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2014年2月14日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0366398 2014年2月14日更新公聴広報課
会見写真

平成26年度当初予算概要について

 おはようございます。私のほうから3点、お話しさせていただきます。
 まず、平成26年度の最終的な当初予算案をとりまとめましたので、その概要をご説明いたします。
 お手元の資料1をご覧ください。
 先般の予算総括協議会等での議論も踏まえ、私が追加させていただいた事業についてお示しいたしております。
 平成26年度は「晴れの国おかやま生き活きプラン」の開始年度であり、「生き活き岡山」の実現を強力に推進するため、要求には挙がっていないものも含め、これからの本県に好循環をもたらす実効性の高い施策・事業を追加させていただきました。教育、産業はもちろん、中山間地域の活性化対策や福祉などの分野への事業の追加、拡充等を実施したほか、私をはじめとする特別職の給与について、減額率を引き下げたうえ、平成26年4月以降も引き続き減額措置を継続することとしております。
 続きまして、お手元資料2「当初予算のあらまし」をご覧下さい。
 まず、1頁ですが、先月15日にご説明した要求額に私が必要と思う事業を追加した結果、平成26年度当初予算の規模は、一般会計で対前年度比0.6%、約41億円増の6,602億円となっております。
 次に、7頁、右下をご覧下さい。
 先日お示しした要求ベースの収支見込みでは 17億円のプラスとなりましたが、事業の追加、拡充等を行った結果、最終的に12億円のプラスとなりました。
 これにつきましては、「行財政経営指針」に沿って、財政の健全化をより一層推進するため、退職手当債発行額の抑制を図ったところであります。
 続きまして、8頁には今後の収支見通しとして、向こう10年間の粗い長期試算をお示ししております。
 今回の収支見通しでは、平成28年度を除いた全ての年度において収支がプラスになるという結果が出ております。が、これは、今までと同様に、退職手当債を毎年100億円発行する前提で試算したためであります。
 しかしながら、退職手当債は本来一般財源で支払うべき退職手当を借金により支払う特例的な地方債であり、行財政経営指針に掲げるように退職手当債を発行しなくとも予算編成が可能となるよう目指していく必要があります。
 そのため、今回から新たに退職手当債の発行抑制を行った場合の仮試算についてもお示ししておりますが、全ての年度において収支がマイナスとなっております。これをご覧いただければ、本県財政は依然として厳しい状況にあり、財政の健全化が必要であることがおわかりいただけると思います。
 なお、今回の試算は、税収が好調な平成26年度をベースとしていることや、8%から10%への消費税率引上げに伴う影響を加味していないこと、県庁舎耐震改修工事などを試算に反映していないことなどの収支変動要因にも留意が必要なところであります。
 次に13頁をご覧下さい。
 平成26年度当初予算のポイントを1枚にまとめております。常々申し上げておりますが、本県の明るい未来に向けて、幅広い波及効果と将来に向けた好循環を生み出すために最初に動かすべきポイントが教育再生や産業振興であり、この2つが原動力となって、様々な県民生活の充実が可能となり、今度はそれが循環してまた教育や産業に良い影響を及ぼしていく、という好循環をもらたすと考えており、この図はいわば私の考える県政経営のイメージのようなものであります。
 このような基本的考えのもと、平成26年度予算では、岡山の未来を担う子どもたちの「教育の再生」と、豊かな県民生活を支える雇用や税収の基盤となる「産業の振興」に重点的に予算を配分したほか、県民生活の充実という点についても、好循環の実現という視点に留意しながら、健康づくり、子育て支援、高齢者福祉、障害者福祉などの社会保障関係施策の充実や、持続可能な社会を構築するための再生可能エネルギー利用等の推進策、既存の社会インフラを将来にわたって有効に活用するための長寿命化・老朽化対策へのシフトなどについてしっかりと予算付けしたところであります。
 14頁をご覧下さい。
 「教育県岡山の復活」についてでありますが、学力向上や問題行動などの解消に向け、これまで行ってきた分析の結果を踏まえ、一層効果的な対策を進めることとしており、重点的な予算配分をしております。
 左側をご覧下さい。
 学力の基礎基本の定着が不十分である、学校間で学力向上に取り組む姿勢にも温度差がある、教員数が限られているなか授業エスケープや不登校等への対応の強化が必要、といった課題があります。
 右側をご覧いただきますと、これらの課題に対応するための主な新規重点事業として、対象学年を拡大し、小4から中3までの学力定着状況を把握するための「学力定着状況たしかめテスト」、学力向上等に顕著な成果が見られる学校の取組を奨励する「頑張る学校応援事業」、不登校の課題を抱える小学校への登校支援員の配置、などを当初予算に盛り込んだところであります。
 次に左下をご覧下さい。いじめ認知件数の大幅な増加や、非行率・暴力行為発生率が深刻な状況であるなど、児童生徒が落ち着いて学習できる環境の整備といった課題もあります。
 これについては、関係機関等による連絡協議会などを設置する「いじめ防止対策等総合推進事業」、全国初となる非行防止目的での県独自の警察官増員を含む専従態勢による「学校警察連絡室」の発足、落ち着いた学習環境を整備するための教員定数の10人増員、などを当初予算に盛り込んだところであります。 
 15頁をご覧下さい。
 「地域を支える産業の振興」についてでありますが、日本経済回復の動きを確実にキャッチし、雇用の拡大と所得の向上に結び付く、的確で実効ある産業振興策が必要であり、重点的な予算配分をしております。
 左側をご覧下さい。企業誘致・投資促進においては、県南内陸部の産業用地不足や、他県の有利な補助制度等により他の工業地帯との競争が激化している、といった課題があります。
 これについては、新たな産業団地の開発や市町村営団地開発の支援、既立地企業の拠点集約化等に係る企業誘致補助制度の創設や県南県営団地・県北市町村営団地への補助率上乗せ、水島港が近隣港との集荷競争に打ち勝つためのインセンティブ制度の創設、などを当初予算に盛り込んだところであります。
 また、企業支援においては、県内中小企業の販路拡大等の課題への対応として、海外企業等とのマッチング支援、チャレンジサポート補助金の創設や県制度融資等の充実を考えています。
 さらには、観光振興においては、本県の認知度不足や観光素材の商品力強化などの課題への対応として、観光客拡大推進基盤の整備や、東アジア、東南アジアへのトップセールスによるプロモーションなどを当初予算に盛り込み、観光関連予算につきましては、特に力を入れたいと考えており、約7億円と前年度と比較して倍増したところであります。
 そのほか、岡山の強みを生かした、儲かる産業としての農林水産業の育成という課題に対応するための事業を当初予算に盛り込んだところであります。
 また、16頁以降には、先ほど申し上げたように、県民生活の充実の観点から見た平成26年度予算の特色ということで、社会保障の充実、再生可能エネルギー利用等の推進、長寿命化・老朽化対策へのシフト、の3つの新たな取組をご紹介しております。
 なお、20頁以降に「晴れの国おかやま生き活きプラン」の戦略プログラムごとに詳細な内容を掲載しておりますので、いくつかご紹介いたします。
 36頁の「健康寿命延伸セカンドショット事業」をご覧ください。私は全ての県民が健康寿命の延伸に取り組むことが大事であると考えており、積極的に推進したいと考えております。
 また、重度の障害のある方々が、地域で引き続き安心して暮らしていくため、新たに、「重症心身障害児者と家族の安心生活サポート事業」を盛り込んでおります。
 次に、41頁には、カーナビゲーションシステムに蓄積されたビッグデータを活用した新たな渋滞・交通安全対策を、42頁には、中山間地域等の活性化に向けた新たな事業を、43頁には、熱効率の良い太陽熱温水器等の普及事業を、45頁には、首都圏アンテナショップ事業や、今年に引き続き、晴れの国おかやまの全国発信事業などを盛り込んでおります。
 次に46頁をおめくりください。経済・雇用対策であります。
 このたび、国の補正予算に呼応し、本県においても切れ目のない施策を講じるため、必要な対策を平成25年度2月補正予算として当初予算と一体的に取りまとめたところであります。
 まず、国の補正予算に対応するものとして、公共事業等を約64億円、緊急雇用創出事業臨時特例基金などへの積立約31億円などを計上しております。
 また、県独自に実施するものとして、県立学校耐震化事業38億円や地域活性化・安全安心事業約19億円などを計上しており、総額で165億円の補正予算を編成したところであります。 
 47頁をご覧いただき、平成26年度当初予算においても、776億円の経済・雇用対策を実施することとしております。
 この補正予算と当初予算とを合わせた本県としての経済・雇用対策等は総額で900億円を超える規模となり、地域経済の活性化や雇用対策などに切れ目なく取り組んでまいります。
 平成26年度当初予算案及び平成25年度補正予算案の概要は以上でありますが、私が知事に就任して以来、様々な立場の皆様や団体から、様々なご意見を伺ってまいりました。
 全てのご要望にお応えすることは残念ながら出来ませんが、私としては、現段階でできる限り予算に反映し、本県の明るい未来に向けて好循環を生み出すために、最大限努力したところであります。
 来年度は、「晴れの国おかやま生き活きプラン」の開始年度であることから、事業の効果が最大限発揮できるよう、「生き活き岡山」の実現にむけて、職員と一丸となって取り組んでまいりたいと存じます。

おかやま次世代自動車技術研究開発プロジェクトについて

 次に「おかやま次世代自動車技術研究開発プロジェクト」について、ご説明させていただきます。
 このたび、三菱自動車工業と平成26年度からインホイールモータをはじめとする次世代EV技術に関する共同研究を行うことで合意いたしました。
 三菱自動車工業には、これまでもプロジェクトのアドバイザーとして技術面をはじめ様々なご支援をいただいておりましたが、新たなプロジェクトでは共同研究のパートナーとして参画いただく予定です。
 本県水島に生産拠点を有する自動車メーカーとの共同研究は、岡山発の新技術の事業化を目指す県内企業の技術力の向上、競争力の強化につながり、大きな意義があるものであり、この取組を通じ、県内自動車産業の発展につなげてまいりたいと考えております。

インターチェンジ周辺の市街化調整区域における特定流通業務施設の開発許可基準の見直し骨子(案)等について

 最後に、現在、本県では、優れた交通拠点性を生かした産業振興等の観点から、各種規制の再検証を行っているところですが、今回、次の2点の見直し(案)についてご説明させていただきます。
 お手元の配付資料の1ページをご覧ください。
 まず1点目といたしまして、インターチェンジ周辺の市街化調整区域における特定流通業務施設の開発許可基準の見直し骨子(案)についてであります。
 法に基づく認定を受けた流通業務施設については、市町村の都市計画との整合を図りながら、立地可能な範囲を、現在の半径1kmから、交通安全上支障のない道路の沿道については、物流総合効率化法上の最大の範囲であります、半径5kmまで認める方向で検討しております。
 今後は、関係市町との協議等を進め、岡山県開発審査会での審議を経まして、本年4月を目途に運用を開始してまいりたいと考えております。
 また、2点目といたしまして、配付資料の2ページをご覧ください。
 市町村が都市計画に定めることにより、市街化調整区域内での開発行為が可能になる「地区計画」につきましても、集約型都市構造への転換を進めるというまちづくりの基本的な方針のもと、本県における市町村の特性や地域の実情に応じた運用が図られるよう、県が策定している協議・同意指針の面積要件等についても見直しを行い、関係市町の意見も聞いた上で、本年4月を目途に運用を開始してまいりたいと考えております。
 これらによりまして、本県産業の発展を担う優良企業のさらなる誘致を積極的に進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

質疑応答

記者)
 予算について、去年との違いを踏まえて、知事の思いが今回どこまで入れられたのかお聞かせください。

知事)
 前回は、私の就任直後であったということ、実質的にはほぼ予算組みが終わっていたということ、あと大変厳しい予算、マイナス72億円のスタートということで、私自身が査定をしてつけた部分が非常に少なかったということでございましたが、今回は、1年の間に私が思う考え方というもの、教育、産業というものが、岡山県に好循環をもたらすため、岡山県に幅広い波及効果をもたらすために非常に大事なものである、それとしても大事なのですけれども、そこからさらにいろいろな福祉ですとか環境ですとか、そういったところにもいい影響があるということを皆さんに十分お伝えした上で、また「晴れの国おかやま生き活きプラン」に、その思いが盛り込まれた新しいプランに沿ってつくられた予算ということでございますので、私の思いがかなり入り込んだ予算だと自分でも思っております。
 また、今回は景気の回復などもありまして、前回と比べると予算に多少の余裕が出てきたということで、私が是非つけたいと思ったところについても制約はありながらもつけることができたと思っております。先ほどご説明した内容が一番力を入れている部分でありますけれども、教育と産業の振興を中心としてしっかりつけることができたと思っています。
 また、財政再建のための第一歩を踏み出すことができたという点でも、私とすればうれしく思っております。具体的には、退職手当債の発行を一部抑制することができたということでございます。

記者)
 最後のあたりの関連で、収支不足が前年に比べて大幅に改善したということで、上振れ要因はあったにせよ、かなり県財政は好転したような印象も受けるのですけれども、一方で給与カットを緩和しながらも継続しましたよね。その辺、総体的な受け止めはどう思っていらっしゃいますか。

知事)
 民間企業もそうなのですけれども、景気がいいときには大体業績が上に振れますし、その逆であれば下振れする。役所においてもその傾向は同じで、場合によってはより強いかもしれない。つまり、義務的経費が非常に大きい分だけ、そのほかの裁量的予算に与える影響は非常に大きいと考えております。
 今年に限って言えば、収支不足を出すことなく予算が組めた。大変ありがたいことでありますけれども、それにしても退職手当債100億円を発行したからこそ、こういうことになった。もし発行していなければ、やはり収支不足になっていた。
 あと、これから10年間の見通しを見てみましても、社会保障関係費が毎年ほぼ30億円ずつ増加していくことが見込まれておりまして、構造的には大変厳しい。この好景気がこれから10年続くということはほぼあり得ないわけでありまして、ですから中期的な構造的な本県の財政は依然として厳しいという前提に立っておりますので、私の給与減額についてもゼロにはできない。ただ、また将来厳しいときに引き締めるためにも、今、少し緩めたところでございます。
 
記者)
 中期的には厳しいという見通しをお持ちということで、であるとすれば、昨年もおっしゃったかと思うのですが、予算の編成ではちょっと余裕もあり、思いも盛り込めたんだとおっしゃいましたが、執行段階では、極端な話、来年にはもうこの状況にはないかもしれないということで、どんな思いで執行して欲しいというのはございますか。

知事)
 これは、景気がいいから、予算の組み方がどうだからということに全く関わりなく、大切に使ってほしいと思っています。私も1年間知事をやりまして、公金を扱う、皆様方の税金を扱う重みというものをひしひしと感じております。自分のお金じゃないのだと、皆さんが払わなくて済むのだったら払わないほうがうれしいと思っている税金を集めて、みんなのために使っているわけですから、これを100円でも1,000円でもより有効に使っていくというのは本当に大切なことだと思っています。

記者)
 三点お伺いします。まず1点目、この予算にネーミングを付けるとしたらどうつけますか。

知事)
 私は、実は予算に名前をつけることについて余り意義を感じておりませんで、名前をつけると翌年はまた違う名前をつけなければいけないということなので、実はつけておりません。もしあえてつけるとすると、好循環発進予算とかということになるのかもしれませんけれども。好循環本格始動予算とか、何か好循環というものが入っていれば別にどうだっていいのですけれども、来年はそういうあえてつけるとすればという名前も多分出てこないと思います。

記者)
 2点目ですが、知事査定で特に教育なんですが、「頑張る学校応援事業」と県警の警察官を学校警察連絡室に配置する、連絡室を発足させるという、これは全国初とうたっているのですが、知事査定でこれを盛り込まれた知事の思いというか、ねらいはどこにあるのでしょうか。

知事)
 とにかく、教育の問題というのは非常に大きな問題であります。30年後の地域を支える人たちを育てているという意味でも、それだけでも大変大事ですし、今、教育の問題は三竦みというか、問題が起きている、その問題に学校の先生が忙殺されているので普通の生徒に対する時間がとれていない。それで、学力が低下をする。それで、授業がわからなくなった子供がさらに問題を起こす可能性が高まる、というような悪循環が何年も続いて今の現状になっているとするならば、それを断ち切って、今度は好循環にしなければいけないというときに、まず学校の現場に思い切った手を打たなければいけない。このように考えておりまして、ちゃんとした授業が行われるように、ちゃんとした授業が行われている学校、教室は多いのですけれども、これが本当に当たり前になるようにするということが、いろいろな意味で、教育に関して学力の問題、学力以外の問題が山積していますけれども、その両方に対して有効だと私は確信をしています。そのための2つの施策であります。

記者)
 最後に、事業の「選択と集中」とよく言うと思うのですけど、メリハリですね。今回も選択、メリハリの「メリ」の方ですがここの事業を見直しで減らしたとかカットしたとか、スクラップアンドビルドのスクラップの方です。事業再点検の県の対応方針というのがありますが、それ以外で知事の思いとしてここを減らしたとかいうもので予算に反映されている部分はありますでしょうか。

知事)
 私がある部分をねらい撃ちして減らしたということはありません。今回の予算編成に当たりまして、この教育と産業振興については前年度100%のシーリングで、それ以外については前年98%のシーリングということで、岡山県では何十年かぶりだそうですけれども、部局によってシーリングの高さを変えるということをお願いしました。
 そこで、それぞれの部局の中で、優先順位をつけて切るものは切っていく、縮めるものは縮めるということをそれぞれの部局長の責任において行われているものであります。

記者)
 先ほども質問がありましたが「頑張る学校応援事業」について、これは教育委員会からの部局要求の段階ではなかったのですけれども、これは知事の発案なのでしょうか。

知事)
 これは、そういう話は聞いておりまして、ただなかなか当たり前のように要求するようなものではなかったものですので、もしこれについて踏み込むつもりがあれば、こういうことも可能なのですというウィッシュリストのようなものの中から私が拾い上げて、どれぐらいこれでいいことが起きそうなのか、メリット・デメリットはどうなのかということを教えてもらいながら、最終的に私がつけることにいたしました。全くの私の発案ではありません。

記者)
 先ほど言われたデメリットの方ですが、一見すると頑張っているところだけを伸ばす、いわゆる学力の格差を広げてしまうことになりはしないでしょうか。

知事)
 おっしゃられるとおり、格差が広がるだけなのではないかというご心配ももっともだと思います。これは、どこを選ぶかということで随分違ってくると思います。まだ、その基準について決めているわけではありません。私とすれば、例えば学力のいい順に30校選んで、そこをどうのこうのということは今の時点では考えておりませんで、何か大変だったのがこういうやり方で今伸びつつある、ここは一押ししてあげたいなというような、そういうところに出したいと、私のイメージでは考えております。当然、これから具体的な基準をつくって、それに沿って運用することになります。

記者)
 関連でもう一つ。ある意味、競争を煽る手法だと思うのですが、学校間のですね。あと、小・中学校は基本的には市町村教委の範疇だと思うのですが、そのあたり市町村教委との合意はできているのでしょうか。

知事)
 これは、多分考え方の違いだと思うのですけれども、一般的に言う競争を煽るような施策だとは私自身は思っておりません。今、ちょっとそういうふうに見えることもあるのかということでびっくりした次第でありますけれども。ただ、工夫をして学校をよくしていくという競争を煽るということは、可能性もありますし、あってもいいのかなと思っております。
 私が思っているイメージとすれば、とにかくいろいろ全ての学校が、人が足りないとか、予算が足りないとか、いろいろ課題を抱える中で頑張られているわけですけれども、その中でこの取組は是非、満額ではないかもしれないけれども認めてあげて応援してあげようと。そういうところに不十分ながらでも、気持ちとして応援をするということでありますので、是非いい形にしていきたいと思います。もし不都合があれば、修正をしていきたいと思っております。

記者)
 産業のことについてお伺いします。今回、企業誘致に関する予算、事業が盛り込まれていますが、その意図についてお願いします。

知事)
 とにかく、岡山は立地に恵まれているところですから、これを生かさなければいけないと思っています。岡山の税収を増やし、岡山の所得を増やすことでいろいろな分野に目配りができる。岡山県民がみんなでしっかり働かなければいけないわけで、そのためにも職場をつくらなければいけない。
 誘致ということに関して言えば、景気が盛り上がっているときが一番のチャンスです。実際、景気の悪いときというのは、今ある拠点をいかに守っていくかということで、動かすということにはなかなかならないわけですけれども、今こういうふうに先が明るいのではないかというときにタイミングよく手を打つことで、いろんなものが動きやすいときにいかにタイミングよく動くかということで、今年度に積極的な誘致のための予算が組めたというのは本当にタイミングがよかったと、ありがたく思っております。

記者)
 もう一点、もともと知事が思い入れのある分野だと思うのですが、改めてそれに対する意気込みをお聞かせ願えますか。

知事)
 誘致に関しては、プロセスの最初からいえば、5年、10年のプロセスになります。例えば工業団地の造成ということでいいますと、今回の好景気に間に合わない可能性も十分あるわけです。ただ、今、多くの企業が求める県南内陸部の土地は全く売り切れている状態ですので、極端な話、次の好景気に向けて仕込んでおかなければ次のチャンスをも失ってしまうということになります。
 ですから、5年後、10年後を見据えた施策もあれば、この好景気を利用して誘致をしていくための施策もあります。例えば補助率の上乗せですとか、そういったものは、今の好景気、今年度、来年度を見据えたものになります。

記者)
 教育と産業に加えて、もう一つ生き活きプランの三つ目という形で「県民生活の向上」というのがあると思いますが、その中の知事査定分の事業として中山間地域の活性化というのがあります。改めて中山間地域の現状と課題というのがどういったところにあるのかお願いします。

知事)
 県土の4分の3、人口の3割を占める中山間地域ですけれども、人口減少が進んでいる、また高齢化が進んでいるということであります。私は、是非、予算ということで今回6億円を付けたわけであります。これは、これまでと同程度ということなのですけれども、予算が同程度であっても、是非工夫をして2割増し、3割増しの効果を出していきたいと思っています。
 老人福祉であったら老人福祉、過疎対策だったら過疎対策、それぞれ個別にやるのではなくて、一緒にやることでより効率がよかったり、一緒にすることで1足す1が2ではなくて3になるようなこともあるのではないかと私自身は思っています。
 例えば子供の世話というのが今問題になっていて、どうやって保育所の待機児童を減らすかみたいな話になっていますけど、一方で、年配の方の生きがいということが問題になっているわけですけれども、もし年配の方が空いた時間にお子さんの世話を、自分のお孫さんでなくてもするような仕組みができれば、これは一石二鳥、このお子さんの世話ということと年配の方の生きがいということが両方組み合わせて、ある種解消してしまうようなことも考えられるわけでありまして、是非この縦割りにとらわれないいろんなことを是非考えてもらいたいと思っています。

記者)
 産業振興に関して、今回、新しい施策もあって、これはこれでいいと思うのですが、自治体間の競争が激しくなる中でまだまだ不十分ではないかという見方もできると思います。今後、税制面の優遇であるとか、あるいは企業誘致であれば近隣県でやっているようなオーダーメイド方式であったりとか、より企業側のニーズの高い抜本的な対策に取り組んでいかれるお考えが今後あるのかどうかお伺いします。

知事)
 私は、是非、企業の皆さんから見たありがたい制度にしていきたいと思っています。今回、随分誘致のためのいろいろな条件を改善したわけですけれども、今日ここでご説明するべきかどうかは別として、私自身、エスカレートをしていくことは余り望ましいことでもないかなと思っています。ある程度は望ましいわけですけども、つまり、今近隣の県ですごい頑張られている、そういった県の一部というか、多くは岡山県ほど条件が良くないわけです。交通アクセスの面でも水の面でも。そこの県を追い込んでいくようなことを私がしたいわけではありません。是非、我々のいい条件を生かして、きちんと誘致ができるように、全く競争の土俵に乗らないということは絶対に避けたいわけですけれども、我々自身の条件に合った、企業のほうから見ても十分なものにしていきたいと思っています。

記者)
 企業誘致の関連で、このたびインターチェンジと地区計画の要件を見直しされていますけれども、これでどの程度効果が出てくるとお考えですか。

知事)
 まず最初に申し上げなければいけませんのが、審査会の審議があって初めてなされますので、まだ最終決定ではないということでありますけれども、もし審査会のほうでもご了解をいただけましたら、これはかなりのインパクトのあることだと思っています。私自身、選挙中から、もしくは以前の民間企業の経営者のときから、このインターチェンジの周辺の土地というのは本当に価値の高い土地でありまして、これが使われずに放置されている。物流機能として使うことが認められていないというのは、本当に日本にとって、岡山県にとって損失だと、強く憤っておりましたので、これがちゃんと使えるようになりましたら、土地における適材適所ということができまして、岡山県の立地面の優位さをこれまでよりも格段に活用することができると、大きく期待をいたしております。
 
記者)
 地区計画についてはいかがですか。

知事)
 これも、市町村の話ですので、是非しっかり立てていただきたいですし、県としてもしっかり応援をしていきたいと思っています。

記者)
 件数でどれ位というのは難しいと思いますけれども、生き活きプランでは年間30件という企業誘致目標があります。これにはこの見直しが大きく貢献するというふうにお考えでしょうか。

知事)
 この見直しは2つありまして、1つ目は物流機能のほうで、2つ目は物流機能と工場のほうですから、2つ目のほうは工場も関係はしてきていますけれども、誘致で30件のものにも影響はあると思いますし、それとまた違う意味でも大変いい影響があると思っています。

記者)
 違う意味というのは。

知事)
 物流機能がどんどん拡充をされますと、誘致という点では1件の誘致かもしれませんけれども、岡山の拠点性が非常に高まるという点で非常にありがたい。でも、簡単に言えばその誘致にいい影響があると。

記者)
 ご自身を含めた特別職の給与カットについてですが、緩和された、なぜ20%なのかという理由、思いをお願いします。

知事)
 今よりは低いけれども、現状を見ればゼロにはならないなと、その程度のものでございます。どうして21でなくて20かということでいえば、大ざっぱな話なのですけれども。今回、私も含めて職員が給与を復元しますので、私自身も復元するある種のチャンスではあったのですけれども、この10年間の見通しですとか、この1年間見てきたものを見ると、私自身戻す気にはなれなかったと、そういうことです。

記者)
 続けて、議員の給与カットはこれにならってほしいというようなお考えはございますか。

知事)
 これは議会のことですから、議会の皆様にお任せをしたいと思っています。

記者)
 新規事業の中で、知事がこれまでも大胆な発想でとか、これまでになかったようなアイデアでと再三おっしゃっていましたが、知事ご自身がアイデアを出して、思い入れの強いものというのはございますでしょうか。

知事)
 私が1年間言ってきたこと、ただそれで意義があるだけではなくて波及効果を生み出す、好循環を生み出すアイデアを持ってきてくれ、もしくはこれはできないのか、あれはできないのかということもこれまでも100以上言ってきた中でアイデアをいただいたり、もしくはそういうことならということでアイデアを教えてもらったりという中から、今回ピックアップをしていますので、もともと私のアイデアなのかどうなのかというところもありますけれども。
 例えば私がここで今日ご紹介したのは全部私の強い思いがあるものばかりです。例えば16ページの小児救急医療電話相談の受付時間の延長ということに関しましては、前年も非常に厳しい中で、この電話回線が1回線だったものを是非これは2回線にするべきだと。お子さんのことで、この熱というのは本当に救急車で運ぶべきなのか大丈夫なのかといって心配して電話をされたときに、話し中の状態が5分も10分もつながるときの胸が潰れるようなことを是非想像してみてもらいたいということです。それでやっぱり心配だからといって救急車をみんな呼び出したら、新米のお母さんからすると、それはもう何でも心配なわけですから、実際救急車が回らなくなるということで、去年2回線にしたと。
 今回は、夜間もさせていただくことになって、夜はまた本当に心配なわけですから、朝まで待つ、遠慮がちな謙虚なお母さんがものすごい後悔をする。朝になったら症状がぐっと重くなっていたというのも絶対に避けたいですし、それが嫌だからといって、またコンビニ受診のようなことにもしたくない。これは救急車のこと、救急医療体制のことにも好循環、いい波及効果をもたらす非常に筋のいい施策だと思っています。

記者)
 もう一点、警察の学校警察連絡室なのですが、教員の増も今回予算を付けられていると思うのですが、学校の現場で警察と連携するという形ではありますけれども、教員の数をそれだけ増やすのではなくて、警察の協力を得るという形で今回されていると思うのですが、やはり教育以前の問題ということでこのように工夫されているのか、この意図を改めてお願いします。

知事)
 私の学生時代もしくはその前の時代と今とで非常に違うなと思ったのは、先生と生徒の関係であります。もしくは親御さんと学校との関係であります。私の知っている世界では、やんちゃをする子供がいて、何かいたずら、悪いこと、叱られるようなことをしたとしても、先生に叱られると反省をしていましたし、よほど悪いことをして親御さんが呼び出されたときでも、親御さんは謝っていた。私はよく言うのですけれども、ドラえもんの中のジャイアンは確かに乱暴者だけど、ジャイアンもジャイアンのお母さんが来ると、お母さんがジャイアンを怒っていたと。それが今、残念ながら、とんでもない行動をする子供たちに対して先生が叱ることができていない事例が随分増えてきている。親御さんにその連絡をしても、親御さんのほうが開き直られている。もしくは逆にクレームになるということで、私は、熱心な真面目な先生だとしてもなかなかこれはきちんとした学校運営、教室運営ができないと思っています。
 まず、規律を取り戻さなければいけないと思っておりますので、この異例の措置をとらせていただきました。
 あと、私がいろんな学校を視察して先生方の生の声を伺う、もしくは校長先生に来ていただいていろんな実情を教えていただく、そういったことの中でよく聞きましたのが、とにかく学校の先生を増やしてほしいと。それは私が予想していた話なのですけれども。そのときには、国語とか算数のできる先生もいいのだけど、是非体育の先生みたいな生徒に対してびしっと言える先生が欲しい。そういう先生が今足りないんだということを言われる先生が非常に多かったことが印象的であります。
 是非、威厳のある先生が、きちんと学校、学級に規律を取り戻してくれることに対する期待が非常に大きいと私は感じております。

記者)
 生き活きプランの計画期間が3年間ということで、はっきり言って時間がないと思うのですが、その一方で今回の予算にどう考えても数年がかりの事業も入っていますが・・・。

知事)
 数年というのは計画期間の3年を超えるという意味ですか。

記者)
 はい。今回の予算の中で短期的に成果の出るものと長期間かかるものを入れているというのは、その整理等、どの程度の割合で配慮したのかというのをお願いします。

知事)
 この生き活きプランは、私の任期の関係もありまして、もしくは改訂前の夢づくりプランのもともとの期間という両方のことで3年間というわけでありますけれども、岡山県はこれからもずっと続くわけでありまして、ここの施策が全部3年で効果が出尽くすとか、終わってしまうように設定するのはむしろ無責任だと思っております。結構な部分が効果が出てくるのは3年を過ぎた後になるものも多々入っておりますが、私とすれば全くそれに構わず、今やらなければいけないことについてはきちんと手を打っているつもりであります。

記者)
 一方で、短期的に成果を期待している事業もいくらかあると思います。そのあたり、こういうものを入れたんだというものがあればお願いします。

知事)
 私は、短期、長期と特にあまり区別せずに入れておりまして、長期で施策が出るものも短期ではその兆しは必ず出るであろうと思っております。例えば15ページの企業誘致補助制度の拡充ということに関しましては、いろいろ率を上乗せして有利にしますので、今年度ですとか来年度には確かに誘致企業の数が増えてきたなというのが目に見えてこなければ、これを5年たって初めて成果が見えるようではかなり遅いと思いますし。例えば学校警察連絡室を発足させて、それがきちんと機能を始めれば、私は半年たったあたりでは随分規律が出てきたなというのが学校の現場で見えてくることを期待いたしております。

記者)
 そういう意味で言えば、プランのスタートに当たってスタートダッシュをしようという思いはかなりあるということでしょうか。

知事)
 はい、あります。

司会)
 それでは、以上をもちまして定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。

知事)
 ありがとうございました。


2012年の記者会見