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台風6号に対する農作物等の緊急技術対策(緊急1)について
気象庁の発表(2026年5月28日15時53分発表)によると、台風6号は28日15時にはフィリピンの東にあって、ゆっくりした速さで北西へ進んでおり、中心の気圧は998ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルとなっています。今後発達しながらフィリピンの東を北北西に進み、6月1日から2日頃にかけて沖縄地方と奄美地方に接近する見込みとなっています。
今後の進路によっては、岡山県においても農作物等への影響が懸念されます。今後の気象情報に十分に注意し、強風、大雨対策をお願いします。
1 麦類
(1)事前対策
・速やかに排水できるよう、排水路の点検をする。
(2)事後対策
・強い風雨により倒伏した場合、倒伏部分は区分収穫する。
・穀粒水分が高いことが予想されるため、収穫後は速やかに乾燥するが、通風から始め、急な高温乾燥は避ける。
2 水稲
(1)事前対策
・茎葉からの水分蒸散の増加による脱水、風による葉先の損傷の対策として、用水が確保できる地域では、風の強い期間中はできるだけ深水を保って稲体の振動や脱水を防止する。
・冠水の恐れのある地域では、速やかに排水できるよう排水路の掃除、補修を行う。
(2)事後対策
・台風通過後は、稲が茎葉の損傷を受け蒸散作用が活発になりやすい。このため、台風通過後も数日間は湛水状態とする。
3 大豆
(1)事前対策
・ほ場内に明きょを設置し、速やかな排水ができるようにする。
(2)事後対策
・滞水しているほ場では早急に排水する。
・台風通過後に長雨が続く場合には、紫斑病や茎疫病の発生が増加するため、薬剤による防除を行う。
4 果樹
(1)事前対策
・成熟期を迎えた果実は、早急に収穫する。
・立木性果樹では、主枝や亜主枝等の太枝が折損しないよう支柱を取り付ける。
・防風ネットなど防風施設の点検、整備を行う。
・ぶどうやなしでは棚やトンネルメッシュの点検を行い、傷んだ部分を補強する。特に、隅柱や周囲柱の控え線の地際部は、腐食しやすいので入念に点検する。
・過剰な雨水を排除するため、園内やほ場周囲に排水路を設ける。排水路は、スムーズに排水できるように雑草や土砂等の障害物を取り除く。
・表土の流亡のおそれのある園地では、敷わら(敷草)をする。また、法面の崩壊が心配される場合は、ビニルシート等の敷設により保護する。
・施設管理については8 施設管理共通を参照。
(2)事後対策
・停滞水を早急に排水し、根の湿害を防ぐとともに、病害防除を徹底する。
・枝葉の被害程度に応じて着果量を調整する。
・倒伏した樹は立て直し、土寄せ・鎮圧した後、支柱を立ててしっかり固定する。
・折損した枝は切り直し、切り口には保護剤(トップジンMペーストなど)を塗布する。また、裂けた部分は縄などで縛り癒合を促進する。
・落葉が激しい場合は、幹や太い枝に石灰乳等の白塗剤を塗布し、日焼けを防止する。
5 野菜
(1)事前対策
ア 施設野菜
・播種箱や鉢苗等の移動できる苗は、納屋等の安全な場所に搬入する。
・施設管理については8 施設管理共通を参照。
イ 露地野菜
・播種直後のものは、降雨による種子の露出を防ぐためにビニルや寒冷紗等で被覆する。
・定植初期のものは、台風前に土寄せや土入れを行って、株の揺れを防ぐ。
・ほ場周囲に排水路を設ける。すでに排水路を整備しているほ場では、スムーズに排水できるように雑草や土砂等の障害物を取り除く。
・病害防除対策として殺菌剤を散布する。
ウ 果菜類
・支柱の補強をするとともに、風速が非常に強く支柱が耐えられないと予想される場合は、事前に誘引ネットやテープを切って、畝の上に倒す。さらに、上から防風網や寒冷紗等で押さえ、動かないように固定し、台風の通過後に復元する。
・ほ場周辺に防風ネット又は防風垣を設置する。
・収穫間近の果実は、多少若くても収穫しておく。
・ほ場周囲に排水路を設ける。すでに排水路を整備しているほ場では、スムーズに排水できるように雑草や土砂等の障害物を取り除く。
・病害防除対策として殺菌剤を散布する。
(2)事後対策
・停滞水を早急に排水するとともに、支柱の補修を行い、誘引する。
・台風通過後は速やかにべたがけ資材等を除去し、付着した泥は早急に洗い流すとともに、病害防除を徹底する。
・果菜類で茎葉の損傷が著しい場合は、果実を被害程度に応じて摘果し、着果負担を軽減するとともに、病害防除を徹底する。
・株元が露出したり土壌が固まっていたら、天候の回復を待って株元へ土寄せを行い、畝全面を軽く中耕して通気性をよくする。
・降雨による肥料の流亡が考えられる場合は、速効性の窒素や加里肥料を追肥する。草勢の回復を図る場合は、薄い液肥の土壌への施用や窒素成分を含む葉面散布剤の散布が効果的である。
・被害が大きく回復の見込みがない場合は、速やかに代替作物を選定して種子や苗を確保し、植え替え又は播き直しを行う。
6 花き
(1)事前対策
ア 施設花き
・施設管理については8 施設管理共通を参照。
イ 露地花き
・収穫中の切り花は、早めに収穫する。
・支柱やネットのゆるみを直し、十分に補強する。
・ネット上げの作業が遅れている場合は、所定の位置までネットを上げる。
・花穂の部分が最上位ネットより著しく高くなっているりんどうは、強風で花穂が折れるのを防ぐために支柱間にマイカ線等を張り、花穂を支持する。
・防虫ネットや寒冷紗を設置している場合は事前に外しておく。
・ほ場周辺に防風ネットを設置する。
・浸水に備え、排水溝の整備や揚水ポンプを設置し強制排水できるようにしておく。
・トンネルを設置している場合は、被覆資材のゆるみを直し、マイカ線の補強や土寄せを行う。
・病害防除対策として殺菌剤を散布する。
(2)事後対策
ア 施設花き
・施設管理については8 施設管理共通を参照。
イ 露地花き
・滞水しているほ場は、早急に強制排水する。
・倒伏した株は早急に起こし、支柱、ネットを補強する。
・強風で株元が動いた場合は、根の機能が弱っているので、葉面散布剤を散布する。
・台風通過後は病害が発生しやすいので、付着した泥を洗い流し、損傷した茎葉や花を取り除き、病害防除を徹底する。
7 畜産
(1)事前対策
ア 飼料作物(トウモロコシ、ソルガム)
・浸水に備え、ほ場に排水路を設ける。
イ 糞乾燥ハウス、パイプ牛舎等
・強風の被害を受けやすいので、フィルムの緩みやハウスバンドの点検、固定を行う。
(2)事後対策
ア 飼料作物(トウモロコシ、ソルガム)
・滞水しているほ場の早期排水を図る。
イ 糞乾燥ハウス
・破損した場合は、補修を早急に行う。ビニルが破れて雨水が入った場合は、堆肥舎に 移し、おがくず等で水分調整後、切返しを行う。
8 施設管理共通
(1)事前対策
・施設内に風が入らないように破損部の補修を行うとともに、筋交いやハウス取り付け金具の締め直し、補強の柱を取り付けて施設の強度を高める。
・パイプハウスは、風圧を弱める対策として防風ネットを設置するとともに、パイプの基部が浸水で緩くならないように、ハウス周囲に排水溝を設ける。
・被覆フイルムが緩んでいると強風であおられて被害が起こりやすいので、ハウスバンドの固定や側杭の補強等を行う。
・出入口、張り出し部分等は、杭又はロープ等で完全に固定する。
・換気扇のある大型ハウスや連棟ハウスは、出入口を密閉して換気扇を稼働させ、施設内を負圧にし、耐風性を向上させる。
・強風により、資材等が飛来して被覆資材が破損しないように、施設周辺を清掃しておく。
・雨よけハウス等はサイドビニルを下ろし、妻部分も張って風が入らないようにする。または状況によってはビニルを取り除く。
(2)事後対策
・台風通過後は速やかに換気を行い、温度や湿度の低下に努める。
・台風通過後、農作物が損傷を受けた場合、天候の回復後、速やかに殺菌剤を散布する。
・施設内が浸水、滞水した場合は早急に排水する。
