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2017年3月17日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0508506 2017年3月21日更新公聴広報課
会見写真

今議会を終えて

 私からは、先程、閉会いたしました2月定例会についてお話をさせていただきます。
 今議会では、県政全般について、幅広いご質問やご意見をいただくとともに、「新晴れの国おかやま生き活きプラン」など、諸議案につきまして議決をいただきました。
 4月からこの新プランを県政推進の羅針盤として、県民の皆様に「岡山はよくなった、岡山に住んでいてよかった」と成果を実感していただけるよう、市町村をはじめ多様な主体との連携の下、3つの重点戦略に掲げる各種施策を着実に推進するとともに、人口減少問題克服に向けたおかやま創生実現などの喫緊の課題に対しても積極果敢にチャレンジしてまいりたいと考えております。
 また、初年度である来年度当初予算では、広がり始めた好循環の流れを加速させるための事業や、人口減少対策をはじめとしたおかやま創生を推進するための事業を数多く盛り込んだところであり、「生き活き岡山」実現に向け、力強いスタートを切ってまいります。
 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 今回の議会を振り返って、議会で予備日が使われなかったり、1日の質問者が最高4人であったりとか、全体的に低調であったんではないかという声もあるんですが、知事御自身は、そのあたりをどうお感じになってますか。

知事)
 過去の岡山県議会と比べるか、ほかの議会と比べるか、あと量ではなくて質ではないか、いろいろな見方があろうかと思います。もう2年前ということになるんでしょうか、全国知事会が初めて岡山県で開かれまして、そのときに、いろいろな先輩知事から、それぞれの県の事情をお伺いしましたときに、岡山県議会は一般質問の登壇者数が非常に多いということがわかりました。大体、随分県によって違う、例えばこの一、二年で東京都議会について随分詳しくなったわけでありますけれども、一般質問、1日か2日だそうですね。
 ですから、岡山県議会は非常に一般質問の数が多いということであります。それを知識として教えていただいておりますので、予備日を使っていないから低調だというのではなく、相対的にはほかの県にちょっと近づいてるぐらいのことであります。大事なのは内容でありまして、非常に中身の濃い議論が交わされたと、私自身は認識をいたしております。

記者)
 県警が先日発表した少年非行率です。数としては最少だったんですけど、2年連続で全国ワースト3位ということで、それをどのように受けとめてますか。

知事)
 これもどう比べるかで、随分見え方が違ってこようかと思います。私とすれば、引き継いだ、2012年の少年1,000人当たりの件数の10.7が、直近に発表された数字が4.6ということで、半分以下、どちらかというと、もう4割に近い水準にまで下がってきた。これは、いろいろな私が常に言っているところに影響を及ぼすものでありまして、犯罪行為、非行があるかないかということで、その後始末ですとか、その後、再犯率というのも結構高いわけでありまして、4割近くあるわけですが。それぞれの子供たちの人生にかかわってきますし、周りにいい影響があるか悪い影響があるかというと、明らかに悪い影響があるわけでありますので。もしくは、先生の多忙感にもかかわってくる問題であります。
 そのもと根本の問題が4割近くにまで減ったということは、大変素晴らしいことである。ただ、おっしゃられるとおり、これはほかの県と比べますと、まだまだ高い。その非行率が4だとか、高い水準にある県が幾つかずらっとありまして、そこから先はぐっと落ちるんですよね。本来、そのあたりまで落ちなければいけないと思っているところでありまして。是非、その高い水準の10県あたりから早く抜け出したい。というのは私の率直な思いでございます。それを正式に目標と掲げてるわけではありませんが。
 もう半分になったから、これでいいんだというような水準ではないということは間違いございません。まだまだ、学校警察連絡室の皆さんをはじめ、関係者各位でしっかり、さらに努力する必要があろうかと思っています。

記者)
 今回の議会で今後の財政見通しに関して、いろんな懸念する声が出ていました。今後、社会保障費も増えていくわけですし、臨財債に頼る財政運営もあったりするのですが、議会でも何度もお答えになってるところと思いますが、今後の御懸念というものを改めてお伺いします。

知事)
 ワードとすれば、何度も議会答弁で申し上げさせていただいたとおりでございます。 とりあえず、フローとすれば、緊急的な手段に訴えることなく毎年の予算を立てることができるところまでは戻ってきていますが、ストックということでは、これはストックの性質上、急に改善ということはありませんので、この県債残高が高どまりをしている。しかも、今年さえ過ぎれば来年から楽になるということではなくて、先ほど言われましたように社会保障関係費、これは他県もそうですけれども、毎年毎年厳しくなってくるということがございます。とても、ちょっと息をつくことができる感じでは全くないということでございます。
 あともう一つ、昨日、私、稲葉元頭取のお別れの会に参列したわけですが、本当に岡山県財政はああいうことになって、その後大変だったんですけれども、県経済ということで言えば、実はほかの地域よりもダメージが少なかった。というのは、これはもうひとえに地元の地銀である中国銀行さんが、非常に保守的な融資態度を貫かれたということが非常に大きいというのは、岡山県の経済界の皆さんの多くの方が指摘するところでございます。もし、中国銀行さん自体が破綻の危機に瀕していたら、もしくは中国銀行さんが融資をされている会社が何か財テクにもっと走っていたとしたならば、もう岡山県経済、本当にひどいことになっていた。これはほぼ間違いがございません。
 この長期のことを見て、どっと出る場面、抑制する場面、その判断というのは非常に大事だと思っています。とにかく、これから先、5年先、10年先のことを考えて、仕事をするのもそうですし、5年先、10年先、もっと先を見据えて、財政運営をするということも非常に大事だと考えております。

記者)
 そういう意味では、今は知事が継続してやられてる、小さく生んで大きく育てるような。大きく打ち出すような事業は当面難しいといったことになりますか。

知事)
 そこまで申し上げてるつもりはございません。我々とすれば非常に先が厳しいので、小さいもの、予算を伴わないもの、失敗してもそんなに被害が大きくないものについてはちょっとやってみよう、調べてみようという、そういう方針であります。額の大きなもの、将来への悪影響の可能性が大きいもの、もしくは何か別の、金額以外の大きなリスクを伴うものについては、しっかり考えなければいけない。これは、ある意味で当たり前の考え方だと思っております。
 ですから、大きく投資するに値するものかどうか、慎重に考えなければいけないと思っております。県警本部庁舎の整備は、岡山県の治安に大きくかかわることでありますので、これはやるべきだと思いましたし、岡山県庁舎については、やはり防災拠点でもあるし、何かをしなければいけない、それについては耐震化で臨みたいということを今議会で御提案申し上げた次第でございます。

記者)
 先ほど稲葉元頭取のお話がありまして、稲葉頭取時代を含めた中国銀行の保守的な融資態度によって、岡山県が他の地域よりダメージ受けなくて済んだとのことでしたが、もう少しかみ砕いて説明をお願いします。

知事)
 稲葉頭取が就任されたのが1987年、後から考えれば、バブルの真っ最中ということでございます。その当時で言えば、銀行にとっても、その銀行の支援を受けている事業会社にとっても、融資を受けて、そもそも担保になるべきもの、例えば一番典型例は土地ですが、その価値が急上昇していたわけでありますから、それを担保に、掛け目もその当時、少し上がったということも聞いてますから、融資を受けて何かを、それが株式であったり、いろいろな資産に投資をすると、それだけで毎年の利益が増えていた、そういう時代であります。
 ただ、例えばマンションの値段でも、マンションを借りる人の価格、賃貸借の相場はそんなに上がってなかったんですよね。ただ、土地の値段とマンションの値段だけ、どっと上がっていって、その比率がどんどんどんどんおかしくなっていった。この土地を買ってマンションを建てたとしても、どうやっても回収できそうにもない水準なのに、何でこんなに上がるんだろうとみんな思ってたわけであります。そこでよく言われていたのは、グレーターフール・セオリー、この水準で、こんな土地買うのは、ばかなんだけれども、もっとばかなやつがいて、それよりも高く買ってくれるんだから、正当化されるんだということで、回してたわけです。
 その回してることに関わってる人は、みんな高い利益を上げることができたわけです。これは基本的にばば抜きである、こういう実体経済と遊離したことは、この数年続くかもしれないが、長期的に維持できないということを判断して、自制、抑制された方もいらっしゃったわけでありまして、そういった方々の多くはトラブルを乗り切られた。そこで深く入り込み過ぎた会社、経営者は、かなりの確率で破綻した。そういうことだと、私は理解をいたしております。

記者)
 元頭取を経営者として、どのように評価していますか。

知事)
 そもそも、ああいう方を選ばれた中国銀行さんの社風というものが、素晴らしかったのかなと思うわけです。私自身、天満屋の駆け出し社長として、稲葉頭取、会長に大変お世話になりました。私自身とすれば、2カ月に1回ほど、稲葉頭取、会長のところに御報告や御相談に、定期的に上がらせていただいて、今どういう方針でどういうことをしようとしているのか、御説明申し上げていたわけでありますが、皆さんがおっしゃられるとおり、非常に優しく包み込むようなお人柄で、「なかなか大変かもしれないが、しっかり前向いて頑張りたまえ」ということで、毎回励ましていただきました。
 本当に感謝の思いしかございません。

記者)
 県庁の働き方改革についてお伺いします。結構、残業時間が多い、長いほうだと認識しています。部署ごとに繁忙だったりとかいろいろ事情があるのもわかりますし、水曜日と金曜日、アナウンスを流して、取組をされているのはわかるんですが、何かもう少し抜本的な改革を、やはりすべきではないかと思います。そのあたりをお聞かせください。

知事)
 本当におっしゃられるとおりだと思います。今、ひとり1改善運動でも、これまでだったら10時間かかるのが当たり前のところを、エクセルのスプレッドシートをちょっとフォーマットを変えるとか、みんなでする処理の順番をちょっと変えるとか、先にテンプレートを作っておくとか、本当に地道な取組を、言われてみればそうだよな、この作業が3割ぐらい時間短縮できましたとか、こういうトラブルが減りましたといった感じで、そういったいろんな工夫を重ねているところであります。
 また、これまでは職員をここまで減らすということを公約をしまして、10年以上にわたってずっと、6,000人弱から4,000人弱まで減らしてまいりました。一昨年にその公約を達成したということで、その後は、職員数について、業務量に応じて増えたりもするし減ったりもするということで調整しているところでございます。これまでは、職員数は、県民の皆さんとの約束なので、このペースで減らさなければいけないということが、まず制約条件としてあったので、残業が多いことをわかっていても、手の打ちようが少なかったということもあろうかと思います。
 言われるとおり、働き方改革を県民の皆さんに、県下の企業に提案してる我々でありますので、すごいきれいな完璧なお手本が見せられるかどうかは別として、態度として、改善の方向に向けてきちんと進んでいきたいと思ってます。

記者)
 議会にも少し出ていた自主再建型移転、余力のあるうちに住民の方同士で話し合っての移転という話について、改めてお伺いします。5年後10年後という話をよくされてますが、人口増対策はともかく、やっぱり限界に近くなっている集落もかなり多いという中で、将来の集落のあり方で、本当に厳しいところというのは、どうしていったほうがいいとお考えでしょうか。

知事)
 これについては、集落それぞれ、全く個性的というか、状況が違いますので、こうあるべきだというものは、多分どなたも申し上げることはできないと思います。ただ、私が思うのは、人口のことというのは、かなり、ほかのいろいろ予測が難しいものと比べると、予測がしやすいものの一つであります。私自身、今50歳ですけれども、もし不慮の事故等がなければ、5年後は55歳になってる、これはもう間違いないところでありますので。
 今この集落に何人いらっしゃって、それぞれ何歳だから、10年経ったら、こうなってるよねというあたりから、是非その集落ごとに、皆さん方がとりあえず、今年、来年、普通に過ごしていくだけではなくて、「さあ、どうするんだ」と。この集落は10年後だと、こういう感じになりそうだよね、ちょっと先の話になるけど、15年後だとこうなるよね、そのときに、さあ、どういうふうになってるだろうかということを想像をしてみる。これぐらいだったら、いけそうだということになるのか、それとも「今は元気な何々さんでも、10年経ったら先輩の何々さんぐらいになるんだから、これは移動が大変だな」とか、想像をめぐらせて、では今からこれをしておけば、随分そのときにはいいんじゃないかなといった、そういった話し合いができると、結果はどうあれ、随分違ってこようかと思います。
 是非、そういった集落ごとの話し合いを、市町村の皆さんとも協力しながら、盛り上げていきたい。そのいろんな解決策、提案の中の一つに、余力のあるうちに、ちょっと里のほうに降りていくかというような話になった場合には、県としてもいろいろと御相談に乗りたい。集団移転以外にも、いろいろと御相談に乗りたいと、このように思ってます。

記者)
 今の集落をこれまでどおり維持するのは難しくなってるという御認識も示されてるんですが、やっぱり何らか、移住であったりとか、そういう方法を近い将来選ばざるを得ないようになってくるとお考えでしょうか。

知事)
 そういう集落が出てきてもおかしくないと思ってます。それぞれの集落によると思っています。斜度だとか、ほかにすぐ近くに集落があるかないかとか、そういうことで随分様子は違ってくるかと思います。

 それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 どうもありがとうございました。。

2012年の記者会見