平成31年度(2019年度)当初予算要求額の概要について
おはようございます。
私からは、平成31年度当初予算について、各部局からの予算要求をとりまとめましたので、その概要をご説明いたします。
予算要求に当たっては、被災者の生活再建支援、公共施設の災害復旧、地域産業の復興支援の3つの柱を中心に、復旧・復興対策を実施するとともに、生き活き岡山の実現に向け、より実効性の高い施策を着実に推進することで、好循環の流れをさらに力強いものとし、本県の持続的な発展に結びつけるための予算編成とするよう各部局に指示していたところでございます。
資料1ページ「1 要求額」をご覧ください。
まず、一般会計の要求額は、7,345億7,900万円となり、前年度当初予算を8.5%、約575億円上回る要求となっております。これは、投資的経費が、豪雨災害からの復旧や、国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策への対応などにより、約356億円の大幅増となっていることが主な要因であります。
次に、特別会計は4,427億4,700万円で、流域下水道事業が公営企業会計に移行することなどにより、前年度比1.6%の減となっております。企業会計は181億1,600万円で、流域下水道事業が追加されることなどにより、前年度比62.8%の増となっております。
資料2ページ「4 要求額の内訳」をご覧ください。
まず、義務的経費については、前年度比1.7%、約86億円の増となっております。
このうち、社会保障関係費については、幼児教育・保育の無償化の実施に係る費用や、高齢化の進展に伴う自然増などにより、前年度比3.8%、約38億円の増となっております。
その他については、みなし仮設住宅の提供による増などにより、前年度比4.8%、約54億円の増となっております。
次に、一般行政経費については、グループ補助金による被災中小企業者等の支援や、災害廃棄物処理事務の実施による増などにより、前年度比13.4%、約133億円の増となっております。
投資的経費については、先程申し上げたとおりでありますが、国の小田川合流点の付替え事業をはじめ、県としても小田川3支川や砂川などについて、再度災害の防止を図るための改良復旧事業に集中的かつ緊急的に取り組み、県民の安全・安心の確保に努めてまいります。
資料3ページ「5 平成30年7月豪雨災害関係予算に係る主な事業」をご覧ください。
まず、被災者の生活再建支援として、被災した児童生徒等の経済的な負担を軽減するための取組を平成31年度まで特例的に実施するとともに、被災者の方々の孤立防止のための見守りや、訪問による相談などの支援を引き続き実施いたします。
公共施設の災害復旧として、河川をはじめとした土木施設などの災害復旧工事や、再度災害を防止するための機能強化を図る改良事業などを実施いたします。
地域産業の復興支援として、グループで認定された復興事業計画に基づき、被災中小企業者等の施設や設備の復旧支援などを実施いたします。
こうした3つの柱を中心として、豪雨災害関係予算の要求がなされ、総額が311億6,800万円となっております。
資料4ページ「6 新晴れの国おかやま生き活きプランに基づく主な重点事業」をご覧ください。
まず、教育県岡山の復活についてでありますが、(1)番の「確かな学力の向上」は、学習内容の確実な定着を図るための確認テストの実施や、教員の負担を軽減し、学習指導業務に係る時間を増加させるため、部活動指導員の拡充を図る事業であります。
(3)番の「少年非行情勢の更なる改善を図るための事業」は、低年齢層の非行改善の必要性に鑑み、学校警察連絡室の取組の対象校について、小学校を中心に拡充するものであります。
次に、地域を支える産業の振興についてでありますが、(2)番の「EVシフトに対応した産業・地域づくり推進事業」は、EVシフトに対応するため、県内サプライヤーの技術開発や人材育成などを専門家派遣により支援するものであります。
(3)番の「大学と連携した地域産業振興事業」は、企業と大学の連携を強力に推進し、企業の技術開発力の向上と、優秀な若者の県内定着の促進という好循環の流れをつくるという事業であります。
(5)番の「滞在型観光推進事業」では、「フルーツ&アート」をメインテーマとして魅力ある観光キャンペーンを引き続き展開いたします。
(6)番の「インバウンド拡大事業」は、宿泊施設等での公衆無線LAN環境の整備や、地域独自の文化等をテーマとした観光コンテンツの開発などを支援する事業であります。
次に、安心で豊かさが実感できる地域の創造についてでありますが、(1)番の「「若い命を守る」~知ってなくそう!感染症~」は、「子宮頸がんは、ワクチンを接種し、ウイルス感染を防ぐことで予防できる」という正しい知識を普及するものであります。
(2)番の「少子化対策総合推進事業」は、おかやま縁むすびネットのさらなる利便性の向上を図る事業であります。
(4)番の「子どもの未来応援プロジェクト」では、困窮家庭における支援の必要な子どもの早期発見や、こうした子どもたちの居場所づくりなどを推進いたします。
(7)番の「“自助と共助で命を守る”地域防災力強化プロジェクト」は、市町村をはじめ防災関係団体と連携し、地区防災計画等を作成するモデル事業の実施や、障害のある方の避難行動を示したセルフプランを作成するための仕組みを構築するものであります。
(10)番の「岡山移住・定住促進パワーアップ事業」と(13)番の「首都圏アンテナショップ活用等推進事業」は、アンテナショップをリニューアルし、これを契機にイベントやプロモーションを積極的に展開するとともに、移住支援コーディネーターを配置し、移住希望者への相談体制を強化するものであります。
(12)番の「おかやま生き活き文化プログラム推進事業」では、復興への寄与も目的とした岡山芸術交流をはじめとしたアートプロジェクトを展開いたします。
以上が主な事業の説明となりますが、昨年の豪雨により、多くの方々が被害に遭われ、いまなお深い爪痕が残っております。
また、その対応のため、総額1,009億円という大規模な補正予算を編成し、財政調整基金が9億円まで減少したことなどから、今回の予算編成はこれまでとは全く違う状況の中で行ってまいりました。
予算編成方針において、復旧・復興対策を最優先に実施するという私の強い思いを示したことで、その思いに沿った要求が挙がってきており、必要な対策はしっかりと実施できるものと考えております。
その一方で、生き活き岡山の推進に資する事業への影響を懸念しておりましたが、全庁を挙げてさらなる選択と集中に取り組んだことにより、最小限の影響に抑えているものと考えております。
総じて、厳しい制約の中ではありましたが、すべきことは最大限盛り込んだ要求になっていると考えております。この予算に基づき、復旧・復興対策と生き活き岡山の実現に向けた取組を着実に推進してまいります。
今後、内容を精査の上、私がより一層力を入れたい部分へ、事業の追加などを行いたいと考えております。
私からは、以上でございます。
質疑応答
記者)
過去10年で最大規模の予算要求額だと思うんですけども、この予算が上がってきたのを見られてまずどのように感じられたのか。
知事)
先ほど申し上げたとおりでありまして、今回全く違う環境の中での予算編成となります。こういうときに優先順位をきっちりさせるということが大事でありまして、これまで補正予算で1,000億円を超える予算を組んできたように、復旧復興について予算が心配であるとか、いろいろな制約によって結局しわ寄せが復旧復興によることがないように、復旧復興が最優先なのだということを明確にして臨んだ予算であります。
当然ながらそちらの方に優先順位を高くするということであれば、これまでの生き活き岡山の推進ということにある程度しわ寄せが行くということは覚悟をして臨んでいるわけでありますけれども、ただ、当然ながら、これまでやってきた、いろいろな政策について効果が高いと信じているからこそやってきたわけでありまして、できる限りその予算に多少の制約がかかることはあっても、効果についてはできる限り損ねないようにということで、これまでよりもより厳しく予算対効果を精査してもらうよう指示しております。
上がってきた予算、まだこれから精査をするわけでありますけれども、ざっと見たところで非常に厳しい、悩みながら組んだなということがそれぞれの部署で伺えるようなところでありまして、私は今の時点で、これはもうやむを得ない縮小もしくは廃止という事業を見ても、それぞれの担当者も苦渋の決断をしたんだなというものも含まれているところでございます。
ただ、全体として今岡山県に必要なものを最大限盛り込んだ予算になっていると考えています。
記者)
今後また、知事査定ということになると思うんですけども、もし知事の中で災害に充てるものをより強化していきたいという思いがあるのか、それ以外に関するものをしたいと思うのか、そのあたりを。
知事)
これから査定をしていこうと思っています。
私の元々の指示からすれば、復旧復興に関してあまり大きな妥協ですとかいうことは起きていないであろうと考えております。より心配なのは、昨年までの予算プログラムに随分しわ寄せがいっている可能性が高いわけでありますので、そちらについて、注意をしていかなければいけない。当然の復旧復興について新たな本当に1週間ごとに状況は少しずつ変わっていっているわけですから、これはやはり気になるので、さらに増やしたいというものがありましたら増やすということもないわけではないということです。
記者)
ちょっと関連になるんですが、生き活きに基づく重点事業を件数と予算を昨年度と比べたところ、7件減って44億ほど数字としてはマイナスとなっておりますけど、これに関しての受け止めを。
知事)
とにかく、生き活き岡山の推進それぞれのプログラムは、昨年度まで私自身も強く推進をしてきたものでありますので、予算を減らすとか、プログラムを廃止するというのは私がやりたいことではそもそもありません。終期が来て成果が出てやめるものがあっても、それはおかしくないわけなのですけれども、ただ今回とにかく普段からギリギリのところにものすごく大きい復旧復興というものが入ってきたわけでありますので、どうしても厳しくなってくるわけでございます。
そのときこそ、ここで費用対効果をさらに厳しく見直すべきでありまして、今回縮小されるものが費用対効果がない、その効果がないと思って削ったものは1件もないと、総体的にここは今回一時的に仕方がない、もしくは何とか予算は減るけれども執行の工夫でかなりカバーできるのではないかと考えてそのような判断をしたというふうに今の時点で考えているところでございます。
記者)
関連ですけど、知事は将来への投資という風におっしゃっておりまして、今回岡山大学に共同研究センターもそれの関係だと思うんですけど、質というあたりその辺も担保しようという意図もあると思うんですけど、そのあたりを。
知事)
おっしゃるとおりでありまして、とにかく災害によって岡山の未来を暗くしてはいけない。そのために復旧復興するわけですけれども、その復旧復興事業をするためにその他の非常に大事なプログラムをやめてはいけないということであります。
予算が多少圧縮されることはあっても、いかにその効果、将来における良い効果をできる限り残していくのかというこれまでどおりの効果をとりにいくのかということが、これからの大きな課題でありまして、特に効果が見込まれるものについてはできる限り予算制約がないように組んでくれていると私自身は現時点では考えているところでございます。それについてこれから精査していきたい。
記者)
成果が実感できる県政というふうにおっしゃっていると思うんですけど、知事査定に向けてこのあたりどういうふうに査定を。
知事)
成果を実感していただくというのは大変大事なことであります。
私自身よく健康に例えるわけなんですけれども、今日は気分がいいけれども、1年後5年後10年後の体調が大きく崩れるようなものにあまりお金は使いたくないわけです。
例えば、一番よく分かるのが麻薬ですとか、もしくは栄養ドリンクみたいに今日は頑張れるけど明日になるとぐったりするということじゃなくて、運動するとか、栄養バランスの良い食事を取ることによって、数年後、10年後の体調を良くしていく、体力を上げていくということなんですね。
ただよくサプリメントで言われる話ですけれども、もしくは野菜を取るというのもそうですけれど、いいことなのだろうけど、もう1ヶ月も続けてるけれど、あまり実感がわかないっていうことになるとなかなか努力が続かないというのが普通の人でありまして、例えば何か勉強をしているときに、英単語を毎日10個ずつ覚えると、これがどれぐらい関係あるのかなと思ってるのだけれども、1ヶ月続けると300個覚えているわけであって、これまでよりも長文が楽に読めるようになってきたということになると、この日々の努力が実感できるわけでありましてやはり実感できているっていうのは、さらにこの努力をするためにも必要なことなのかと思っているところでございます。
ですから長期的な結果、それから日々の時間、このバランスというというものは非常に大事かなと考えております。どちらかのためにどちらかを犠牲にしてしまうようなことのないようにしっかり気を付けていきたいと思います。
記者)
7月豪雨関連の予算の中身を見ても、これまでの補正予算と比べてみて中身が変わってきていると思うのですが、そのあたりはどのように捉えていますか。
知事)
とにかく復旧復興のため、豪雨災害関連予算については必要な政策を必要なタイミングで盛り込む、予算の要求ですとか、予算を議決できていないので必要な事業に入れないということがないように、これまでしてきたところでございます。
ご案内のとおり7月、8月、9月、それから11月において補正予算を専決もしくは議決をしていただきまして、これまでで1,000億円で、今回300億円を超える、もう少しいえば1,008億円と311億円の予算ということになります。
これは変えようとしている、同じようにしているというよりも、そのときそのときで将来を見通したときに必要なものを計上しているわけでございます。ちょっと変わってきているなというふうに見られるのであれば、少しフェーズが変わってきている事を反映しているということでございます。
逆に変わっていませんねっていう質問も予測していたのですけど、それはやることが基本的にグループ補助金のことですとか、みなし仮設住宅の支払いがこれからも続くとか、堤防の工事がこれから続くなどそれについては大きく変わることはない。
記者)
あと復旧に向けてというと、直接7月豪雨に関することだけじゃなくて、今後の災害体制を強化するような予算を盛り込まれていると思うんですけど、そのあたりの思いというのは。
知事)
検証委員会で議論もしくはご指摘をいただいて、ご案内のとおりまだ検証委員会が4回行われて、終わっているわけではないんですけれども、これまでの議論について、ご指摘いただいたところはできるだけ早く盛り込むということで、今回、例えば市町村リエゾン派遣体制構築事業、国からリエゾンに来てもらいました。これ大変役に立ったということで今後、県から市町村に対して、リエゾンを派遣するということを考えておりますそのための予算。それから、この災害情報共有力強化事業、意思の疎通をよりしっかりするということ。それから防災訓練のための事業、これは防災訓練が県の防災訓練はアップデートされているけれども、市町村を十分巻き込めていないというご指摘もありました。また、県の防災訓練自身をよりアップデートさせるために、これまでは危機管理担当職員が計画を立てて、それ以外の人たちをブラインドに放り込んで臨機応変に対応できるかどうか試すということなのですけれども、そうなると危機管理職員は答えを知った状態になりますので、今回は外部に全て計画を、全てというわけじゃないんですけど、我々でざっくりと決めた上でコントローラーをしていただいて、危機管理職員自身もブラインドに置いてしまうと。危機管理職員の訓練も一緒にしてしまうと。あと、市町村と連携した避難所開設の実働訓練も実施をしようといろいろこれまでにない防災訓練の事業が入っている。
また、先ほど申し上げましたけれども、地区防災計画作成モデル事業、これ実際地区防災計画がきちんと立てられていなかったという反省に基づきまして、それも市町村任せにしてきたというご指摘もいただいておりますので、実際市町村の仕事であっても一緒になってモデル事業として取り組むということによって、市町村がこれからの仕事をやりやすくなればいいなということでございます。似たような事業でありますけれども、障害のある人の避難行動、これも申し上げましたセルフプランの作成推進事業、これもモデル的にやってみて市町村の皆さんに例をお示しするというものでございます。
記者)
今の財政状況を鑑みた今回の予算ということであると思うんですが、とはいえまだ財政状況は厳しいと思いますが、それに向けては今後国に要求、要望そういったものを行っていく考えでしょうか。
知事)
これも全くそのとおりでありまして、これは今回これだけ財源がある、十分あるので組んでみましたというよりも、これだけ必要であるので特に復旧復興についてはこれだけ必要なのでこれを盛り込むというという意思を持って作った予算であります。
きちんと財政をしていくためには先ほどちらっと申し上げましたけれども財政調整基金の残高は9億円までなっております。基本的にすっからかんということでありますので、ここから国に対しては財政的なご支援ということは引き続きいろいろな場面でお願いをしていく必要がございます。
あと、人の問題も大変切迫をしているところでありまして、これは国ですとか他の自治体にもお願いをし、また我々自身でも前倒し採用やっております。もしくは任期付き職員の募集ですとか、ありとあらゆる方策で人の面についても、お金の面についても、厳しい制約を何とかしのいでいきたいと考えています。
記者)
これだけ500億オーダーぐらいで歳出の方で、この2月に歳入の方を編成されると思うんですが、有る程度収支不足というのは拡大してくるんだとは思うんですが、その辺の見込みであったり、発生したときの対応であったり、現時点でどのようにお考えでしょうか。
知事)
どれぐらいの収支になるのかということについて現時点では2月4日に公表する予定だと報告を受けているわけでありますけれども、そこできちんとお示しするわけですけど、当然要求時点で全く収入の裏付けがない、2月になって計算してみたらもうどうしょうもないということにはしていないわけでありまして、1つは災害関連の事業については地元負担が他の事業と比べると率が優遇をされているというということが1つの大きな根拠になってございます。あと、いろいろ特別交付税ですとか、そういったことも我々ある種充て込んでいるところもございます。財政調整基金はもうここまでぐっと使ったわけであります。
2月補正予算をちょっとこれまでと組み方を変えまして、先に組んでそこで1年分の不用を出して、それをまた使うというようなこれまで必要でなかった操作もさせていただく。とにかくありとあらゆる工夫をさせていただいて、ぎりぎりでもなんとか凌いでいく、そういう格好でございます。
それでもまず大変なことになりますので、国に対して、さらなるご支援をお願いするところでございます。
記者)
地域産業振興の事で1つお伺いするんですけども、大学と連携した地域産業振興というのが盛り込まれているんですけど、これまで県としても産学官連携として様々な形で進めてこられたと思うんですけど、今回の事業というのはこれまでとどの辺が一番違って、知事としてどういう効果を見込まれているのかという点についてお伺いします。
知事)
私自身はこれも実体験なんですけれども、スタンフォード大学に行きました。これはたまたまだったんですけれども、スタンフォード大学はご案内のとおりシリコンバレーの中心でありまして、例えば50年前、もしくは私が岡山とサンノゼ、シリコンバレーの中心の街はサンノゼですので、姉妹都市で10周年か何かのときに、40年前に私行ったのですけれども、小学生のときに。そのときには本当に岡山と似た果物で有名なのどかな町でありました。それから20年ほど経って20代後半でスタンフォード大学に行きましたときは、ハイテクの街に変貌していたわけであります。そのたった20年、30年でのどかな果樹で有名だった街がハイテクの中心地になった。その原動力はスタンフォード大学でありまして、逆に言えばスタンフォード大学はまだ設立して130年弱のアメリカの中でもかなり若い大学でありまして、それがこの世界のランキングにはいろんなランキングがありますが、でもだいたい5番から落ちることはないというところまでいった理由は、シリコンバレーで、鶏と卵のような関係でありまして、そのスタンフォードがなければ今のシリコンバレーのような状態にはなっていないでしょうし、シリコンバレーという環境がなければスタンフォードはただの西海岸ではそこそこいい大学ということで今でもいるんだと思います。
私自身地域の発展というものと、これだけ知的な労働がいろいろな社会変革を生んでいく、もしくはいろいろな製品のバリュー、付加価値の多くがこの知的労働によってできるようになってきた。これまではいかに勤勉に働くか長く働くかっていうことだったのが、いかに良いアイディアを出していくか、組み合わせていくか、プラットフォームを作っていくか、連携していくかということが、実はその働く人の価値を決めている、その製品を決めている、その会社の価値を決めている、その地域の価値を決めているそういう時代になってきた時に、その地域で一番知的水準の高い大学の存在というものは、その地域の未来の鍵を握っている存在であるというのが私の信念でありまして、実際スタンフォードとシリコンバレーほど極端にわかりやすくはありませんけれども、いろいろな地域で同じような相関関係が見えているわけでありまして、ぜひ中四国における岡山大学の位置づけ、特に医学部を中心に大変高いわけでありまして、岡山県としても岡山大学を応援することによって地域を盛り上げていきたい、発展させていきたいということでございます。
これまでもそういう取り組み、いろいろなプログラムレベルでやってきたわけでありますけれども、今回は企業と大学との共同研究センターという1つの組織を作って取り組むということで、時限的な何かちょっと1つプログラムやってみましょうと、そういったものとは違うある確固たるものを形に作っていくと、より腰を据えた長期的な取り組みをするプログラムということになります。
非常に岡山県庁としても、岡山大学としっかり組んでいくという意欲、姿勢の表れだと考えています。
記者)
関連して、さっき知事がおっしゃられたシリコンバレーとまではいかないまでにしても、なにか県内に1つ大きな産業の柱といいますか、軸をこのセンターと作っていくのか。
知事)
今でも岡山大学はいろいろな世界最先端の取り組みをしているわけであります。それをこのセンターに取り込むのか取り組めるのかわかりませんけれども、とにかく岡山大学の知的資産というものを、ぜひより岡山自体の発展に連携をさせていきたいと思っております。
我々よく観光についてもそうなんですけれども、何か外国の論文でこんなことがあってというとおーっていうことなんですけれども、そもそも外国にある大したことのないものは我々のニュースにならないですから、こんな遠くのニュースがここまで来るってことはすごいに違いないっていうことなんですけれども、地元の場合、すごいものとそこまですごくないものが一緒に入ってくるもんですからちょっとすごさがいまいちよくわからないこともあるんですけれども、実際岡山大学の研究では、例えば光合成の仕組みについて随分わかってきたですとか、いろいろな世界が驚くような研究もいくつかなされているところであります。大変私も誇りに思っているところでございます。
記者)
知事査定が今後入って、2月定例議会に当初予算を上程していくことになると思うんですけど、知事査定で特にここに重点をおくという、強調するといったポイントを。
知事)
例年そうなんですけれども、とにかく好きに組んでくれと、そこで私の思いを知事査定でバサバサと切ったり貼ったりするというのは、大変私の思いは見やすいかもしれませんけれども、大雑把というか乱暴なことになりますので、できる限り私はこういうふうに思っている、これはどうですかという、普段の4月、5月、6月からの仕事自体が翌年度の予算査定とも関係しているんだということで常に価値観のすり合わせをしてきたわけであります。
そういったこともあって、私自身上がってくる予算で何だこれは、これまで俺の話を聞いてなかったのかというみたいなことはほとんどないわけでありまして、ただ当然いろんな制約の中でこういうふうに来たかと、できればもうちょっとこういうふうにしたいっていう微調整が大抵残っているぐらいのことであります。
今回は、普段とはまた全然違う状況の中でしましたので、もしかしたら、普段の微調整よりも大きなことが残っているかもしれませんけれども、今の段階の肌感覚とすれば、それぞれの担当者は大変厳しい中でよく優先順位を見極めてくれたなと、大きな違和感は今ないところでございまして、できれば今回も微調整で終わればいいと思っております。
司会)
それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了いたします。
知事)
ありがとうございました。