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園井土井<そのいどい>遺跡 笠岡市園井
その3(令和6年10月15日更新)
9月末で5か月間に及んだ園井土井遺跡の発掘調査が完了しました。7月から9月の盛夏には現場の気温は最高35℃に達し、常に地面から湧き出る水に悩まされるなど過酷な環境ではありましたが、なんとか調査をやり遂げることができました。
調査地東側では、掘立柱建物1棟や土器だまり(小皿や椀など多くの土器を捨てた跡)が見つかりました。これらの遺構は出土した土器から14世紀頃(鎌倉時代末~室町時代)と考えられ、過去の調査で見つかった館跡と同じ時期のものです。
また、8月7日(水曜日)には、園井地区を対象とした現地説明会を開催し、17名の方に参加をいただきました。足下に眠っていた遺跡の様子に、参加された方はとても興味深そうでした。
現地説明会資料についてはこちらのページでご覧いただけます。
掘立柱建物の状況(写真は白線に加筆)
土器だまりの状況
現地説明会の風景
その2(令和6年7月17日更新)
園井土井遺跡の発掘は3か月目に入りました。7月に入ってから大変暑い日々が続いており、日差しを遮る寒冷紗(かんれいしゃ)を立てて発掘調査を進めています。
これまでの調査で、炉の跡などが見つかっており、その時期や性格について調査中です。その他、主な出土品として、青磁・白磁などの貿易陶磁器や備前焼、亀山焼、土師質土器などの焼き物のほか、砥石などの生活に用いた道具があります。これらは鎌倉時代から室町時代(13~16世紀)のものです。
調査は9月末まで行う予定となっていますので、新たな成果にご期待ください。
寒冷紗を使った発掘調査の風景
炉跡の見つかった様子
その1(令和6年5月22日更新)
5月から県道園井里庄線地方道路改築に伴い、笠岡市園井の園井土井遺跡の発掘調査を開始しました。この遺跡では、1984〜1985年度に山陽自動車道の建設に伴って当センターが発掘調査を行っており、鎌倉時代から室町時代の館跡が見つかっています。
今回の調査区は、過去の調査地から北西に約100メートル離れた場所で、笠岡市の天然記念物に指定されているクスノキがある諏訪神社の西側に位置します。調査はまだ始まったばかりですが、中世の土器や磁器などが見つかっています。今後の調査成果にぜひご期待ください。
作業風景