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宮坂<みやさか>遺跡 美作市位田

更新日:2023年11月20日更新

その2(令和5年11月20日更新)

 8月から行ってきた宮坂遺跡の発掘調査を10月末で終了しました。3か月にわたる調査の結果、弥生時代後期後半(約1,900年前)の竪穴住居(たてあなじゅうきょ)、古墳時代後期(約1,400年前)の墓などが見つかりました。竪穴住居からは高杯(たかつき)・鉢などの土器や石包丁(いしぼうちょう)・砥石(といし)など、当時の生活道具が出土しました。墓の上には、須恵器(すえき)の杯身(つきみ)が置かれ、墓穴の中には鉄製の刀子(とうす、小刀のこと)が副葬されていました。

 今回の調査で、宮坂遺跡の所在する丘陵が生活や埋葬の場として利用されてきたことが明らかになりました。また、これまでに行ってきた周辺遺跡の調査成果もあわせて考えると、弥生時代から近世以降までの長い間、人々の営みがこの地域一帯で広がっていたことがわかり、地域の歴史を解明していくうえで非常に有意義な成果が得られたといえます。

 10月17日に地元の方を対象に現地説明会を行い、35名の方にご参加いただきました。参加された皆様は、間近で見学した竪穴住居や土器、実際の発掘調査の様子に大変興味を持ちながら見学されていました。

宮坂遺跡全景宮坂遺跡で見つかった弥生時代の竪穴住居
​(左)宮坂遺跡全景(上空から、右が北) (右)弥生時代後期の竪穴住居(東から)

古墳時代後期の墓現地説明会の様子
(左)古墳時代後期の墓(南東から) (右)現地説明会の様子(南西から)

その1(令和5年8月21日更新)

 令和5年8月から、一般国道374号(美作岡山道路)改築工事に伴い、美作市位田(いでん)にある宮坂遺跡の発掘調査を始めました。この遺跡は丘陵上の東向き斜面にあり、令和4年度に実施した確認調査では柱穴から古代の須恵器(すえき)が出土しています。
 調査地周辺には、古墳時代後期の製鉄炉などが見つかった下坂(しもさか)遺跡や、古代の役所関係の施設であった可能性が高い稲穂(いなほ)遺跡、弥生時代中期の段状遺構や古墳時代後期の製炭窯が見つかった城田(じょうでん)遺跡などがあります。
 宮坂遺跡ではどのような遺構や遺物が見つかるのか、今後の調査成果にご期待ください。

宮坂遺跡遠景
宮坂遺跡 調査前の遠景(南から)

宮坂遺跡 作業風景
調査の様子(北から)