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2015年2月13日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0415637 2015年2月16日更新公聴広報課
会見写真

高病原性鳥インフルエンザへの対応について

 みなさんおはようございます。私からは2項目、お話しをさせていただきます。
 まず、高病原性鳥インフルエンザへの対応についてでございます。1月15日に笠岡市で発生しました高病原性鳥インフルエンザにつきましては、発生農場における防疫措置を1月23日に完了し、現在まで周辺農場において、新たな異状は確認されておりません。このまま異状がなければ、14日午前0時に移動制限区域を解除し、全ての防疫措置を完了します。これまでご尽力をいただいた関係者の皆様に改めて感謝を申し上げます。
 さて、今後についてですが、まずは、発生農場や周辺農場の経営再開、経営安定に向けた支援を早急に進めてまいりたいと存じます。また、今回の防疫措置状況を検証し、対応マニュアルなどの見直しを行い、より的確な防疫体制を構築しなければならないと考えております。依然として、発生リスクは高いことから、引き続き、気を緩めることなく、発生防止対策を徹底するなど万全の体制を整えてまいりたいと存じます。

平成27年度当初予算について

 次に、平成27年度当初予算についてでございます。平成27年度の最終的な当初予算案をとりまとめましたので、その概要を申し上げます。
 まず、要求段階からの変動についてご説明いたします。お手元資料1「平成27年度当初予算要求額からの増減」の「一般会計の計」の欄をご覧下さい。平成27年度当初予算額は、約7,056億円となり、要求段階から、42億円余りの減となっております。なお、要因については、資料に記載のとおりであります。
 2枚目には、私が追加させていただいた事業についてお示ししております。
(1)番の、放課後児童クラブでの学習をサポートする宿題サポーターの配置、(2)番の、新たな不登校を生まないための登校支援員の倍増、(4)番の、補助要件の緩和による製造業の本県における拠点化の一層の促進、(7)番の、男性従業員が育休を取得した場合の育児奨励金の大幅拡充、(8)番の、110番通報支援カメラの整備台数を50台から100台へ倍増、(9)番の、地域おこし協力隊を活用する市町村を支援するための使い勝手の良い交付金の創設など、教育、産業、少子化対策といった分野への追加、拡充を実施しております。
 続きまして、お手元資料2「当初予算のあらまし」をご覧下さい。まず、1ページですが、先ほど申し上げたとおり、平成27年度当初予算の規模は、一般会計で対前年度比6.9%、約453億円の増となっております。
 次に、6ページをご覧下さい。先日の段階では38億円のマイナスとなっておりましたが、政府予算案の内容を踏まえ、要求額の組替作業などを行った結果、最終的に25億円のマイナスとなったところであり、これにつきましては、財政調整基金により対応したいと考えております。
 続きまして、7ページには今後の収支見通しとして、向こう5年間の試算をお示ししております。今回の収支見通しでは、前回に比べ、全体的に20~40億円程度、収支不足が拡大しております。これは、給与改定に伴う人件費の増や、交付税総額の減などの影響が後年度も続くためであります。平成28年度以降も毎年度数十億円規模の収支不足が見込まれており、県財政は依然として厳しい状況にあることから、今後も財政規律を守った持続可能な財政運営に努めてまいりたいと存じます。
 次に11ページをご覧下さい。昨年度もお示ししておりますが、私が考える県政運営のイメージについて、1枚にまとめております。常々申し上げておりますが、本県の明るい未来に向けて、幅広い波及効果と将来に向けた好循環を生み出すエンジンとなるものが教育再生や産業振興であり、この2つが原動力となって、様々な県民生活の充実が可能となり、今度はそれが循環して、また教育や産業に良い影響を及ぼしていく、という好循環をもたらしていきたいと考えております。この基本的な考えのもと、平成27年度予算では、引き続き、教育と産業に重点的に予算を配分したほか、県民生活の充実という点についても、好循環の実現という視点に留意しながら、健康づくり、医療・介護、子育て支援などの社会保障関係施策の充実や、人口減少問題を克服するための地方創生に関する事業などについて、しっかりと予算付けしたところであります。
 12ページをご覧下さい。「教育県岡山の復活」についてであります。これまでも、「学力定着状況たしかめテスト」や「頑張る学校応援事業」、「スクールソーシャルワーカー」の配置や「学校警察連絡室」の設置など、教育の再生に向けて様々な対策を進めてきたところであり、例えば、課題のある学校に警察官が巡回することで、学校の荒れが収まり、落ち着いて学習できる環境が戻ってきたというような成果が出ているとお聞きしております。来年度においても、こうした事業について、必要な改善を加えつつ、引き続き実施してまいります。その上で、平成27年度では、新たに、「学校外での学習時間が少ない」という課題に取り組むため、夜間のスマートフォン使用制限などの家庭学習時間の確保のための取組や放課後児童クラブにおける学習支援などを実施いたします。また、教員が、授業以外の業務に忙殺され、生徒と向き合う時間が確保できていないという課題などに対応するため、教師業務アシスタントの配置、登校支援員の倍増、教員定数の35人増員などを実施いたします。
 13ページをご覧下さい。「地域を支える産業の振興」についてでありますが、平成26年度から行ってきた新たな産業団地の開発や儲かる産業としての農林水産業の育成などの取組について、引き続き実施した上で、新たな課題について重点的に取り組み、積極的に産業の振興を図ってまいります。その上で、平成27年度では、新たに、中小企業の販路拡大や創業環境の整備という課題に取り組むため、活力ある中小企業・小規模事業者の育成などを実施いたします。また、企業誘致をさらに促進するため、岡山の立地を生かした新たな企業誘致補助制度の創設などを盛り込んでおります。さらに、平成28年4月からのデスティネーションキャンペーンのプレイベントやインバウンドの促進など、観光関連事業に力の限り取り組んでまいります。この結果、観光関連予算は、平成25年度から、平成26年度は倍増の7億円、そして、来年度は、平成25年度から比べますと6倍増の22億円という額に達しております。そして、儲かる産業としての農林水産業を育成するため、「岡山ブランド飛躍発展に向けたトータルプロジェクト」などを実施してまいります。
 次に、14ページの社会保障の充実をご覧下さい。まず、平成27年度から施行の「子ども・子育て支援新制度」について、少人数の子どもを身近で保育する「地域型保育」の創設、幼稚園や保育所などの職員給与の改善、放課後児童クラブの受入対象の小3から小6への拡大など、子育て支援の量及び質の充実を行ってまいります。また、医療・介護の分野では、在宅医療の推進、医療従事者の勤務環境の改善、介護職員の処遇改善などに取り組むほか、介護保険における低所得者の軽減強化、難病支援の対象の拡大なども含め、社会保障を充実しております。
 続いて、16ページの「地方創生について」をご覧下さい。国の経済対策に計上された交付金を活用し、おかやま創生に向けて、先行的に実施する施策についてとりまとめたところであります。17ページの「先行して行う地方創生に関する施策のフレーム」をご覧下さい。骨子素案の中に掲げている「人口減少に歯止めをかけるための対策」や「人口減少社会に的確に対応するための対策」について、それぞれ「ひと」、「しごと」、「まち」に分類し、45ページ以降に各分野別の主なものを掲載しておりますので、後ほどご覧下さい。
 18ページ以降は「晴れの国おかやま生き活きプラン」の戦略プログラムごとに詳細な内容を掲載しておりますので、その中からいくつかご紹介をいたします。教育については、先ほど12ページでご紹介しましたが、来年度は、20ページに記載のとおり、5つの柱からなる重点パッケージとして実行し、教育再生の足取りを確かなものとしていきたいと考えております。
 36ページをおめくり下さい。結婚、妊娠、出産、子育ての希望をかなえる支援策をトータルで実施してまいります。
 41ページをおめくり下さい。集落の機能集約や、移転なども含めたあり方を検討するとともに、地域おこし協力隊による中山間地域の活性化や移住促進などに取り組み、人を呼び込む魅力ある郷土岡山づくりを推進いたします。
 52ページをおめくり下さい。この度、経済対策に係る2月補正予算案と当初予算案とを一体的にとりまとめたところであり、国の交付金を活用した、地域における消費喚起や地方創生に向けた先行的な対策を実施するための経費、補助公共事業や公共施設の老朽化対策のための事業など、総計約86億円を計上しております。
 平成27年度当初予算案などの概要は以上であります。来年度予算は、私の思いを盛り込んだ「晴れの国おかやま生き活きプラン」に基づき編成する2度目の予算であり、今までに蒔いてきた種をしっかりと育て、県民の皆さんに変化を実感してもらえるようにするための大変重要な予算であると考えております。このため、事業の効果が最大限発揮できるよう、「生き活き岡山」の実現にむけて、職員と一丸となって全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 今回の予算で教育と産業がアップしたということで、教育の方では知事査定でも人が配置されている事業が目立つと思うんですけども、その辺の思いを聞かせてください。

知事)
 とにかく教育は人が行うものであります。岡山県庁は学校の先生、1万6,000人から1万7,000人の給与を払っています。こういう状態ですから、例えば採用を1割とか2割増やすということには財政上ならないわけなんですけれども、とにかく現場の先生がもっと子どもたちに向き合えるようにするための支援は、できることは全てやるという姿勢で臨んでいます。
 登校支援員については、配置した学校で成果が出ているということですので思い切って倍増をいたしましたし、スクールソーシャルワーカーも非常に評判がいいものですから継続をする。事務を取ってあげる国の事業も活用いたしまして、また、私の査定でわずかでありますけれども増員をいたしました。大臣加配もお願いをしまして、35人定員を増員するということでとにかく学校現場に支援をします。あと、学校警察連絡室で荒れを静める、トータルで支援をするので、是非子どもたちの未来のために現場の先生方には全力で頑張っていただきたいというのが私の思いであります。

記者)
 新年度は県民に変化を実感してもらう年にしたいということですが、特に教育での成果というのはかなり求められていくということになると思われますので、その決意をお願いします。

知事)
 教育というのは本当に大事なことで、時間がかかることです。本当の意味での成果が出るのは、1年、2年ではなくて5年、10年、20年というスパンであろうと思うんですけれども、今やっている方向性が正しいんだっていうことを皆さんに実感していただくためにも、学校現場の状況をできるだけ早い段階で目に見える形で改善したいと考えています。それは、報告される暴力行為が減少されるですとか、長期欠席になる子どもたち、一番広い意味での不登校を減らしていくということであったり、それがひいては学力の向上に必ずつながってくると信じています。

記者)
 今年度話題になった頑張る学校応援事業で必要な改善はしていくということですけれども、新年度も続けるということで、そこら辺どういった改善をしていくべきだと今お考えでしょうか。

知事)
 これは、私自身が指示をするようなものではないと考えておりますけれども、まず今回選ばれた30校もしくは学区は、地域でも評判もしくはその内容を聞いて、こんなすごいことをやっていたのかというところが多く、大変良い学校を選ぶことができたと考えています。基本的に是非来年度も継続をしたいと考えています。
 ただ、いろいろ基準をつくって変更し普及していく過程の中で、いろいろな御意見を頂戴したことは事実でありまして、その中に確かにと思えるものについては是非取り入れていって、私はどんなにしっかり考えて成功したと思えるものについても常に後で振り返ってみれば改善の余地はあると信じている人間ですので、是非そこについては我々がベストのものを入れたんだから、変更なんていうことは考えていないというような頑なな態度をとるのではなくて、改善できるのであれば常にドアをオープンにしていく、そういった態度、考え方が大事だと思っています。県の教育委員会にしっかりそういう改善点があれば対応してもらいたいと思っております。

記者)
 今、教育のお話があったんですけども、それに産業ともう一つ人口減少対策というようなことについてお伺いしたいんですが、産業に関してなんですけれども、今年度ある程度の成果を得られたとは思うんですけども、さらに補助のほうを拡大させるというようなものが見られるんですけども、中でも本社機能の移転については地域の特殊事情があると思うんですが、これに期待する部分というのはどういったところでしょうか。

知事)
 岡山県は工場誘致に非常に向いた場所だと思っています。これからもしっかり取り組んでいくわけなんですけれども、岡山県は同時に有効求人倍率の高い県でもあります。全国的にも高いですし、中国地方でも大抵1番であることが近年多いわけなんですけども、そこでは雇用のミスマッチということが言われています。実際に、例えばブルーカラーの仕事は本当に倍率が高いっていうことなんだけれども、応募する人がいないと。ホワイトカラーの仕事、非常に高い教育を受けた人に向いた給料が高めの、仕事の安定感がより高い仕事については、これは実際に仕事が欲しい人に対して仕事が十分でないということ、全国大体そういう傾向だというふうに聞いておりまして、岡山に関してもそういうことになっています。
 私自身は、岡山は本社機能ですとか研究所を呼び込むにも適した場所だと思っておりますし、本社だとか研究所が首都にここまで集中をしている国というのは、世界中で大体200ぐらい国があるそうですけれども、その中で日本と韓国が突出をいたしておりまして、それが必ずしも国民全体の利益につながっていないというのが私の持論であります。是非分散・移転をしていただきまして、豊かな自然、すばらしい生活環境を満喫しながら高度な仕事をしていただきたいと、このように考えていまして、これに関しては岡山市さんも取組を進められておりますので、是非協力をしていきたいと。全てすり合わせができたわけではないですけれども、私自身考えております。

記者)
 やはり本社機能が移転ということになると、雇用の創出、税収の確保も含めてかなり効果が大きいと考えられるんですけども、この辺りに期待することは。

知事)
 私自身、アメリカに3年間住んで、ワシントンDcに住んだわけでもありませんし、ニューヨークはたまたま2カ月ちょっといたっていうぐらいで、ほとんどの時間を首都以外で過ごしたわけですけれども、それぞれのまちが非常に魅力的で、もう少し長めに住みたいなあと思うまちがたくさんありました。それが国の豊かさなんじゃないかと思っています。例えば札幌には札幌の良さがありますし、京都には京都の良さ、岡山には岡山の全く別の良さがあります。それぞれのまちの良さ、岡山県内でも岡山市だけではなくて新見なら新見の良さがありますし、美咲町であればあのすばらしい環境がありますし、それぞれの環境を気に入った人が住んでもらえる、そういったところでちゃんとその人にふさわしい仕事があるという状態を、是非目指していきたいと思っています。

記者)
 人口減少対策についてなんですけれども、国の地方創生戦略に基づいて岡山県でも先日骨子案がまとまりましたけれども、それに伴う事業だとは思うんですが、その中で人口減少対策に直接結びつくというか、一番効果の高い部分というのはどういう分野になるとお考えですか。

知事)
 実際のところ、人口減少は自然減の問題、社会減の問題があります。すぐっていうことで言えば、それは社会減対策が一番手っ取り早いわけですけれども、社会増減については、日本全国プラス・マイナスするとゼロになりますから、当然日本中で自然減対策をしなければいけないわけであります。それぞれにおいて何が効くか、実はよくわかっていません。岡山県で言えば自然増減にすごく影響しているのは晩婚化、非婚化であるということはほぼ間違いないわけなんですけれども、それについても何がいいのか我々わかっていません。わかっているようなふりはしてはいけないと思っています。ですからまず、幅広にいろんなことを試してみて、その中でいいものを厚くしていく。今回、登校支援員を倍増したのも同じような考えでありまして、1年前はそこまでの確信を持てずにとりあえずやってみようということでやってみたら非常に効果があったので、今回増やしていったと、そういうアプローチを取っていきたいと考えています。

記者)
 今回は知事査定の中で、地域おこし協力隊の活用であったりだとか、あと集落のあり方の研究であったりしていますが。

知事)
 おっしゃるとおり、実はわかっていないと言いながらも、地域おこし協力隊については現在県内でも数十人活躍してくださっているんですけれども、一人ひとりの活躍がすごいということを、いろんな地域から報告を受けております。私自身、数名とお会いして大活躍ぶりに感銘を受けているわけなんですけれども、是非その協力隊の皆さんの数と支援の質を高めたいと思っております。

記者)
 やはり中山間地域の活性化っていうのが鍵になるということでしょうか。

知事)
 まちの活性化、これも大事です。ただ、まちの場合、民間企業の自然なダイナミズムで動く部分もありますし、例えば工場誘致をするとその第一次波及効果は大抵まちに行きます。中山間地域を活性化するということについては、これまでいろんな施策をとってきたわけですけれども、この30年とか50年で言えばうまくいっていないわけでありまして、是非これまでになかった発想も含めていろんなことを試していきたいと思っております。そういう点では気合いを入れてやっていきます。

記者)
 予算全体の話になるんですけれども、今回先ほど本格的にやり始めて今年で2回目ということなんですが、改めて全体の期待というか、新年度当初予算への期待だったりだとか、決意を教えてください。

知事)
 とにかく好循環を生み出していくんだっていう私の意思の入った2度目の予算ということになります。以前、県財政が本当に厳しかったときには、苦しいやりくりで、したいことがなかなかできなかったという話も聞いておりますけれども、今回国のほうで地方一般財源総額を増額をしていただいたという影響がありまして、それぞれ十分な額が出せるわけではないんですけれども、これは試してみたい、ここは何とかちょっとでもつけてみたいっていうところに要求段階からつけることができた。ほんのわずかですけれども、知事査定でまたさらに増額することができた。大変強い思い、気合いが込められた予算を組むことができたと思っています。あとは全力でそれぞれの1万円1万円を大事に使って、効果に結びつけていきたいと思っております。

記者)
 知事には3度目の予算査定であるわけですけれども、今回初めて特色を出されたと思うんですけれども、今回の予算にあえて名前をつけるとするとどういう予算になるのか教えてください。

知事)
 全く考えずにまいりました。1回目はそういうことを聞かれるんじゃないかっていうことで、何かいろいろ考えたんですけれども、私自身は一回一回で名前をつける発想がないんです。とにかくこの数年間は名前をつけるとすると好循環推進予算。去年もそうだった、今年もそうだったっていうことだと思います。全力で好循環の元になるところを回していくっていう、その一心であります。

記者)
 知事査定が本年度16億円ほどあったと思うんですけども、来年度1億5千万円と激減をしていますが、この辺についてのお考えというのは何かおありなんですか。

知事)
 知事査定の16億円の中でも、知事査定に入れなくても多分よかったものも入っていたのかなという思いもあります。私自身は、一番最初のころであれば、まだ私の思いが十分それぞれの部局に伝わってない、もしくは議論が十分でなくって、いやいや実はこうなんだよっていうことを改めてお伝えする意味でも知事査定というのは大きいなというふうに思っています。当然、知事査定の額は少ないよりは大きいほうが嬉しいわけなんですけれども、今回、要求段階のところで、これ大事なんで、これうまくいってるよねっていうところについては随分要求が上がってきて、財政課のほうで認めておりますので、私とすれば、このたった2億円弱のところしか私の意図が入っていないというわけではなくて、かなりの部分、要求段階のところで評判の良かったものについては増やすということがなされておりますので、本当に最後、微調整ということなんですけれど、私自身、要求段階のところで随分良い対話ができた、すり合わせができたと感じておりますので、それ自体について不満はございません。

記者)
 つまり、最終的に25億円の収支不足になりますけど、その辺を配慮してということではなくて、要求段階でかなり御自身の意思が入られてるということですか。

知事)
 これがもし25億円余ってたらもう少し知事査定で乗せていた可能性があるので、そういう点でそこを全く考慮してないわけではありません。

記者)
 先ほど県財政について依然厳しいということで言われましたけれど、知事が県財政が厳しいと認識される要因というのは収支不足なのか、県債残高の辺りなのか、要因は何とお考えですか。

知事)
 実際いろんなレベルでのことがあります。最近疲れたなっていうことでもここ数日の寝不足なのか、いやそれはもうそろそろ50歳になるとそうだよなとか、全然違う要因が重なるわけですけれども、それで言えば非常に大きいのは、構造的にこれから2025年まで社会保障関係費が毎年増えていく。国レベルで言えば1兆円ということですし、岡山県の財政で言えば20億円から30億円毎年当たり前のように増えていく、これが非常に大きいと思っています。
 土木に関しても、石井知事時代に大変厳しいっていうことで、投資的経費であり義務的経費ではないっていうことで1,500億円を超えるレベルから500億円のあたりまで3分の1にしたわけでありますけれども、これ以上土木予算を削ると維持修繕費っていうのはこれからどんどん増えてきますので、もうそういう余地はない。これまで使ってきた本当に残念だけれども、ここを削って義務的に増えていくものを何とか賄っていくとか、そういう余地が本当に少なくなってきている。それが、あと3年頑張ればとかっていうわけじゃなくって、あと10年以上続くことがもうほぼ見えてる。それは、皆さんの健康長寿と裏腹の関係にありますから、それが5年で終わったっていうことは財政だけ考えればいいわけですけれども、それはその裏側には平均寿命が延びてないとか、皆さんの健康状態がということですから、それは我々としても望むところではありません。そういう構造的なところが大きい。
 また、先ほどおっしゃられたように県債残高が9,000億円近くある。臨時財政対策債が5,000億円近くある。こういったストックの借金も大変大きいですし、岡山県の財政は国の財政に大きく影響を受けているわけでありまして、国の財政が非常に厳しい状態にあるのは皆さん御存じのとおりでありますので、そういうことを勘案すれば5年、10年スパンで考えたときの財政というのは、今は好景気でたまたま税収が上がってますけれども、本当に長期と言わずに中期で考えただけでも大変厳しいと考えています。

記者)
 知事御自身が、財政が安定したという実感を持たれて、例えば攻めに打って出ようというふうに感じることができる水準というか、どうなればそういうふうな形に安心できるというか。

知事)
 やはり構造的なことっていうのは大事だろうと思っています。今、日本国全体で必要な支出のどれだけを税金で賄ってるかっていうことで言いますと、全然足りていないわけですので、ですからちゃんと支出を税金で賄える、簡単に言ってしまえばプライマリーバランスを回復するっていうのは大変大事なことだと思いますし、当然プライマリーバランスが改善しなければ何も打てないっていうんじゃなくて、プライマリーバランスが改善する、きちんと道筋が立っているというのも大事だと思っています。
 今、攻めていないと言うつもりはありません。ありがたいことに大事だと思えるところにそれぞれ大規模ではないにしても手を打てているということは、私は本当にありがたいことだと思っています。

記者)
 今回、歳出のほうで義務的経費が75.9%で、かなり裁量の余地としては狭まってるような印象を受けるのですが。

知事)
 これは各県もそうだと思いますけれども、社会保障関係費が毎年増えているということがありまして、義務的経費の比率は毎年上がっています。これはまさに硬直化が進んでいるということだと思います。

記者)
 地方創生の関係、補正予算と合わせて118事業を出されると思いますが、各部局から上がってるメニューについては、各課が企画立案したように聞いてるんですが、これについて知事としてどのような印象をお持ちでしょうか。

知事)
 とにかくアイデア合戦なので、いろんな案を上げてほしいっていうふうに言っております。幅広で上げてもらいたいと。今回、特に補正予算のほうは非常に忙しいスケジュールになってますので、完璧な案になっていないかもしれませんけれども、とにかくスピード重視だと、アイデア勝負だっていうことでお願いをして出してもらっています。

記者)
 その中で出てきた事業については、よくまとまっていると。

知事)
 県庁職員、それぞれの部課でそれぞれのことを24時間考えているわけですから、ある意味当たり前ですけども、いろんなことをやりたいと思ってたんだなあっていうのは感心するところであります。

記者)          
 今回、教育県岡山復活の関連で新年度、これも新たにだと思うんですけど、重点パッケージとしてまとめられてると思うんですけども、これの理由と狙いっていうものがあれば教えてください。

記者)
 これは、どちらかというと皆さんへのお伝えの仕方ということなんですけれども、我々自身こういうことをしたいから、この資料で20ページのところでありますけれども、例えば教室でちゃんと授業が行われるために何をすればいいのかっていうことをいろいろ考えているわけで、どれが効いているんだろうっていうことも、ありがたいことにサンプルがいっぱいあるわけですから、ここの学校がうまくいったのは多分この施策が効いたんだろうとかいろいろ分析をするわけですけれども、それが、整理されずに出ていくと、いろいろやってるんだけど、何やってんだかわからないっていうことになります。例えば県民の皆さんと対話するに当たって、皆様方ですとか、学校の先生にきちんと伝わらないと、いろいろやってるんだけど何やってるかわからないっていうよりも、グルーピングをしてこういうことをしたいんです、それぞれはこういうことをしてるんですっていうわかりやすさというのは、すごく大事だと思ってます。わかりやすいように整理してみたということであります。

記者)
 これによって、さらに進める上で5つに分けたことがわかりやすさという点でうまく具体化というか、循環していくということですか。

知事)
 岡山県庁だけでものすごい数の人数が働いていまして、それぞれ一つだけじゃない仕事をしてるわけですから、それを県民の皆様とコミュニケーションするに当たって、いかに大ぐくりからもっと細かくしていくか、わかりやすさが大事だと思っております。とにかく見てわかるように、もっと詳しく知りたい人は後ろを見れば詳しくわかるようにということはお願いをしています。

司会)
 それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見