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2014年2月4日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0365206 2014年2月4日更新公聴広報課
会見写真

平成26年度当初予算(要求ベース)の概要について

 おはようございます。
 私からは、平成26年度当初予算(要求ベース)の概要についてお話しさせていただきます。
 平成26年度当初予算については、各部局からの要求状況について、先月15日に御説明させていただいたところであり、今後、私がより一層力を入れたい部分でさらに必要と感じるところへの事業の追加等を行い、今月14日には、当初予算案としてとりまとめていくこととなりますが、それに先立ち、現時点で見込まれる平成26年度の収支の状況などについて概況を御説明いたします。
 資料1ページの〔1 予算要求額〕をご覧ください。
 平成26年度当初予算要求額については、先月15日に発表したものであり、一般会計の総額は、6,585億円と、前年度当初予算と比べ0.4%の増となっています。
 次に、〔2 歳入見込み〕であります。
 今回見積もった歳入の主な内容ですが、まず、県税全体については、前年度当初予算比で4.1%、79億円増の2,010億円を見込んでいます。県税のうち、法人関係税は、個別に業績のヒアリング等を行い、景気の回復から14.4%増の435億円を見込んでいます。また、その他の税目が19億円の増となっておりますが、これは消費税率引き上げによる地方消費税の増などを見込んだことによるものです。
 地方譲与税については、地方法人特別譲与税の増が見込まれることから、前年度当初予算比で26.3%増の350億円を見込んでいます。
 次に、地方交付税及び臨時財政対策債についてであります。平成26年度地方財政対策を踏まえ算定した結果、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた額は、前年度当初予算比で37億円減の2,243億円を見込んでいます。
 その他の一般財源については、交付税の精算並びに大規模工場等立地促進補助金など、あらかじめ見込まれた財政需要に係る事前の積み立て分について財政調整基金を取り崩し、34億円を計上しています。
 特定財源については、歳出予算の要求内容に合わせた国庫支出金や県債等であり、瀬戸大橋出資金の終了などによる県債の減、過去の国の経済対策において設置された基金事業が終了したこと等に伴う基金からの繰入金の減等により、全体で、前年度当初予算比で2.8%減の 1,476億円を見込んでいます。
 以上により、歳入全体については、前年度当初予算と比べ1.7%増の6,602億円となっております。
 資料2ページの〔3 一般会計予算(要求ベース)の収支見込み〕をご覧ください。
 平成26年度の一般会計の収支見込みについては、歳出について要求額で仮置きし、今回見込んだ歳入額との差し引きの収支で17億円のプラスとなる見込みです。 
 次に、〔4 平成25年度当初予算との主な増減要因〕であります。歳出については、医療・介護等の社会保障の充実分や高齢化の進展等に伴う社会保障関係費の増や、臨時財政対策債の償還に要する経費の増による公債費の増などにより前年度に比べ23億円の増となっております。
 歳入については、先ほど申し上げたとおり、県税収や地方譲与税の増などにより、前年度に比べ112億円の増となっております。
 次に、〔5 現時点での収支を踏まえた対応(予定)〕であります。
 平成26年度の収支プラス 17億円については、私がより一層力を入れたい部分でさらに必要と感じるところへの事業の追加の財源として一部活用させていただくとともに、財政の健全化をより一層推進するための財源にも充てさせていただきたいと考えております。
 具体的には、平成26年度においても退職手当債の発行額を前年度同額の100億円計上しておりますが、「岡山県行財政経営指針」にも、「公債費の増加による財政状況の悪化を防ぐため、退職手当債を発行しなくとも予算編成が可能となるよう目指していく。」と掲げているところであり、退職手当債に依存しない予算編成への第一歩として、退職手当債発行額の抑制を図りたいと考えております。
 次のページには、参考として「地方一般財源総額の推移」、「社会保障関係費の推移」、「一般会計県債残高の推移」をお示ししていますのでご参照ください。
 平成26年度当初予算の要求ベースの概要は以上でございますが、平成26年度は、「晴れの国おかやま生き活きプラン」の開始年度に当たることから、スピード感を持って教育再生や産業振興をはじめとするこれからの本県に好循環をもたらす施策に全力で取り組む必要があると考えており、予算要求の中にも私の指示を踏まえ、積極的な姿勢や工夫が感じられるところでございます。
 私としても、より一層力を入れたい部分でさらに必要と感じるところへ積極的に事業の追加を検討し、今月14日には、現在検討中の経済対策に係る2月補正予算案と当初予算案とを一体的にとりまとめたいと存じます。
 私からは以上でございます。

質疑応答

記者)
 収支の関係で、17億円のプラスということで、2,3年ぶりだったかと思うのですが、さらに必要な事業に使うとおっしゃっていました17億円のうちボリューム感でこれぐらいというのはありますか。昨年は、確か知事査定が1億円くらいで、知事ご自身も物足りなさを感じていらっしゃったと思いますがいかがでしょうか。

知事)
 まず、この歳入歳出がほぼ固まった時点で収支が17億円のプラスになったことに関しましては、安堵をいたしております。先ほどおっしゃられましたように、前年は70億円を超えるマイナスからのスタートということで、私自身つけたいところは多々あったわけでありますけれども、本当に小さな額しかつけることができませんでした。
 それと比べると、何割増しということではなくて、できるだけきっちりつけたいと思っています。その17億円のうち、まだ今調整中ですけれども、1億円、2億円ということにはならないと考えております。
 本当を言えば、財政に問題がなければ、当然17億円全部つけるわけではありますけれども、先ほど申し上げましたように、退職手当債に依存しない予算編成ということを中期的に目指していますので、それが17億円のうち9割使うということには残念ながらならないと考えております。

記者)
 昨日、大阪市の橋下市長が辞職を決意されて、大阪市長選挙ということになるのですが、都構想の是非を市民に問いたいということで辞職なさるのですが、一方で、大義がないという批判の声もあるのですが、この橋下市長の辞職の決断について知事はどう評価されていますか。

知事)
 これは橋下市長の信念に基づいた決断であろうと思います。私自身、大阪の事情については余り詳しくありませんので、その是非について皆様にコメントできるような内容は持ち合わせておりませんけれども、政治人生をかけて取り組まれるということに関しては、すごいことだなと思っています。

記者)
 もう一点、大阪府を大阪都に変えるという都構想なのですけれども、知事のお考えとして、大都市の活性化に役立つというか寄与するものだというふうにお考えでしょうか。

知事)
 私自身も、正直よくわかっておりません。これは、よく否定的なことを示すときに使われるよくわからないという表現がありますけれども、そういうことではなく、私自身、どちらがいいのか、私自身の勉強不足でわからないという意味でございます。
 私は岡山県のことで精一杯でありまして、岡山県の今直面している問題と大阪府、大阪市の問題とは随分種類が別なので、私自身、きちんとした調査ですとか勉強はできておりません。

記者)
 最初の質問と少し重複するのですけれども、今回の17億円プラスとなった収支見通しに関しての知事の現時点の評価、昨年は大変厳しいという評価でしたけれども、この17億円のプラスをどう見ていらっしゃるのでしょうか。

知事)
 以前、私は民間企業にいるときには競合とかそういった制約があったわけですけれども、役所に来て、自分たちの歳入、収入が国の政策によって大きく影響を受けるということを改めて感じたわけでございます。
 今回は、地方財政対策でしっかりと見ていただいているということに加えて、税収が伸びているといういい条件がありましたので、去年と比べるとよりいい形で予算を組むことができるということについては非常に嬉しく思っています。是非、しっかり岡山県の未来につながる使い方をしなければと思っています。

記者)
 もう厳しいという財政状況は脱したということでしょうか。

知事)
 いえ、構造的には全く変わっておりません。税収は、特に法人関係の税収は景気の影響を強く受けます。今、景気がいい状態ですので税収も上がっている。そういうことでありますので、今度また景気が、永遠に続く好景気はありませんので、これが谷に向かっているときにはまた厳しくなることは容易に推測できます。

記者)
 関連で。今回の収支は上振れというか、交付税がほぼ確保されていることを除けば、地方法人特別譲与税にしても法人関係税にしても、要は今知事がおっしゃったように、企業の好業績を反映したから上に振れている部分を除けば、極端な話、去年とあまり条件が変わらないということで、業績次第で今後も今回の上振れしたものが無くなればまた苦しい状況になると。

知事)
 おっしゃるとおりです。もともと構造的に借入金が大きい構造、若しくは政府から随分いただいているわけですけれども、その中の全てが現金ではありませんで、どちらの借金なのかわからない臨時財政対策債というものが入っているということに加えまして、社会保障関係費は毎年20億円から30億円増えていっております。これもこの2、3年度で高どまりするわけではなくて、これから20年以上そのペースで増えることが予想されていますので、構造的には大変厳しい状況がこれからも続くと私は考えておりますし、ほぼ間違いないと思います。財政再建の努力というものは不断に続けていかなければいけないと思っています。

記者)
 今国会で道徳教育の教科化という話が出ているのですけれども、岡山県は暴力行為だったり問題行動が多いという状況を踏まえて、この教科化についての知事の意見をお伺いしたいのですが。

知事)
 私は、教科化されるということについては歓迎をいたしております。いろいろな批判があることも承知しておりますけれども、まずそもそも道徳は教えられるのか、教えて意味があるのかということなのですけれども、私は、大事なこと、大切なこと、社会人としてきちんと身に付けておかなければいけない社会のルール、マナー、道徳、そういったものを理解できているかどうかにかかわらず、繰り返し伝えていくという努力は決して無駄にならないと信じています。私自身がそうでありましたので。私自身、自分が小学生のころは道徳なんて教わって意味があるのかと思っていましたけれども、本当にこの年になって、10歳とか15歳の頃に叱られた、繰り返し言われたことが自分の行動を非常に大きく決めていることを日々感じておりますので、是非、この行き過ぎた個人教育、自分の好き勝手にやればいいんだと、多少の迷惑は構わないんだという、そういうことではなくて、周りの人を思いやる、きちんとなすべきことをする、社会に貢献をするんだと、そういう立派な社会人をつくるために、道徳教育は私は必要ですし大切だと思っています。当然、やり方はきちんと考えなければいけないと思っていますけれども。

記者)
 いろんな批判があるということは承知しているということですが、中でも国の価値観を押し付ける教育になりはしないかという意見もあるのですが、そのことについてはどのようにお考えでしょうか。

知事)
 価値観については、皆さんの理解が得られるようなものでなければいけないと思っています。周りの人に対して親切にするですとか、日本でずっと昔から伝えられてきた広く受け入れられる価値を伝えるべきだと思っています。

記者)
 昨年マイナス72億円ということで、交付税の減もあって、給与カットをされたのですけれども、今回プラスになっているということで、議会でも緊急避難的な給与削減で対応は今後しないというような答弁をされていたと思うのですけれども、そのあたり今後、例えばマイナスになったときに考えられることがあるのかどうか、改めて知事の給与カットに対するお考えをお願いします。

知事)
 私自身民間出身ですので、選挙中も含めて、民間、つまり税金を払っている人が納得できる給与の決め方、公務員の給与の決め方、公務員の給与水準でなければいけないということは申し上げてきましたし、今でもそのことは強く感じています。
 そういうことで、人事委員会がきちんとした計算、査定をしてもらうということは大事でありますけれども、これまで岡山県庁でほぼ10年間にわたってされていた給与カットというのは、民間と比べて高過ぎるから、という理由でされていた訳ではなくて、岡山県の財政が厳しいから、それも過去のいろいろな積極的な事業が思いどおりの結果を出すことができなかったという職員とほとんど関係のないことで給与カットになっていたということですので、私はこれは道理とすれば非常に苦しいことであったと思っています。
 これは、当然、誰もしたくてしたわけではなくて、本当にそれ以外に手段がなかったからしたと思っておりまして、私もできる限りそういうなかなか理屈のつきづらい収支を合わせるための行動はとりたくないと考えています。

記者)
 今回の歳入の中で消費増税に関するプラス分と、歳出でも消費増税に関するプラス分もあると思うのですが、それについての県への影響などお伺いしたいのですけれども。

知事)
 これは、余りきっちり計算できるわけではないのですけれども、大ざっぱに申し上げますと、まず増収の見込みが約43億円ということになっております。これは、市町村への交付金や地方消費税の精算を加味した上での金額でございます。歳出面で言えば、社会保障の充実分で約18億円、消費税の転嫁によって約22億円の増が見込まれております。合計歳出では約40億円の増が見込まれております。

記者)
 では、収支でいえば3億円のプラスになるということでしょうか。

知事)
 そうですね、計算上、そういうことになります。

記者)
 今回の消費税が上がることについての知事の評価というのはどういった評価なのでしょうか。

知事)
 これは、県の財政で言えばそんなにすごい影響があるというわけではありませんけれども、国の財政は非常に今厳しい状況です。国全体のGDPの2倍以上の借入金を抱えている先進国はありませんし、これまでもありませんでした。ですから、プライマリーバランスのプラスを目指して収支構造を改善していくということは、日本の未来にとって大切なことだと思っています。

記者)
 消費税はさておき、今回の収支が改善したのは企業業績に左右されているということで、たぶん一番の懸念材料は4月以降の景気の腰折れだと思うのですが、そのあたりの所感と、県として行うべき対策についてお考えはいかがでしょうか。

知事)
 おっしゃられるとおり、増税後の腰折れについては皆さんが心配されるところであります。私自身も心配をしておりますけれども、ただ駆け込み需要とその反動減については、例えば住宅について、どちらで買うのか迷うぐらいの工夫がなされていたり、いろいろな工夫、対策がとられておりまして、是非、反動減が最小限になるように努めていきたいと思いますし、もし個別のことで必要であれば、岡山県としても考えていかなければいけないと思っています。
 現在は、随分そのことについて以前から心配をされ、対策が立てられておりましたので、その対策がどの程度効くのか、推移を見守っていきたいと思っています。

記者)
 プラス収支で非常に中身もいいということで、いわゆる箱もの事業を求める圧力といいますか、声が強まることが予想されますが、そのあたりに対する知事のお考えはいかがでしょうか。

知事)
 箱ものだからだめだということはございません。私は、岡山県の明るい未来のためにいいお金の使い方をしたいと思っております。20年後、30年後に、2014年、平成26年度予算、非常に将来のことを考えていい予算を組んでくれたなと未来の岡山県民が考えてくれるような使い方を、今回も、これからの予算編成でもしていきたいと思っています。
 とにかく、将来のためのお金なのか、好循環をもたらすものなのか、大事な税金の使い道として適正かどうか、そういう観点で判断をしていきたいと思っています。

記者)
 事業として効果があるかどうかという観点でやるかどうかを考えるということでしょうか。

知事)
 未来の岡山県民が評価してくれるようなお金の使い方かという観点で考えていきたいと思います。

司会)
 それでは、以上をもちまして定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見