岡山県行財政経営指針(仮称)骨子(案)について
本県の財政状況につきましては、これまで4次にわたる行財政改革に取り組んだ結果、危機的な状況からは脱却できる見込みが立ちつつあるものの、引き続き、収支不足が続くなど依然として厳しい状況にあります。
また、減災・防災対策や教育県岡山の復活、産業の振興・雇用創出など、本県が直面している課題への対応、さらには、社会保障と税の一体改革など国の制度の変更への対応等も必要となっております。
こうしたことから、これまでの改革の取組の成果を維持するとともに、より効率的かつ効果的な行財政経営を行い、すべての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」の実現を図るため、今後の依るべき指針として、「岡山県行財政経営指針」を策定することとし、骨子案を取りまとめたものであります。
骨子案の内容についてでありますが、3の「行財政経営の基本理念」としまして、「顧客重視」、「コスト意識」、「スピード感」の3つの視点を持ち、不断の改革・改善に取り組み、「生き活き岡山」を実現するため、社会経済情勢の変化や県民ニーズに機敏に対応するなど、県民の要請に応えることのできる行財政経営を目指すこととしています。
そして、基本理念に基づき基本方針を定め、推進に向けた取組につきましては、歳出の適正化や歳入確保、人材マネジメント・組織風土の改革、執行体制などについての方針を記載することとしており、具体的には今後検討することとしています。
この骨子案をもとに、県民の皆様等からも十分にご意見を伺いながら、11月中には策定したいと考えております。
また、7の「推進に向けた取組」の「(1)歳出適正化」の中の「(2)一般行政経費」に記載いたしておりますが、指針の策定と併せまして、社会経済情勢等の変化等も踏まえ、外部有識者などのご意見を伺いながら事業の再点検を実施してまいりたいと考えております。
事業再点検の実施について
次に、事業再点検の実施についてでございます。「事業再点検の実施について」の資料をご覧ください。
前回の行革での事業の見直しが行政の視点中心の見直しであったことから、今回は、外部の有識者等により、改めて事業の必要性や進め方、受益と負担の関係、官と民との役割分担などの観点から事業の再点検を実施することとしています。
具体的には、学識経験者や経済界関係者など8人程度を考えており、有識者からは、これからの事業のあり方に関する基本的な考え方について意見をいただくほか、その考え方に基づき事業再点検を実施する上での視点や、基本的な考え方や視点を踏まえた事業に対する意見をいただくことを考えております。
6月下旬までに有識者の人選を行い、7月から10月までの間に3回程度有識者会議を実施し、県議会等からのご意見も踏まえながら、平成26年度当初予算編成に反映させてまいりたいと考えております。
第3次おかやま夢づくりプラン改訂方針について
最後になりますが、「第3次おかやま夢づくりプラン」改訂方針についての資料をご覧ください。
県では、今年度、「第3次おかやま夢づくりプラン」の改訂を行うこととしておりますが、このたび改訂方針を取りまとめましたので、その概要をご説明いたします。お手元の資料をご覧ください。
まず、改訂の趣旨でございますが、このたびの改訂は、すべての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」を目指して、行動計画の重点化を図るなどの見直しを行うことといたします。
計画の期間でございますが、長期構想につきましては、現プランの期間を5年延伸し、2025年頃を展望することといたしました。
行動計画については、現プランを引き継ぎ、2016年度を目標年度としております。
次に、改訂の考え方でございますが、全体として、現プランの性格や大枠を維持しつつ、「生き活き岡山」の実現に向けて、プランの内容の一層の重点化を図ることとしております。
プランの構成につきましては、現プランを引き継ぎ、資料(1)から(4)のとおり、4章で構成することを考えております。
このうち、(2)の長期構想では、新たに県民局の所管区域ごとに地域の目指すべき姿をお示しすることとしており、また(3)の行動計画では、現プランの基本戦略やプロジェクトを、一層の重点化を図る観点から、「教育県岡山の復活」、「地域を支える産業の振興」、「安心で豊かさが実感できる地域の創造」の3つの重点戦略に再編したうえで、計画期間中に重点的に取り組む戦略プログラムを盛り込むこととしております。
次に、今後の主なスケジュールをお示ししておりますが、幅広く県民の皆様のご意見を伺いながら改定作業を進め、年内には議案として議会に上程させていただく予定でございます。
今後、全庁を挙げて検討を進めてまいりたいと考えておりますので、県民の皆様方のご協力をよろしくお願い申し上げます。
知事就任後、半年が経過しました。本年度は、私の県政の実質的スタートの年であります。
以上申し上げました行財政経営指針(仮称)の策定や事業再点検の実施、そして夢づくりプランの改訂を通じ、私の思いや県民の皆様からお伺いした声を県政にしっかりと反映させ、着実に実行に移し、目に見える成果をお示しできるよう全力を挙げてまいりたいと思います。
以上でございます。
質疑応答
記者)
確認ですが、事業再点検の実施ですが、これはもちろん個別事業についての評価を進めていくということになると思うのですが、JR倉敷駅の高架事業なんかもこれに含まれるということでよろしいでしょうか。
知事)
我々のほうから、これは含めないでくださいということをあらかじめ申し上げるつもりはございません。この事業再点検でご協力いただく8人程度のメンバーの方が何を問題にされるかは、我々のほうで事前に決めませんので、それを議題にされるかもしれません。
つまり、私が申し上げたかったのは、これまで起きたこと、起きていることに限らず、これから起きることも含めて、広く岡山県に関係すること、岡山県の未来、岡山県の幸せ、県民の幸せに関係することであれば、全て議論していただくということでございます。
記者)
同じく、これまでは行政の視点中心だったということですけれども、それで今回外部有識者を入れるということで、以前の見直しというのはどういうところに物足りなさを感じられて今回こういう形にされたのでしょうか。
知事)
物足りなさというか、前回の、前回といっても3回以上やってきたわけですけれども、4回です、非常に深く踏み込んでいるところもございます。そのおかげで、毎年400億円の歳入不足が危惧された状態から今の状態になったわけでありますので、それが不満だとか切り込み不足だということよりも、同じ視点でもう一度同じことをしても多分余り成果は出ないであろうと。是非、私、民間初の県知事ということもありますので、幅広いご意見、視点をいただいて見直しをすることで、水準をできるだけ下げないで財政の均衡を図っていくことが、まだまだ工夫の余地があるのではないかと、このように思っています。
記者)
同じく再点検についてですが、平成26年度の当初予算編成に反映させるということなのですが、この再点検がどのくらいの効力を発揮するのか、どの程度反映されるのかということを教えてください。
知事)
私、それについて予断を持っておりませんで、そもそも岡山県行財政経営指針というものがありまして、この資料にありますように、いろんな項目があるわけですけれども、その中の一部でございます。それについても、先ほどの質問でお答えしましたように、何をテーマに選ばれるのか、どういうご意見が出るのかということを我々のほうであらかじめ決めるわけではありませんので、どれぐらいの規模になるのかも含めまして、今の時点ではよくわかりません。
ただ、お願いしておいて、数百万円の削減見直しで終わったというのは、これは明らかに岡山県の予算規模からすれば小さいわけでありますので、それなりの大胆な提言ですとかご意見がいただけるものと期待いたします。
記者)
事業再点検に関して、中身、イメージなのですが、全体の行革の方針について議論していくのか、それとも、例えば民主党政権の事業仕分けみたいなものがありましたけれども、そういう個別具体的なものに関して、これはいいとか悪いとか、そういったことを仕分けしていくようなイメージなのか、いかがでしょうか。
知事)
これも有識者の方々のご意見をそこに反映していくことになろうかと思うのですけれども、範囲とすれば事業ということになります。岡山県が走らせている事業の数は膨大にありますので、それをどういう形で点検していただくのか。具体的に仕分けに近い形になるのか、その指針を示されることになるのか、そういったことを含めて、これから我々で検討し、またその有識者の方々のご意見をいただきたいと思っています。
確かに、おっしゃられるとおり、幾つかのやり方があって、それぞれ一長一短があるようでございます。我々は、それについてあらかじめ我々のほうでやり方を今の時点で決めているわけではございません。我々自身も研究したいですし、ご意見を参考にしたいと考えています。
記者)
行革全体についてのお考えをお伺いしたいのですけれども、前知事時代から厳しい行革をやってこられて、なかなか追加の行革の余地というのは少ないのではないかなと思うのですけれども、例えば今回の新しい指針で何億捻出するとか、何億削減するとか、そういう具体的な目標というものを盛り込んでいくようなお考えはあるのでしょうか。
知事)
私自身、企業の経営をいたしておりまして、私が経営していたのは1社でありますけれども、当然その前の大学院でも企業経営の大学院に行ったわけでありますし、その前は経営コンサルティング会社にいましたので、いろいろな会社の事例について又聞きをしていて、この私自身のいろんな経験ですとか知識から見て、改善の余地、コストに限っていえばコスト削減の余地ですし、同じコストでいかに効果を上げるかという点も入れた改善の余地というのは常にあります。
これは、自分で完璧だとそのとき思っても、また見方をかえれば別のものが出てくるということもありますし、たった3年、4年で技術が進歩していたりします。例えば5年前までスマートフォンなんていうものはほとんど普及していなかったわけでありますし、通信のコストは10年前と比べて格段に低減をしているわけであります。そういったことを前提にすれば、もし5年前に今の状況だったら、解決策は違っていたであろうということはいっぱいあると思います。世の中が変われば、我々としてそれへの対応、適用、解も変わってくると思いますので、常にこの改善をする余地があると思っています。
どれぐらいできるかということについては、半分やってみなければわからないというところもございますけれども、常にその意欲を持って取り組みたいと考えております。
記者)
この事業点検については、基本的には有識者の方に考え方を委ねたいということですが、例えば知事がいろいろと興味を持っていらっしゃる医療とか福祉のサービスの見直しなどについて、第三者的な視点からもっといい提案が欲しいとか、そういった思いはあるのでしょうか。
知事)
これについても、医療、福祉に全く限定いたしておりません。ありとあらゆる分野について、ご意見、ご示唆をいただきたいと思っています。
普通に、表面的に考えるのであれば、このサービスの水準と、それからそれに必要なコストというのは比例するわけです。結局、いいサービスを欲しているのだったら、それだけお金を出しなさいということなのですけれども、ご案内のとおり、現在、日本全体も含めまして、県政もしくは市町村の財政は大変厳しい状態にあります。かつ又、これからどんどん歳出が増えていくことが予測されているわけですので、これまでにない工夫が求められています。
先日の同友会の提言もそうですし、その他いろいろな団体からこういうことをすればこれまでよりも安いコストで今のサービス、これは医療に限らないわけですけれども、が維持できるのではないか、コストを下げられるのではないか、もしくはサービス水準をかえって向上することができるのではないかというようなアイデアが出ています。
それぞれについて、今、私が、これは見込みがある、ないということを申し上げることはいたしませんけれども、そういったご意見を、是非、我々が知らないことも含めていただきながら、より良い効率的で効果的な県政について知恵を出していきたいと、このように考えております。
記者)
行財政経営指針について、あえて経営という言葉を使われているのでもう一度お伺いするのですけれども、予算編成の時に言われていましたが赤字体質ですよね、県は。これは3年計画ということですけれども、例えば3年後にどういう県財政を最終的に目指すのか、という目標を持たれて経営指針を作られると思うのですが、その目標を改めてもう一度教えていただきたいのですが。
知事)
そうですね、その前にそれぞれの関係について申し述べますと、これから改訂することになる夢づくりプラン、これは、岡山県をどうしたいか、どういう生き生きとみんなが過ごせる住みやすい岡山県にしたいか、何をしたいか、どこを目指すかということについてのものであります。
そこにどう到達するかということがこの行財政経営指針ということになります。経営指針と敢えて入れましたのは、ただ回していくということではなくて、常にメリット、デメリットを考えて、トレードオフを考えてやっていこう、もしくは運営ということになると、ついついフローばかり、毎年の歳入、歳出ということに重点を合わせ過ぎるような気がいたしておりまして、経営というのはフローとストック、両方ですので、いかに今あるストックを有効活用しながら回していくか、もしくはストックをきちんと維持していくかということを考えております。
先ほどの質問に戻りますと、まずは持続可能なものにしなければいけないと思っています。毎年赤字をどんどんどんどん積み上げていって、破綻、破局に向けて一歩一歩近づいていくということは、やっていることが夢に向かっていても、ちょっとそれは私とすれば怖いということですので、是非、財政の健全化、それから住みやすい岡山の実現、その両方をきちんと達成していきたい。これは非常に高いハードルなのですけれども、それを目指していきたいと考えております。
記者)
それで、具体的な目標としては、今のところはないということでしょうか。
知事)
何かここで数字でお示しするような目標は現時点でつくっておりません。
記者)
今知事がおっしゃった持続可能なものにするというお話しですが、人口が減っていく中で普通に考えれば税収も減ると思うのですが、それを補うためには若者世代を岡山に呼び寄せて、それとともに産業育成が必要で、それで税収を上げていく必要があると思うのですが、その辺の戦略というものも経営指針にも入ってくるのでしょうか。
知事)
入ってくるというか、必ず影響をしてきます。人口がこれからどうなりそうだですとか、そういう基礎的な数値をベースにつくっていきますし、その数値をどう動かしていくのかというのも非常に大事なことになってまいります。
もう一つ、人口が減っていく、自然と税収は減る傾向にあるわけですけれども、税収を維持しなければいけないという予断を持っているわけではありません。もし税収が減るのが避けられないのであれば、その中でどうやりくりするかということですし、もし増やすチャンスがあるのであれば、増やすように頑張るということであります。何も決めているわけではありません。状況に対応していきたいと考えております。
記者)
それからあともう一つ、前知事の頃からかなり厳しい行革は行っています。行革も年々対応していかなければいけないと思いますが、大幅にスキームを変えるということも何年かごとにやっていかなければだめなのでしょうか。ある程度のところできちんと決めて、あとは行革ではなくて成長の方に力を割くということはできないものなのでしょうか。
知事)
例えば成長分野にある、そういう業界にある会社が非常に健全な状態にあれば、今のスキームをほとんど変えずに成長にこれから数年間突き進むということもあるかとは思うのですけれども、今の日本全体が人口が減少をしている、いいことなのですけれども長生きをしているわけですから高齢化比率が高まっていく、歳出に対する圧力は年々高まっていく、これはもう予測されていますし、ほぼそれは実現していくわけですので、今のままずっと伸ばすと矛盾がどんどん大きくなるわけであります。常に改革をしていく気概を持ってやっていかなければ、どんどん問題が大きくなると思っています。これは残念なことでありますけれども現実ですので、現実に対応していきたいと考えています。
記者)
今回の経営指針の中で、「人件費の適切な管理」というものがあるのですが、来年度以降の職員の給与カットについても11月中に策定するということなのでしょうか。そこまで踏み込んでいくような内容になってくるのでしょうか。
知事)
現時点では、そこまでの具体的なことは決めておりません。考えておりません。人件費は、県政にとって非常に大きな割合を持っておりますので、ここを考えないということは全くあり得ないわけですけれども、その人件費をどのようにコントロールしていくか、それが人数によるものなのか、それとも給与水準によるものなのか、いろいろな可能性がございます。もしくは、民間にお願いするですとか、いろんなことがありますので、あらかじめ決めているものではありません。
記者)
その中に入ってくる可能性もあるわけですか。
知事)
そういうことでいえば全てのものが入っていく可能性もありますし、入らない可能性もあります。
その人件費ということでいいますと、このたび妥結いたしましたのは平成25年度についてのみでございまして、平成26年度については現在全くの白紙でございます。
記者)
事業再点検の件ですけれども、これは外部有識者にすべて委ねるということで、大きな力になると思うのですが、メンバー8人程度というのは資料にも書かれていますが、例えば知事のこれまでのご経験の中でこういう方を考えているとか、この資料だけ見るとこれまでどおりのような外部有識者のメンバーになるのか、それとも知事らしいメンバーになるのか、そのあたり多少決まっていることがあれば教えていただけますか。
知事)
これについても余り具体的に決まっているわけではありませんけども、ただ私、無難な人を選ぶつもりはありません。とりあえず、当たりさわりのいい、「財政はよくしたほうがいいですね、でも歳出カットはなかなか難しいですね」とか、そういう評論家みたいなことを言う人を8人選ぶつもりはありません。岡山県の未来について非常に責任感を持って考えてくださる方、勇気を持ってご指摘くださる方、もしくは新しい視点、この岡山県外のことをご存じであったり、海外のことをご存じであったり、そういう新しい視点と勇気を持って発言してくださる方に入っていただきたいと考えています。
記者)
それは知事ご自身が見つけてくるということも考えているのでしょうか。
知事)
そういった方も含まれます。ただ、私だけで選びますと、お友達で何かわいわいということになりますので、ある程度分野を決めて、例えば福祉の分野の方にも是非入っていただきたいですし、今、分野ごとに決めているわけではないのですけれども、同じようなタイプの人が8人ということではなくて、いろんな視点を持った方に入っていただきたいと思っています。
記者)
夢づくりプランの改訂についてですが、今回改訂ということで、どういうボリューム感で新しい施策をいれていくのか、あるいはその下にわかりやすい指標を入れるとかあると思いますが、ただ、指標なんかを見直すとなるとかなりの期間をかけた改訂作業をされることになると思うのですが、そのあたりいかがでしょうか。
知事)
そもそも現在の夢づくりプランは、議会の議決をいただいているものですので、私自身、根本的に変えるつもりはありません。その策定に当たって非常に県内各層の皆さんの意見を集約しているわけですので、それを尊重しつつ、ただ私自身が最新の民意をある意味この選挙戦で集約させていただいた、その中では、例えばどうなのでしょう、教育に対する切迫感、切実な思いというのは、この第3次おかやま夢づくりプランを策定したときには、県民の皆さんからここまでの切迫感を持って伝わっていなかったであろうと思われますので、そういったところを盛り込むですとか、あとプログラムなのですけども、その指標については、私が見て、その指標を達成することが県民の幸せにどれぐらいダイレクトにつながっているのか、わかりやすいものばかりではありませんので、何かそういうところで改善できるものがあれば改善していきたいと考えております。
記者)
再点検の話に戻るのですが、先ほど数百万円とかその程度ではちょっとということでしたが、まだ具体的な目標は決まっていないということですが、希望としてはどれぐらいの規模を削減できたらというのがありますでしょうか。
知事)
それは、削減とサービス水準というのはセットですので、何かこれだけ削減できたらいいのだということで思っているわけではないのですけど、そもそも削減自体が目標ではなくて、岡山県をより住みやすい場所にする、むしろ本当はサービスの向上をしたいわけですよね。ただ、それが持続可能なものであってほしい。毎年赤字を積み上げて、どこかで大きなプログラムの大幅な削減を伴うものであってはいけないという、そういう中でいかによくしていくかということですので、私自身、削減した数字だけで評価するつもりはありません。
ただ、臨財債を含めるかどうかというところで難しいけれども、国もそのほかの地方自治体も借金がなかなか減っていかない。持続可能な財政運営となかなか言い難い。そういう状態から、いかに健全な財政を達成していくのか。岡山県の自立的な経営を可能にしていくのか。そのためには、そういったご提言ですとか改革が欠かせないと考えています。
記者)
旧日本軍の従軍慰安婦をめぐる大阪市の橋下市長の発言について、関係閣僚あるいは他県の知事からも批判が相次いでいますが、伊原木知事のお考えは。知事はアメリカでも生活されていたご経験もありますが、橋下市長は米軍に対して風俗業の活用を求める発言もありましたが、知事のアメリカでの生活のご経験も踏まえて御所見、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
知事)
私自身、これについていろいろな立場の人がそれぞれコメントすること自体が国益を損ねているのではないかと思っております。是非、この件につきましては、私、いろいろな問題が絡んで、そのどれ一つをとっても十分知識がある自信がございません。コメントを差し控えさせていただければと思います。
記者)
先ほどの人件費について確認なのですが、厳しくなっている県財政からすると、人件費は今の大きさのままでは厳しいという認識を持っていらっしゃるのでしょうか。
知事)
財政が厳しいのは事実であります。ですから、全ての項目について、聖域なく点検するのは大事であろうと思っています。人件費は、その中でも非常に大きな項目ですから、検討しないということはないのですけれども、現時点では本当にそういう段階、私自身、座右の銘も持たないようにしているぐらいですので、物事を始める前に余り予断を持たないようにしています。これから作業を進める中で、少しずつ、また考えがまとまってきますし、その都度皆様にお知らせするようにしたいと思います。
記者)
夢づくりプランのほうですが、長期構想を5年延ばされて2025年なのですが、これはご自身が知事をこれぐらいの期間やりたいなという思いを持ってのことでしょうか。
知事)
そういうこととは直接関係いたしておりません。2020年ということになると、あと7年ですよね。7年となると、本当に長期かということになってきますので、そこでどれぐらい延ばせば長期になるのかということはあるのですけども、とりあえず5年は延ばしておかないと長期にならないのではないか。10年延ばしてもよかったのかもしれませんけれども、これは企業経営と一緒で、余り延ばすと、例えば50年先というと現実味がなくなってきますし、もう3年先、5年先で長期というと非常に近視眼的な計画になってしまいますので、悩ましいところなのですが、とりあえず5年延ばしていただくということです。
私の任期とは全く関係ございません。私は、いつか必ず退任するわけですけれども、その後も、岡山県は当たり前の話ですけども続いていくわけで、私の任期にかかわらず、岡山県がよりよくなるように考えるのも当然のことと思います。
司会)
それでは、以上をもちまして定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。
知事)
ありがとうございました。