就任にあたって
皆さん、おはようございます。
本日、岡山県知事に就任をいたしました伊原木でございます。
初登庁をしまして、また石井前知事から引き継ぎを受けまして、改めて大変な重責を担うことになったと実感しているところでございます。
私は、選挙期間中、みんなが笑顔で暮らせる「生き活き岡山」を実現したい、そのためには産業の振興と教育の立て直しが必要だと繰り返し訴えてまいりました。
これから、県庁職員の皆さんと一緒に、そしてまた県民の皆さんと一緒に、岡山県を少しでも住みやすい場所にするため、岡山県の未来を少しでも明るくするために、一生懸命頑張ってまいります。
県政記者クラブの皆様におかれましては、どうぞこれから4年間よろしくお願いいたします。
質疑応答
記者)
改めてになりますけども、初登庁の感想と、今日職員への訓辞の中で「誠実な仕事をする」という約束をされていましたが、どの様な知事を目指されるのか、目指す知事像はどの様なものでしょうか。
知事)
初登庁をしまして、改めて、車から降りて周りを見渡してみました。たまたま今日が晴れていたということもあるわけですけれども、本当に清々しい気持ちがいたしました。しっかり頑張っていこうと気持ちを新たにしました。
訓辞の中で、誠実な仕事をすると申し上げました。むしろ、お誓い申し上げました。私自身、役所で働いたことがありません。民間の経験を生かして、これまでよりも大胆に仕事をしていくというふうに申し上げてきたわけでありますが、一部の方にはそれがちょっと心配に思われる方もいることを承知いたしております。
私は、是非、そういう心配を除きたい。公私混同、そういったことはするつもりは一切ありませんし、公私混同が疑われることもないように注意していきたい、そういう意味も込めまして、誠実に仕事をするということを申し上げました。
私自身、このような意義深い仕事を4年間任せていただき、本当に背筋が伸びるというか、体が震えるような思いでございます。一生懸命いい仕事をして、後世の批判にたえる仕事をしたい、このように思っています。
記者)
さきほどの質問の関連で「公私混同が疑われることがないように」とは、これまで企業経営をされていた会社との区別という、そういうことを念頭においてのことでしょうか。
知事)
そうですね、はい。例えばいろいろな施設の運営に天満屋グループで応募をしたりしています。これは、ただの一つの例ですけれども、そういったことに恣意的な判断が入らないように、どうやっていくのか、いろいろな情報、大事な大事な情報が県庁の中であるわけで、そういった情報がきちんと管理されるように、私自身しっかり仕組みをつくっていくこと、自分自身で気をつけていくこと、そういったことを念頭に置いてお話を申し上げました。
記者)
2点お伺いします。まず1点目は、人事なのですが、人事の登用についてはどういった人材を抜擢したいと考えていらっしゃいますか。
知事)
これは月並みな表現でありますけれども、能力は非常に大事な要素です。あと、意欲は、私は非常に重視をしています。能力が高いという点では県庁の幹部職員は押しなべて能力が高い、私の今の実感でありますが、本当に心の底から沸き上がるような意欲、もしくは直観してこれは難しいかもしれないというときでも、さらに諦めずにいろんな方策を考える粘り強さ、そういった人に大きな仕事を担っていただきたいと思っています。
あと、先ほどの誠実な仕事ということに関連するわけですけれども、公私混同しないですとか、公務員としてのルールを守る、これは最低限のことですから、それがあった上での先ほどの能力と意欲ということの2点ということ。
記者)
もう1点は、当選されて一夜明けての会見で、まず何に重点的に取り組みたいかということについて、「教育の立て直しをしたい」と言われましたが、その思いにお変わりありませんでしょうかということと、まずどういう分野からやっていきたいのか、立て直しのためにですね、どのようにお考えですか。
知事)
私がずっと半年間訴えてきたことは、当選から10日、2週間たっても急に変わるわけは当然ございません。教育が非常に大事だと思っています。教育に関しては、今、まず私がこれまで民間人の権限、権利では、きちんとした現場視察ができなかったものですから、まずとりあえず視察をさせていただきたい。関係者から事情を聞かせてもらいたい。私自身が誤解に基づいて指示を出すと、これは大変よくないことが起きますので、まずそれをさせていただいて、問題の把握をしてから、何ができるのか検討していきたいと思っています。
これは大変急ぐことですし、何かいい施策が立案、実行されたからといって、急に結果が出るわけではありません。それだけに早く動かなければいけないと思っています。
記者)
当選から2週間ほど経ちましたが、その間、どういう準備をしてきたのかということと、その中でもう一つの重点課題に挙げている産業振興、こういうことをやってみるという具体化したものがあったらお願いします。
知事)
主に、私自身の勉強に当てさせていただいておりました。選挙期間中は、座学、それから現場の方々のお話をお伺いする、両方重視していたつもりではありますが、実際、座学のほうはなかなか十分進んでおりませんでしたので、選挙が終わって腰を据えていろいろな書類に目を通したりしておりました。目を通すべきものが膨大にありますので、終わったというわけではありません。必要な勉強が始まったという段階でございます。
産業振興につきまして、私自身、ずっと選挙中からいろいろなアイデアを考えてはメモにし、できるだけ具体化するように努めてきておりますけれども、急に何かすばらしいものができ上がったというわけではありません。これから、それぞれの工業団地の実情ですとかこれまでの誘致例、確か24例、この4年間であったのですが(注)、ごめんなさい、その数字については私の記憶ですから確認しておりませんけれども、どういうところがうまくいったのか、逆にうまくいかなかった例がどうだったのか、そういうことも説明を受けながら、これからの対策を立てていきたいと考えております。
(注)知事の発言において、これまでの誘致例として、「確か24例、この4年間であったのですが」とありますが、確認の結果、24例は平成23年度の誘致件数です。
記者)
倉敷市の伊東市長が、倉敷高架に対して非常に期待をするという言葉がありましたけれども、倉敷高架については具体的にどうなさるおつもりなのか。
知事)
倉敷の高架に限らないわけですけれども、大きなプロジェクトについては、まず私、説明を聞かなければいけないと思っています。どういう経緯のプロジェクトなのか、どういう効果が期待されているのか、コストがどれぐらいかかるのか、現場も見なければいけませんし、これまで私は倉敷市で説明を受けたことはあるのですけれども、半日かけていろいろメリットについて教えていただいたわけですけれども、岡山県庁のほうから説明を受けたことがございませんでした。非常に簡単な説明を受けたわけですけれど、まだまだ十分私が理解しているとは言いがたい状況でございます。いろいろこれから勉強していきたいと思います。
あともう一つ、私が聞いておりますのが、スケジュールについて変更があった旨の報告が倉敷市からあったと、私は聞いております。詳細はきちんと把握、私自身がしていないのですけれども、区画が幾つかに分かれているそうでありますが、第2区画の完了時期が4年間延びたという旨の説明が倉敷市さんからあったそうでございます。従前は、平成27年度に完了するということでしたが、平成31年度の完了の予定になった。
もう一つは、区画で、今度は第3から第5まで、3、4、5ですね、の区画整理事業の着手予定時期の変更を倉敷市さんから岡山県のほうにお伝えがありました。従前では、連続立体交差事業の事業期間内に順次実施されることになっておりましたが、今回の変更で連続立体交差事業の完了後に着手をするとの新しい説明があったそうでございます。
このスケジュールの変更は、当然、連続立体交差事業の採算性ですとか効果への影響、効果、つまりB/C、費用対効果ですね、への影響はあると聞いております。ただ、スケジュールの変更をつい数日前にいただいたということですので、これから検討をするそうでございます。
記者)
岡山県の財政問題に対するの考え方と、これから予算編成に入っていくと思いますが、どういった大きな方針で臨まれていくのかお伺いします。
知事)
財政問題につきましては、まず大変厳しい破綻寸前までいった岡山県の財政状況を石井前知事の懸命な努力のおかげで破綻を免れることができた。このことに対しては、その次の知事をさせていただくことになりました私として、まずもって感謝の意を表したいと思っています。
ただ、皆さんご案内のとおり、社会保障費が毎年20億円から30億円、年度によっては50億円増えているのが現在の岡山県の実情でございます。
また、この数年間の予算を、職員の給料を平均7.4%削減することによってようやく収支をバランスさせてきたというのが実情でございます。その給与削減も来年、今年度で終わる、あと数ヶ月で終わってしまう、大変予算を組むだけでも厳しい状況でございます。
引き続き、徹底したコスト削減、無駄の削減に取り組む、それから民間でできることは思い切って民間にお願いする。工夫を忘れないで、何とか厳しい中で県民のために必要な事業を盛り込みたい。非常に月並みな言葉ばかりで申しわけないのですけれども、厳しい中でも何とか頑張っていきたいという思いでこれから予算を組んでまいります。
あと、もう少し具体的に申し上げますと、私、新任の行政経験のない人間がこの時点で予算編成にかかわることになります。ここで、余り大きな変更をすることは現実的ではないと考えています。では、伊原木隆太を選んだことはこの予算には反映されないのかと。そういうご批判もあろうかと思います。私自身は、選挙期間中、予算主義から決算主義へということを唱えてまいりました。予算を立ててしまえばそれでおしまい。もらった予算は全部使うのが当たり前、そういうことを私は変えていきたいと思っています。予算を組む段階で、そんな大きな変更がなくても1年間をかけてよりよい予算執行をしていきたい、このように考えています。
記者)
先ほど予算を組むのも厳しい状況とおっしゃいましたが、今、労使交渉もやっていて給与カットの方針をどうするかという状況ですが、今のお考えはどのようなものでしょうか。
知事)
これは、選挙期間中に申し上げていたことと変わっておりません。そのまま、これは暫定的な緊急避難的なお約束でしたので、当たり前のようにその給与カットを継続する、これはできないと思っています。ただ、全てお戻しするということになりますと、現時点で115億円の予算を見つけてこなければいけない。
私は、まだ財政の状況について詳しく十分に説明を受けておりませんので、断定的なことは申し上げられませんけれども、その両極端、今のまま、もしくは全てお戻しする、その両極端が起きることはなかなかないのではないかと現時点では考えております。
ただ、私自身、この7.4%も給与削減している、それも数からすれば学校の先生が多いわけです。警察官、県庁職員、それぞれみんな頑張っている人たちです。特に、学校の先生は私が最重要施策に掲げた教育に携わっている方々です。ですから、私は給与は下げれば下げるほどいいのだと、予算制約が緩むからできるだけ厳しく給与削減をしたいと思っているわけではありません。
是非とも皆さん方に頑張っていただきたい、ただ予算制約が非常に厳しいのでどういう形でお願いすることになるか、今の時点でわかりません。
記者)
就任式でおっしゃっていましたけれども、これまで検討されていない施策を実行してもらいたいという県民の思いが表れているということですが、今の時点、これまで検討されていなかったこととは具体的にどのようなものをお考えでしょうか。
知事)
具体的にどうこうということではないのですけれども、大きく言えば2つ、今思いつくことで言えば2つ、パターンがあると思うのです。これは民間企業でもそうなのですけれども、一流企業、大企業ほど、自分たちがそんなことをするような格の会社ではないのだという何か見栄みたいなとこがある。それがベンチャー企業だとか小さい会社だとそんなこと言っていられないと。例えば自分は何々課長だからこのことはほかの人に任せるということが大企業ではできても、ちっちゃい会社だったらそんなこと言えない、とにかくやる仕事があったら近くの人がやるみたいなその割り切り、柔軟性ということ。
あともう一つは、これは役所独特なのかもしれませんけれども、役所はミスをしないという建前を何とか守りたい、そういう意欲が強いように私は感じています。私自身、それは県民の安全に関わるようなミスをしては絶対にいけないと思うのですけれども、ミスをしてもそんなに問題が起きないようなミスは、私はしても構わないと思っています。県民の方が許していただける、例えばやってみたけどあまり利用がなかったとか、お客さんが来られなかったとか、思ったほど評判がよくなかった、そういうミスは私はしてもいいと思っています。
いろんなことを、トライアル・アンド・エラーではないのですけれどもいろいろやってみる。例えば全県で10アイデアがあるときに、それを1に絞り込んで、これなのだろう、これが一番無難だということを全県でどんとやるかわりに、10アイデアがあるのであれば5ぐらいに絞ってそれぞれ別のところで5つやってみると。一つ、二つはだめかもしれない、でも残りの3つぐらいが意外といいかもしれないという、そういう実験を繰り返していきたいと思っています。
そういう意味での、これまで検討されなかった、もしくは採用されなかった施策も含めて、いろいろ考えていきたいということでございます。これから具体化していこうと思います。
記者)
かねてから、県庁の改革に取り組むとおっしゃっていましたが、今まで民間企業を経営されてきてご経験があったと思いますが、民間と行政というのは、数字だけでは計れない違いもあるかと思いますが、何か県庁の改革について具体的なお考えはありますでしょうか。
知事)
まず、私自身が自分が勉強をして、自分自身の無知、もしくは慣れていないことで県庁の仕事を大きく妨げないようにしなければいけないわけですけれども、少し慣れてから、少しずつ私の思っていたこと、もしくは選挙期間中に訴えてきたことをしていきたいと思っています。
私の頭にあるのは、評価ですね。県民の皆さんにとって役に立つ、いいこと、同じことであればできるだけ少ないお金でしたい。もしくは同じお金をかけるのであれば、もっと効果を出したい。もしくは、お金と関係ないところでいかに皆さんに幸せを感じていただけるか。そういったところをもっともっと検討、考えていきたいですし、そういう成果を出した人にいい評価をあげたいと思っています。
とりあえず、無難に回したということに対する評価が、私は役所全般ちょっとウエートが重過ぎるのではないか、そういう仮説を持っています。その仮説が正しいかどうかも含めて、これから見ていきたいと思っています。
記者)
それを施策・制度にどう落とし込まれますか。
知事)
それも含めて、これから勉強させてください。
記者)
石井前知事が作られました道州制推進の首長連合への参加の是非も含めて、改めて道州制への取り組みのお考えをお聞かせください。
知事)
これは、選挙期間中も申し上げたわけでありますが、道州制について、私自身知識が足りておりません。また、道州制と一言でくくられている中に、随分違うものが入っております。ご案内のとおりだと思うのですけれども、単に県が合併した形、国の下請的な要素を残した道州制もありますし、連邦制と言ってもいいようなかなり強大な権限を持った道州制を論じられている方もいらっしゃいます。
ですから、私は、一言で道州制がいいとか悪いとか、そういうことは少なくとも現時点で申し上げることはできません。大変大きなテーマでございますので、十分、県庁内でどういう議論がなされてきたのか、研究がなされてきたのか、私自身がまず勉強して理解をしてから、もう少し踏み込んだお話をさせていただきたいと思っています。
記者)
石井前知事は中四国州を唱えて、岡山を中四国の拠点県として頑張って来られましたが、伊原木知事は中四国の中で岡山県をどのように位置づけていきたいとお考えでしょうか。
知事)
中四国の交通の拠点であることはもう明々白々であります。岡山県の利点を生かして、四国からも頼りにされるような岡山県でありたいと思っています。ただ、それが中四国州を目指すかどうかというところには直結するかどうか、これから勉強していきたいと思っています。
記者)
先ほど古矢副知事が退任されました。知事も慰留をされたということですが、副知事不在の間の影響、空白期間といいますか、11月30日開会の県議会でどなたかの選任同意を出されると思いますが、そのあたりについてお伺いします。
知事)
古矢副知事ときちんとお話ができたのはこの数日でありましたけれども、大変誠実で立派な方だという印象を持ちました。石井知事が選任された方ですから、ある意味、不思議ではないわけでありますが、その古矢副知事から、知事と副知事は政治的にも一心同体であって、知事がかわったときに自分が留任するのはこれまでの自分の考え方にはないというお話をいただきました。
かなりしつこく慰留に努めましたけれども、自分の哲学、美学に関することなので、自分自身のわがままだと思って許していただきたいと、そういうお話をいただきましたので、大変残念ながら承認をさせていただきました。
私自身が、行政経験のない知事でございますので、経験豊富なしっかりした方にサポートしていただく、これは非常に大事なことであります。副知事は、できるだけ早く新任の方を選任しなければいけない。ただ、急いで適当でない方を選ぶのはよくありませんので、これからしっかり候補者の方と面談をさせていただき、またいろいろアドバイスをいただきながら選任をさせていただきたいと思っています。
1つ、私にとって有り難いことは、公営企業管理者の西本さんが、留任をしていただきましたので、西本さんにこれからいろいろアドバイスをいただきながら進めていくことになります。
記者)
先ほど、教育に力を入れるとの話でしたけれども、これまで首長は教育の独立性ということであまり教育行政にタッチしていなかった部分があったかと思いますが、最近の傾向として、首長の教育への関与を強めるべきだという意見もありますが、伊原木知事ご自身はどのようにお考えでしょうか。
知事)
全くそう思います。教育を行政から切り離した半分独立した仕組みにした時の考えはあったと思います。意味があったと思いますが、それは随分前のことでありまして、現在の状況に照らしてその仕組みがベストだという保証はありません。私自身、選挙で選ばれて岡山県民の幸せに責任を持つ立場になった以上、ここが今の仕組みで私の責任の、私の権限の外にあるからここはどうなっても私の責任ではないのだと、そういうことを言うつもりは全くありません。私の持っている権限を最大限使って事態の改善に努めますし、もしそれで足りないのであれば、どのようにして権限を、そして責任を増やして、いい結果を出していくのか、これからしっかり考えていきたいと思います。
記者)
大阪などでは、教育基本条例という形で知事の権限を強めようという意見がありますが、岡山県でもそういった条例などを使って何か仕組みを変えていこうという考えはありますでしょうか。
知事)
私自身、まだ現場の視察もできておりません。教育長とも一度お話をできただけでございます。ですから、これから何が一番いいのか、いろいろ考えていくわけでありますが、条例をつくるように県議会にお願いをすることも私自身の選択肢から排除はしておりません。
記者)
2つお伺いしますが、まず1つ目は、知事というのは、いざ何かあったときに災害対策本部長という任も兼ねるということもありまして、我々も知事の所在を明確に知っておかなければならないのですけれども、一部議論にもなりましたけれども、知事公舎に住まわれるのかどうか。かなり老朽化はしていますが、その辺についてお考えをお伺いしたいのですが。
知事)
知事公舎については、昨日まで石井知事が入られていたということで、実はまだ私、見に行っておりません。今日以降、適当な時期に入らせていただいて、決めたいと思っています。先ほどおっしゃいましたように、昭和28年につくって以来、根本的な改修ができていない、かなり老朽化している建物だということを伺っています。本来、改修をするべきなのでしょうけれども、県の財政がこういうことですから、なかなかこれまでできていなかったと聞いています。
そういったことも含めて、これから検討させていただきたいと思っています。当然、危機管理のときにきちんと対応ができる場所でなければいけないということは非常に重く考えて決めさせていただきます。
記者)
じゃ、今後、その内容を見てから確認される。
知事)
そうですね、はい。
記者)
もう1点は、今日から始まって任期は4年あります。その4年で県のリーダーとして、4年かけて岡山県の人々を今後こういう方向へ導きたいというものは、県民にこれだけは約束したいというものがあれば教えていただきたい。
知事)
また、これまでどおりの話になるのですけれども、とにかく皆さんが生き生きと暮らせる、明日が来るのが楽しみだ、1年後が楽しみだ、そういう県にしたいのです。それぞれの地域でそれぞれの人が一生懸命頑張って未来のために努力をする、そういう県にしたいと思っています。
記者)
副知事を二人にするお考えは現時点でありますでしょうか。
知事)
石井知事は、最後、副知事お一人で県政を回されておりました。これは、石井知事御自身に豊富な霞ヶ関での人脈があったからこそできたことだと思っています。私自身は、皆さんご案内のとおり、霞ヶ関において甚だ人脈が乏しい実情がございますので、私の現段階では県庁のプロパーから上がってこられた副知事、それから主に霞ヶ関を想定しておりますが、外部から招聘した副知事、この2人の体制がいいのではないかと思っております。
ただ、私自身、今日が初登庁でありまして、まだまだ勉強が足りておりません。いろいろ勉強する過程で考えが変わる可能性もあることをお含みおきいただければと思います。
記者)
伊原木知事は、戦後岡山県にとっては6人目の知事となりますが、これまでの5人の知事はそれぞれの時代を背景にそれぞれの役割を果たしてこられたと思うのですが、伊原木知事は就任されたこの時点で、ご自身に課せられる使命、役割はどのようなものと捉えていますでしょうか。
知事)
全くおっしゃるとおりで、それぞれの知事が選ばれた背景というのはその時代を反映していると思います。前任の5人の方の私なりの解説はあえて控えさせていただきますけれども、私自身について言いますと、今、岡山県も日本全体も閉塞感に包まれている。バブル崩壊以降、どうすればいいのか、方向性が定まらない。これまでどおりのやり方でやってもなかなかうまくいかない。そういうことであれば、無難な選択ではなく、一歩踏み込んで、これまでと違うタイプの人間に任せてみたい、そういう県民の皆さんの思いの表れだと私自身は理解をしています。
もし、例えば高度経済成長期のころのように、もうやることはわかっているのだ、あとはしっかり決められた方向に向かって全力疾走するのだということであれば、もっと無難な方が知事になっていたほうが、多分県民の皆さんは安心をされたと思います。私自身は、混迷する中で次の方向性を見出す、そういう役割を期待されていると私自身は考えています。
記者)
改めて今任期中に必ず実現したい政策で、具体的なものを挙げていただきたいのですが。
知事)
これから是非そういったことを具体的に挙げさせていただきたいと思うのですけれども、今の時点で言えることは、教育のことに関して、4年間で変わったなと実感していただける、そこを考えています。今、一番皆さんの頭にあるのは、多分、県別の順位だと思っています。不登校ですとか、暴力行為、学力テスト、そういったことで当然県別の順位に反映されるべきものでありますけれども、私は一番重視しているのはきちんとした授業が行われているか、規律ある、学校に規律を取り戻すことができるか、そこについては私は本当に全力で取り組むつもりです。学校が随分落ちついた意欲溢れる前向きないい場所になった、そういうふうに思っていただけるようにしっかり頑張ってまいります。それができれば、1年、2年のタイムラグがあるかもしれませんけれども、順位もついてくると私は信じています。
司会)
それでは、以上をもちまして新知事記者会見を終了いたします。
知事)
これから4年間、是非ともよろしくお願いいたします。