は南向きの丘陵裾部に位置しており、周辺には6世紀後半から7世紀前半の古墳群があります。今回の発掘調査は干田川沿いの旧耕作地で行っており、これまでに平安時代末から室町時代にかけての須恵器や土師器が多く見つかっています。また、埴輪の破片も数点あることから、遺跡のすぐ近くの古墳には埴輪が立てられていたのかもしれません。

 今後どのような遺物や遺構が見つかるのか、調査担当者も楽しみにしながら発掘を進めています。皆様もぜひ続報をお楽しみに!

干田川_向山遺跡調査風景
調査の風景