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2021年3月19日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0708631 2021年3月22日更新公聴広報課
会見写真

今議会を終えて

 私からは、3項目お話をさせていただきます。
 はじめに、先ほど閉会いたしました2月定例会についてでございます。
 今議会では、新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、県政全般について、幅広いご質問やご提言をいただくとともに、来年度当初予算、「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」などのほか、本日追加提案した補正予算につきましても、議決をいただいたところであり、県議会の皆様のご理解とご協力に大変感謝をいたしております。
 新型コロナにつきましては、医療従事者に加え、来月には高齢者向けワクチンの優先接種が始まります。高齢の方にも安心して受けていただけるよう、副反応に対応する医療体制を確保するとともに、接種を行う市町村の準備をしっかりと支援し、県内全域での円滑な実施に努めてまいります。また、飲食業や観光業をはじめ、経営状況が厳しい事業者に対する支援事業を早期に実施するなど、引き続き県内の状況を注視しながら、必要な対策を講じてまいります。
 第3次プランにつきましては、コロナ禍の下でのスタートとなります。将来にわたる本県の発展に向け、ポストコロナも見据えながら、3つの重点戦略に沿って、より実効性の高い施策を推進するとともに、限られた財源をより効率的、効果的に活用した持続可能な財政運営に努め、すべての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」の実現を目指してまいりたいと存じます。

デジタル専門人材の公募について

 次に、デジタル専門人材の公募についてであります。
 県行政のデジタル・トランスフォーメーションを推進するため、「DX推進ディレクター」として、外部のデジタル専門人材を公募いたします。ディレクターには、行政手続のオンライン化や、各行政分野におけるデジタル技術の活用等の取組に関し、提案や助言を行っていただくこととしており、プロフェッショナルの方の知見を生かし、より効果的に施策を展開したいと考えております。4月1日から公募を開始し、最終面接には私も参加することにいたしております。
 社会のデジタル化が大きく進展しようとする中、岡山の未来を創造するため、意欲と能力にあふれる方に、是非とも応募いただきたいと考えております。

新型コロナの感染状況等について

 最後に、新型コロナの感染状況等についてであります。
 この1週間の新規感染者数は、先週よりやや減少し、病床占有率も増加していないなど、引き続きステージ1に該当していると認識しております。
 昨日、東京都など4都県に出されていた緊急事態宣言が、3月21日で解除されることが決定されました。しかしながら、首都圏や関西圏における新規感染者数が下がりきっていないことや、全国的に変異株感染者が増加していることを踏まえれば、これは決して手放しで喜べる状況ではありません。
 送別会、歓迎会、花見などのシーズンではありますが、その際も、飲酒を伴う宴会は避けていただくとともに、県民の皆様には、引き続き感染防止対策を徹底していただくようお願いいたします。
 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 先ほどの県議会で選択的夫婦別姓に関して反対する意見書が採択されましたけれども、まずこれについての知事の受止めをお願いできますでしょうか。

知事)
 選択的夫婦別姓制度、この制度につきましては、県民の皆様、それぞれのお立場、お考え、信条で、本当にいろいろな意見が出され、また議論が行われているところでございます。この問題、婚姻制度、家族の在り方などの非常に重要な問題でありますので、引き続き国民の皆さんの理解の下、国において丁寧に議論が行われるべきものと考えております。今日の討論、聞かせていただきました。議会で、それぞれどちらの考えがいい悪いではなくて、討論が行われて意見が交わされる、これは私はいいことだと思っております。それぞれの立場から見ると、それぞれの切実な心配ですとかがあるわけであります。そういった議論がこれからもいろいろなところで行われて、ぜひ国民的な、ある程度の合意が得られることを期待しています。

記者)
 もし可能であれば、知事ご自身の選択的夫婦別姓についてのご意見というのを、賛成なのか反対だとか、もし可能であればお伺いしたいんですけれども。

知事)
 これは大変意見の分かれるところでございます。私自身、考えがないわけではありませんけれども、ここで開陳することは控えさせていただきたいと思います。

記者)
 今LINEの個人情報の流出のことがちょっと問題になっておりますけども、県もいろんな場面で活用されているかと思うんですが、何か現時点で対応策とかありましたら教えてください。

知事)
 これは心配なことでありまして、県の方でもLINE、いろいろなことで使わせていただいております。何か心配なことがあるかどうか、早速問合せなど、調べたところでありますけれども、例えば、もしサポ岡山、これもLINEを使ったシステムでありますけれども、サーバーが全く別だということで、今回の事例とは関係ないということでございます。他にも、いくつかこのLINEを使って仕事をさせていただいておりますけれども、今回の事例とは、岡山県の施策は関係ないということを確認しているところでございます。

記者)
 今後何か、例えばコロナのワクチンの件ですとか、LINEを活用する場面、想定とかあると思うんですけれど、それについて何か見直しをするようなことはありますでしょうか。

知事)
 現時点では考えておりません。きちんとしてほしいというのは当然でありますけれども、今、どの会社であれば絶対こういうことが起きないという、100%保証のある会社というのも見当たらないわけであります。LINEは、いくつかある非常にネットについて知見を有している会社のうちの一つですので、しっかり対策をとってほしいと思っています。

記者)
 先ほどの別姓の受止めのところで、討論が交わされることはいいことで、ある程度の合意が取れればいいというところなんですけれど、これは岡山県議会としてということなのでしょうか。

知事)
 私自身、価値感が違うどちらが正解というわけでもない問題について、議論、討論がされるということはすごく大事なことだと思います。遠くの方から、自分たちが正しくて、逆の意見、反対の意見を持っている人は違うというふうに言うだけでは、これはなかなか自分の意見、もしかしたら違う方向から見れば、違った問題点が見えてくるということにそもそも気がつきませんので、それについてはいろいろなところで議論をするべきだと思いますし、県議会でそういった議論が行われたというのは、私、それ自体非常に大事な、議会のある種根本的な機能の一つだと思っています。実際には法律の話ですから、国会において、もしくは国会議員を巻き込んで様々な議論がなされるべきだと思っています。

記者)
 県議会に関わらず、広く県民ないし国民で合意が取れればいいという、そういう趣旨ですね。

知事)
 はい、そうです。

記者)
 今の関連なんですけれども、こうした選択的夫婦別姓について、反対の立場で意見書をまとめるというのは、全国で去年から問題が活発になってくる中では初めてのケースということなんですが、全国に先駆けてこうした議論をするということについてはどのように受け止められますか。

知事)
 とにかく議論をするということはいいことだと思います。今日、討論が三人の方からありました。また、その意見書も、私もざっと読ませていただきました。私自身、特に詳しいわけでもない、ただ全く知らないわけでもない、そういった当事者の方も何人か知っていますし。その中で今回の議論を聞いて、私自身勉強になることもありましたし、ぜひ先ほど申し上げましたけれども、そこそこの信念を持って、こうあるべきだというふうに思っている人も、相手の言い分を聞いていると、確かにそういうこともあるのかもしれないなということも多々あるんだと思います。私自身、いろいろなところを渡り歩いてきました。理系得意じゃなかったのに工学部に行き、経営コンサルティング会社の外資系の会社に行き、アメリカの学校に行き、フランスの料理学校に行き、地元のスーパーマーケット、それから百貨店に入って、それぞれの方と私自身の思いというのは違ったりするんですけれども、ただ、いろいろお話を聞いてみれば、そうか、そっちから見ると確かに、ずいぶん私自身の固いと思っていた信念も、ちょっとそこまで正しいとは限らないなということも何度も経験をしているところでございまして、ぜひお互いに思っていることを、相手を否定することではなくて伝え合う、この中で時々、納得、説得、意見が少し収斂してくる、そういったことが私はすごく大事なんだろうと思います。

記者)
 宣言の解除の関係で、今行っている特措法の協力要請も自動的に解除されるんだと思うんですけれども、あらためて首都圏の往来ですとか、知事の口から、今の状況と呼びかけをお願いいたします。

知事)
 おっしゃられるとおり、法律に基づく特措法24条9項に基づく呼びかけについては、法律そのものがということではないんですけれども、我々自身が緊急事態宣言が行われている間ということで最初にお願いをしていますので、これが21日に、明後日切れた時点で、法律に基づくお願いはなくなるということであります。我々自身もステージ1に今のところとどまっていますということで、どういうお願いに切り替えるのか、ちょっと考えているところなんですけれども、ただ、大きな方向性として変わることはございません。これもうとにかく、新しい生活様式の咳エチケットだとか、3密を避けるですとか、そういうことについては変わらないわけですし、リスクの高い行動と、それほどリスクがない行動というのもずいぶんわかってきた。それをぜひこれからも気をつけていただきたいと思っています。我々悩んでいますのが、実質のお願いをするべきなのか、形式的な形でお願いをするべきなのかというのは、今に始まったことではないんですけれども、この数週間、数か月ずっと悩んでいるところでありまして、どういうことかというと、東京に行かないでくださいということにしても、東京にさえ行かなければいいのかというわけでもないですし、東京に行っても非常に気をつけてくだされば、ほとんどリスクがないということもあります。私今日コメントの中で花見に言及をしました。花見を禁止するのか、OKにするのか、ここまで、ステージ1に戻った、緊急事態宣言も解除になるという時に、花見はするなとはなかなか言えない。ただ、どうぞもう楽しんでくださいというふうに言った先にドンチャン騒ぎがあるとするならば、本当にこのわずか数週間でまた我々の病床占有率は大変なことになる可能性があるということですので、飲酒については、いろいろな歓送迎会について、飲酒を伴う宴会は控えてくださいというお願いをいたしました。これについては、ちょっとでも飲んだら、それはもう違反なんだみたいなことを言うつもりもないんです。自粛警察にどうのこうのということではないんですけれども、人間とにかく、やっぱり気分よく飲んでいると、警戒心が薄れて、それが大きな感染クラスターの基になったというのは、これまで岡山県だけでも50例あるうちの結構な部分を占めています。ですから、これはするな、あれはするなということは、あまりいちいち言いたくもありませんけれども、もう皆さんわかっていますよね、とにかくきちんと常に予防ということを考えて、お互い柔らかく注意し合っていただくと、コロナがゼロにはなっていないけれども、日常生活を極力守っていけるということで、今、わかりやすい表現、どういうふうにするべきか考えているところです。

記者)
 当面、首都圏への往来という意味では、そのお願いが出る前ですけれども、どういうふうに考えればいいでしょうか。

知事)
 そうなんですよね。そもそも今、緊急事態宣言が特に関東においては、ずいぶん自粛慣れで実効性が薄れているということがありました。岡山県においても首都圏ほどじゃないと思いますけれども、そういうところはあろうかと思います。去年の春と比べるともう明らかでありまして、例えば私がどこどこに行かないでくださいというふうに言った時に、真面目な方、非常に普段から気をつけられている方が、あっそうか、これ、知事が言っているのにそれは行っちゃいけないなと言って、元々リスクの低い出張を取り止められる、これまでも私がお願いしているにもかかわらず、全然私の思いと違う行動を取って感染したり、感染しない人も多いんですよ、そういうリスクを取っている方もいらっしゃる、そういう方は多分私の言うこと聞かないですよね。ですから、そういうことで元々きちんとされている方だけ自粛して、聞かない人はこれまでどおりリスクを取るということも、あまり社会全体として、いい形ではありません。もうとにかく、いかに皆さんでこれぐらいだったらそれは協力しなきゃいけないだろうという、そういう納得感のある、実効性のあるお願いにするには、どういうお願いをすればいいのか、今いろいろ、今でも試行錯誤しているところなんですけれども、それで言えば私、東京に行くなとか、これはもうするなということではありません、あくまで高いリスクを取らないでください。お花、これから少しずつきれいになる、花を見るなとは言いません、木の下で立ち止まるなとも言いません、座っちゃいかんとも言いません。ただ、とにかくその時に、後から考えてあれはリスク高かったなというふうに思うようなこともぜひ止めていただきたい。もうその一点で、それは旅行についても、いろんな集まりについても同じでございます。つい数日前に、ある市内のホテルがいかに感染リスクを下げながら、いろいろな集まりをするかということで工夫をしているんだというニュースがありました。ちょっとしたビールもあるんだけれども、自分で手で飲むんだという。あれだけ気をつけられているものすら、アルコールが入っているから一切駄目だというのは、これはちょっと自分でも厳しすぎるというか、切ないなということがございます。ですから本当にしっかり、それぞれの方が注意をされていることであれば、かなりリスクは低い。ゼロというのは、今の日本であり得ませんから。ただ羽目を外したですとか、もう明らかに今ずいぶん話題になっている、岡山だけでない昼カラ、去年の秋に倉敷があんなことになった、それで岡山県の重症用の病床使用率がぐっと跳ね上がった、あんなことがすぐ地元、足元であったにもかかわらず、まだ同じようなことが続いていたという、これも正直残念であります。歌うなというふうに言っているわけではありません。一人で歌う分には全然OKですし、距離を取って、離れて、マスクを着けていただければ、またずいぶん違うのかもしれません。そもそもそれでもちょっと私、結構リスク取っているなと思いますけれども。

記者)
 確認を含めてお伺いしますけれども、県として今回、緊急事態宣言の解除を踏まえて、新たな対応方針を示すということでよろしいんですよね。

知事)
 今確実なのは、21日で緊急事態宣言が解除された時点で、法律に基づくお願いというものではなくなるということであります。ただ、我々がお願いしていること自体はそのまま続くわけでございます。ずいぶん、少しずつバージョンを変えたり、上乗せしたりしましたので、どっかで一旦スッキリさせなきゃいけないだろうなとは思うんです。ただ、さわさりながら、結局のところお願いしている実態はほぼ変わりません。基礎、基本をしっかりやってね。先ほど申し上げました、どこに行くな、どこに行ったということがバレたら大変なことになるとか、そういうことを今の時点で申し上げるつもりはありません。とにかく注意してください、もうほぼその一点であります。

記者)
 ということは、今お願いの形で対応方針が示されていますけども、それを近く変えるというわけではないと。

知事)
 はい、変えるわけではありません、残っています。

記者)
 今の現行のお願いというのは、協力要請に近い形にしていると思うんです、文言を含めて。なので、もしも変えるのであれば、何か状況が変わったのか、何をどう変え、どういう状況を踏まえて変えるのかなとちょっと思ったんですけれども。

知事)
 そういうことで言えば、そもそも我々自身が厳しい状況にある時でも、例えば外出禁止ですとか、外出自粛という表現はそもそも使っておりませんでしたし、時短について要請をしたわけでもありません。とにかく気をつけてくださいということが、我々のお願いのベースでありました。首都圏ほどには、何ていうか自粛慣れみたいなことが起きなかった、非常に真面目で真摯な県民性に助けられて、効果が出てきたということでございます。私自身、GoToイートの再開を国にお願いして、3月8日からGoToイートが岡山県で再開をされたように、今私は、注意しながら経済も回すことができるフェーズだと考えています。ぜひ皆さま方も、例えば私自身、この場でも申し上げましたけれども、この厳しい時も含めて、家族での外食は意図的に継続をいたしておりまして、もう一切外に出ないとかそういうことではないんです。ぜひ気をつけながら、リスクの低い行動については、きちんと生活を楽しんでいただく、それが経済を回すことにも直結をしていますので、ぜひ気をつけながら、去年、一昨年されていたようなことを極力していただくということでございます。

記者)
 緊急事態宣言、21日に全面解除の方針となりましたけれども、全国的に変異株が増えてきていると思います。その点に関して今後の対策ですとか、どういった考えがあるのかというのも教えてください。

知事)
 変異株、大変私、危惧をいたしております。例えばイギリス型の場合、ざくっと1.7倍ぐらいうつりやすくなっているらしいという、これが本当に何というか、指数関数というか、1.7、ほぼ2ですから、そういうものを世代を重ねれば重ねるほど、在来種というか従来型のものを圧倒していきます。ですから、このイギリス型と言われているものが、つい数か月前までは、新たにできた少数のものだったものが、もうあれよあれよという間にイギリス内で、シェア、圧倒していった。これが世界中にも広がっていく。当然イギリス型だけじゃなくて、南アフリカ型ですとか、他のどういう形になるかわかりませんけども、基本的にうつりやすいものがシェアを広めていく。重症化しやすいものがシェアを広げることとこれまた別の話ですけれども、残念ながらイギリス型をはじめ、変異株の場合はうつりやすい上に、重症化もしやすい可能性が指摘をされています。岡山県のすぐ近くの県、もしくは大きな町で、かなりシェアが上がっているという報告も上がってきています、報道もされています。岡山県でも見つかっているわけでありますし、これから岡山県内においてもシェアが上がっていく可能性もある、非常にあるわけであります。もし今のままの低いシェアのままだったら、逆にちょっと普通はあり得ない、びっくりするということですから、シェアが上がっていくものと考えて対策をしなければいけない。高齢者の方にはより厳しくなってきますし、半年前にうまくいった対策が、そのうつりやすいウイルスに対しては効かないということも十分考えられますし、私ちょっと舌足らずだということで何度もご批判をいただいていますけれども、新型コロナウイルス、この1年間は子どもはうつりにくいということが現象としてありました。うつる人もいるんですけれども、大人と比べるとずいぶんうつりにくいということは統計的に事実であったわけでありますけれども、この数週間、子どももこれまでと比べると、ずいぶん、例えばお父さんがかかった場合に、子ども、10歳未満の子どもにうつっている例も、これまでより何か多いような気がいたします。私自身もしますし、そういう報告も出ています。ですから、そういう点で言えば、岡山県の医療非常事態宣言は2月10日に終わった、国の緊急事態宣言も3月21日に終わる、でも、変異株のことを考えると、また年度末のいろいろな移動のことを考えると、残念ながら我々、安心ということにはならないという、気を引き締めたまま、緊急事態宣言が一旦終わるというのが、私、正しい認識だろうと思っています。変異株について、国で5%から10%、スクリーニングをするということでありますけれども、岡山県の場合、方針として、ちょっと多めに拾うようにしています。ざくっと言えば、3割ぐらいをこれまで拾ってきましたけれども、これからもう少し広げていこうということにしています。3割ということは3分の1じゃないかということなんですけれども、例えば、クラスターに限らず、一人の人から四人に、複数人にうつりましたという時には、これは株が一緒なのは当たり前ですので、一人採ればそれでもわかります。ですから我々とすれば、基本的にサンプル数で割り算をすると3割なんですけれども、この集団、この集団、この集団で、サンプルを採らないものは基本的にないぐらいの、そこそこ網羅、これまでしていましたし、さらにきちんと網羅をしていきたいと思っています。

記者)
 22日で岡山県内で一番最初に患者が発生してから1年になりますが、この1年間、コロナ対応に当たってきた振り返りを知事からお伺いしたいので、よろしくお願いします。

知事)
 なんか長くなりそうなので、非常に短くしようと思います。本当にいろいろなことがあります。1年前はわからないことだらけの中で、海外の事例も参考にしながら対応をして、その当時は国の考え方を何度か批判したりもしたわけですけど、私から見るとずいぶん、専門家の方が一生懸命研究をし、対策を考え、試行錯誤をした結果、ずいぶんいろいろなやり方が整備されてきたと思っています。いろいろ細かいところでご批判はあるわけで、それは県に対しても国に対してもいろいろあるわけでありますけれども、事実として、1万人当たりの死者ということで言えば、アメリカ、ヨーロッパと比べても格段に低い。それがもう半分、10分の1どころではなくて、もう数十分の1、岡山県に至ってはある時点で100分の1ぐらいでしたけれども、そういうレベルで抑えることができているというのは、これはそれぞれの方が、専門家の方もしくは一般県民の方のそれぞれの方がやるべきことをきちんとやってくださった、その成果なんだと思っています。ただ、やはり常に一部、いやここでこんなリスク取るかという人がいたのも事実であります。そこは、もっともっと社会全体で意識を高めていかなければいけないなと思っています。もう一つだけ言えば、実際、軽症と言われている人、要するに、人工呼吸器エクモが付くと重症、それ以外は軽症ということなんですけれども、軽症でこんなに辛いのかという話、いろんな方がブログ等で言われています。もう死んだ方がマシなぐらい辛かった、重症の方はもっと辛く、人工呼吸器を喉に入れるとほとんど拷問みたいな状況がずっと起きている間続くわけでありまして、こんなに辛いんだったら絶対にリスク取らないというふうに言われている方のお話も記事で読んだことがありますし、今度は軽症、無症状で済んだ方、若い方に多いですけれども、そういう方でも治った後、3か月経っているのにいろんな症状で悩んでいる、ものすごい倦怠感があるんだとか、毛が薄くなってきているんだとか、いろいろな症状があって、先日岡大に後遺症の外来ができましたけれども、そういったことがございます。ぜひとも、とにかくこの新型コロナウイルスについては、感染せずにワクチンを打っていただいて抗体を作るというのが、一番ご本人にとっても周りの人にとっても、また医療を守るという点でも大事なことであります。ぜひこれからも、リスクを考えて行動していただきたいと思っています。最後に、特に医療従事者の方々、本当に体を張って頑張っていただきました。一部の方は、頑張っているのに誹謗中傷にさらされて、辛い思いをしながら、それでもこれが仕事なんだということで頑張っていただいた。そういった方々のおかげで、岡山県も死亡者を出してしまっていますけれども、このレベルで抑えることができていると思っています。医療従事者はじめ、もう懸命に努力された方に感謝を申し上げたいと思います。あらためて感謝申し上げます。

記者)
 先ほどの質問の中で、変異株のスクリーニング検査を広げていくということで、すでに国の基準に対して独自に広げているということですけども、これをさらに広げていくことの狙いと、知事としてはどれぐらいまで割合を増やしていきたいのかという計画の見通しがあればお願いします。

知事)
 私自身、国が最初に5%、10%の抽出検査をしたことについて、低いとかそう非難する意図はないんです。とにかくわかっていないのと、その抽出調査で傾向を知るというのはすごい違いがあります。今でも保健所が手一杯の時に、全数調査をやれと言ったらどれぐらいの負担になるかというのは、もうすぐわかります。ですから、国がそういうサンプル調査をしたのは、これもある種非常に正しい判断で、関東であれば今でもパンパンですから、なかなか難しい。我々ありがたいことに、ずいぶん感染が落ち着いて少し丁寧に検査ができる、そういう状況をうまく活用したいということもございました。我々もう手一杯になっていると、変異株だろうがなんだろうが、もうとにかくかかっているんだからということで、治療をするし、抑え込むというしかないわけですけれども、ある程度収まってくると、今度はその変異株がうつりやすいものかどうかということがより重要になってきますので、我々は我々として、ちょっとアンテナ高めに警戒をしている、そういうことでございます。特に変異株については、最初は東京だったかもしれませんけれども、今はちょっと関西が少し割合が高くなっているということを、我々大変警戒をしているところでございます。ただ、先ほど言いましたけれども、例えば家族の中で、お父さんがかかって、奥様、お子さんもかかっているのがわかっている時に、全員をやる理由は全くないと思っています。一人が変異株であれば、基本的に全員変異株ですので、我々レベルで言えば。もし感染研の方で確定というんだったら、やっていただければいいんですけれども、もうほぼ100%の変異株ですから、我々とすれば実務的に効率的に逃がさないようにしたいと思っています。

記者)
 3割をどれぐらい広げたいという目標とか、そういうものはあるのでしょうか。

知事)
 例えば、リンクが追えている状態である、もしくは一つひとつのクラスターというか固まりが大きい場合、それはあんまり嬉しくないわけですけども、そうなると実際、例えば全部三人ずつ発生するんだったら、三人に一人採って100%カバーしている状態になりますので、我々とすれば基本的にカバーをしていきたいというふうに考えています。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見