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2020年2月4日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0647769 2020年2月5日更新公聴広報課
会見写真

新型コロナウイルス感染症対策について

 おはようございます。
 私からは、4項目、お話をさせていただきます。

 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてでありますが、先月30日に私を本部長とする対策本部を設置し、県内での患者発生に備え、対応体制等を確認したところであります。
 その後、WHOが緊急事態を宣言するなど、状況が変化する中、県民の皆様からの相談に対応するため、本日、専用の「新型コロナウイルス感染症電話相談窓口」を開設いたしました。
 引き続き、県民の皆様の安全・安心の確保に万全を期してまいりますので、県民の皆様におかれましては、過剰に心配することなく、風邪やインフルエンザと同様に、咳エチケットや手洗いの徹底などの感染症対策を心がけていただきたいと思います。

令和2年度(2020年度)当初予算(要求ベース)の概要について

 次に、令和2年度当初予算についてでありますが、各部局からの要求状況について、先月15日にご説明させていただきました。今月14日には、当初予算案としてとりまとめますが、それに先立ち、現時点における歳入見込みなどについて概況をご説明いたします。

 資料1ページ「1 予算要求額」をご覧ください。
 令和2年度当初要求額については、先月15日に発表したものであり、一般会計の総額は、7,465億円と、前年度比1.6%、117億円の増となっております。
 次に、「2 歳入見込み」であります。
 今回見積もった歳入の主な内容についてでありますが、まず、県税全体については、前年度比2.7%、64億円増の2,414億円を見込んでおります。これは、地方消費税が、税率の引き上げなどにより増加することが主な要因であります。
 法人関係税については、法人県民税法人税割の交付税原資化に伴う減などにより、前年度比1.8%、11億円の減となっております。
 地方消費税清算金については、地方消費税率の引き上げに伴い、前年度比26.5%、183億円の増を見込んでおります。
 地方特例交付金については、幼児教育・保育の無償化の実施に伴う、国からの臨時交付金が令和元年度限りの措置であったことによる減などから、前年度比52.4%、11億円の減を見込んでおります。
 地方交付税と臨時財政対策債を合わせた地方交付税等については、令和2年度地方財政対策や、県税をはじめとした歳入の状況などを踏まえた結果、前年度比0.4%、8億円の増を見込んでおります。
 特定財源については、投資的経費の減少に伴い、国庫支出金や県債が減となることなどから、全体で、前年度比6.8%、130億円の減を見込んでおります。
 以上により、歳入全体では、前年度比1.6%、119億円増の7,383億円となっております。

 資料2ページ「3 一般会計予算の状況」をご覧ください。
 歳出要求額と、今回見込んだ歳入額との差額が82億円となっており、この差額については、財政調整基金の取崩しにより対応する予定としております。
 次の「4 主な増減要因」に歳入歳出の主な項目についての説明を記載しておりますが、歳出については、先月15日にご説明したもの、歳入については、先ほど申し上げた内容となっております。

 資料3ページでは、参考として「地方一般財源総額の推移」、「社会保障関係費の推移」、「一般会計県債残高の推移」をお示ししておりますのでご参照ください。

 資料の説明は以上でございます。
 財政調整基金の残高は、2月補正予算により128億円まで戻る見込みであり、これを活用することで、令和2年度当初予算における、82億円の取崩見込みに対応したいと考えております。
 本県財政は、依然として厳しい状況が続いておりますが、豪雨災害からの復旧・復興と、生き活きプランの総仕上げに向けて、必要な事業は最大限予算化し、全力で取り組んでまいりたいと存じます。

応急仮設住宅の入居状況について

 次に、応急仮設住宅の入居状況についてであります。
 平成30年7月豪雨で被災し、応急仮設住宅に入居されている方は、先月末時点で4,463人となり、ピーク時の半数を下回りました。
 応急仮設住宅入居者の半数以上が生活を再建されたとはいえ、依然として入居している方もおられ、全ての方が、1日も早く普段の生活を取り戻せるよう、引き続き支援してまいりたいと存じます。

受動喫煙防止対策について

 最後に、受動喫煙防止対策についてでありますが、昨年12月にお示しした条例素案について、パブリック・コメントを実施し、お手元の配付資料のとおり、196件のご意見が寄せられました。
 「素案どおりでよい」、「緩和すべき」、「もっと規制すべき」など、様々なご意見をいただいたところであります。
 このため、それぞれの立場を尊重しながら気運の醸成を図り、実効性のある受動喫煙防止対策を推進することが重要と考えております。
 こうした認識に立ち、今後、寄せられたご意見に対する県の考え方をお示しした上で、25日に開会予定の県議会2月定例会に条例案を提出したいと考えております。

 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響について、岡山-上海便がデーリー運航から、キャンセルが相次ぐということで、運休を決めたということですが、運休が拡大する動きがあったり、県内観光地であったり、宿泊施設であったり影響がでているようですが、全国でもそういう動きがあるのですが、岡山県の事態について知事はどのようにお考えですか。

知事)
 感染が世界中で拡大をしています。県内では感染者が見つかっておりませんけれど、国内ですでに人から人への感染事例が報告をされているということであります。
 とにかく感染をできるだけ食い止めるということが大切でありまして、いろいろな経済的な影響は出ております。搭乗率低下によって、先ほどおっしゃられたように、減便になっているわけであります。週2便体制に基本的にこれからなっていくということでありますけれど、インバウンドは今大変盛り上がっているわけなんですけど、この数年間ずっと増えている、特に中国からのお客様が増えているところに、急ブレーキがかかっているわけでありますけれども、経済的には大変厳しいわけでありますけれども、命の問題でありますので、今起きていることは、この状況、影響、これからの被害の可能性を考えれば仕方のない事態であると考えております。とにかく、感染をできるだけ小さい範囲で収束をさせるということに今は注力をすべきであろうと考えています。
その他のことについて、経済のことであれば、ある程度、後からでも取り返しがつきますので、しっかりみんなでやるべきことをしていきたいと思います。

記者)
 以前の会見で、もし感染者が県内で見つかった場合は、経路など出来るだけ公表されたいというご意向を示されていたと思うんですけど、それに変わりはないか。

知事)
 私どもすでに新型インフルエンザのガイドラインというものを作っておりますので、その中にも、公表基準について記載をしております。基本的にガイドラインに沿った対応ということになります。私自身、ガイドラインを作るときに、思いは反映されておりますけれど、私自身これは2年前の水害の時も同じですけれど、公表をする必要性がどれぐらいあるのか、メリット・デメリットがどういうことになっているのか、それを総合的に判断をして対応する。ある種当たり前のことですけれど、そう思っておりまして、感染ものというのは、とにかく初動が大事です。きちんと検査を受けなければいけない可能性があるかないかということで、情報があれば、自分は実は可能性があるんだという人が、濃厚接触の可能性があるんだという人が、きちんと検査をして、それぞれ対応してくれれば防げていたものが、その可能性を知らなかったがゆえに、自分もうつす側に回ってしまったみたいなことが起きると、これはそういうことが続くと、最終的にパンデミックになってもおかしくないわけでありまして、私はどちらかというと、平均よりはきちんと公表をすることが全体の利益にかなうと考えている方であります。ただ個別の事例によって、これから判断してまいりたいと思います。

記者)
 他県からは、公表基準に関して国が一貫した基準を作った方が良いんじゃないかというような声も有るようなんですけど、それについては。

知事)
 そうですね。それは一つの考え方であろうと思います。私からすると、ほんの数名であっても、プライバシーについて非常に強い考え方を持っている首長が、これはどう見ても後から考えれば、公表すべきであろうということを公表しなかったことによって、そこから、感染が広がるということは、個人的には心配をしておりまして、ある程度妥当なラインの示していただくと、そういうバラつきが抑えられるのかなと思っております。ただ自分の責任にしたくないっていうことで、国に投げる考えもあろうかと思います。私自身あんまりそういうのは気にしない方なので、とにかくレベルを揃えるということは一つの意義があることだと思います。

記者)
 歳入見込みの話で、西日本豪雨の復興が続いていることが、消費税率の引き上げなど考えられるんですけど、新年度も80億を超える歳入不足が生じているこの要因としては知事どのように受け止めてらっしゃるのでしょうか。

知事)
 すごく余裕があれば、歳入に余裕があれば、そういったことなく、組むというのが理想と思っています。なかなか歳入が増えない、今回は消費税率アップという特殊要因がありますけれど、ただ消費税率が上がるということで、市町村への補てんを除いた純増がざっくり60億円ほどありますけれど、全て福祉の充実に充てることになっております。ざくっといえば、半分が幼児教育・保育の無償化など、とにかくタイトです。その時に、それぞれ見積もって収支がそういうことになっているわけですけれども、たまたまそうなったと、偶然そうなったというよりも、だいたいこれぐらい入りそうだ、残念ながら、これまで拡大を続けてきた法人税関係がちょっと伸びが鈍いぞということで、我々が期待してたようなものは入ってこないと、それも見込みながら、いろいろなプログラム、もう少し踏み込めるのか、それともここで抑えなきゃいけないのかということをいろいろせめぎ合った結果であります。じゃあなんでそれが8億円じゃなくて、800億円じゃなくて80億円ぐらいになるのかっていうのは、結局のところ、我々これまでだいたい予算を立てるときは皆さん方の組織もそうだと思いますけれど、歳入は固めに見積もって、歳出の方はこれぐらいいくかもしれないっていうことで、ちょっと多めに見積もるっていうのは変なんですけど、例えば、入札に関しては、この価格で入札をかけるっていうのがその基準になります。実際にはそれよりも上でということはほとんどありませんので、その分ですとか、もしくは執行残ですとか、普通にやっていると、多少それが30億だったり、100億だったりするんですけれども、だいたい何とか不用もあるので、この程度の踏み込みだったら大丈夫だろうと、当たり前のせめぎ合ってこんなことになるというのが私の理解であります。

記者)
 受動喫煙防止条例についてですけど、意見の内容も様々なんですが、2月定例会に条例案を提出していく、時間的にはタイトになってくるのですが、意見から条例案に向けて知事はどのように修正をかけるのかどうかですね。知事は条例案に向けての考え方は、今はいかがでしょうか。

知事)
 この問題はとにかく、条例を作る、作らないという時から、非常に人によって幅広いご意見があるということは認識をしながら取り組んできたところでございます。我々気を付けましたのが、受動喫煙防止ということですから、ある程度の規制をかける条例です。その時に規制をかけたい人の話だけ聞いて、これは厳しければ厳しいほどいいんだっていうことで盛り上がって、どんと提案する。それはあまりにも県民の皆さんの広い合意から外れると、そもそも条例として成立しません。議決が通りませんのでということと、後、たまたま何らかの理由で通ったとしても、県民の皆さんの幅広いご支持、心からの賛同っていうのは、全員のっていうことじゃなくても、これはやむを得ないな、ここら辺が妥当なところだなっていう感覚での支持がいただけなければ、空文化しかねないということですので、その規制なんて必要ないんじゃないかっていう方々のご意見も、いろいろ勉強会、審議会等でいただいたところであります。このレベルであれば、かなり広い皆さんからのご支持をいただけるだろうというものを素案としてお示しして、今回パブリック・コメントを募集しました。で、我々が危惧をいたしておりましたのが、素案を出した、それが実は我々だいたいいろんなご意見がある中の、妥当な辺り、ある種、別にこの橋のちょうど真ん中を通ったつもりはないんですけれども、大きな塊のところを通ったんですけれども、ふたを開けてみると、もっと規制すべき、いやいやこんなのきつすぎるっていう、このどちらかの意見が圧倒をしていると、これは我々が見積もったよりも皆さん方の思いっていうのは、こちらにあった。もしくはこちらにあったっていうことになると、これはちょっと少し立ち止まって、もう一度、考え直さなければいけないなっていうことも、思っております。今の時点で集計したばかりですけれども、それぞれ、この案でいいっていう案と、もっと厳しくしてほしい、ちょっとこれ正直きつすぎるっていうこの左右がざくっと同じぐらい、もしくはこれ件数だけじゃありません、同じ文面をコピーして、100送ったらそれが100なのかっていうと私はそうは思わない。読ませていただいて、トーンですとか切実さですとか、ということからすると、そんな極端な偏りはなかったというのが今の思いでありまして、大きく修正すべきという感覚は今持っていないところです。

記者)
 収支見通しのところですが、収支不足、マイナス収支が昨年に続いて80億円を超えまして、最終補正を前倒しして、財調を積み立てたり、綱渡りのような運営になっていると思います。知事は就任以来、財政規律を重視した財政のハンドリングをされてきたと思うんですが、今の財政状況の認識とその財政運営、今後の財政運営をどういうふうにお考えかというのをあらためて。

知事)
 財政の認識は一言で言えば厳しいということで、もともとこの水害の前から厳しかった。石井前知事が議会の皆さんと協力されながらなんとかなんとかやり繰りをされていた。知事が代わって急に財政状況変わるわけではありません。財政を考える時に、いろんな視点があるんですけれども、ざくっと分けると、ストックとフローっていうのがあろうかと思います。家計で言えば、なんか毎月毎月お金が足りなくなる。それが1万円でも、1万5千円でも足りなくなるので、どっかちょっと親戚から借りているっていう状態はかなりちょっと給料と生活の水準バランスがちょっとやっぱり悪い状態ですよね。それともう一つ、特に借金がない、ちょっと預金があるよっていう家計と、いやもう住宅ローンだからしょうがないんだけど、何千万円もどかっとあるよっていうと、また全然違いますよね。
 岡山県の場合、両方の問題があったわけでありまして、結構、県の人口ですとか財政規模と比べて、県債が重いという問題は、このストックの問題はなかなか急には改善しません。
 今私が知事になってから、県債全体を、臨財債を含めた県債を少しづつでも減らしていっている。これ実はずっと20年、30年基本的にずっと増えてきたわけですけども、今減らしている最中でありましたが、この水害で、少し減らすトレンドからちょっと増えてきています。私のというか、この7年間の努力の分が、半分ぐらい消えてるような状態になっています。
 後、フローの方についても先ほどおっしゃられたとおり、これまで使わなくてよかった手を使って、なんとか毎年の予算を組んでいるということですから、これが厳しくないって言ったらこれは嘘になるかと思います。なんとか予算を作って毎年まわしていくっていうことは、きちんとやり遂げたい。実際に、水害に関するいろいろな国のプログラムですとか、独自のプログラムをいくつか見送れば、こんな綱渡りをしなくて済んだ可能性も十分あるんですけど、それぞれ大事な事なので、ここはあえて踏み込んだわけです。

記者)
 電話相談窓口を作られたということで、個別具体的なことは後で聞こうかと思うんですけど、これを設置した目的をちょっとあらためてというか、不安が高まる肺炎としての窓口設置と。

知事)
 少なくとも2つ、担当者に聞いたら4つぐらいあるかも知りません。私の時点では2つ目的があろうかと思います。
 まず一つは、安心してもらうということなんです。普段のシーズンでも風邪をひく人、インフルエンザかかる人、いるわけでありまして、これもしかしてコロナウイルスなんじゃないかっていうときに、ちょっとなんか報道されているような症状に近いかもしれない、自分はちょっとそういう関係があるからなっていう時に、相談できるところがあるというのは、すごく私は安心のもとになると思っています。
 後もう一つは、相談する場所がないっていうことで、不安を抱えながら日々の暮らし、検査をするでもなく過ごしているうちに、うつしてしまうというのは、よくないわけでありまして、ご自身で症状だとか、数週間の行動が、そう言えばいろんな条件で可能性があるなっていう方には当然相談をしていただくことによって、我々としても、リスク管理ができるということもあります。
 ぜひ、しっかり岡山県でできることはしっかり行いたいと思っています。

記者)
 呼びかけとして、37.5度以上かつ湖北省への渡航履歴など条件があるんですけど、この方が保健所に連絡をしてきたその方は皆さん全員ウイルス検査を受けていただくということになるんですか。

知事)
 実際どういうことかで対応が違うと思うんですけれども、実際にこういう条件に当てはまるのであれば、検査を受けてくださいねっていうことをアドバイスすることになる。
これはちょっと担当にお願いします。

健康推進課長)
 ここのチラシにある症状の方、2週間以内に武漢を含む湖北省に拡大をされていますけど、その人達は、保健所に連絡を頂いて、保健所の中でその方の状況、どこをどういうふうに通られているのかというような状況も踏まえて総合的に相談させていただきます。
 個別的にきちんと対応させていただきますので、先ずは最寄りの保健所へご相談をいただくということをお願いしたいと思います。

記者)
 この条件に当てはまる人が全員検査を受けられるということではない。

健康推進課長)
 条件に当てはまって、お熱が有れば、検査の受けられる医療機関をご紹介するという今体制が出来ています。

記者)
 では、この条件というのは国からのアナウンスだと思うんですけど、今は症状の無い方でも人にうつしたりということがありますが、この条件というのは十分だとお考えですか。

知事)
 先ほど申し上げましたけれども、つい数日前までは、この条件(1)のところは武漢市への渡航歴があるということになっていたものを、急遽武漢市を含む湖北省への範囲拡大をしています。今、新型コロナウイルスの潜伏期間がどれぐらいあるかっていうこと、ちょっと修正がかかっている。とにかくまだまだわからないことがたくさんあって、今もいろんな報告でどんどんアップデートされている状況でありますので、この内容についても一週間後に変わっているかもしれませんし、我々、対策本部を立ち上げて、立ち上げたときに申し上げましたように、常に情報をアップデートして皆様方にお伝えすると申し上げたとおりであります。今はこの条件が適切であると考えておりますし、また状況が変わればアップデートしてお知らせしたいと思います。

記者)
 今ある情報の中では、発症してない方でもうつす可能性があるという情報が現にあるなかで、この条件が十分であるのかという。

知事)
 そうですね。とにかく、渡航していなくても、バスの運転手さんだとか、バスガイドさんがうつったこともあるぐらいですから、例えばここの中で、この部屋の中にいる人で、絶対にこの新型ウイルスを持ってないと100%言い切れるのは多分できないんだと思いますよ。可能性は著しく低いわけですが。ですから我々とすれば、可能性の高い人から合理的に拾っていくということでいえば、この条件になるということになります。

記者)
 先月30日に対策本部を立ち上げて、県民の不安を解消したいという思いがあるようですが、実際ここまでの期間まで報道されておりますし、保健所等を通じてこういった意見であったり、不安な声であったり岡山県が把握されている、知事が把握されているこういった声が積み重なってきているから電話専用の相談窓口を作るべきだと判断されたと思うんですけど、その辺りどのような意見があったり、不安な声があったり、何件ぐらいあるとか、そういうのは把握されているのか。

知事)
 私自身何件というのは今頭の中にありませんけれども、今か後ほどでも。

健康推進課長)
 1月31日までで、県内で大体320件の相談が各保健所に寄せられております。県民から直接の相談、もしくは医療機関から中国から帰った人であるとかという相談がありますが、県民の皆さんからは、中国の人と接触をしたとか、どこか観光地に行ったときに外国人と接触したとかそういうご相談が寄せられております。

記者)
 自分が感染したという。

健康推進課長)
 自分が感染したという相談よりは、例えば中国人と接触したようだけど大丈夫だろうかというようなそういうふわっとしたような、本当に何かが不安、報道されることで不安を感じて連絡をいただいているという相談が結構ございました。その人達に対しての相談を一本化して本日から窓口を作らせていただきます。

記者)
 受動喫煙防止条例のことなんですけど、いろんなご意見があることがわかったんですけど、今の素案で通ったとして、実際県民にとって何が変わるのか。

知事)
 まず、改正健康増進法が完全施行になりますと、ずいぶん私は良くなると思っています。完全かというと、たばこ吸わない方からすると、まだまだっていうご意見があることも十分承知の上で、現状よりはずいぶん良くなるというのは、これは間違いないところであります。それがもう十分良くなるということであれば、そもそも条例の話は出ないわけなんですけれども、いろいろ受動喫煙を何とか防ぎたい、せっかくたばこフリーオリンピックっていうことを約束したんだったら、本当に、たばこフリーにしたいと言われる方々にとって、いくつか改正健康増進法でも、不十分な点が指摘されているわけですけども、我々が一番気にしているのが、自分の意思で避けられるかどうかっていうことです。例えば、第一種施設については、完全に敷地内禁煙。それぞれもっと厳しくしてくれるといいんだけどっていうことだと、例えばそこの吸っている人を避けて、もう10メートルか20メートルか避けて通れば、そんな健康被害は生じないだろうっていうことが想像つくわけですけれども、今我々が取り組もうとしている、飲食店ですよね。で、その飲食店で働いている人は、これちょっとどうしようもないんですよね。いわゆるそこで働かなきゃいいんじゃないかっていうことも、1つ確かにあるんですけれども、実際にたばこを吸うことを許すお店が大半ということになると、結局、私はたばこの害が心配なんですっていう人は、働く場所が無くなってしまうということがあります。その従業員を雇っているのであれば、きちんと分煙をして欲しい、もしくは禁煙にして欲しいというところは、我々非常に強く思っているところでありましたので、そこについてはしっかり取り組もうという思いで素案を作ったところであります。
 そもそも数年前、たばこの健康被害については、長い研究の歴史がありますけれども、そもそも害が無いんじゃないか、いやかなり害があるっていろんな意見がある中で、欧米、ようするに白人のデータでいえば、かなりまずいということは随分出ていました。ただ、日本人は、また白人とは遺伝子レベルで違うところがありますから、あのデータはそのまま使えないっていう議論もあったわけですけれども、実際数年前に、日本でもたばこを吸わない人が受動喫煙によって年間1万5千人死亡しているであろうという推計がなされました。これはかなり大きい数字でありまして、たばこを吸っている人が、っていうならそれはそれで覚悟の上の数字なんでしょうけれども、たばこを吸わない人が、ご家族が吸われているとか、職場が非常にたばこの煙が多いという、いろんなことで本来の寿命よりも早く亡くなられているということであれば、これは望まない職場における受動喫煙、これはなんとかしなきゃいけないと考えているところであります。

記者)
 先程もお話の中でありました、条例を作っても空文化してはいけないというところなんですけど、この条例がそれこそ空文化するんじゃないかそういう方向に行ってしまうんじゃないかという、この条例を通すことによって何をするのかっていうのを。

知事)
 結局、いま受動喫煙が、たばこが問題になっているのが、外部性があるっていうことなんですよね。例えばどうなんでしょう、私の趣味が将棋なんですけども、本当に下手くそなんですが、小学生に負けるんですけど、その将棋をする趣味は、ほとんど周りの人に迷惑はかけません。私が将棋をすることで寿命が縮む人っていうのは多分いないと思います。お酒を飲むっていうことに関しては、個人でたしなむ分について、やはりご本人の健康に影響があるかもしれませんけれども、外部性はないと。これがお酒を飲んだ上で運転をするとまた全然状況が違ってきて、飲酒運転で命を落とす方がいまだにいらっしゃる。これはいけないんじゃないかと。お酒を飲むのもいいと。運転免許を持っている人が運転するのもいい。でも、これの組み合わせは全く罪の無い人を殺す可能性があるから、絶対にないっていうふうになっているわけでありますけれども、たばこも人のいないところでぷかーっとふかす分については、ほぼ外部性ないわけですけれども、これが人のいる閉鎖空間で吸われると、そのたばこの煙を吸わされた人は健康被害があるわけでありますので、人に迷惑をかけるタイプの喫煙、これをいかに減らしていくか、たばこ吸う人とたばこを吸わない人がいかにすみ分けて、お互いハッピーに生活できるような社会を作っていくかっていうことが、今回の受動喫煙防止条例のすごく大事な思いだと私は思っています。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見