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2020年7月15日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0673487 2020年7月16日更新公聴広報課
会見写真

第3次晴れの国おかやま生き活きプラン(仮称)の骨子案について

 私からは、「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」の骨子案について、お話をさせていただきます。
 お手元の資料をご覧ください。平成28年度、2016年度に策定した現行の生き活きプランが、今年度で終了することから、第3次プランを策定することとし、このたび、その骨子案をとりまとめたものであります。
 全体の構成につきましては、現行プランの大枠を踏襲し、「基本的な考え方」、「長期構想」、「行動計画」の3章で構成することとしております。第1章の「基本的な考え方」では、「生き活き岡山」の実現を、引き続き県政の基本目標としております。第2章の「長期構想」では、高齢者人口がピークを迎え、その後は全ての世代で人口減少が見込まれる2040年頃の岡山の将来像を展望いたします。第3章の「行動計画」につきましては、長期構想で描く岡山の将来像の実現に向けて、来年度からの4年間で中期的に取り組む計画といたします。
 重点戦略につきましては、引き続き、「教育県岡山の復活」「地域を支える産業の振興」「安心で豊かさが実感できる地域の創造」の3本柱としております。さらに、その下に17の「戦略プログラム」を掲げております。骨子案には、5ページ以降、17の戦略プログラムごとに、現在検討している「主な生き活き指標例」と、それらの指標を達成するための「主な施策例」を掲げております。新規の生き活き指標例として、教育分野では「全国学力・学習状況調査の全国平均正答率との差」などを、産業分野では「新規立地企業等の投資額」などを、このほか、防災関係では「ハザードマップの確認を行っている県民の割合」などを検討しております。
 今後、この骨子案をもとに、県議会をはじめ、市町村や関係団体などからご意見をいただきながら、11月に素案を作成し、パブリックコメントを行った上で、来年3月の策定を目指してまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。

質疑応答

記者)
 細かい内容は今後またご検討されていくと思うんですけれども、特に骨子案の中にあるポストコロナの時代を見据えて、何かお考えになっていることがあれば教えてください。

知事)
 これが一番流動的な部分でありまして、コロナ関係で大きく二つ、いろいろなプランを動かす要素があると思っています。それはまず、今我々がやっていることに大きく影響を与える、だいたい悪い方に影響を与えていますけれども、例えば観光消費額ですとか、そういったものは大打撃でありますし、今の時点で全ての悪影響が出尽くしたとはとても言えない状況であります。そのアップデート、それによって次の柱が変わりますので、次の目標も変わってくる、もしくはやらなければいけない対策が変わってくるということになります。これがほぼ出尽くしたような感じではあるんですけれども、ウィズコロナ、アフターコロナ、どの程度でだいたいこのコロナの感染症はやり過ごしたと言えるのかがちょっとなかなか見えませんけれども、スペイン風邪のように100年たってもインフルエンザA型として残っている可能性もあります。とりあえず、ここまで我々の生活を制約する期間が1年なのか、数年かかるのか、その後のアフターコロナのニューノーマルがどういうものになるのか、これも見えない中で、どのように我々プランの中に入れていくのか、これは大変悩ましいところでありまして、どこの時点でも確定的なことを書くのは難しいわけですけれども、可能性を見据えながら、いくつかの非常に簡単なシナリオも考えながら、少しずつ修正をかけていきたい。少なくとも、作った時点で見える最善のものにしていきたいと思っています。

記者)
 資料の10ページの「保健・医療・福祉充実プログラム」の中の生き活き指標例の「感染症に関する訓練・研修会への参加人数」だとかというのがリンクしているのかなと想像するんですが、例えば具体的に何か考えていらっしゃることがありますでしょうか。

知事)
 これは、コロナに関係して考えているものの一つ、まさにそうです。これが一つの例でありまして、今ご紹介しているのはそういったことでありますけれども、まだまだ流動的でありますので、これから拡充される可能性もあります。これが落ちるということは、これだけのことがありましたので、この新型コロナウイルスが最後の感染症になるという可能性もほぼありませんので、これからも何らかの形でこういったことが、SARSがあり、MARSがあり、新型インフルエンザが、この20年間の間にあったわけですから、いろいろ考えていきたいと思っています。

記者)
 現計画の進捗だとかもまた今年中に出されるのかもしれないですけれども、現時点でコロナウイルスの感染拡大による影響というか、マイナスと逆に、追い風になっている面も多少あるのかなと思ったりするんですけれども、その辺いかがですか。

知事)
 マイナスになっている方がよく思いつくわけですけれども、典型的なのが観光ですし、産業系のところも結構マイナスが大きいと思っています。そもそも、自動車の工場が需要減のために止まるですとか、そういった需要が減ったということで、高炉が一つ止まる、そういったことが起きているぐらいですので、なかなかプラスというものは見込めないわけです。今思いつくもので言えば、人が動かなくなったものですから、環境面での指標を測ってみれば、ずいぶんよくなったという数字が、インドですとか中国ですとかで報道されていますけれども、足元の岡山県でもあっても全くおかしくないと思っています。

記者)
 目標達成というか、進捗進めるという上で、コロナウイルスがかなり壁になっているというご認識でしょうか。

知事)
 これまで、少しずつでも順調に進んでいる指標が多かったわけでありますので、大変大きな攪乱要因になったというのは間違いございません。壁になったということで言えば、すごろくでいう、1回休み、2回休み、感覚的には3回休みぐらいのインパクトがありますし、追い風になったものについても、別に我々あのような強力な自粛生活をこれからも望んでいるわけではありませんので、特例的にこういうデータも出たっていうことであります。ぜひそれを乗り越えて、新しい生活、例えばリモートワークの定着によって我々自身の働き方が合理化されると同時に、環境への負荷も小さくなったと、そういったことは考えられるわけでありまして、今回、総括すれば大変残念なことであり、いまだに心配なことの中から、少しでも前向きの変化を引き出せるような工夫と努力といったものはしていきたいと思っています。

記者)
 引き続き「教育県岡山の復活」を掲げられていると思うんですけども、ご就任されてから、どの程度まで復活というのができたのか、残っている課題は何なのかについて教えてください。

知事)
 「教育県岡山の復活」というのは、私にとって大変大きなテーマでございます。あんまり長く喋らないように気をつけます、できるだけ短くしますと、本当にこれこそが、20年、30年先の岡山を考えるにあたって一番効いてくるファクターだと思っています。今の子供、若者がどういった知識を学ぶのか、どういったスキルを習得するのか、どういった価値観・倫理感を持って、もしくはどういった習慣を身に付けるのかということが、本当に地域の未来を決めていきます。そういった人たちが働くにふさわしい産業を、きちんと整備しておこう。また、そういうきちんとした産業基盤の上に、しっかりした人がそれぞれの分野に就職して支えていくことによって、税収面もしくは雇用面で豊かな地域がこれからも作られていくというのが、私のグランドデザインであります。そういうことで言えば、私ずっと教育県に育ったっていう実感がありました。岡山は、東京、大阪と比べて、豊かな場所かどうか、賑やかな場所かどうかって言われると、多分そうじゃないんだろうなって言っても、非常にしっかりとしている、堅実な人を育てているいい場所だという実感を体感しながら育ったわけでありますけれども、いろいろ財政のこととかあったんだと思うんですけれども、8年前の時点でかなり学校の荒れが目立っていた。学級崩壊のことですとか、暴力行為ですとか、私が県内いろんな人にお話を聞いているときに、元々私実はそういう問題意識も持ってなかったんです、知らなかったんですけれども、私の子供が小さすぎたっていうこともあったんでしょう。びっくりするくらい多くの方が、自分の子供、もしくは自分の孫が通っている学校のことが心配だと、こんな学校で子供たち孫たちを学ばせていいんだろうかと、何とかしてくださいよというお話を聞いて、いろいろ調べてみたら、実際数字でも、暴力行為の発生件数が全国ワーストであったり、少年非行の率が全国ワーストであったりと、学力テストの結果も、私が選挙しているときの数字が、小学校と中学校の順位が、45位と42位、これは教育県岡山のイメージとかけ離れているわけでありまして、これも何とかしなきゃいけない。もう何度も申し上げておりますけれども、私自身、テストの成績さえよければ、他はいい、知、徳、体とありますけれども、知力さえ、テストは強ければいいんだ、後は非常に不健康な、もう運動なんてしないよ、夜ふかししてるよという、青白い顔でフラフラしてよく学校休んだりするんだけど、テストだけは取れる。テストの点を取るんだったら、どんなずるでも構わない、ばれなければ悪いことやってもいいんだみたいな、そんな歪んだ人間の育て方は当然ないわけでありまして、非常にしっかりした、岡山も言ってみれば、東京、大阪と比べると田舎なんですから、田舎らしい非常に真っすぐな、元気なみんなから愛される、まっすぐな子供たちを育てたい。知、徳、体、それぞれバランスのいい子供たちを育てたいということで言えば、私はその環境はずいぶん出来上がってきたと思っています。学校警察連絡室のことですとか、批判もいただきましたけれども、がんばる学校応援事業から今でも引き続いている、それぞれの学校の工夫を応募してもらって、審査をしてこれはなかなかいいな、効果を出しているな、考え方が素晴らしいなというものを選んで普及をしていく、これが随分、それぞれの校長先生をはじめ、先生方に広まっているなと感じているところでございます。実際、今岡山県に荒れは一切ないのか、暴力は一切ないのか、そういうわけではありません。ただ、ずいぶん水準が変わってきたということを感じています。これは数字でも、例えば少年非行が8年前と比べても3分の1になっているということでも明らかでありますし、学力も我々47都道府県の中で明らかに下位でありましたけれども、今は平均の団子レースの中に入っているということで、ずいぶん景色は変わってきたのではないかと思っています。ただ、岡山県民、我々は教育県だ、私自身は、東の長野、西の岡山というふうに聞いて育ったものですから、実際どうだったのか知りませんけれども、我々が教育に対して非常に強い思いを持っているレベルにはまだ達していないような気がいたしております。この教育というのは、私は投資の中でも一番いい投資だと思っていますので、まだまだこれからも、お金だけではなくて、我々の意識ですとか、注意ですとか、エネルギーの時間、そういったことも含めて、これからも教育には投資をすべきだと思っています。

記者)
 このプランが向こう4年を見据えてということなのでお聞きしたいんですけれども、知事選に向けてのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

知事)
 誰が知事になってもプランの改定はしなければいけないことですので、今粛々と進めています。私の任期が11月で切れるわけですから、知事選は10月に行われることが決まっています。私自身、次の選挙に出るとするならば、そういったことを訴えることになりますし、次の選挙に勝たれた方が、この生き活きプラン、さらにその選挙で得た民意、皆さんの声を肉付けしていくことになろうかと思います。

記者)
 コロナの影響の確認なんですけれども、この17のプログラムは確定したものだと思うんですけども、今後コロナのことが影響してくるとすれば、例えば指標の設置であったり、各指標の達成目標の数値であったり、もしくは施策であったり、その辺りにちょっと影響してくるということでしょうか。

知事)
 先ほど申し上げたとおりでありまして、コロナの影響がこのプランにどういう形で反映をすることに、されることになるのか、これは大変流動的であります。第1波で、今これを第2波と呼ぶのか知りませんけれども、ここからすごく落ち着いてくれば、あまり大きな影響はないでしょうし、これからまた燃えさかる、冬にかけて大変なことになってくると、ずいぶん我々、このプラン、例えば数値のアップデートですとか、もしくは発射台の調整による実際の目標の変更ということもありますし、何か項目が変わってくるという可能性もないわけではありません。我々、とにかくプランというのが、きちんと現実に即したものであるよう、常に考えていきたいと思っています。

記者)
 今回のプランの最上位計画なんですけれども、知事としてどこに力点を一番置いて考えていくというふうな方針でしょうか。

知事)
 今回のプログラムのプランの見直しに際して、当然、例えば4年前ですとか、8年前と比べて、社会全体も動いていますし、我々自身が指標を中心にいろいろ達成してきたものもあります。どんどん目標を置いて、それを達成して、もうそれについては卒業という形で、以前だったらこれはちょっと少しハードルが高いな、目標を置くこと自体も難しいなというものを新たに目標に設定してという、そういういい循環を繰り返していきたいと思っていますし、皆さんの意識が少しずつ変わってきたんで、それを反映する形にしたいと思って、どこを変えるべきかということで、むしろ変えていこうということで検討をしているわけなんですけれども、今の時点で、骨子案を皆様方にお示ししている時点で、大きく骨格は変えないという結論になっているので、こういう骨子案をお示ししているところでございます。結局のところ、私自身の訴えていることというのが、いろいろあります。本当に県民の皆さんの生活そのものですので、ああ居心地がいいな、もしくはああ辛いな、本当にこれじゃやる気が出ないぞ、こういうことだと頑張れるとか、いろいろ日々の生活の中で思われること、ここよくしたい、よくしてもらいたいということがある。それぞれの制約、いろいろあるわけなんですけれども、予算制約が一番きついことが多いです。リソースの制約、そういったことを考えるにつけても、これは三木知事が60年前に考えられたことと似ていますけれども、とにかく産業の振興によって所得を向上させよう、また税収を、独自の県税を上げよう、それが全ていろいろな、防災であったり、福祉であったり、教育であったりの原資になるわけですから、あともう一つは、我々自身もしくは我々の次の世代をしっかり育てよう、鍛えようということになります。30年前、一世代前、二世代前と比べて、我々の生活は明らかに便利になっていますし、非常に残念なことも減っていますけれども、そういうことで怠惰になってしまったり、無責任になってしまったりすると、それは本当に残念なことでありまして、自分たち自身をきちんと律していく、鍛えていくという、これは広く言えば教育ということになろうかと思いますけれども、この二つが一番基礎になる。他のいろいろな大事なことの好循環の元になるという、この根本的な考え方は変えるべきではないなと考えたところでございます。これはいろいろありますけれども、私、テニスをやって、今ゴルフですけれども、両方とも手を使うスポーツなんですけれども、どうしても手が気になるんですけれども、実際うまい人というのは、上半身よりも下半身を鍛えていまして、そういう基礎をしっかりする、見えないところ、地味なところ、時間がかかるところをしっかり頑張ることで、成果を出しやすくしていく、もしくはその成果を永続的なものにしていくというのは、私、県政の中にもしっかり考え方として入っていくべきだと思っています。細かい表現については、いろんな表現の仕方があろうかと思いますけれども、その考え方は絶対この中に入れたい、もしくは外したくないと思っているところです。

記者)
 このプランの骨子案の作成に着手したのは、いつの時点になりますでしょうか。

知事)
 これから改訂に着手だっていう宣言をしておりませんので、常に細かいアップデートをしているので、いつから着手したのかというのは総合政策局に聞いていただければ。私自身は、常にアップデートを続けている。その延長線上に、今回の改訂があると思っています。

記者)
 熊本に派遣されていた保健師が感染確認されたことに関しまして、昨日、全国知事会のメッセージが出ていると思うんですけれども、知事ご自身は支援活動においての対策をどういうふうに進めるべきだとお考えでしょうか。

知事)
 せっかく支援に行っているのに、結果的にご迷惑になる、もしくはご心配をおかけするというのは残念なことです。ただ、100%防ぐということは事実上難しいわけでありまして、今の検査、100%かかっていないことを証明することができないわけですので、事実上できるのは出発前にPCR検査をしておけば、漏れはあるものの、ある程度安心ができるということであります。実際、高松市もしくは香川県の事例を考えて、我々がどうするのか、これから考えていかなければいけないと思っているところであります。むしろ、ご迷惑をおかけする可能性もありますし、そこに各県からの支援員がいるわけですので、そこでもらって帰る可能性もそこそこございます。ですから、戻ってきてからの経過観察、もしくは戻ってきてからのPCR検査ということも必要なのかもしれません。それも流行状況によって違います。例えば岡山が非常に静かな状態、今でも私は静かだと思っていますけれども、それだと事前確率は非常に低いです。ですから、今の時点で本当にPCR検査がどれぐらい有効なのかということも検討しなければいけないと思いますし、かなり燃えさかってくるとPCR検査しなければ我々の方も安心して外に出せないということは十分考えられますので、合理的に考え、また全国知事会の指針ですとか、援助を受ける熊本県の意向も考えて、我々対応していきたいと思っています。

記者)
 今行かれている方たちが帰ってきたときは、どういうふうに検査をしようと思っていらっしゃいますか。

知事)
 とにかく経過観察、体調がどうかということは注意深く見守るというか、申告をしていただきます。PCR検査を受けてもらうかどうかは、今まだ決めてはおりません。

記者)
 行く前も、帰ったあとも検討中ということでしょうか。

知事)
 決めたことはないんですけれども、そういった事例が現に起きたということで、我々自身どのようにするのか、今検討しているところです。

記者)
 GoToキャンペーンについてお伺いします。月曜日の会見でも、知事お答えだったと思うんですけれども、他の知事からも慎重論が出ていることを踏まえまして、あらためてお考えをお聞かせください。

知事)
 私自身、13日にお伝えしたことが私の本音であります。ただちょっとびっくりしたのが、一部の全国紙には、私は積極推進派のように書かれております。とにかく、観光業を応援するというのは大事ですし、GoToキャンペーンは、数週間も前から、それで言えば数か月と言った方がいいのかな、楽しみにしていた事業であります。ぜひ成功させたいというのは、今でも変わっておりません。ただ、そのときにも申し上げた通りでありまして、成功させたいわけですけれども、そのために感染を拡大させてしまう、その状態があまりにひどいので、また外出自粛をお願いしなければならないような状態に追い込まれるのであれば、もう何をやっているかわからないということになりますので、それぞれの地域に応じた対応をとる、もしくは感染状況に応じたいろいろな対応をとる。これは当たり前のことでありますので、例えば一部の知事が言っている、近くから少しずつ始めるですとか、仕組みとしてどういう仕組みができて、どういう仕組みができないのかというのは、国のGoToキャンペーン、あまり詳しく知らないんですけれども、今岡山県がやっているのは、県内のクーポンを発行しているわけであります。岡山県の場合、県内はまだ静かですので、県内でぐるぐる回る、もともと申し上げていますように、次は近隣で回っていくという、東京を中心とした関東圏がずいぶん燃え盛っているわけであります。燃え盛っていると言っても、これも数日前に申し上げましたように、第1波のときの燃え盛り方とは違う形、自分たちで探しに行って掘り起こした結果の数字ではあります。ただ、実際少しずつ、夜の街じゃない、市中感染に近い広がり方もしているということでありますので、とにかく、その状況に応じた対応をとるということが大事であります。これは心配だなということになったら、少しトーンダウンをするのか、お休みの期間を持つですとか、とにかく合理的に対応をすべきだと思っています。ということなので、言っていることはほとんど変わらないんですけれども、目をつぶって前に進むということは全く考えておりません。

記者)
 一部のGoToキャンペーンの事業が22日からということになりますけれども、まだ若干時間がありますけれども、直前と言うか、その直近の状況に応じて、例えばもうちょっと感染の状況が広がるようなことがあれば、知事からもそのことに関して、またあらためてのメッセージを県民に対して出されるようなこともあるのでしょうか。

知事)
 今、知事同士で相談をしているようなことでありますけれども、実際、国のキャンペーンで、それぞれの知事が別々のメッセージを出しても、多分、対応は難しいのだと思います。私とすれば、今の時点でもし私に全ての権限があるのであれば、とりあえずこの期間、22日から始まるにしても、最初の数週間はブロックごとで回しましょうとか、もしくは関東は一旦最初の数週間ちょっとこれをお休みにしましょうみたいな形だと当然助かるわけですけれども、どういうことが可能なのか、これはちょっと私自身、今わかりませんけれども、ぜひ、結果的にあそこでずいぶんばら撒いたなということにしないように、制度設計なり、今からでも修正をしていただければ大変ありがたいと思っています。

記者)
 全国学力テストで、当初は低い水準だったのが徐々に上がってきているということだったと思うんですが、今回の5ページを見ると、生き活きプランの学力テストのところは「全国平均正答率との差」という指標が例としてありますが、今回は今出されています10位以内という目標の順位、これは堅持するお気持ちなのか、この後素案を肉付けしていくんでしょうけど、その辺りはどういったお考えでしょうか。

知事)
 これは、大変皆さん気になることだと思っています。これはもう何度もお伝えしていることを、これから何回もお伝えをします。私が知事になって、生き活きプランをつくる、実際には生き活きプランをつくるというよりも、前知事の夢づくりプランがまだ走っておりましたので、それを改訂するというような現実的には形をとったわけでありますけれども、私自身は学力を向上させる、教育県岡山を復活させるということでずっと回ってきましたけれども、あまり学力テストの順位について気にはしておりませんでした。選挙期間中も、この順位を上げますというふうに言ったことは多分ないと思います。どうしてかと言うと、私の頭の中になかったので、なぜ順位というものが大きく、教育県岡山の復活が私にとっての1丁目1番地なので、そこにどんと教育が来て、その一番上のところに学力テスト10位以内というのが出て、私がどんと打ち出したように見える形なんですけれども、実際私自身、夢づくりプランの改訂のときに非常に悩んだところが、もともとの夢づくりプランの目標が、学力テスト10位以内というのがありまして、発射台が45位と42位ですから、これはどう見ても高すぎるし、あんまりその順位がどうのこうのという、水準が問題なんであって、その当時はPISAテストにおいて、日本自体の水準が低いということになっていましたから、他の県がどんどん落ちていって、岡山県の子供たちの学力も世界的な水準で見れば非常に見劣りするんだけれども、相対的に他の県よりはよくなったというのがどれぐらい嬉しいかというと、あんまり嬉しくない。私とすれば、世界の子どもたちと比べてどうなんだと、成長したときに世界で普通に仕事ができる、そんな完璧な英語なんて喋れなくていいですけれども、英語でちゃんと仕事ができるレベルをそこそこの割合の子供たちができるようにというぐらいの感覚でおりましたけれども、もともとある順位というものを、現実的にはその学力テストの順位というのを落とすかどうかということで、落とすと、学力に関する具体的な目標が全てなくなってしまいます。実際、PISAとの比較なんていうのは、岡山はしてないわけです。どこの県もしてないわけですから。それを落とすかどうか、落とすとメッセージが真逆になりかねないので、残すと。残すときに、そうしたら現実的な順位、例えば25位だとか、30位にするのか、いや、目標自体が、47しか県がないところで30位というのは、何か教育県岡山の復活というのは、その程度で復活なんですかということになるので、しょうがない、10位というのがあるんであれば残すけれども、とても4年や何年でできるような目標ではなく、遠い目標だし、それさえできれば嬉しいという目標でもありませんということで残したものが、大変注目を集めて、あたかも私の最初の選挙の公約があの順位であったかのように、多くの方が思われている。これはちょっと、私からすると残念な経緯ではございます。今、技術的な問題で、それぞれの県の順位争いというものがずいぶんヒートアップをしてしまう。我々のように、10位、10位というふうに言っている県、岡山県だけではありません。それを文科省がちょっと残念だということで、これまで発表していたそれぞれの県の成績、これまでは小数点第1位まで発表をしていたわけですけれども、これだと加熱するということで、整数のところで切って発表をして、我々自身もわかりません。他の県のことも、当然わかりません。となると、実際、整数の同率15位の県が、もう何か7つ並んだりとかということになると、ほんのちょっとしたことで、すぐ順番が10、上がったり、下がったりということになりますので、非常に不安定な指標ということになります。こうなったときに、順位をそこに乗せる意味が、元々私自身そこまで重視していなかったものがこんなに不安定であるのであれば、もう外させていただきたいと。ただ、学力は大事だと思っていますので、全国平均と比べて我々がどうなんだという指標にあらためようということでございます。

記者)
 全国順位の指標は、次期プランは外す可能性も高いというふうにお考えでしょうか。

知事)
 はい。

記者)
 現在、県民に対して、県外の移動については、観光は県内や近隣県から楽しむということや、東京圏の移動については改めて必要性を検討してほしいということなんですけれども、この期間中に始まるGoToトラベルについて、県民やもしくは宿泊施設に何か県として求めることというのはありますでしょうか。

知事)
 本当に悩ましいところでありまして、これが第1波がおさまった一番静かな時期であれば、本当に気持ちよくGoToキャンペーンはありがたいという話ができるわけですけれども、この数週間、少しずつ、例えば東京の数字、もしくは東京周辺の県の数字が上がってきているわけであります。ですから、1日ごとに少しずつ状況が変わって、多くの場合、心配が増えているわけであります。これも何度もあれですけれども、一般的に東京にとっても、どこにとっても、どういう感染状況であれ、近場でぐるぐる回るというのはリスクが少ないわけなんです。いや、近場だろうが、そのすぐ近くに感染者がいたらうつっちゃうじゃないかという意味では危ないんですけれども、限定された地域、一つの、例えば家族の中、ほぼ外の人と会わずに家族の中だけでうつして、他にうつさないというんであれば、大変限定的になります。危ないのが、ほんの数名しか感染していないんだけれども、それぞれ遠くに行って、種をばらまくということになると、そこからまた広がっていくということがありますので、ですから、これも本当に悩ましい、経済ということで言えば、遠くに行くというのは経済を活性化させる非常に大きな要素なんですけれども、感染拡大を防止するということで言えば、遠くに行かない方がいいわけなんで。ただ、外出自粛というのは、本当に副作用が大きいというのがわかったわけでありまして、我々、近場でぐるぐる回れば、そんなにリスクを上げずに経済活動はほぼほぼ維持できるということがわかったというか、今でもわかるわけなので。GoToキャンペーンについても、できるだけ近場、近場で中心にやっていただくというのが大事なのかなと。県内はもう大歓迎、近隣県も安心なところが随分広がっています。現時点で、ここからは来ないでくださいというのは、言うほどのことではないと思っているんですけれども、やはりお住まいの地域、お住まいの都道府県の数字が高い場合は、少し余分に配慮というか、防護をしていただければありがたいですし、行き先の都道府県がちょっとこの数字が気になるなというときには、余分に気をつけていただきたいと思っているところであります。

記者)
 制度設計を修正していただければありがたいという言及ですけれど、どういうことが可能かとういうのはちょっと詳しくわかっている状態じゃないとと前置きした上で、ブロックごとに回すとか、関東お休みとか、先ほど言われたような近場、近場で回すのが大事じゃないのかなと言及されたんですけれども、これっていうのは、知事としてGoToキャンペーンに対するご意見であるだとか、提案であるだとか、そういうような理解でよろしいんでしょうか。

知事)
 私が、政府に対する提案をしているということではありません。知事で何かいい提案をまとめられないかなという相談はしていますけれども、どういう思いですかと言われたので、アイデアですとか、考えを出しまして、これ自体を政府に向けているわけではありませんけれども、ただ、県の岡山県版GoToキャンペーンについては、我々が制度設計するので、こういう修正はできるとか、これはちょっともう間に合わないとかわかるんですけれども、ちょっと私、国の制度設計をきちっと勉強できておりませんので、今の時点でどういう対応ができてどういう対応ができないのか、わからないのに勝手にこうしろああしろというのも、ちょっと無責任かなと思うんですけれども、一般論として、近場、近場重視型、もしくは少し時期を考えて、おさまってくれば、広くてもいいようにするし、ちょっと心配だなというと、狭いままにしていくというのが、非常に感染拡大防止と経済の活性化の両立を考えたときにいいやり方であるということは、これは間違いなく申し上げられることだと思います。

記者)
 大きく分けて、制度、国に対しての話と、県民、一般の方に向けてのお話があると思ったんですが、制度設計について、近場、近場というお話をされているのか、それとも制度設計はどうなるかわからないから、県民の方には少なくとも近場、近場というお話をされているのか。

知事)
 私、今考え抜いた自分の作戦をここで開陳しているというよりも、皆さん方との議論の中でこういうことなのかな、ああいうことなのかなっていうことで、確かにそこは本当にあやふやなままであります。国の方でそういうふうにブロック分けをしていただくと、そもそもそれしかできなくなりますので、大変ありがたいということでありますし、どこでも行けるんだけれども、遠くに行って自分自身も心配だし、心配をかけるのも本意じゃないからということで、ちょっと近場を選ぶっていうのも非常に私は配慮のある行動かなと思っています。ここで難しいのが、ちょっとさっき5秒前に言ったことと矛盾しているように見えるかもしれませんけれども、例えば、東京の人が来てはいけないとか、我々が東京に行ってはいけないということになると、また自粛警察の皆さんのお出ましということになってしまいます。これがまた、過度な監視社会ですとか、いろいろな残念な結果を生んでしまいますので、合理的な、例えば私がもう本当に動いてもらったら困ると、それがもう命に関わるっていうときには、炎上したようなことがありましたけれど、止めてくださいということはお願いをいたします。私が、今大丈夫なんですというふうに言っておきながら、大丈夫であるはずのことをして感染をしたからと言って、私が非難する、これは的外れでありまして、ある一定のリスクはある、ただ、我々第1波で学んだことがありますので、実際この病気は非常に特異な性質を持っていまして、インフルエンザとは全く違う、未成年は非常にかかりづらい、成人をするとだいたい同じぐらいかかっていくわけですけれども、かかったときの重症化の割合が年齢によって極端に違うということですので、ご自身が高齢者の方は大変気をつけていただきたいと思っていますし、自分自身、旅行をする、出張する、これは注意しながらしていただければいいんですけれども、そういうある種のリスクをとった後に、親戚の高齢者の方とお会いするだとかということは避けていただきたい。ある一定の期間が空けば、また安全になるわけなんですけれども、そういった基礎疾患をお持ちの方、高齢者の方、もしくはそういった方と恒常的に接する立場にある方が、気をつけていただけるかどうかということが、この新型コロナウイルスの一番心配なところを押さえられるかどうかという、非常に大事なポイントになってくると思います。気をつけるポイントをぜひ押さえていただきたいと思っています。

記者)
 そもそもこのキャンペーン、とても楽しみにされていたとおっしゃっていました。岡山が今どんな状況で、どういうことを期待されていたんでしょうか。

知事)
 とにかく我々、二つのことが心配です。感染が拡大して、重症者、死者が出る、これをすごく心配をしていました。第1波を抑えた今は、今度は第2波も心配であると同時に、経済がもう本当にガタガタになってしまった。それぞれの地域、それぞれの地域の皆さんの生活をいかに支えていくか、これが今非常に心配なところであります。いかに感染拡大を抑えながら、それぞれの地域の経済を回していくか、そのためのいろいろな政府の施策、そのうちの一つがGoToキャンペーンということでありますので、感染拡大を抑える工夫をしながら、ぜひGoToキャンペーン、成功をさせていきたいと思っています。成功させるというのは、期日通りに最初の計画で突っ込むということを必ずしも意味しません。少し遅らせたって別にいいわけですし、地域を限定させたって別にいいわけですので、とにかくGoToキャンペーンの肝は、感染拡大はさせないけれども、経済を戻すという、それをもって私は成功と呼んでますので、ぜひいろいろ工夫をしながら、状況に合わせて実行していただきたいと思っています。

記者)
 県の方でもGoToと連動した、例えばクーポンの発行などを検討されてると思いますが、こちらの例えば時期を遅らせるであるとか、県独自で何か、GoToに対する対応をする可能性はありますでしょうか。

知事)
 今決めていることはありませんけれども、可能性ということは間違いなくございます。コロナの状況というのは、非常に早く動きますし、そもそも我々が今わかっている数字というのは、10日、2週間前の感染の実態ということですので、朝令暮改を恐れずというのが、コロナ対策の非常に大事なところだろうと思います。今やるつもりありませんっていうふうに堂々とここで申し上げて、今日の夜にこういうことに変えましたということになる可能性すらあるわけでございまして、ぜひそれぞれの状況に合わせた行動をとっていきたいと思っています。今のこの瞬間で言えば、まだ考えておりません。

記者)
 GoToキャンペーンなんですけれども、行く側もそうなんですけども、たくさん観光客の方が岡山に来る可能性もあるかと思うんですけども、そういったときの県内の観光地の方の対応といいますか、どういうことを呼びかけていきたいと考えていらっしゃるのか。あと、無症状の方への対応をどうするかというあたりも結構重要なことと思うんですが、そのあたりいかがでしょうか。

知事)
 無症状なのに感染をされていて、感染力をお持ちの方がいらっしゃるというのが、今回の新型コロナウイルスの本当に厄介な点であります。聞かれたのであえていうような形になりますけれども、受け入れるのであれば、気持ちよく受け入れていただきたいんです。あなた感染しているかもしれませんね、症状があれば別ですよ、咳き込んでるとか、見るからに熱っぽいというんだったら、ちょっと受診されたらということですけれども、普通の方に対して、どこの県から、どこの町から来たからと言うことで、それでいやぁもうこの人は感染しているかもしれないっていうのは、これは失礼な話でありまして、もしその地域から来られること自体が本当に危ないというような状況になりましたら、それぞれの市町村長もしくは私が、もうここは移動しないでくださいということを申し上げるわけでありまして。受け入れるのであれば、気分よく受け入れるし、実は、いくつかのホテルですとか地区で、自分たち高齢なので、正直言って県外からのお客様を受け入れるのは心配だという施設があることも、少数ではありますけれども聞いております。そういう場合は、無理して今開けられる必要は多分ないんだと思います。実際に、例えば80代の方は感染をした場合の死亡率が3割に達していますので、ですから、それぞれの地域、施設で判断をしていただいて、開けるときには気分よくということを。すいません繰り返しになってしまいましたけれども、よろしくお願いします。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見