ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

令和6年度調査員便り

更新日:2024年12月25日更新

第5号(令和6年12月25日更新)

史跡備中国分尼寺跡の調査が終了しました!

 6月からはじまった発掘調査は10月31日(木曜日)をもって終了いたしました。この5か月間で2,000人近くの方が現地を訪れてくださり、備中国分尼寺跡の魅力がより多くの方々に伝わったのではないかと思います!
 今年度は満を持して「金堂」の発掘調査に臨み、その構造や建物のたどった歴史が明らかになりました。
 昨年度から引き続き調査を行った「中門」・「講堂」・「北辺築地」につきましても、実に面白い成果が出てきました。現地説明会の資料はこちら(現地説明会資料のページへリンクします)からご覧ください。

 猛暑にも負けず、全員で元気に調査を終了することができてよかったです!(調査員

金堂全景(北東から)
(写真1)金堂全景(北東から)

金堂埋め戻し作業(北東から)
(写真2)金堂埋め戻し作業(北東から)

金堂埋め戻し完了(北東から)
(写真3)金堂埋め戻し完了(北東から)

第4号(令和6年10月15日更新)

史跡備中国分尼寺跡の現地説明会・現地公開を開催しました!

 発掘調査を開始して4か月が過ぎました。これまで、「中門(ちゅうもん)」「金堂(こんどう)」「講堂(こうどう)」の調査を行い、その規模や構造が徐々に明らかになってきました。

 その調査成果をお伝えすべく、9月14日(土曜日)に現地説明会を開催し、翌週の17日(火曜日)~19日(木曜日)には現地公開を行うことで、調査の様子をあわせてご覧いただく機会を設けました。説明会・公開あわせて263名の方が見学に訪れ、備中国分尼寺跡に対する関心の高さを感じました。当日配布した資料につきましてはこちら(現地説開会資料のページへリンクします)からご覧下さい。

 10月末の調査終了に伴い、調査も大詰めとなって参りました。最後までしっかりと進めていきたいと思います。(調査員
現地説明会の様子
現地説明会の様子

中門解説の様子
中門解説の様子

金堂解説の様子
金堂解説の様子

第3号(令和6年8月20日更新)

史跡備中国分尼寺跡の発掘調査を進めています!

 発掘調査を開始して2か月が経ちました。現在は中門(ちゅうもん)・金堂(こんどう)・講堂(こうどう)の調査を進めています。

 中門では、昨年度調査区の南側を調査しています。この調査区で門の柱穴(はしらあな)を確認し、中門の梁行(はりゆき)が1間であったことを確認しました(写真1)。昨年度の成果と合わせると、この門が桁行(けたゆき)3間×梁行1間であることがわかりました。また、南側の基壇(きだん)の端も検出でき、基壇の南北幅が4月8日mになることが判明しました。

 最も重要な建物である金堂では調査の結果、今まで見つかっていなかった新たな礎石(そせき)が見つかっています。また、金堂の中心部では大きな土坑(どこう)が掘られていることを確認できました(写真2)。この土坑は1921年に刊行された『岡山県史蹟名勝天然記念物調査報告』第1冊に掲載された図に描かれた「堀」と同様の形をしており、『岡山県史蹟名勝天然記念物調査報告』第1冊の図の正確性を確認することができました(図1)。
 また、金堂の基壇の周囲には焼けた土と炭の層が確認され、その中には大量の瓦や壁土(かべつち)が捨てられていました。出土している土器から、金堂は平安時代に火災で焼けたことがわかりました(写真3・4・5)。

 9月には、これらの調査成果を知っていただく、現地説明会を開催する予定ですので、楽しみにしてください。(調査員F

北から見た中門の調査区
(写真1)中門の調査区(北から)

1921年に刊行された堀の画像   
(図1)1921年に刊行された『岡山県史蹟名勝天然記念物調査報告』第1冊に描かれた堀

金堂中央部の土坑(南西から)
(写真2)金堂中央部の土坑(南西から)
右側の礎石は『岡山県史蹟名勝天然記念物調査報告』第1冊では描かれていません

金堂西側の瓦堆積状況   
(写真3)金堂西側での瓦の堆積状況          
    (南西から)

金堂南側の炭堆積状況
​(写真4)金堂南側での炭の堆積(西から)​

金堂南側の炭内の瓦出土状況
(写真5)金堂南側での炭内の瓦出土状況(西から)

第2号(令和6年6月20日更新)

史跡備中国分尼寺の発掘調査が始まりました!

 令和6年6月3日(月曜日)から、史跡備中国分尼寺跡の発掘調査が始まりました。
 昨年度に引き続き、中門・講堂の調査を行うとともに、今年度はついに寺跡で最も重要な建物になる金堂の調査に着手します。金堂は、非常に良好な状態で礎石が残っていることからも、貴重な遺構や遺物が見つかる可能性が大いに期待されます。今後の成果をお楽しみに!
 次第に暑さが厳しくなってきましたので、見学の際は体調に気を付けてお越しください。
(調査員H

金堂調査風景北東から1
​金堂調査風景1(北東から)

金堂調査風景(北東から)
​​金堂調査風景2(北東から)

第1号(令和6年5月1日更新)

令和6年度 史跡備中国分尼寺跡の調査が始まります!

 昨年度に引き続き、「吉備路の歴史遺産」魅力発信事業「史跡備中国分尼寺跡ほか」の調査が始まりました。
   現在は、昨年度の発掘調査で出土した瓦などの遺物(整理箱220箱)を整理しながら、6月から始まる予定の発掘調査に向け準備をしています。
   今年度は、調査員M、F、Hが担当です。よろしくお願いいたします。
(調査員M

洗浄のようす
出土遺物洗浄のようす

 

丁寧に洗われる瓦たち

1つ1つていねいに洗います

 

乾かされる瓦たち

洗浄後はしっかりと乾かします