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2020年2月14日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0649366 2020年2月17日更新公聴広報課
会見写真

令和2年度(2020年度)当初予算案について

 おはようございます。
 私からは、2項目、お話をさせていただきます。

 はじめに、令和2年度の当初予算案を取りまとめましたので、その概要をご説明いたします。
 まず、要求段階からの変動についてご説明いたします。お手元資料1「令和2年度当初予算要求額からの増減」の「一般会計の計」欄をご覧ください。要求段階から約6,000万円の減となり、予算額は約7,465億円となっております。
 なお、要因については、資料に記載しているとおりであります。2ページには、先般の予算総括協議会等での議論も踏まえ、私が追加した事業についてお示ししております。事業の追加に当たっては、本県のより良い未来の実現に向け、一層力を入れたい事業を中心に検討したところであります。
 まず、教育の再生については、(1)番にありますように、小学校における長期欠席・不登校対策のさらなる推進のため、登校支援員及び別室指導員を増員いたします。また、保健・医療分野については、(2)番にありますように、望まない受動喫煙の防止を図るため、既存特定飲食提供施設に禁煙化エリアを整備する際の、改装費用に対する補助制度を新設いたします。子育て支援については、(3)番にありますように、保育士就職マッチングシステムを導入し、保育人材確保の取組を強化いたします。防災対策については、(4)番の防災ワークシート作成事業を追加するほか、(5)番にありますように、河川の氾濫リスク軽減のため、河道内整備事業、いわゆる新ふるさとの川リフレッシュ事業の予算額を増額いたします。さらに、(6)番にありますように、県民局が実施する緊急性の高い事業に早急かつ柔軟に対応するため、地方振興事業調整費についても増額いたします。これらのほか、(7)番にあります、犯罪被害に遭われた方の経済的負担軽減のための、支援金支給事業の新設や、(8)番にあります、アスリートの競技力向上のための、県内競技団体への支援拡充などを追加したところであります。
 続きまして、お手元資料2「令和2年度当初予算のあらまし」をご覧ください。
 1ページですが、先程申し上げたとおり、令和2年度当初予算の規模は、一般会計で前年度比1.6%、116億円増の7,465億円となっております。
 次に、6ページをご覧ください。
 来年度当初予算においては、財政調整基金をほぼ前年度並みの82億円取り崩すこととしており、依然として厳しい財政状況が続いております。
 続きまして、7ページには今後の財政見通しとして、向こう5年間の試算をお示ししております。前回の試算に比べ、税収の伸びの鈍化などにより、財政調整基金の取崩しが増加する見込みとなっております。
 11ページをご覧ください。
 平成30年7月豪雨災害から2年が経過することを念頭に、一日も早い復旧・復興に向け、引き続き全力を挙げてまいります。このうち、「被災者の生活とくらしの再建」については、被災者の住まいの確保・見守りや、災害廃棄物の処理などに取り組みます。
 また、「地域経済の再生」については、復旧後も含めた相談体制の強化、制度融資による金融支援、営農再開支援などを続けてまいります。
 12ページをご覧ください。
 「公共施設等の復旧」についてでありますが、甚大な被害のあった小田川3支川、砂川、高梁川では、決壊箇所の原形復旧及び堤防嵩上げ等の改良復旧が完了しており、引き続き、決壊箇所以外の築堤や護岸整備等を進めてまいります。
 13ページをご覧ください。
 これら3つの柱を中心に、豪雨災害関係予算は、これまでの累計で1,388億円となっているところでございます。この予算を有効に活用し、被災された方々が一日も早く元の生活を取り戻すことができるよう、しっかりと取組を進めてまいりたいと存じます。
 14ページをご覧ください。
 来年度予算額を「新晴れの国おかやま生き活きプラン」の重点戦略ごとに記載しており、合計は1,539億円となっております。
 16ページをご覧ください。
 好循環のエンジンである教育の再生と産業の振興についても、引き続き、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 まず、教育県岡山の復活についてであります。
 来年度の主な重点事業でありますが、「部活動指導員配置事業」では、教員が生徒と向き合う時間を確保するため、今年度に続き、部活動指導員をさらに増員いたします。
 「小学校における長期欠席・不登校対策システム化推進事業」では、学校の実態や取組方針に応じて登校支援員や別室支援員、専門指導員を配置し、効果的な校内体制づくりを支援いたします。
 17ページをご覧ください。
 次に、地域を支える産業の振興についてであります。
 来年度の主な重点事業でありますが、「岡山県産日本酒ブランディング・プロモーション事業」では、「酒米処おかやま」のブランド化に取り組むなど、県産日本酒の認知度向上と国内外での販路拡大を図ってまいります。「インバウンド拡大事業」では、新たな市場の開拓に取り組みながら、国・地域の特性に応じたプロモーションを実施するとともに、外国人旅行者のレンタカー利用を促進するための助成などを行います。「人材還流・定着プロジェクト」では、インターンシップ参加促進の取組を充実させるほか、奨学金返還支援事業の対象を拡充し、若者の還流と県内定着を目指してまいります。
 18ページをご覧ください。
 河川の防災・減災5か年集中対策事業であります。災害検証委員会の提言等を踏まえ、河川管理等について、ハード・ソフト両面の防災・減災対策を、令和6年度までの概ね5か年で集中的に推進いたします。主な事業として、重要水防箇所の総点検や、河川巡視の精度向上のための樹木等の伐採を行うとともに、手動操作の樋門について、優先度の高いものから無動力化を進めてまいります。また、先ほども申し上げましたように、小田川3支川、砂川、高梁川における築堤や護岸整備等を引き続き進めるほか、河川の氾濫リスクを軽減するための河道内整備事業は、大幅に予算を増額して取り組んでまいります。
 19ページをご覧ください。
 国の「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」に呼応した2月補正予算案を、先般取りまとめたところであり、防災・減災、国土強靱化をさらに推進するための補助公共事業や、県立学校のICT環境整備など、総額約113億円を計上しております。
 20ページ以降は、新晴れの国おかやま生き活きプランの戦略プログラムごとに、詳細な内容を掲載しておりますので、後ほどご覧ください。
 令和2年度当初予算案の概要は以上であります。
 来年度は、豪雨災害からの復旧・復興をさらに進めながら、最終年度を迎える生き活きプランの総仕上げにも取り組むという、2つの大きな課題に向かう年度であります。
 当初予算における財政調整基金の取崩額は82億円となるなど、本県財政は依然として厳しい状況が続いており、あらためて、限られた財源や人的資源を、効率的・効果的に活用した行財政運営が必要であると認識しているところであります。
 国や市町村、関係団体等とも連携・協力しつつ、全庁一丸となって、「生き活き岡山」の実現に向けて邁進してまいりたいと存じます。

受動喫煙防止対策について

 次に、受動喫煙防止対策についてであります。
昨年9月以降、県条例の制定を目指し、有識者や関係団体で構成する会議の開催や、パブリック・コメントを実施してまいりましたが、このたび、昨年12月の条例素案を基に、パブリック・コメントの御意見も参考に条例案を作成いたしました。
 今後、25日に開会予定の県議会2月定例会に提案したいと考えております。

 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 2020年度当初予算の事について伺いたいんですけど、当時、知事は2つの大きな課題に向かうとおっしゃいましたが、今回予算が最終組み上がりましたので、どのように受け止めてますでしょうか。

知事)
 もともと、県財政が厳しかったところに、このような豪雨災害がありました。
 災害からの復旧・復興は必ずきちんと進めていかなければいけませんし、だからといって、私自身がずっと訴えてきた生き活きプランに込めた、教育の再生と産業の振興、この大事な2つをエンジンとして、県民の生活を隅々まで向上させていくと、これを諦めるということにはならないと、なかなか厳しいんですけれども、この2つを両立させていくための工夫を盛り込んだ予算になりました。完璧ではないかもしれませんけれども、とにかく、一生懸命取り組んでいこうと思っています。

記者)
 知事が就任されて始めて本格的に手がけられた2013年度当初予算と比べますと、義務的経費を見ますと、大体600億円ぐらい膨張していて、財政の自由度というのが狭まってきている。今回の中でも、独自色を出すというのは相当苦心されたのかと思うんですが、その辺りについて。

知事)
 おっしゃるとおりです。私は、全ての県について調べたわけではありませんけれども、ほぼ同様のことが各県に起きている。ほぼ断言できますのが、社会保障関係費が上がったり下がったりならまだいいんですけれども、一方方向に毎年20億から30億上がっています。去年ですか、初めて1,000億を超えたところでありまして、以前はそれが400億だとか、今の半分以下だったところから、それだけ増え、これからも増え続けるということになります。実は、石井知事時代にはそういったものを、公共投資の抑制で、ある種キャンセルをしていた。長野知事時代の1番最後は1,500億円まであったものを、少しずつ減らしたくて減らしたわけじゃないんですけれども、何とかやりくりをしなきゃいけないっていう中で、1,500億円から500億円まで減らしてやりくりをした。今、それを下回るわけにはいきません。むしろ防災・減災ということを考えると、もしくは老朽化したインフラの更新を考えると、本当に増やしたいぐらいなところ、もうこれ以上減らせない。事務的経費の最右翼である社会保障関係費、これは県の裁量が非常に小さいものでありまして、国がメニュー、ルールを決めて、市町村がそれをほぼ大体似たように適用するんですけど、それも踏み込んで、これはやりたいっていう場合に、何割かの請求書が県に回ってくるっていう、そういう仕組みでありますので、県の裁量が非常に小さい部分が構造的に大きくなっている。それはもう大きな国全体の仕組みの問題でありますので、その中でいかに、例えば私の立場で言えば、産業の振興がまさにそうなんですけれども、県税を増やしていくか、以前厳しかった時に2,000億を割っている、何とかしなきゃということで、今消費税の率が上がったこともありまして、2,000億を大きく2,500億ですとか上回る県税をいただけるようになっておりまして、自主財源比率は、例えば中四国の平均と比べるとずいぶん水準は上でありますけど、そういった一つ一つの努力を積み上げていかなければいけないと思っています。

記者)
 そういった中で、最終年度ですけども、独自色、県民メッセージという意味を込められた予算だと思うんですけど、その独自色というのは打ち出せたというふうにお考えですか。

知事)
 とにかく盛り込めるもの、やれることはやったという思いがございます。これも私が最初からいっていたことなんですけれども、やはり同じことであれば、お金を使った方がスピードを変えるですとか、3つ試すところを5つ試せば、くじを余分に買うようなもんですから、当たる確率が上がる。いろいろあるんですけれども、でもお金が全てじゃないよと。全国知事会のなんですか、良い工夫を募集するコンテストで、第1位を取った取り組み、これは県庁職員が企業のマーケティングに協力をしようっていうことでして、これはコストゼロなんです。コストが小さくても、非常に効果のあるものを、どんどん入れていこう、もしくは組み替えをしていこう、いつも言いますけど、小さくいろいろ種を蒔いておいて、芽の出方によって、水のあげ方を変えて、小さいリスクで大きく成果を取っていこうと。これを愚直に繰り返す、常にアイデアを掘り起こしていくっていう。その意識は随分浸透したと思っています。前の知事会長にも褒めていただきましたけど、岡山県はいろんなアイデアが毎年出てくるねって。その手のアイデアコンテストの常連になっておりまして、ぜひ、予算制約があるから、考えることを、諦める、さぼるということがないように、これまでやってきています。

記者)
 予算の関係で聞かせてください。災害関係なんですけど一昨日は真備町で、昨日は県庁で、自治体の首長から要望がありまして、知事査定で拡充された部分は有るんですけれども、いわゆる再度災害の防止や予防に対する予算というのは、今予算でしっかり盛り込めたというような認識なんでしょうか。

知事)
 そうですね。先ほど予算制約がある中でもまずやったのが、原状復旧です。壊れた堤防をそのままには絶対できませんので、それは次の出水期っていうのは半年ちょっと前ですけれども、それまでに絶対完了させるっていうことで完了させました。それと並行してなんですけれども、改良復旧を今やっているところであります。これもロードマップをお示しして、今順調に進んでいるわけであります。当然ながら再度災害を防止するということは、我々自身も強く意識をしております。それぞれの地域からも強い要望をいただいてますし、国にも強く要望をしているところでございます。
 今回、私の知事査定の中の一番金額面で大きいものが、河川内整備2億円、私は、大体ちょこちょこ付けるんですが、そういう中では一番のある種大盤振る舞いを付けたところであります。これはやはりいるなっていうことも、スケジュールをこれからお示ししてやっていくんですけれども、本当に各地から急いでほしいと、我々のところはいつになるのかという強い要望いただいておりまして、やっぱり予算は付けようということになっています。昨日ご要望いただいたものにつきまして、我々も全く同じ思いでありまして、ただこれができないとこれができない、これをやるためにはこれがいるっていう、かなり工程が複雑、1つのことじゃなくて、例えば高梁川のこの部分っていっても、5、6ケ所それぞれ事情が違います。早く動いているものもあれば、なかなか難しいものもございます。でも、そのぜひ一つ一つの課題を解決しながら前に進めようと思っております。昨日のものは、予算もさることながら、いろいろな工程上の問題も多々ありました。

記者)
 新型コロナウイルスなんですけど、国内で初の死者が出ました。このことに対する受け止めと、今後の対策についての考え方をお聞かせいただけないでしょうか。

知事)
 とにかく、こういう感染していくものに関しては、初動が大変大事であります。この初動が成功すれば、大きな問題にならず終息をするということが十分期待できるわけでありますけれども、実際、ある程度感染が広がってしまうと、押さえ込みではなくて、最初の防御戦を突破されたということを前提に作戦を組みかえなければいけない、ということになります。実際に、最初の防御ラインを突破されたかどうかと、それを今判定する時期に来ているのではないかなと考えているところでございます。
 昨日、国がその会議をしまして、ほぼちょっとそちらの方に傾いている。我々自身も、今ちょうどそれを判断しなければいけないタイミングだろうと思っています。とにかく岡山県庁とすれば、現実的に対応していく。こうあれば助かるんだけどなとか、こうあって欲しいということを前提に、対応をとっていると大変なことになりますので、こうかもしれないということで、予備的に動く、もしくは、もう現状こうであると認めざるを得ないということに従って対応をとっていく、そういう対応でいきたいと思います。

記者)
 政府が緊急の対応策をまとめているんですけれども、今後、岡山県としても経済分野であるとか、水際分野であるとか、対応を練り直していくということになるんでしょうか。

知事)
 フェーズが変われば当然対応も変わってきます。これが本当に岡山県庁、昔の岡山藩みたいな門があって、出入りを厳しく制限しているのであれば、またあれなんですけど、これだけ人が大量に行き来をしていますので、県境というものがほとんど意味を成しません。 ですので、国の対応とリンクをさせながら、きちんと動いていただけるんじゃないかと思います。

記者)
 知事査定の追加のところで、2ページの(2)なんですけど、受動喫煙のない環境整備促進事業ということで、いわゆる条例についての後押し施策かなというふうに理解はしているんですけども、知事のお考えといいますか、こういったものを査定に加えられた思いについて伺えないでしょうか。

知事)
 これは、私自身、改正健康増進法だけでは県民の健康を守り切れないということで条例をつくるという決断を、私が作るというより、条例案を作るという決断をしたわけでありますけど、その際、気を付けたのが、なにか条例だけで全て魔法のように解決ということは、私は期待できないなと現実的に考えておりまして、皆さん方のできるだけ幅広いご意見をお伺いして、コンセンサスをとっていく。その条例を1つの起爆剤として、しっかり数年かけて、より良い状況に向けて進んで行く。あと誰か一部の人を悪者にして、あなた方は徹底的に我慢しなさいということではなくて、何か大変な状況をみんなの利益のためにお願いするのであれば、そのための支援策は必ず必要である。これ実際、国でいろいろやってるので、支援策についてもそれに追加して要るかどうかというところも議論はあったんですけれども、姿勢を見せるっていうこともありますし、これは是非入れたいということで入れさせていただきました。基本は、多分国の支援策がメインになろうかと思いますけれども、足らずを補えればと思っています。

記者)
 予算の新規事業の中で、岡山空港機能向上調査事業についていくつかお尋ねします。
 岡山空港の将来像を描いていこうということだと思うんですけど、知事としては将来的に岡山空港をどのような空港にしたいとお考えですか。

知事)
 そうですね、実は私が何か絵を書いて、それに沿って計画を作って欲しいって言ってこの予算を組んでいるわけではないんです。私自身、自分の思いを投影させた方がいい場面も否定はしないんですけれども、あまり思い込みで突っ走ってどうのこうのって言うのは、慎むべきだと思っておりまして、今回は何か特定のことがあるんじゃなくて、2つのこと、1つは、明らかに今はインバウンド、外国からのお客様が増えています。これ自体も素晴らしいことなんですけれども、当初、30年前に岡山空港を作った時には、ここまでいらっしゃるっていうことは想定してなかったわけでありまして、ずいぶん混んできています。ですので、これからも増やしたいわけですから、どのペースで増えていくと、いつごろキャパシティが限界になるのか、どれぐらいの例えば、5年先なのか、7年先か知りませんけど、ターゲットにどれぐらいの設備の増強をする必要があるのかっていうのは、いやもう大変です、これはもう本当に大混乱が起きていますっていう報告が来てから考えるんだったら、これはまさに泥縄っていうことになるので、ちょっと早めに考えてねっていう指示を出した結果であります。
 後もう1つは、民間委託ですよね。それについて、我々するって決めているわけでは全然ない、全くニュートラルなんですけれども、これまでも、実は一般的な研究はしてきたんですけれども、もう少し踏み込んだ形で研究をさせていただく、これはやるべきだっていう時に、やるべきだって言ってから何か研究に1年も2年もかけていると、これはちょっとまずいですので、そういったことをさせていただく。でも、これも全く本当にニュートラルなんです。私自身、ぜひ先行してコンセッションをする空港にいろいろ教えていただきたいと思っています。

記者)
 先程質問に出ました、受動喫煙の知事査定分なんですけども、禁煙化エリアを整備する際の改装費用とあるんですけども、具体的にどういったことを念頭に置かれてまして、その知事が期待する効果っていうのはどういった所に有るんでしょうか。

知事)
 具体的な工事というとかなり詳細なことになるので、担当に聞いていただければと思いますけど、実際、今回いろいろ受動喫煙を防止するっていうことで検討した結果、結局のところ、既存小規模の施設内、これ国の法律ではその面積によっては、そのまま喫煙、全てを喫煙可にできるっていうことなんですけれども、いやそれは困るんです、人を、従業員雇っているんだったら、それはできませんよっていう努力義務を課す内容になっています。それは業者の皆さんからすると、国でOKっていうところに、いやいやちょっと条例でそれは正直困りますっていうことをお願いするわけですので、それについて、一方的に努力義務を課すだけじゃなくって、支援もしないと、そこに喫煙室を入れるときに当然お金がかかりますので、そういったことについてご支援をしようと、そういう内容でございます。

記者)
 特にやっぱり小規模飲食店ですとそういった改装費用とかっていうのも負担になるんで。

知事)
 そうですね。負担になるのは間違いないので。

記者)
そこは財政的に支援しようって。

知事)
 はい。何とかお手伝いができればと。

記者)
 で、そういった禁煙化なり分煙化を県としても促していくという狙いがあるという形で。

知事)
 とにかく我々が思っているのは、受動喫煙、表現によっては望まない受動喫煙、これ望む受動喫煙があるのかどうなのかっていうことで、受動喫煙を極力減らしたい、もうゼロにしたいというときに、それぞれの関係者の皆さんに、望ましい行動、決断をしていただくための、私は必要な措置だと考えています。

記者)
 予算で大枠の話になるんですけど、知事の重点課題とされています教育再生と産業振興と、また加えて人口減少対策もかなり近年力を入れていると思うんですけど、今回の予算の中でも、いろんなメニューが含まれていると思うんですけど、これまで中々成果が出なかった部分もあると思うんですけども、これまでの成果というか、課題を踏まえまして、今回の人口減少のメニューに込められた期待する効果っていうのをお願いします。

知事)
 国を挙げて岡山県庁も、それぞれの市町村役場も必死で頑張ってきた人口減少対策であります。
ただ、人口を増やすっていうこと、自然増減ということでいえば、今減っているわけですから、新しく毎年生まれる赤ちゃんの数も、全国でこんなに減ってしまったと、ちょっと減り方のスピードも想定よりも早いということですので、成果が出ているの、出てないのっていうことも出てないわけです。ただ、これが一切無駄になっているかっていうところわからないところでありまして、もし国を挙げて、我々で言えば、県庁挙げてここまで一生懸命頑張っていなければ、もっと子供の数が減っていたことも十分考えられるわけでありまして、正確な効果、我々がこれをしたから生まれる赤ちゃんの数が何百人分増えたんだと、これ自体はちょっとタイムマシンか何かパラレルワールドでもなければ、本当にわからないところなんですけど、でも、ぜひ出生率を回復させた他の国ですとか、一部の地域の例を参考にしながら、私は一生懸命やり続けるべきものだと思っています。そもそも今やっていることが無駄ではないんですけれども、もしかしたらもっと深いレベルでやらなきゃいけないっていうことなのかなっていうのを、最近思い始めています。
 とにかく今、東京一極集中が進んでいる。それと、この人口減少の問題は明らかにリンクしてますので、東京一極集中の問題が解決すれば、人口問題も全て綺麗に同時に解決するかっていうと、そこまで100%の対応はないかもしれませんけれども、明らかに、これ皆さんの中で東京に住んだことがある方、もしくは東京に子育て世代の友達がいらっしゃる方はよくご存知だと思いますけれども、東京で3人、4人の子育てをするなんていうのは、よっぽどものすごい給料取ってる人でもなければ無理です。大体私の友達でも、大半大学、大学院の同級生は東京に住んでますけれども、子供は1人が普通。2人いると頑張ってるねってみたいな話でありまして、ぜひ、私自身は東京都とそれ以外、線引きはちょっと詳しくわかりませんけれども、税率の基本的な法人税の税率を変えるべきだと思って主張しているぐらいでありまして、根本的に国の形を変えていかなければ、今のこの少子化対策は、本当の意味で動かないのではないかと思っていますが、この今の枠組みの中で全力をつくしています。

記者)
 今後の財政見通しについて、予想よりも取り崩しが今後も増えていくよっていう見通しがありましたけど、これによって今後の財政運営の方針がなにか変わっていくようなことは。

知事)
 方針自体が変わるわけではありません。ただ、とにかく先ほど申し上げましたように、義務的経費、特に社会保障関係費がこれからしばらくの間増え続けることが想定をされますので、なかなか厳しい状況が続くと。これも例えば、余分に10億円必要な時期が5年続くから何とかって言うんだったら、そこを飲み込むっていうのも不可能じゃないんですけれども、20億円増えました、増えて戻るんじゃなくて、増えた状態が当たり前になって、また次20億っていうことで、どんどんどんどん首が締まっていくような状況が社会保障費に起きているわけですので、そこは本当に厳しいなと思っています。
 先ほど、公共事業費を削りながら何とかしのいできたと申し上げましたけど、当然それだけではありません。岡山県の場合は、以前6,000人弱いた県庁職員を、今4,000人を下回るところまで削って、一部は政令市移行に伴って職員が出ていったっていう構造的なことはありますけれども、本当に規模の似た県の職員の皆さんから、よくこれで回せてるねっていうふうに感心されながらなんとか工夫と努力で回してきたというのが実情でございます。とにかく、出来る工夫を重ねながら、何とか回していきますし、もうどうしようもないということであれば、今もお願いしてますけれども、国に地方一般財源総額をきちんと確保していただくよう引き続きお願いしていかなければいけないと思います。

記者)
 これが現在の知事の任期の最後の予算になると思うんですけども、あえて、名前を付けるとしたら。

知事)
 私は、あえて名前つけないようにしてるんですけれども、先日申し上げましたのは、二正面作戦をしてる予算だなと。とにかく私にとって、この生き活きプランの教育と産業っていうのが、岡山の将来にとって、明るい未来にとって大事だっていうこの信念は何があっても変わっていないわけでありまして、だからといって、もう1年経ったから復旧・復興はいいやっていうことも当然ありません。ですから、この2つをなんとかやり遂げると、そういう予算になります。

記者)
 先程話題が出たので伺いたいのですけれども、2月定例会前ということで、まだちょっと気が早いかもしれないんですけども、知事の任期がこの秋で終わりになると思うんですけども、一部自治体なんかだと、首長さんの出馬表明が出ているようなところもありまして、知事の任期としてはまだ先ではあるんですけど、この秋というと、国政選挙の可能性ということも取り沙汰になってくるかなというところもありまして、現時点でのご意向といいますか、お考えを伺えないでしょうか。

知事)
 はい。とにかく一生懸命頑張ってということで。
 私の有難いことは、突然任期切れになるっていうことがありませんので、11月11日までしっかり頑張りたいと思います。

記者)
 新型コロナの関係でもう少し教えて下さい。知事が防御線についてお話をされて、国の求めに応じて各地で画一的な対応を取られてらっしゃるんですけども、やはり感染者が増えてきている現状から見て、これまでの対応として、課題として感じてらっしゃったことはありますでしょうか。

知事)
 そうですね。とにかく初動が大事でありまして、ある一定規模まで広がってしまうと、ちょっと収集がつかなくなります。今、我々が風邪と呼んでいるもの、インフルエンザにもいろんなタイプがありますけれども、最初は全て新型だったわけでありまして、それを一旦広がって、ある種慣れてきて、そんなに悪いものでなくなっていきます。これも常に人類はそうやって戦ってきた、馴らしてきた。
 私は、その専門家ではありませんけれども、例えばエボラ出血熱ですとか、それよりもっと激しい病原体があった場合に、早く広がって、すぐ殺してしまうものは、実は広がらないんですよね。それで、ものすごく恐ろしいウイルスは、自分が世代を超えてどんどん繋がっていくチャンスそのものも殺していってしまうので、今我々が毎年かかっているタイプのウイルスっていうのは、今そんなに我々がかかってすぐ死ぬような、特に若い健康な人がかかって死ぬようなものじゃないんですけれども、そのご先祖様、100年前、500年前の変異した直後は、強毒で、ずいぶん危険だったものもいくつか含まれているわけでありまして、突破されたらいかにそういうところに持っていけるかということも考えなきゃいけない段階になるんだろうと、ちょっとこれ先の話をしてしまいました。ということでありまして、すいません、最初の話に戻りますと、やはり初動で如何に押さえ込むか、日本の場合は、国境の周りに全て水がありますので、内陸国と比べると押さえ込みは本来しやすい国のはずだと思っておりまして、ぜひ、きっちりできるだけ小さい範囲で終息させて欲しいと思っています。
 特にオリ・パラに影響があるような事が無いといいと思っています。

記者)
 教育の関連で、学力テスト10位以内の目標なんですが、改めて見通しを。

知事)
 これも言い訳に聞こえたらもうしょうがないんですけども、私自身、教育っていうのは非常に大事だと思っています。教育っていうのはよく言われることですけど、知・徳・体それぞれバランス良くっていうのが大事だと思っています。なんか勉強はよくできるんだけれども非常に病弱で、かつまた意地悪っていう大人に育って、いやこれは素晴らしいと思う人は多分あまりいないはずでありまして、それぞれがしっかりできてるっていうのが大事だなと。
 その中で、当然やっぱり学力っていう学ぶ力っていうのは非常に大事なんですけれども、私自身、47都道府県の中で10位以内に入ることをそんなに神聖化していたわけでも何でもありません。私が知事になった頃っていうのは、日本全体の学力の低下が非常に危惧をされていた頃でありまして、日本全体で沈んでる時に、日本の中ではそこそこいいよっていったって、全然それ自体嬉しくないわけでありまして、これは大変素晴らしいことに、学力テストが定着をして、ある程度競争をあおられたところもあるんですけども、県ごとに、特に下位県の学力が随分底上げをされました。それによって日本全体の学力も、一時期危惧された頃よりもぐっと上がってきた。私はそれは素晴らしいことだと思っています。岡山県もそういうことで、底上げができまして、今、小学校、中学校、算数、国語それぞれありますけれども、ざくっと言えば、だいたい集団の中に入ってきた。マラソンでもそうですけど、トップグループがありまして、あと下位グループで、ちょっともう棄権するのかなみたいな人達がいて、以前、我々は棄権が危惧されるようなところをゆっくり走ってたわけですけれども、今、集団の中で、抜きつ抜かれつやるところまで来たということでありますので、とりあえずの心配は脱している。その10位っていうのは何で私は10位を選んだかっていうと、私が知事になったときにそこにあった前知事の夢づくりプランの中に目標が10位っていうふうに書いてありまして、45位と42位なのに10位はこれは正直高すぎるよなとは思ったんですけれども、じゃあ現実的な順位っていうことで、例えば25位だとか、30位っていうことを掲げると、ものすごい後退したなっていうふうに思われるのも、ちょっとまた誤解の元なので、10位の旗はそのままに、ただこれえらい遠い目標になりますよということをお伝えして、その目標を維持したわけであります。私自身が強い思い入れで、10位というものを、ハンドピックしたわけではないということはここで再度お伝えをしたいと思っています。私とすれば、学力の底上げは非常に大事なんだけれども、県別の相対的な順位よりも、岡山の子供たちがきちんとした学力を身につけているかということの方がよっぽど気になるということでございます。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見