三木記念賞受賞者の決定と授与式の挙行について
皆さんおはようございます。私からは4項目お話をさせていただきます。
本年度で第48回目を迎えます岡山県で最も権威のある賞の一つ、三木記念賞並びに三木記念助成金の受賞者が決定いたしましたので、御報告致します。
まず、三木記念賞は、観光振興はもとより、岡山県中小企業団体中央会会長などとして、県内中小企業の振興に邁進し、本県の産業の発展に多大な貢献をされた功績により、
「武田修一」様、次に、学校法人理事長並びに大学学長として、国際的に活躍する音楽家の育成や、学術・芸術の振興に努めるとともに、開かれた大学づくりを通じ、地域文化の向上にも多大な貢献をされた功績により、「松田英毅」様のお二人に授与することとなりました。
続いて、三木記念助成金は、60年の長きにわたり、表彰事業などを通じて、本県の青年農業者の育成や地域農業の発展に多大な貢献をされている「公益財団法人矢野恒太記念会」様、一団体に授与することとなりました。
なお、この授与式を8月31日に、ルネスホールで挙行いたしたいと存じます。
平成26年度普通会計決算見込について
次に、平成26年度の普通会計決算見込がまとまりましたので、ご説明いたします。
平成26年度決算は、歳入・歳出とも前年度決算額を下回っておりますが、実質収支は16億8千8百万円の黒字になっております。この平成26年度決算においては、退職手当債の発行中止や健全化判断比率の改善など、行財政改革の成果は確実に現れてきていると考えております。
しかしながら、今後も社会保障関係費の増などが見込まれているため、行財政経営指針に基づき、不断の改革・改善に引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
香港・台湾でのプロモーションについて
次に、香港と台湾でのプロモーションについてでございます。
8月12日から16日までの5日間、香港と台湾を訪問し、本県観光情報の提供や県産農林水産物のPRを行ってまいります。日程につきましては、お手元の資料のとおりでございます。
まず、観光情報の提供につきましては、現地の旅行会社やメディア関係者を対象とした観光説明会を香港と台湾で実施いたしますとともに、台湾で実施しているフォトコンテストの表彰式に合わせて、一般消費者を対象とした観光説明会を実施することとしております。また、県産農林水産物のPRにつきましては、香港最大の食の見本市、フードエキスポでのオープニングでのPRや、台湾の高級百貨店で開催する岡山フェアの会場において、果物や県産米、加工品をしっかりと売り込んでまいります。合わせて、台湾では、航空会社を訪問し代表者の方と意見交換を行う予定としております。
今回の訪問を通じまして、本県の魅力を精一杯お伝えし、香港と台湾からの誘客と県産農林水産物の販路拡大につなげてまいりますとともに、台湾との定期路線復活に向けた取組を行ってまいりたいと存じます。
南米訪問団について
最後に、岡山県南米訪問団についてでございます。
8月20日から26日までの7日間、アルゼンチンとブラジルの岡山県人会からのご招待を受け、県議会議長とともに両国を訪問してまいります。日程につきましてはお手元の資料のとおりでございます。
アルゼンチンでは、岡山県人会が創立50周年を迎えることから、記念式典に出席いたしますとともに、ブラジルでは、岡山県人ブラジル移住105周年記念式典への出席、
開拓先没者慰霊碑の参拝などを行い、本県移住者のこれまでのご努力に対し敬意を表してまいります。
さらに、両国において、日系人の繁栄に貢献されてきた功労者の方々の表彰や、本県ゆかりの留学生・技術研修員との意見交換なども行い、本県と両国の交流を一層深めてまいりたいと存じます。
私からは、以上でございます。
質疑応答
記者)
この前全国知事会議が行われ、その際、石破大臣から一千億円規模の新型交付金についてのお話しがあった。政府がそれについて一千億円を決定したことについて、知事はどのように受け止めていますか。
知事)
当然、予算は多ければ多いほどいいわけですが、年度当初の予算編成とその後の補正予算でハードルが随分違う、意味合いが随分違うということであります。同じ金額でも補正の方が随分取りやすい、それはそれで制度設計上どうかという問題はありますが現状そうなっている。当初予算に場所を占めることができたというのは大変な力技だったそうでありまして、内閣府の担当の方はいろんな省庁から叩かれながら一千億円強を確保してくれたということも聞いておりまして、我々とすれば当然ながら当初予算で、しかも去年を上回る額ということを訴えてきているわけですけれども、ここまで来るのもかなり政府内部では大変だったということを間接的に教えてもらいまして、政府は頑張っているんだなと思っています。当然ながら自分たちが仕事をするに当たって、一千億円を47都道府県、全国市町村の数で割ってみると一億円程度じゃないか、これでどういう仕事ができるんだというお話しも当然理解できるところでありまして、これからも補正予算も含めてきちんとした額を確保していただくよう、引き続きお願いをしていきたいと思っています。
記者)
ということは、一千億円は現時点では多いとお思いですか。
知事)
かなり担当者は努力をされましたし、石破大臣もはっぱを掛けてまとめた数字だということを思っています。自分たちからして足りないというのと、内閣府の担当の方々が最大限努力をしたということは矛盾しませんので、いろんな抵抗がある中でこれが限度だったのかなという思いがあります。
記者)
知事としては、足りないとお思いですか。
知事)
予算は多い方がいいんですが、これ以上は本当に難しかったという話も聞いていますので、関係の方のご苦労には感謝をしたい。
記者)
瀬戸内海環境保全特措法が今国会で審議されるということで、一度廃案になっていますが、知事としての期待やお考えをお聞かせください。
知事)
これは時宜に合った改正だと思っています。これまでとにかく汚染をされて何とかきれいにしようということで頑張ってきて成果を上げてきた。その成果を踏まえての新しい海との付き合い方ということですので、その内容に疑義があるというわけではありません。
記者)
市教委に続きまして県教委でも不祥事が発覚しました。その受け止めをお伺いしたいのと、新教育委員会制度で知事の責任も強まっている中、今回の件で何か県教委の方に伝えたことがありましたら教えてください。
知事)
市教委の方で同じ日に2つの不祥事が持ち上がって、これ自体びっくりしました。岡山市の教育委員会は独立していますからそれぞれでやっていただくとして、「これは岡山市だけとは限らない。岡山県教委としてもしっかり対応しないといけない。」という報告を受けましたので、まさにその通りですと、他で起きた失敗を他人事にするのではなくて、自分たち自身も気を引き締めていかなければいけないという話をして数時間後に発覚した。我々にとってもショックですし、該当の教職員はそういう指示を受け取った後そういうことを起こしているそうでありまして、何というか自覚の無さ、自分のやることがどれだけ組織、岡山県の教育に迷惑を掛けることになるのかという想像力が足りないというか、自覚が足りないというか。これによって、親御さんですとか一般の県民から教育者や教育界に向けられる視線は確実に厳しくなるわけでありまして、毎日頑張っている先生方にいい迷惑でありまして、個人としては本当に悔しいですし、県民の皆さんに対しては申し訳ないということであります。どういう気持ちで日々仕事をしているんだと、一人のそういう行動がここまで悪い影響を与えるかということで大変残念であります。
私も総合教育会議を通じて教育にこれまで以上に関与できる立場になりましたので、早速、教育長の方に危機感、より気を引き締めて頑張らなければいけないということについて伝えましたし、教育長もしっかり頑張っていくということでした。とにかく信頼を回復していけるように、これから努力を積み重ねていかなければいけないと思っています。
記者)
具体的な策についてのお話しというのは、特になかったでしょうか。
知事)
何かこれをすると気合いが入るということがあれば、既にしているわけなんですけれども、日々の地道なコミュニケーションの積み重ねだと思っています。
記者)
なかなか具体策というのはすぐには難しいと思います。それでも起きた課題については何か対応が必要になってくると思うんですが、今後どういった動きになるのでしょうか。
知事)
まず通知を出したということでありますが、通知を出した日に先ほど申し上げましたように県教委の方で不祥事が起きたということであります。校長を呼んでの会議ですとかいろいろなことが考えられるわけですけれども、問題は校長を呼んで会議をしようが書類を出したからこれで大丈夫だということではないということであります。必要なことはするんですけれども、それぞれの現場現場で如何に自覚を持ってきちんとやっていくか、現にほとんどの先生方、ほとんどの現場ではきちんとした仕事が毎日されているということでありますので、精度を高めていくということしかないのではないかと思っています。当然、例えば研修をした方がいいということであれば、是非すべきだと思っています。
記者)
岡山市は別の組織ということもあるんですが、この時期にこれだけ連続して不祥事が起こる背景についてどのようにお考えでしょうか。
知事)
私自身よく分かっていません。ただ、自分自身、企業経営を10年以上しておりましたし、その前から組織を動かすことについての勉強をしてきた人間からして、ハインリッヒの法則というのは頭に浮かんだところでありまして、つまり1件の死亡事故があればだいたい30件の大きな事故のうちの運の悪い1件であるし、その事故が1件あったら実際30件かどうか知りませんけれども、ヒヤッとした事態があってその中の1件だと。よく目に見えているのは氷山の一角であってということですから、実際、組織の風土がそういった不祥事の発生確率に影響を与えているということは間違いなかろうと思います。本当に運が悪くてあり得ないことが起きたという可能性も僅かにあるんですけれども、不祥事が起きるということはそういう不祥事の種というか、例えば飲酒運転で捕まった人が何千人かの組織で1人いたら、たぶん見つかってない飲酒運転というのは何件かあったであろうと考える方が自然でありまして、それが何件も起きるということは、私はかなり中が緩んでいると見るのが組織を率いている人間の常識であろうと思います。組織の風土をきちんと正すということが大事だと思っています。
記者)
そのための具体策については、今後検討されるということですね。
知事)
本当に組織論、組織運営論になるわけですけれども、いろんなことが組織の規律に影響をしてきます。自分たちの仕事が報われない、正しいことをしていても褒めてもらえないし、ちょっとでも隙を見せると徹底的に叩かれるというとかえって士気が落ちたりしますし、つい数年前ほどまで続いた給与カットというのも、士気を上げる方に働くか下げる方に働くかといえば下げる方に働くわけでしょうし、この前も教頭先生が1日13時間以上働いているという結果が報道されてましたけれども、そういう長時間労働というのも士気を上げるか下げるかというと、下げる方にたぶん働くのであろうと思います。実際の現場の先生方にとってよりやりがいを感じられるようにしていく、本当に過重なことになっているのであればどういうふうにして仕事をとってあげられるのか、助けてあげられるのか、もっと子どもたちと向き合える時間を確保できるようにしてあげられるのか、そういったどんなことが全て先生方のやる気を高めて規律を上げることに繋がるのか、いろんなことが考えられるわけですが、全体としてよりよく回る組織にしていかなければならない。私だけでなく教育委員会、教育長と協力しながら考えていきたいと思っています。
司会)
それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了いたします。
知事)
ありがとうございました。