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水稲及び大豆の高温少雨対策と病害虫防除の徹底

印刷ページ表示 ページ番号:1048859 2026年7月28日更新備北広域農業普及指導センター

  本年は、7月第3半旬以降、高温少雨が続いており、今後もその傾向が継続することが予想されています。そのため、高温少雨の影響を考慮した栽培管理が重要となっています。

 水稲では、登熟期間中の高温は、高温障害による白未熟粒多発の原因となります。また、高温により緩効性肥料の窒素成分の溶出が早まると、登熟期間に窒素不足となり、高温障害を助長するおそれがあります。黒大豆では、開花期以降の土壌の過乾燥は着莢不良、子実肥大不良を助長します。

 今後の気象情報等に十分留意するとともに、高温少雨の影響を回避するための技術対策の徹底をお願いします。

 

1 水 稲

 

(1)生育状況

・極早生(あきたこまち)・早生品種(コシヒカリ)は、生育進度が平年よりやや早く、乳熟期~糊熟期となっている。穂数は平年並~やや少ない。今後、成熟はさらに早まると予想される。

・中生品種(きぬむすめ)は、生育進度は平年並で、有効分げつ決定期~幼穂形成期となっている。茎数は平年よりやや少ない。

 

(2)高温による影響

1)白未熟粒の多発

・登熟期の高温により白未熟粒が増加する。主要品種の多発条件は次のとおりである(岡山県農業研究所主要成果より抜粋)。

  ○あきたこまち

   出穂10~30日後の日最高気温の平均値が31℃を超えると白未熟粒の発生率が高くなる。 33℃を超えると顕著に増加する。

  ○コシヒカリ

   出穂5~25日後の日最高気温の平均値が31℃を超えると白未熟粒の発生が急増する。

  ○きぬむすめ

   出穂後20日間の日平均気温の平均値が25.5℃以上になると白未熟粒の発生が増加する。

 

2)胴割米の発生

   登熟初期(出穂後10日間)の日最高気温が高いほど胴割れ率が増加する。

 

(3)高温少雨対策

1)極早生・早生品種

   (1)追肥による稲体活力の維持

  ・出穂後でも極端に葉色が低下している場合は、実肥として、穂揃い期に窒素成分で1kg/10a程度施用する。

  ・ただし、遅い時期の追肥は玄米蛋白質含量を高め、食味が低下する場合があるので注意する。

  (2)かけ流し及び夜間かん水等による地温低下

  ・出穂後の水管理は、基本的には間断かんがいであるが、高温が続く場合には、用水が豊富な地域では、支障のない範囲でかけ流しや夜間かん水を行い、地温を低下させ根の活力維持を図る。

  ・用水が不足し、干ばつが懸念される地域においては、湛水状態が維持できるよう努める。

  (3)早期落水防止による玄米品質の維持

   早期落水は、未熟粒や屑米、胴割米、茶米の増加につながるため、出穂後30日頃を目安にできるだけ落水を遅らせる。

   (4)適期収穫の実施

  ・刈り遅れは、胴割米や茶米等が増加し、玄米品質低下の原因となる。

  ・登熟期間が高温で経過すると、予想以上に成熟期が前進することがあるため、出穂後の積算気温等を参考に、登熟の進み具合(青味籾率)を随時確認し、計画的に収穫作業の準備を進め、適期収穫に努める。

2)中生・晩生品種

  (1)平方メートルあたり籾数の適正化

   籾数が過剰になると、白未熟粒が発生しやすいため、生育旺盛な場合は、土用干しで有効茎を適正に保つ。また1回目の穂肥を減らすか、穂肥を遅らせ籾数過剰を抑える。

  (2)追肥による稲体活力維持

   ・登熟期間の窒素不足を回避するため、基肥-穂肥分施体系では、栽培暦どおり2回目の穂肥(出穂前10日頃)の施用を徹底する。

  ・全量基肥一発肥料であっても、栽培期間中の高温・多照の影響により肥効が早期に切れることが予想される場合、葉色が予想以上に低下している場合は、生育状況を見て追肥を行う。

  (3)穂ばらみ期~出穂期の水管理

  ・幼穂形成期~穂ばらみ期までは、根腐れ防止のため浅水管理とするが、穂ばらみ期~出穂期は、茎葉からの蒸散が多く、最も水を必要とする時期であるため、湛水管理を基本とする。

  ・用水が不足し干ばつが懸念される地域では、この期間に湛水状態が維持できるよう努める。

 

3)水不足が懸念される場合の対応

・高温下では土壌の還元化が進み、根腐れが起きやすいため、穂ばらみ期~出穂期を除き、間断かん水を基本とする。

・用水が豊富な地域では、出穂期以降に高温が続く場合は、かけ流しや夜間かん水を行い、地温を低下させるが、用水不足が懸念される地域では、節水栽培を心がける(下表参照)。

・水路、畦畔などに漏水がないか点検、補修する。

・中生・晩生品種は、用水が不足する場合、過度の土用干しを避ける。

 

表 節水を目的とした配水計画(馬場、1953年から抜粋)

生育時期

水の必要度

用水の少ない場合

用水極少の場合

幼穂形成期

穂ばらみ期

出穂開花期

糊 熟 期

黄  熟 期

完 熟 期

最必要

最必要

必要

必要

必要少

必要極少

数回かん水

数回かん水

1~2回かん水

湿潤

断水

断水

1~2回かん水

1~2回かん水

湿潤

断水

断水

断水

 

 

 

 

(4)病害虫防除の徹底

1) 斑点米カメムシ

・「斑点米カメムシ類に注意してください!」(植物防疫情報第2号令和8年7月21日付)  

によれば、アカスジカスミカメのほ場あたり虫数およびカメムシ類の幼虫は、平年より多くなっている。1か月予報(7月16日発表)では、気温は平年より高く、降水量はほぼ平年並とされており、本虫の加害や増殖にやや好適な条件となる。

・主要発生種により防除時期が異なるため、植物防疫情報第2号を参考に、防除を徹底する。

  ・近年被害が問題となっている「イネカメムシ」は、出穂期に加害されると不稔となり、登熟期に加害されると斑点米を生じる。不稔対策の防除適期は、出穂期直後であり、穂に直接薬剤がかかる液剤の防除効果が最も高い。越冬成虫は7月頃から水田に飛来し、出穂した水田に次々と移動して加害・産卵を繰り返すことから、発生状況に応じて的確に防除する。

 

2)トビイロウンカ

県内での飛来は確認されていないが、近県で飛来が確認されている。長期残効性箱剤を使用していない場合は、特に発生状況に十分注意し、発生が確認された場合は早期に防除する。

 

3)コブノメイガ、紋枯病

・高温年に多発しやすいコブノメイガや紋枯病は、予察情報に留意しつつ、ほ場観察を十分

に行い、的確に防除する。

・特にコブノメイガは、止葉に食害を受けると登熟不良を招き、玄米品質が大きく低下する場合があるため、ほ場での発生状況を確認し、発生が確認された場合は早期に防除する。

 

2 大 豆

 

(1)生育状況

  6月上中旬に播種されたものは、現在、開花直前~開花始期となっている。一部で土壌の過乾燥により、生育がやや不良となっており、今後は、着莢不良、子実肥大不良の発生が懸念される。

 

(2)高温少雨対策

・一週間以上降雨がなく、土が白く乾いている場合、用水が確保できるほ場では畝間かん水を行う。

・土壌が乾燥してほ場全体に水が到達しにくい場合は、畝間を仕切るなどして順次かん水を行う。

・黒マルチ栽培でも、降雨がない場合は土壌が乾燥するので、畝間かん水の必要がある。

 

(3)病害虫防除の徹底

・ハスモンヨトウの発生状況に十分注意するとともに、ほ場内で白化葉が発見された場合は早めの防除を徹底する。 

 

 

 

水稲及び大豆の高温少雨対策と病害虫防除の徹底 [PDFファイル/191KB]