新型コロナウイルス感染症について
本日は、新型コロナウイルス感染症に関し、2項目お話をさせていただきます。
まず、県内の感染状況等についてであります。
感染者の増加が止まりません。直近1週間で事業所のクラスターが4件発生するなど、新規感染者は200人を超え、2週連続で倍増いたしております。医療関係者等によれば、感染拡大の一因となっている変異株は、従来株とは全く異なるウイルスではないかと感じるほど、感染力が強く、伝播しやすく、重症化しやすいと実感されているそうでございます。まさに、本県にも第4波が到来しており、全ての県民の皆様の力で感染者を減らさない限り、医療提供体制が近いうちに崩壊をいたします。
県内にウイルスを持ち込まない、持ち込んだとしても周りに広げない、この二つが重要です。県民の皆様は、まん延防止等重点措置が適用されている都府県との往来は控えていただくようお願いいたします。基本的な感染防止対策の徹底や、長時間、大人数での飲食の自粛についても、あらためてお願いをいたします。特に重症化リスクの高い高齢者の方は、地域で集まって行う会食やカラオケなどは自粛していただくようお願いいたします。また、周囲の方も、高齢者が感染しないよう細心の注意を払っていただくようお願いいたします。事業者の皆様には、あらためて食堂や従業員の寮なども含め自己点検を行っていただき、業種別ガイドラインなどに沿った感染防止対策の徹底をお願いいたします。
次に、今月下旬に予定しておりました県民限定宿泊クーポンの発行につきまして、県内の感染状況等を踏まえ、当面延期することといたします。
観光関係事業者の皆様への支援を早急に実施したいとの強い思いで事業化し、準備を進めていたものでありまして、私といたしても苦渋の決断でございます。1日も早く地域経済の回復を図ることができるよう、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大防止に全力で取り組んでまいります。
私からは、以上でございます。
質疑応答
記者)
先ほど第4波が到来という認識を示されましたけれども、そういった中で県としてのまん延防止措置の要請というのは、先週の段階では注視されているというお考えだったと思うんですけれども、何か変化はありましたでしょうか。
知事)
今の時点で国に申し出る予定はありませんけれども、ずいぶん近いところまで来ていると感じています。先ほど、今は第4波ということを申し上げました。去年の春が第1波、夏が第2波、それから秋冬が一番大きな第3波ということでありました。岡山県にとってはそれぞれが緊張感のある大きな波だったわけでありますけれども、1歩引いて全国の中での岡山の立ち位置ということを考えてみますと、まず東京で盛り上がって、それが大阪に伝播をし、大阪のものが岡山にということで、ワンクッションあったわけでありますけれども、この第4波について言えば、むしろ大阪が中心地になっているというような状況であります。これは変異株の要素が私は大変大きいと思っておりますけれども、これまでの波の東京が中心だった時に、東京にすぐ隣接している行き来の多い埼玉ですとか、千葉、神奈川はダイレクトに影響を受けますし、そこから隣接している北関東ですとか、そういったところもなかなか影響を免れなかった。今、岡山県、そういう状態だと思っています。大阪、兵庫が大変な状況になっている、また激しく燃え上がっている。大阪は1,000人超えたと言ってびっくりしましたけれども、翌日1,100人、その翌日が1,200人ということで、勢いが全く止まっていない。兵庫で500人なんていうのは聞いたことがない数字でありまして、その兵庫と我々は隣接をしています。東備地域では日常的に行き来があるわけでありますし、高速道路、新幹線でもう本当に簡単に行き来できる先に、変異株主体の日々500人レベルの新規感染者が出ている。それからすると、我々なんとかその10分の1以下で抑えられていますけれども、でもこの地理的な距離を考えれば、このままこのレベルで留まることができるとはとても思いません。ですから、今、今日、まん延防止等重点措置の申請をすることはないにしても、我々の行動次第、もしくはこれから挙がってくる数字次第によっては、我々が国にお願いをする可能性は十分にあるということであります。
記者)
医療提供体制の崩壊の危険性をおっしゃられたと思うんですけれども、また非常事態宣言のようなものを出されたりするようなお考えはありますでしょうか。
知事)
とにかく今、非常に怖い思いを持っています。ただ、何かあったらすぐ非常事態宣言だということになるとオオカミ少年になりますので、本当に厳しいときに、岡山県で言えば医療非常事態宣言ですとか、そういったものを出すわけであり、今この数字(直近1週間の岡山県の状況)だけ見れば、病床の2割強、それから重症用病床が1割弱、これをどう見るかということなんですけれども、これでこのままの水準でずっと行くのであれば回ります、なんとかなります。ただ、先ほどからも言っていますけれども、すぐ横で大変な事態が起きている、また、ここに至るまでの時間が非常に短かった、これは第4波に関して、例えば、1か月、2か月かけてここまで、ゆっくりゆっくり上ってきたというのであれば、まだ対応はやりやすいわけでありますけれども、先ほど申し上げました、この1週間当たりの感染者、50人を超えたというところから、その翌週100人を超えた、今回は200人を超えている。1週間ごとに倍々になっている。これは、これまでの岡山県のいろいろな波の中で、この立ち上がり方というのは、ここ(第3波)に匹敵するちょっと恐ろしいようなスピードであります。この要因を、私、変異株というファクター、非常に大きいと思っています。これまでだったら、一人持ち込むことはあったかもしれないけれども、そこでクラスターにはならなかったものが、べしゃっと簡単にクラスターになっている。今はまだ若者中心の感染ですので、実は療養者、大変増えています、ただ軽症だったり無症状だったりするので、アパホテルで回っているので病床占有率がそんなに上がっていませんけれども、これまでの波の典型的なパターン、どの県でもほぼ同じようなパターンですけれども、最初は若い人で広がって、そこから高齢者にも、もう確率のゲームですから広がっていく。高齢者にうつりだしたとたんに、ベッドがどんどん埋まっていく。また、それも重症者用のベッドが、それよりも早いスピードで埋まっていく。今大阪で起きていることですし、いずれ岡山でも起きるであろうことであります。この波の後半、波の後半というのは抑えたから波の後半なんですけれども、波がぐーと上がって数週間経ってくると、死者が報告をされるようになってくるということですから、波の最初のうちは数字は上がっているけど、病院はそんなひどいことになってないな、死者も報告されないなということなんですけれども、これはもう全部数週間遅れで必ず来るものですので、いかにこの波の最初の段階で我々がきちんと対応するかということなんだろうと思います。
記者)
先週の会見で、まん延防止等重点措置の要請に関しては、ステージ3が一つの目安だというふうにおっしゃったと思うんですけれども、その認識というのは今も変わりはないでしょうか。
知事)
ステージ3がだいたいの目安になるというのは国の指針でもありまして、元々、緊急事態宣言はステージ4になった時点で、これは何県が相当するかというのにもよるんですけれども、緊急事態宣言になってから慌ててうわーとやるよりも、その一歩手前で対応しよう、それも全国でやるんではなくて各県ごとに、各県であっても全県べたっというんじゃなくて、ずいぶん濃淡があるので地域を絞ってやろうということがまん延防止等重点措置、私は理解をいたしております。ですから、基本的にステージ3になるなという時点で、そのまん延防止についてお願いをするということですけれど、そのステージ3あたりであれば、そのちょっと手前であっても、ステージ3の判断自身も指標が五つも六つもある中で総合的な判断ですから、必ずリンクしなければいけないわけではないわけですけれども、だいたい目安とすればそういうことであります。今我々、それぞれを機械的に見ていれば非該当の方がずっと多いわけで、まだまだステージ2の中に入っているわけなんですけれども、これが例えば去年の夏であれば、この段階で今ほど大騒ぎしてなかったと思いますけれども、変異株の影響がありまして、ここからの事態の悪化が非常に速いことが危惧をされるということで、少し早めに厳しいトーンでお願いをしているということで、もしくはすぐお隣、例えば1年前の夏はお隣はここまでは燃えておりませんでしたので、遠いところで燃えているんじゃなくて、すぐお隣の兵庫、大阪が大変なことになっているということで、まだこの数字(直近1週間の岡山県の状況)だけ見ればステージ3にはちょっとありますけれども、ただそのちょっとが、この天井が急速に埋まっていく可能性があるということであります。ステージ3相当になるということになると、微妙なズレ、そのちょっと手前ということも含めてまん延防止についてはお願いをすることになります。
記者)
秋冬の第3波の時は、ステージ3への引き上げというのはだいぶ慎重にされたかと思うんですけれど、今回はできるだけ早く引き上げるというのはどういうことでしょうか。
知事)
これはもう本当に総合判断ですので、第3波の時は、まず岡山特有のクラスターが出ました、特に県北において10月後半、私の選挙の投票日の数日前あたりにわーと出たわけですけれども、それ自体は深刻だったわけでありますけれども、周りが燃えていたわけではなかったので、外から火の粉がどんどん入ってきて燃え盛る心配はあまりせずに済んだ。そこから岡山県自体もすーと下がっていって、今度はより典型的なパターンですけれども、東京が大変な事態になり、大阪が大変な事態になり、その波がぐーと岡山県に押し寄せる形で、年末年始の人の移動もあって大変なことになった、そういうことだったので、ああいうタイミング。ただ、緊急事態宣言よりは前に岡山県独自の医療非常事態宣言というものを12月21日に発令をさせていただきましたけれども、それぞれの時点で適切と思える判断をしてきたつもりです。どういうものを持って適切かと言うと、抑えるということだけで言えば、もう常に自粛してくださいということを言いたいです、もう気をつけてください、これは止めてください。ただ、その場合二つ問題点があって、必要以上に県民の皆さんの生活を抑えてしまう、経済をガタガタにしてしまうということ、もう一つは、本当はあんまり大して怖くないときに、大変ですよ、大変ですよ、大変ですよと言うと、オオカミ少年になってしまって、本当に大変な時に思いが伝わらないということで、ちょっと心配な時でもあまりギャーギャー言わないように私なりに努めているつもりなんですけれども、今はちょっとこれはギャーギャー言っておかないと、これは大変なことになる可能性があると思っています。
記者)
宿泊クーポンの延期についてなんですけれど、これについて延期を決断した理由についてもう少し詳しくお願いします。
知事)
私自身、第3波の時に、これはもう各県そうなんですけれども、いろいろなものを抑えざるを得なかった。観光関係の皆さん、飲食関係の皆さんを中心として、事業者の皆さん非常にご苦労をされているという報告は当然ながら定期的に受けておりますし、元々私、企業経営者出身ですから、元々の知り合い、友人の中にも関係する人がいて、しょうがないのかもしれないけれど本当に厳しいということは聞いておりました。ただ、もう心苦しいながらもやるべきことはやるしかないわけでありまして、ようやく感染が落ち着いたということで、第3波が最後の波になるとは限らないわけであって、できればワクチンがきちんと接種されて最後の波になればいいんですけれども、早く事業者支援しなきゃいけないということで、これまでにないぐらい、無茶はしないけどかなりの無理をして準備を進めてまいりました。そもそもその予算を通すにあたって、令和3年度の当初予算と同じタイミングで議会の最終日に提案をさせていただいて、令和3年度予算の補正予算を通していただくという、ちょっとこれまで岡山県議会でそんな議決やったことないよというふうに言われながらも、ご理解をいただいて進めてきたぐらいのスピードでやってきたわけなんですけれども、ただとにかく感染状況がこういう状況でありますので、これはもうやむを得ない。コメントで申し上げましたように、私にとっても苦渋の決断ということでございます。
記者)
ワクチン接種は今、数字的にどれぐらいまで進んでいるというのはあるんでしょうか。
知事)
ワクチンについては、高齢者へのワクチン接種が数日前に始まったわけでありますけれども、数からすると微々たるものでありまして、これは各県同じでありますけれども、今はとにかく、元々で言えば医療従事者の優先接種を粛々と進めているはずの時期でありまして、岡山県においては、まだ2割程度の医療従事者しか打つことができておりません。8万人強の医療従事者のざくっと2割ということであります。大半の人は1回目を打った、2回目を打った人もいるわけなんですけれども、そう多いわけではないということであります。本当言えば、もうとにかくまず医療従事者のワクチンを打って、それから高齢者、それから一般の県民ということにしたいわけですが、国からのワクチンの配付がそうなっている。
記者)
そうすると、医療従事者の2割が2回ワクチン接種を終えたと。
知事)
違います。1回でも打った人をカウントするとざくっと2割ということです。
記者)
そうすると、やっぱり知事がさっきおっしゃったように、もう明らかに感染が増えて、病床、医療提供体制も逼迫すると思うんですけれど、この医療提供体制については今412床を確保していて、もう明らかに逼迫すると思うんですけれど、これは何か手立てというのは今お考えですか。
知事)
まず質問に答える前に、昨日でしたっけ、二日前でしたっけ、「もぎたて」で非常にいい説明をしていただきましてありがとうございます。急には増やせないベッドを有効に活用するために、どういうことを今考えて実行しているかということを紹介していただきましてありがとうございました。とにかく我々自身、岡山県内にあるベッドはたくさんあるんですけれども、これは各県もそうなんですけれども、実際にあるベッドがみんな使えるわけではなくて、みんなは無理にしても3分の1か、4分の1ぐらい使えるだろうと言っても、とてもそんな状況ではありません。実際、コロナ用のベッドをいくつか、例えばそれが一つの病院にとって四つ確保しようかという時でも、かなりのベッドを潰して区画を作らなければいけない、もしくはコロナ患者が軽症と中等、また重症で全然違いますけれども、お医者さん、それから看護師さんが大量に必要になってくる、また訓練も必要になってくるということで、今その400を超えるレベルまで、コロナ用のベッドは確保しましたけれども、ここからじゃあ100、200増やせるかというと、もう事実上無理です。大阪がいろいろ苦労して、物理的に建物を建てるあたりまではお金を掛ければできるんだけれど、結局看護師さんが足りない。これは宮城県も同じであります。今、残念ながら人が足りない、専門家が足りないということで、事実上ベッドを増やすことができないという。第3波の時の教訓で、いかにその一つひとつのベッドを有効に使っていくかということが大事になってきます。当たり前ですけれども、病院に入院しなくても大丈夫な無症状の人、軽症の人については、ホテルで療養をしてもらう。岡山県の場合は極力自宅療養は使っていませんけれども、使わざるを得ない時は使いますけれども、ホテルについてもただ入ってもらうだけじゃなくて、ちゃんと看護師さんはいますし、岡山県独自の取組として、岡山大学病院に協力をしていただき、これも取材していただきましたけれども、オンラインで診療をしていただいて、これで重症化を早く見つけて対処した例も実際にありました。そういうホテルの部屋数は、病院のベッド数と比べると広げやすいものですから、ですからそっちの方は広げる。ただこれ、若い人中心であればいいんですけれども、これからもし高齢の方がどんどん発症をしていくと、ホテルでは収容できない、やはりベッドが必要だということになってきます。以前また問題になったのが、ベッドで治療してもらいました、もうほぼ軽快をしている、直っている、ただPCR検査2回という2回目で、まだウイルス(※言い間違い(ワクチン)の訂正)のかけらを拾ったりして陽性になる、もうほぼ感染力はないのは間違いないというふうにお医者さんは判断して、もしくはいろんな研究ではデータが出ているんだけれども、やっぱりなということでPCR検査の2回のハードル、もしくはPCR検査2回目も陰性だったとしても、いやあ患者だった人はなということで引き取ってくれないということで、そこに長く中等、重症(※言い間違い(重等)を訂正)病床を治った方が埋めているということが、岡山はそんなになかったと聞いていますけれども、いくつかの県で大変な問題になっていたということで、いかに引き取るか、これはもう説得なんですけれども、ずいぶん多くの病院がそこは納得をしていただきまして、必要のないところで滞留するという心配はゼロではありませんけれども、ずいぶん小さくなったと私は理解をしています。とにかくこの限られた資源をいかに有効に活用して、県民の皆さんを守るかということなんですけれども、とにかく感染をしてしまうと、全て後追いの守りの対応になりますので、いかにウイルスを持ち込まないか、それから周りに広げないか、もうそこが鍵だと思っています。
記者)
例えば、今はアパホテル確保されていますけれども、これをもう1か所ちょっと確保しておくとか、あるいはもう一つは、今知事おっしゃった、ワクチン、まだ接種が進んでないわけで、そうすると、例えば高齢者施設でクラスターが出た時に、もう思い切って病院には搬送しないとか、その何か具体的な手立てとして、何か今お考えのことはありますか。
知事)
鋭い。発想の手順はまさにそういう発想をしておりまして、今現在、次のホテルの準備をしているところであります。まだ発表できるような状態ではありませんけれども、私とすれば、十分余裕を持って2番目のホテルが開けるようにということでやっていたんです。ちょっとこの1週間ほどの感染者の伸びが非常に早いものですから、ちょっと今急がせている。これは、かなり余裕を持ってオープンできるはずが、ちょうどぴったりぐらいのオープンになるかもしれないということであります。あともう一つ、高齢者施設をいかに守るかということなんですけれども、とにかくそれは本当に、特に重症者用病床をいかに埋めないようにするか、死者を出さないようにするかという点で大変大事でありまして、そういう県多いですけれども、岡山県も高齢者用のワクチンをそれぞれに分けてしまって、はい勝手に打ってねということじゃなくて、それぞれの市町村とお話し合いをしまして、納得をいただいて、まず高齢者施設で打ってもらおうということで、岡山県では高齢者用のワクチンは、まずそれぞれの市町村の高齢者施設で打っていただいております。ワクチン、来るのが遅れていますけれども、その中でもベストの優先順位でやろうということですし、何か起きた時には、我々これまでもそうですけれども、とにかく和歌山方式で広め広めに検査をして、それも2回、3回検査をして、1回目陰性だった人が、2回目、3回目で陽性であることがわかるというケースが結構あります。それを見逃していたら、収まったはずのところでまたうわーと出てくるということがありますので、そういったクラスター対策もこれまで以上にしっかりやっていきたいと思っています。
記者)
ホテルについては、だいたいいつぐらいというふうに心づもりをしておけばいいですか。
知事)
もうちょっとかかるんですけれども、今調整をしていますけれども、とにかくホテルが埋まって病院に入らなくていい人が病院に入ることが極力ないようにしたいと思っています。あと、アパホテルについても、元々部屋数の中でずいぶん贅沢な使い方をしていましたけれども、今、より効率的な掃除の仕方ですとか、入れ替わりの仕方をして、以前よりはちょっとキャパシティが増しているので、何とかそこで回していきたいと思っています。
記者)
ホテルについては、今岡山市内にあるので、岡山市じゃないところで考えられているのでしょうか。
知事)
今、感染急増に対応して、どういうロケーション、どういう施設がいいのか、いろいろ検討をしています。
記者)
まん延防止に関しての言及あったかと思うんですけれども、指標を見ますと1ポイント(直近1週間が先週1週間より多い)だけで、感染経路不明割合、これ先週よりは改善しているかと思うんですけれども、重点措置を取るにあたって、アナウンス効果はもちろんあると思うんですけれども、飲食店への時短とかということがメインになる部分がどうしてもあって、県内状況を見ると、事業所クラスターが多い状況にあって、なかなかマッチングしない部分もあるんじゃないかなと思うのですが、その点、あるいはそこに至るまで別のオプションがあるのか、どのようにお考えでしょうか。
知事)
実は大変いいポイントを突いていただきました。飲食店が、例えば県外なり、どこかからウイルスを持ち込んだ人が、その友達ですとか周りの人に広げる場所になっているのは、これはもう間違いありません。マスクを外す、要するに食べたり飲もうとしたら、普通はその瞬間は少なくともマスク外しているわけですから、その時に喋ると非常にうつりやすいということで、飲食の場がターゲットになるのはこれからも変わらないと思うんですけれども、岡山県の第1波、第2波、第3波、また現在進行中の第4波の分析をしますと、実は保健福祉部内でも何度も言われるんですけれども、意外と飲食の場での感染は言うほど多くないよなというのが、データを見た我々の実感であります。例えば去年の夏は、飲食の場、特に2次会の接待の場でのクラスターが多発したわけであります。その時と比べると、それぞれの飲食店の皆さんが、もしくはそれぞれのお客さんの皆さんが、1年前、半年前と比べると、ずいぶん気をつけてくれるようになっているのかなと私どもは理解をしています。おっしゃられるとおり、事業所でのクラスターがずいぶん多いということですので、とにかく東京で起きていること、東京の都心部、郊外で起きていること、千葉、埼玉辺りの東京のベッドタウンで起きていること、それからまた北海道、沖縄のような観光地で起きていること、それぞれでまた状況が違ってきますので、対策も同じである必要はありません。岡山県にとって、必要な対策、生活経済に対する悪影響はできるだけ抑えながら効果の高いものを選ぶという時に、今の岡山の状況というのは飲食店の時短ありきではないというふうに思っています。ただ、飲食店の時短というのが国の感染防止対策の主要なメニューの一つであることはもう間違いないわけでありますので、我々それを外して考えているわけではないわけなんですけれども、飲食店をターゲットにした、特にその時短ということで、我々の感染がそれだけで抑えられるかというと、今の実績を見ると、それだけでは抑えられないということになります。いろいろな手段をうまく組み合わせる必要があると思っています。
記者)
一昨日の厚労省のアドバイザリーボードにおいて、京都大の西浦教授、8割おじさんが、大阪の重症化のこの割合が尋常ではない、今後さらに伸びるだろうという時に、明らかに中四国を念頭に、広域搬送も必要じゃないかということをおっしゃったということはもう報道に出ているんですけれども、実際中四国念頭にあるわけなんですけれども、これは率直にどのように受け止め、今病床、今後当然予断許さない状況ではあるんですけれども、実際具体化されるような状況があるわけでもないではないと思うんですけれども、そういう意見に関してはどのようにお考えなりますでしょうか。
知事)
これは去年の夏あたりから時々ここで質問を受け、私も申し上げてきたことですけれども、思い起こされるのが1年前のニューヨークがもう大変な状況になっている時に、クオモ州知事が、我々人工呼吸器が全く足りない、あの当時ニューヨークでは一つの人工呼吸器を二つに枝を分けて2人の患者で分けるという、日本では多分やったことはないような非常的な措置をやっていました。それなのに、近隣の州ではまだ感染がそこまで広まっていないこともあって、人工呼吸器が余っている、だからとにかく我々に人工呼吸器をくれじゃなくて、貸してくれ、我々の感染が収まったら、皆さん方の感染が盛り上がってきたら返すから、今貸してくれ、もしくは連邦政府に対して、連邦政府の備蓄を出してくれということを、私は当時毎日クオモ知事の記者会見を見ていましたけれども、実際に周りの州の動き、それから連邦政府の動き、非常に遅かったです。気持ちはわかります。貸して、自分たちが使いたい時に返ってくる保証は全くないわけでありまして、その時に自分たちの州民を見殺しにしたのかという、その批判はそれぞれの知事は非常につらいものがあるので、平時ならともかく、もうその1週間後、2週間後、自分たちの州民、その家族が人工呼吸器があれば助かったかもしれないのに、知事がいい顔をしてごそっと州外に持ち出しちゃったから救えなかった、これはさすがにできない、そういうことだったわけですけれども、ちょっとそれに近いような状況であります。ただ、その時に私が申し上げたのが、岡山県内であればその問題はほとんどない。例えば、岡山に住んでいる方がコロナで大変なことになりました、たまたま岡山の病院はいっぱいなんだけれども倉敷の病院は空きがあるという時に倉敷に搬送される、これはよくあることですけれども、それをもって倉敷の皆さんが抗議のデモをするだろうかということを考え、いやもうそういうことを言い出すと、例えば岡倉以外のちょっと北にある市町村の皆さんは、もう行くとこなくなっちゃうわけなんですよね。ですから、県内でそういう融通をすることはもうある種当たり前のようにみんな思っていますし、当たり前のようにやっているわけでありまして、ですから、元々の一体感がある、これはもうお互い様だよということが事前に了解されているのであれば、より効率的な使い方ができるわけでありまして、そういうことを鑑みて、中国地方、私が中国地方知事会の会長をしておりました時に、今2年の任期が切れて私会長ではありませんけれども、その時に私が呼びかけまして、中国地方については、いざという時に、とにかく自分の県民を守りたいという思いが非常に強いけれども、ある程度事前に合意を交わすことによって多少の融通ができるんじゃないかということで、協定を結んでおります。それに基づいて、例えば実際に広島県が大変厳しい状況になった時に、岡山県と鳥取県が検査の協力をしたですとか、もしくはその協定に基づいて、また別の機会に広島県で厳しい状況になった時に、妊婦の方のちょっと難しい出産について、岡山県で、具体的には倉敷の病院で出産のめんどうを見るということをさせていただいたという実例がございます。中国地方においては、ある程度の時間を掛けて、お互いの覚悟を試すというか、いざという時には融通し合おうねということを合意をしておりますけれども、他の地域とはそういう腹を割った、覚悟を持った話し合いというものはしておりませんので、ちょっとそのなかなか急に言われても、その時にどういう返事ができるかは今の時点ではわからないということであります。
記者)
療養者ホテルを検討しているということですけれども、それは県北でしょうか、県南でしょうか。
知事)
今は県南を中心に考えております。ただ具体的にどうなるか、まだ確定しているわけではありません。
記者)
以前は県北での設置も考えられているという答弁があったんですけれども、県北については、今現在、現時点で療養者ホテルの設置というのは考えているのでしょうか。
知事)
まず今一番心配をしているのが、アパホテルがあふれるという心配をしています。すぐにではありませんけれども、このペースで増えていったらそういうことがある。実際に新規の患者、それも重症になる可能性のある高齢者ではなくてホテルに収容できる感染者の発生は、県南がかなり比率としては高いということになりますので、合理的に考えると2棟目も県南ということになります。県北に作る場合は、県南で必要かどうかに関わらず、県北でそういう若い患者がこれから継続的に出てくるということが想定される場合には検討をしたいと思います。
記者)
変異株事例、今週219分の178ということで、これというのは、先週はちょっと数値が少し穏やかになったところでまた8割超えということなので、県内でも変異株事例というのが主流になったという認識なんでしょうか。
知事)
はい。
記者)
知事かねがねおっしゃられているように、本来であれば医療従事者が接種が終わって高齢者の順番じゃないかということで、医療従事者については県主導で、高齢者接種については自治体で岡山は共同接種も考えられていますけれども、この点において、一方で自治体の方でも医師でも接種が進んでないというような状況の中で、県としてその自治体に呼びかける、ないしは国に呼びかけて、接種の順番を医師の方に融通するとか、そういったことを進めていく考えというのはないんでしょうか。
知事)
それも一つだなと思っているわけなんですけれども、なかなか実現は難しいであろうと思って、それについてあまり大声を上げているわけではありません。国の受けているプレッシャー、それからそれぞれの市町村が住民の皆さんから受けている期待を考えると、最初に適切な決定をしていただけるとスムーズにいくんですけれども、一旦もうこういう決定をした後でそれを覆そうと思うと、いろんな方の反対を乗り越える必要がありますので、それにエネルギーをかけるよりは、国の決定の中でいかに合理的にやっていくか、具体的には、岡山県で言えば、とりあえず早いもの順の昔のコンサートのチケット合戦みたいなことじゃなくて、クラスター発生の可能性の高い高齢者施設から打っていくということであります。
記者)
昨日、鳥取県の平井知事が兵庫県との県境をまたぐ共同接種を一部自治体で実施するという表明をされて、厚労省としても県境をまたぐ接種というのは問題がないというご認識をされているんですけれども、両県に隣接する岡山県として、その共同接種に参加する、もしくは他の県をまたぐ自治体との共同接種というのを検討するというお考えはいかがでしょうか。
知事)
私、ニュースに接した時に、さすがいろんなことを考えられている、同じ中国5県ということで、井戸知事よりは平井知事の方が私お会いしてお話をする頻度が高いものですから、さすが平井知事だなというふうに思ったところであります。もうとにかくいろんな工夫ということが、ちょっとでもスムーズに接種を進めていくということでは大事でありまして、ただ岡山県の気持ちとすれば、ぜひ研究したいという気持ちはその話聞いてあるんですけれども、そのニュースを聞いた時に思ったのが、岡山県の場合、27市町村をリンクしていますので、これが例えば、鏡野町ですとか、津山市がそれぞれ単独の権限で接種しているのであれば、その鏡野町と津山市が鳥取県のそれぞれの隣接するところと話し合えばいいわけなんですけれども、岡山県全部がリンクしていますので、ちょっとその上でまた別のところとやりとりをすると、かえってその隣接している市町村が岡山県全体のシステムに組み込まなきゃいけないということがあるかもしれないので、ちょっとハードルは高いなというのが今感じているところであります。
記者)
現時点では県境をまたぐ共同接種というのは、岡山県としての仕組みがある中では難しいということでしょうか。
知事)
難しいんだろうなと思います。ただ、保健福祉部の中で研究をしてみて、知事はそう思ったかもしれないけども、実はこれ意外と簡単なんですよ、いいアイディアですねということであれば、私が拒む理由は全くございません。
記者)
難しいと思われているけれども、発展的な何か要素であったり考えというものが出てきたときには、まだ検討する余地はあるということでしょうか。
知事)
おっしゃるとおり。はい。とにかく思い込みというのはよくありませんので、いろんなことは考えてみたいと思っています。
記者)
この12日から高齢者の実際接種が始まりましたけれども、この状況は順調にいってるのかどうか。
知事)
そもそも(ワクチンの)来た量がわずかですので、それを打ってしまえば率とすれば順調ですし、どんなに順調にいったってわずかしか打ててないということには変わりがありません。あともう一つは、主体が市町村ですので、我々そんなに細かく把握しているわけではありません。
記者)
最終的に高齢者というのはどの段階で終わって、一般の普通の市民、県民の方に接種が回るのかというのはどのようにお考えでしょうか。
知事)
できるだけ早く接種を進めたいと思っているわけなんですけれども、そもそも来ないワクチンは打てないわけでありまして、高齢者に必要なワクチンが届くのが6月末までというふうに国の方から聞いているわけですので、4月、5月はワクチンが足りない、ワクチンが足りないという大合唱でしょうし、6月に入って特に6月後半は、もうなんかもう使い切れないぐらいのワクチンがうわーと届いて、さあどうやって効率的に打つかと言って大騒ぎをしているであろうということが目に浮かぶわけでありますけれども、岡山市は先日、かなり意欲的なタイミングで打ち終える目標を表明をされたということで、大変心強く思っているところでありますけれども、ぜひできるだけ早くスムーズに市町村が打っていただけるよう、県としても支援をしていきたいと思っています。
記者)
今のお話にもあったとおり、若い世代への接種がしばらく先になりそうだというところで、知事冒頭でも、一般論として若者の間で広がって高齢者へというお話されていましたけれども、直近クラスターも相まってかもしれませんけども、20代中心に若い人の新規感染者数が増えているようにも映るんですけれども、これまでの波に比べて、年代別の感染者の割合の推移というところ教えてもらえれば。
知事)
これは第4波に限ったことではないと思うんですけれども、第1波、第2波、第3波、それからそれぞれの県、ざくっと同じようなパターンを示していまして、最初は若い人を中心に広がっていきます。これは、行動範囲が広い、また接触が活発だということを反映しているのかなと思いますけれども、どこら辺あたりから、これは県によって違うんでしょうけれども、高齢者のグループにウイルス(※言い間違い(ワクチン)を訂正)が入っていく、たまたま不幸な組合せでそこでうわっとクラスターが出来たり、もしくはそこから連鎖したりすると、もう高齢者の比率がぐっと上がっていって、そういう方々がかなりの確率で入院をされ、また、そのうちの何割かが重症化をされていくという、そういうパターンをこれまでたどってきた。まず間違いなく第4波もそういう経過をたどるであろうということですので、いかに今の時点では若い人に自制をしていただくか、また高齢者にうつさないように高齢者に気をつけていただく、また、高齢者と接する可能性のある方、ご家族ですとか、施設で働いている人ですとか、そういった方にこれまで以上に気をつけていただくというのが非常に大事だと思っています。
記者)
その若い人に自制してもらうというところで、県からの呼びかけというか、例えば大阪の方では、変異株、若者への感染力も強いと言われていますけれども、大阪の方では部活動の自粛を呼びかけたりですとかしていると思います。岡山でも、これ大学でしたけれど、部活動でのクラスターが発生したりとか、そういった具体的な呼びかけ等を考えていらっしゃるのでしょうか。
知事)
とにかく状況に応じて、段階的に自粛のお願いをしている。この1年間ずっとそういうことであります。思いとすれば、私はもう部活動、特にリスクの高い身体的接触を伴うですとか、どうしても呼気がしぶきが出やすいようなタイプの活動をしている部活動は自粛してもらいたいというのが私の思いではありますけれども、今、県知事として、県内の学校に部活動自粛ということを伝える段階ではない、一歩ほど手前だなと思っています。ただ、もうとにかく変異株、これまでよりもうつりやすいということがありますし、あと1年経ってわかってきたのが、軽症、無症状で終わった人でも後遺症が結構あるということなんです。いろんなデータが出てきていますけれども、治ったはずの、治ってから1か月、2か月経っても、だるいですとか、つらいんですとか、体の不調が取れないという例が結構ありますし、日本の例で、4分の1の方が脱毛が出てくる、これは恐ろしいことですし、味覚がなくなってずっと治る兆しがないですとか、結構恐ろしいことが、インフルエンザでこんなこと聞いたことないよねというような後遺症が、1例、2例というんじゃなくて、2割、3割ぐらいの頻度で出てきている。やはりかかっちゃいけない病気なんだなと思っています。自分は大丈夫、でも高齢者のために我慢するというんじゃなくて、ご自身のためにも、あと数か月待てば、ワクチンが来てかなりかかりづらくなるわけですから、そんなワクチンが来るほんの数週間、数か月前にコロナにかかってしまって、その後の後遺症をびくびくしながら過ごすというのは本当に馬鹿馬鹿しいことだと思っています。マスクをきっちりやる、手を洗う、高いリスクのあることを控えるということでずいぶん可能性を減らせますので、気をつけていただきたいと思います。
司会)
それでは以上をもちまして、知事臨時記者会見を終了いたします。
知事)
ありがとうございました。