今議会を終えて
私からは、2項目お話をさせていただきます。
まず、先程、閉会いたしました11月定例会についてでございます。
今議会では、県政全般について、幅広いご意見やご提言をいただきました。
とりわけ、先月公表いたしました「新晴れの国おかやま生き活きプラン(仮称)」素案につきましては、様々な観点から多くのご意見やご提言をいただきました。
こうした今議会でのご議論はもとより、市町村をはじめ、パブリック・コメントを通じて県民の皆様から寄せられたご意見なども踏まえ、成果が実感できる県政を力強く推し進めることができるよう、2月定例会への提案に向けて更なる検討を進めてまいりたいと存じます。
今後とも、県政の基本目標である「生き活き岡山」の実現に向けて、県民の皆様とともに全力で取り組んでまいる所存であります。
平成27年合計特殊出生率の確定値について
次に、平成27年合計特殊出生率の確定値についてでございます。
平成27年の人口動態統計の確定数が、先般、厚生労働省から公表され、本県の合計特殊出生率は、5月に公表された1.49から、1.54に確定いたしました。
5月に公表された概数に基づく出生率は、外国人を含む女性の総人口を用いて算定されていたものであり、今回の確定値は、国勢調査により確定した、外国人を除く日本人女性の人口により算定されたものです。分子の出生数は、概数においても、確定値においても、日本人の出生数であるため、今回の確定値が分子、分母、整合性の取れたものであります。
本県の場合は、外国人女性人口約1万人が除かれたことが大きく影響し、数値が変動したところでありますが、全国順位は20位と、昨年と変わらず、依然として中国地方では最も低い状況となっています。
平成27年の確定値は、前回の国勢調査年の平成22年が1.50であったことから、少し長いスパンで見ると、上昇傾向にあるといえますが、引き続き少子化対策にしっかりと取り組んで行く必要があると考えております。
なお、これまで、国勢調査の実施年以外は、データ上の制約から、女性の総人口、外国人を含む総人口で計算されておりましたが、今後、国は、このような分子、分母の不整合を避けるために、都道府県別の合計特殊出生率について、外国人女性人口を除いた日本人女性の推定人口により計算する予定と聞いております。
私からは、以上でございます。
質疑応答
記者)
2期目を迎えて初めての議会ということで注目される部分もあったかと思うんですが、今回改めて御感想というのをもう一度伺いたい。
知事)
私自身この4年間一生懸命頑張ってきたつもりでありますし、またいろいろな、例えば生き活きトークですとか、いろいろな行事を通じて各地の皆さんと意見交換をしてきたつもりではありますが、今振り返ってみると、行事に出席してそういったグループの幹部の方と意見交換をして、挨拶をしてさっと移るみたいなことがやはり多かったということで、17日間全部は回れませんでしたが、地震対応がありましたから、2週間強全県を回ることができましたし、その前にいろいろ週末などを通じていろんな方とお話をする中で、やはり皆さん県政に対する期待というものは大きいなと。あと、私が、産業、教育、これは根っこに働きかけることなのですぐにすぐ県民の皆さんの生活に効果が出るようなものではないけれども、ただ私の都合のいい解釈ではそれについて随分御理解をしていただいている。確かにそうだよなと、この大もと、根本を頑張らないとやっぱり小手先じゃいかんよなというふうにおっしゃっていただく方も多くいらっしゃる。ただ、そうはいっても県民の皆様、20年待つよとおっしゃられてるわけではありませんので、時間はかかるけど非常に大事な大きいところと、あとそれぞれの身近な話、両方きっちりやってくれっていう思いを持って帰っての議会、その中でいろいろな新プランのことについていろいろな議論がありました。それ以外のことについても議論がありました。改めて県政の大事さ、我々の仕事、私だけではなくて県庁職員、県議会も含めてが県民の皆様にとって非常に大事な仕事をしているということを確認をした議会だったように思います。
記者)
プランの関係で質問が幾つか出てたわけですが、その中でやはり複数の方から御指摘があったのが待機児童に関する指標で、なかなか立てにくいという御説明はあったかと思いますが、やっぱりこれだけ待機児童が問題になる中で何らか基準となるものは県としてもないといけないんじゃないかと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
知事)
今、議会は終わったところなんですけれども、市町村の皆様それからパブリックコメントを通じて県民の皆様から意見をお伺いしているところですので、そういったさまざまな意見を踏まえて総合的に検討していきたいと考えているところであります。生き活き指標については施策との関連性の強いもの、また施策の実施による成果が県民目線でわかりやすくできる、あとタイムラグができるだけ少ない、そういった特徴のあるものを選ぼうということで、もともと90あった指標についても全てがぴたっと求めている望ましい特徴を備えた指標ではないので、いろいろ我々自身悩みながら選定をしたわけでありますけれども、議員の先生方の御指摘もなるほどなというところもありますし、我々も内部協議でもただ我々自身がなかなかコントロールしづらいものを指標にすることは本当に責任を持った対応なのか、我々自身は放課後児童クラブ実施箇所数という生き活き指標についてはハードの整備も含めて責任を負っているのでむしろこちらのほうが適切なのではないかということで今回はそちらを選んで素案として提出をしたわけですけれども、これからもその議論を続けていきたいと思っています。
記者)
今この議論とおっしゃったのは、待機児童の数の話ですか。
知事)
待機児童についてどう扱うのか。それ以外も全てそうなんです。指標については、これから総合的に検討していきたいと考えています。
記者)
この議会で副知事の選任案が先ほど議決を得たというところで、知事の1期目をずっと支えてこられた足羽副知事がこのたび退任される。佐藤公営企業管理者とそれぞれの方に対して一言コメントを。
知事)
足羽副知事、皆様方もよくおわかりだったと思いますけれども、私の弱いところを大変見事にカバーをしてくださいました。本当に優秀でありながら控え目であって、また議員の先生方、いろいろな御意見をお持ちの先生方と非常によくコミュニケーションをとられて、その議員の先生の思いを酌み取り、また我々執行部がこういう思いでこういう提案をしている、方針を出しているんだということを非常にわかりやすくかつ粘り強くお伝えしていただいたということであります。あと、岡山県議会でのこれまでの経緯ですとか歴史ですとか、私が例えば思いつきのような形でこれはおもしろそうだがどうかなみたいな話をするときに、確かに一面それは一つあるかもしれないけどもこういう観点からするとちょっと心配事もありますね、こういう反論が出たときにそのロジックは弱いかもしれませんねということを臆せずきちんと御指摘をいただいた。私もそうありたいと思っているんですけれども、当たりはやわらかいけれどもきちんと言うべきことについては誰に対してもきちんと言えるということで立派な方に副知事をしていただいたなと、そういう方に支えていただいて幸せだったなと思っております。
佐藤兼郎新副知事ですが、少し似たようなところもございまして、あまり声を張り上げたり何か目立った言動をされるわけではないんですけれども、本当に手がたくいい仕事をこれまでされてきました。私が足羽さんを副知事に選ぶときには、一緒に仕事をする機会がない中で何人かの方のアドバイスと最後は私の直感を信じてえいやみたいなところがあったわけですけれども、私はそのかけに勝ったかなと思ってるんですが、佐藤兼郎さんについては、この4年間一緒にお仕事をさせていただく中で、この方であれば大丈夫だという確信を持って今回御推薦をさせていただいたということで、また別の立場で、知事と副知事という関係で御一緒に仕事をさせていただくのを楽しみにしてます。
記者)
国の来年度予算編成で19日に大臣折衝があって地方交付税の総額とかが決まったんですけれども、前年度比4,000億円減の16兆3,000億円ということで5年連続の減少にはなっているんですが、県としてもいろいろ関係のあるところだと思うんですが、どのような受けとめなのかお伺いします。
知事)
私自身この立場に立ってみると、県でやるべき仕事もしくは期待されている仕事に対して予算の絶対額は足りてないなというのが率直な思いであり、家計にしても何にしてもお金が足りてるということのほうが珍しいのかもしれませんが、先ほど選挙で回ったときに、ここは何とかならないかなと、できてから随分経ってるんだよみたいなお話を聞くにつけ、ああそうだよな、本当にここも応援してあげたい、ここもなかなか待てないなということをわかっているだけに、予算が増えないということについては非常に危機感を持っています。
税収が増えるだろうという見込みで交付税の削減を考えていると私は報道で理解してるわけですけれども、今年度の予算についても地財を見るときに税収が増えるだろうということで岡山県についても増えるであろう税収をベースに割り振られたわけですが、実際に岡山県の場合、中国経済の減速等もあって思ったほどには税収が増えていないと、もしくは国が推定したほどには増えていないということでありまして、是非国にはそれぞれの地域、地方の実情を酌み取ってこれからも努力していただきたいと考えております。
記者)
国民健康保険の運営の関係ですが、2018年度から市町村から都道府県のほうに主体が移行されるということで知事会からも要請を送ったと思うんですが、1,700億円の財政支援が300億円減額になってしまうということです。昨日、安倍首相が20年度末までには減額分を穴埋めしますというようなかっちり一応まとまった形にはなっているんですけれども、ただ知事会としてはちょっと飲めないということでずっと調整をされてたと思うので、岡山県知事としてどうお考えでしょうか。
知事)
私からすると、知事会のスタンスそのものもちょっと甘いなというか弱腰だなというのが私の個人の思いであります。この1,700億円、総額3,400億円については、国保についてはこれからどう見ても必要な金額というか、収支の赤字分が増えることが予想されてるわけでありますので、現在の足らずを約束してくれただけでは、これで単年度はとりあえず合うかもしれないけれど、その先どうなる、基金だって減っていくわけですので、そもそもどんどん増えていく給付額についてその財源をどうするんですか、増えるものに対して定額のもの、中学のときに習いましたy=ax+bということでどんどんどんどん増えてるものに対して、はい定額を措置しますよと言われても、毎年毎年矛盾が膨らんでいくわけですから、1,700億円プラス1,700億円だって、いやこれ非常に恐ろしいもの、財源の手当てなしというか実態に合わない形で押しつけられているなと。大変怖いなと多くの知事が思いながらも、まあそうはいってもそれぞれ国も市町村も大変なんだから全部突っぱねるというのはどうかなということで非常に苦しい妥協をしたにもかかわらず、その最低ラインだと思っていたところすら反故にされるというのは、これは私だったら席を立ってたかもしれないぐらいの話でちょっと心配をしています。その300億どうのこうのというよりも心配をしています。大丈夫なんだろうか。
非常に矛盾のある、矛盾があるというか難しいものをきちんとした手当て、説明なしに押しつけられているなというのが私の思いであります。
記者)
出生率の関係でお伺いします。知事が強い危機感を持ってらっしゃったが、これが上がったことは率直にどうお考えなのかお伺いします。
知事)
私自身かなり施策とすれば踏み込んだつもりなのに1.49から動いていないというのは、確かに結婚したからその翌日に子供が生まれるわけではないですから時間がかかるのかなとかいろいろ悩みながら分析をしていたわけでありますけれども、私もそれに思い至ることができなかった点で反省してますけども、もしくは4年間誰からもその説明がなかったというのはちょっと残念なんです。日本全体で1万人だったらわかるんですが、岡山県だけで1万人分も外国人の女性分が分母に入ってた。これはかなり大きいです。それは、少しずつ増えててリセットしてということですので、コメントでも申し上げましたように、5年前1.50と今回の1.54は分子分母整合性のとれたものだということで、全国のトレンドと同じく多分少しずつは増えていたんだろうなという思い、ですからやってることの方向性はやはり間違えていないという思いと、ただ絶対水準で2が必要な、もしくは岡山県の希望出生率1.72を目指している中で、1.49だろうが1.54だろうが随分差があるという点では変わりはありませんので、これからもしっかり頑張っていきたいと思います。
それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。
知事)
どうもありがとうございました。